チャーハン
姫との謁見が終わると。
「じゃあ、ご飯にしましょう」ということで、俺はミカンと夕食を食べることになった。
「えへへへ、私の手作りです。炊き込みご飯ですよー。頑張っちゃいました」
ミカンが茶碗いっぱいの料理を持ってくる。
「おっ、うまそうだ」
「しいたけでつくったんです。ダシもとりましたー。すっごく大変だったんですから」
「どれどれ・・・・・」
俺がごはんを食べると・・・・
「お、おう」
(しょっぱかった)
「ど、どうでした?」
笑顔で聞いてくるミカン。
俺は美味しいといおうと思ったが、これから毎日このご飯を食べるのかもしれないのだ。
ここはちゃんと意見を行った方が良いだろう。
「美味しかった。でも少ししょっぱかったかな」
「そうですか。子猫用に塩をいれすぎたかもしれません」
「ニャーニャー」 (あたしも塩っ辛いにゃー)
「ニャーニャー」 (いつも塩っ辛いにゃー)
俺達の足元では、たくさんの子猫達がご飯を食べている。
俺たちと同じ物を。
しかし、猫たちにも不評のようだ。
(そういえば、俺には料理スキルがあったけ。確かステータスは・・・なんだっけ?)
(よし、ステータスをもう一度見てみるか)
(いでよ、ステータス!)
【名前】南雲スバル
【種族】人間 【年齢】17 【性別】男
【ジョブ】聖女
【レベル】1
【HP】400/400
【MP】60000/60000
【筋力】300
【魔力】110000
【丈夫さ】100
【魔法】
炎魔法LV55 土魔法LV20 回復魔法LV101
【固有魔法】
魔力自動回復LV101 異種間会話LV10 獣神使いLV1 付与魔法70
【スキル】
料理LV80 錬金術LV10 鑑定LV10 アイテムボックスLV3 ダンジョン召喚LV30 浄化LV101
【ギフト】
ステータス限界突破 スキル限界突破 魔法限界突破 固有魔法限界突破
可能性の身体 無限の進化
異世界会話 異世界文字 ネット通販
【称号】
異世界から召喚された者 黒薔薇の聖女 動物に愛されし者 神に愛されし者
【加護】
獣神の加護 創造神の加護 召喚神の加護 冒険の加護 ダンジョンの加護
(そうそう、料理LV80だ。これだけあれば大抵なんでもできるだろう)
ということで。
「ミカン、キッチンを貸してくれないか?」
「どうしたんです?」
「ちょっと料理してみるよ」
「分かりましたけど、いいんですか?」
「大丈夫、すぐすむから」
俺は料理場に向かった。
で、あまった食材でチャーハンを作った。
肉がないので、変わりにしいたけがメインの具だ。
「ほら、ミカン、どうだ?」
俺のチャーハンを食べたミカンは・・・
「うううううううー。なんですかこれ?おいしすぎます。おかしいです。どうなってるんですか?」
絶叫する。
すごく目を見開いていて、飛び出そうになっている。
「ミカン、どうしたんだ?」状態。
「えっ、それは、普通に料理しただけだけど」
「本当ですか。普通って・・・まさか料理スキル持ちですか?」
(スキルが関係あるのか・・・・)
「はははっ。まぁな」
これぐらいなら、ばらしてもいいだろう。
「聞いたことあります。料理スキルは、レベルが高くなればなるほど美味しい料理をだせると。
巧みな魔力操作で甘みを作り出すんです。こんなに美味しいもの、たべたことがありません」
「まったく、おおげさだなー」
パクッ
俺が自分の料理を食べると。
「な、なんじゃこりゃーーーー!!!!!」
ほほが解け落ちるかと思った。
それぐらい上手いのだ。
今までで食べたチャーハンで一番上手い。
体中から汗が出てきた。
(しいたけが口の中で解けたぞ。トロンって、トロンって (大事なことなので2回いいました))
普通に料理をつくっただけなのに、どうなってる?
「うううううう。美味しいです。生きててよかったです。この黒薔薇の宮殿、繁栄の始まりですっ!」
ミカンは泣きながらチャーハンを食べた。
だが、その気持ちも分かる。
(めっちゃうまい。すごくうまいのだ。よくわからないぐらい旨い)
俺もチャーハンを食べまくった。
まさか、飯をくって泣いて喜ぶとは・・・・
その後。
「ふぅー、満腹、満腹」
チャーハンを5杯も食べてしまった。
旨すぎたのだ。
「私もです。スバルに会えてよかったです。今日という日に感謝です。毎年スバル大感謝祭を開きます」
ミカンが俺に抱きついてくる。
ほほをすりよせてくる。
「こら、くっつくな。食後は暑い」
「えへへへ、すみません。ついうれしくて」
だが・・・・
「ニャー ニャー ニャー」
俺は既に大量の子猫にだきつかれていた。
子猫たちにもチャーハンをご馳走したのだ。
すると、皆ビックリするほどしっぽをルンルンに動かして食べていた。
しっぽがちぎれるんじゃないかと心配したほどだ。
「ニャー ニャー ニャー」 (スバルは神にゃー)
「ニャー ニャー ニャー」 (スバルの料理は世界一にゃー)
「ニャー ニャー ニャー」 (おなかいっぱいで眠いニャー)
「ニャー ニャー ニャー」 (これで、ミカンの料理から開放されるニャー)
子猫たちはご満悦だ。
それにウトウト顔。
そんな子猫たちをみていると、俺も眠たくなってくる。
「じゃあ、ねるか。ベッドはあるのか?」
「ありますよ、こっちです」
案内されたのは一室。
ベッドが4つある。
「じゃあ、寝ましょうか?」
「え?ミカンも同じ部屋」
「そうですよ。色々苦しくて、この部屋にしかベッドがないんです」
「そ、そうか」
「安心してください。お布団はよく干してますから」
(いや、ダニの心配をしたわけじゃなく、男女一緒に寝ることを危惧したんだけど・・)
「まぁ、いいか、ねむいし」
(ミカンには何も感じないし。それに悪魔だし)
「じゃあ、おやすみ。ミカン」
「おやすみです。スバル」
俺とミカンはベッドで寝たのだった。
こうして召喚一日目は終わった。