初めての狩り&魔法
「ニャー ニャー ニャー」 (ラビットはあっちにゃ)
頭の上で子猫が話す。
俺は近くの森に来ていた。
「このあたりか?」
「ニャー ニャー ニャー」 (だにゃ)
「でも魔物か・・・強いのか?」
「ニャー ニャー ニャー」 (そこそこにゃ、でもあたしがいるから、もしもの時は任せるニャ)
(そうか、子猫は結構強いらしいからな。危険はないのかもしれない)
そんなことを思っていると・・・
ピョン ピョン
うさぎが現れた。
白い。
ホワイトラビットかもしれない。
(ってか、デカっ!!クマみたいなラビットだーー!!)
「おい、あれか?あのクマみたいなウサギか?ウサギってレベルじゃないぞ」
「ニャー ニャー ニャー」 (そうにゃ。あれがホワイトラビットにゃ)
2m程あるウサギが現れた。
足の筋肉とか、リアルで見るとちょっとグロイ。
ムキムキで物言わぬ迫力がある。
これが肉圧か・・・・
(って、観察してる場合じゃない。魔物と遭遇したから戦闘だ)
(まずは魔法を使ってみるか。確かステータスには炎魔法があったはず)
(でも、どうやって使うんだ?)
俺はとりあえず頭の中で炎をイメージし、飛ばしてみる。
「ファイヤーボール!」
ボワンッ ジュワー
隕石のような巨大な炎の塊が出て、ラビットは消し済みになった。
というか、地形ごと消えた。
あたり一体消失。
まるで隕石が落ちた跡だ。
「・・・・・・・・・・・・」
(あ、できた。ていうか、炎魔法LV55だっけ)
「ニャー ニャー ニャー」 (・・・・・)
子猫もだまっている。
「まぁ、こんな感じだろう」
俺がとりつくろうために一言言うと・・・
バシバシバシ。
頭の上で暴れる子猫。
俺の頭をひっかきまわす子猫。
「や、やめろっ。何するんだよ?」
「ニャー ニャー ニャー」 (どういうことにゃー、意味わかんなににゃ、素人じゃないにゃー?森が消えたニャ)
「いや、初めての魔法だよ」
(本当に初めてだ)
「ニャー ニャー ニャー」 (・・・嘘つくニャー。地形が消えたニャー。こんな初めてなんてないにゃー!)
(まぁ、そう思うのもしょうがないか)
俺自身も驚いている。
「でも、本当に初めてなんだ。まぁ、暫く皆には黙っておいてくれ。あまり強いと思われたくない」
「ニャー ニャー ニャー」 (よくわかんにゃいけど、分かったにゃ。チャーハンで手を打つニャ)
「了解」
こうして俺は、ホワイトラビットを狩っていった。
手加減しないと全て消えるので、炎の調整を頑張った。
そうしていると、徐々に最適の炎の塊を出せるようになった。
ビー弾程の炎の塊をぶつけると、良い感じにやけるのだ。
で。
狩ったホワイトラビットは、アイテムボックスに収納した。
アイテムボックスはLV3だが、かなりの量のラビットをいれることができだ。
ラビットは中々重く、1匹80kgはありそうだった。
なんで重さが分かったかというと、アイテムボックスにメモリがついているのだ。
一匹ラビットを入れうると、以下の数値が表示された。
アイテムボックス【現在の重量 80/10000kg】
もう一匹入れると。
アイテムボックス【現在の重量 160/10000kg】
どうやらこのアイテムボックス、容量が100000kg=10tあるようだ。
80kgの重さの有るラビットだが、俺はせっせとアイテムボックスに詰め込んだ。
あまり苦にならなかった。
レベル1の平均値が50の世界で、【筋力】が300あるからだろう。
で、最終的には、合計10匹いれたので・・・・
アイテムボックス【現在の重量 800/10000kg】
800kgのモノを袋に入れながら、アイテムボックス自体の重さは変化しない優れもの。
それに、袋も破けない。
俺はこのアイテムボックスという存在に驚嘆した。
多分、空間魔法的なもので、別の空間にモノを収納しているのか。
それとも重さを何か別のモノに変換しているのか。
まぁ、とにかく色々あるのだろう。
後で色々テストしてみるといいかもしれない。
―――俺は初めての狩りを終えたのだった