第三話ー”それ”
初心者が書いた駄文ですがよろしくお願いします。
「シェスさん! もう戻りましょうよ~」
水色の髪の少年が、おどおどしながら声を掛ける。
少女は振り向きもせず言葉を発した。
「さっきから五月蠅いわよ、ユスト。戻りたいなら1人で戻ればいいじゃない。」
「で、でも…。」
ーーここはもはやジャングルだ。
薄暗い中、虫やら何やらが蔓延っている。
戻ってみても、虫たちにオロオロしながら戻ることになるだろう。
ふと、シェスと呼ばれた金髪の少女が初めて振り返った。
「1人で帰れないなら我慢しなさい。」
ピシャリと言われ、ユストという少年は黙ってしまった。
暫くの沈黙。それを破ったのは、ユストの方だった。
「あの…シェスさん。」
「今度は何よ?」
少年は”それ”を口にした。
「……ミナ・ウォーリスを探すの、もうやめましょうよ。いくら兵の魔力を最大に出来たとしても、こんなの…ミナ・ウォーリスを束縛し、犠牲にするなんて間違ってます。」
シェスはキッとユストの方を睨み付ける。
怖じけずくユストに浴びせる言葉は一言、
「止めたいなら止めなさい。邪魔よ。」
ユストの応えはー
「…わかりました。やめさせて頂きます。」
その頃ー
「痛っ」
「平気か、ミナ。こんな所で転ぶなんてな。」
「もう、笑わないでよジオン~。」
俺は恥ずかしそうなミナに手を差し出し、ミナは手を取りながら立ち上がった。
俺たちはただひたすら西へと向かっていた。
追ってが来ないのが不思議な位い、ここは静かな所だった。
と、思っていた矢先ーー
ゴォオッ
竜巻のような風が俺たちの元へ近づいて来た。
「!? 追ってか!? ミナ、俺の背後に隠れろ!」
さっとジオンの後ろに隠れるミナ。
「…? 人の姿が見え…?」
そう、竜巻の中から出て来たのは、紛れもない人間だった。