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『クロノス』ー 第ー話  作者: 泉あられ
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第四話ー暴走し始める魔力


風の中から出て来たのは、金髪の少女だった。


「ようやく見つけたわ、ミナ・ウォーリス。」

「…テレポート。」

「あら、今時の剣士さんにはこの魔法は珍しいかしら?」


という事は、向こうは魔導士か。


俺は剣を構える。


「剣士が何をしたって無駄よ。魔法に勝てる訳がないわ。」

「黙れ! ミナは渡さない! ミナの魔力でろくでもない事でもするんだろ!?」


金髪の少女は一歩俺たちのもとへ近づくと、


「大した事じゃないわ。ただの実験よ。」

「ふざけるな!」


カッと苛立った俺は、思わず突進したがー


「!?」


瞬時に宙を舞い、そのまま地面へと叩きつけられた。


「うぐっ…」

「ジオン!」

「俺に構うな、ミナ!」


ミナの悲痛な声が、俺を奮い立たせた。

…誓ったんだ。


「必ず…守ってみせる。」


あはは、という金髪の少女の笑い声が辺りに響き渡る。


「自己紹介が遅れたわね。私はシェス・アノイト。本当に魔法に勝てるとでも思っているの?」

「当然だ、必ず守ると決めたんだ。」


シェスは再び高らかに笑っていた。が、その口調はしっかりとしたものだった。


「都合のいい事ばかり言わないで頂戴。全てがいい方に向くとは限らないのよ。」


俺は再び宙を舞い、地面に叩きつけられた。


「けほっ…!」


ーーその瞬間だった。


「止めて…止めて! これ以上、ジオンを傷つけないでーーッ!」



辺りが眩しく光り、俺たちを包み込んでいく。


光を発したのはーミナだった。

シェスは目を光らせ、辺りの草原をあっという間に光で埋め尽くすその魔力に見惚れている。


「あれだわ…あの魔力よ。素晴らしい…、何としても絶対に手にいれてみせる。 」

「ミナ、落ち着け! 俺は平気だ!」


俺とシェスが同時に言葉を発する。

間違いない、魔力の暴走だ。


「…この魔力を必ず…っ」


一瞬だけ、あまりの眩しさにシェスに隙が出来た。

俺はその隙を見逃さなかった。


「はあぁッ!」


一気にシェスとの距離を詰め、すかさず剣で切りつける。


「!? しまっ…」


俺は隙を与えず、次の攻撃を繰り出した。

しかし流石に相手が相手だ。この攻撃は魔法によって防がれる。

危険だと察した俺は、素早く後退してミナの元へと近づく。


「ミナ、平気か! 俺がいるから安心しろ!」

「……ジオン……?」


ミナは涙を流し、ガタガタと震えながらしゃがみこんでいた。

それでも相手が俺だとわかると、少し安心したのか、暴走していた魔力の光は少しずつ小さなものになっていった。


「ヒール!」


シェスが回復魔法で傷を癒している。


「どう? こんな傷、簡単にーー」



2度目の竜巻が生じたのは、その時だった。



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