お茶会3
お茶を飲む。
(うーん。不思議な味だけど・・・)
(まろやかでスッキリする)
(多分、聖女の葉で作られたんだろうけど・・・)
(中々良いな)
俺がお茶を味わっていると・・・・
青薔薇の麗花が、こちらをチラチラみていることに気づいた。
ツインテールが揺れている。
なんだろう?と思ったので聞いてみることに。
「どうした?麗華」
「べ、べつに・・・・なんでもないわ」
「そうか・・・」
俺はお茶を飲む。
だが麗花がチラチラとこちらを見てくる。
で。
視線を追って気づいた。
麗花は俺の頭の上の猫、ミクを見ているようだ。
「麗花、ミクに触りたいのか?」
「べ、べつにそんなこと・・・でも、どうしてもっていうなら、触っても良いわよ」
(どうやら猫に触りたかったらしい。子猫の話にも反応していたしな)
猫のミクは寝ているようだが、一応きいてみる。
「ミク、麗花が触りたいって」
「ニャーニャーニャー」 (別にいいにゃー)
目を閉じながら話すミク。
寝言のようだ。
ちょっと起きてるのかも。
俺は頭の上からミクをとりあげ、麗花に近づく。
「ほら、麗花」
「え・・うん。頭を撫でれば良いの?」
「そうだな。このあたりを軽く撫でるといい」
「う、うん。やってみる」
ミクを撫でる麗花。
なんだか楽しそうだ。
ミクもほのぼのした顔をしている。
「あったかい。猫はいいわね~ヌクヌクで」
「そうだな」
暫くミクを撫でる麗花。
すると・・・
「あっ、肉球に黄薔薇の文様だっ」
(俺がさっき発見した奴だ)
「あぁ、ミクは右足の肉球にあるみたいなんだ」
「そうなんだ~」
チラッと俺を見る麗花。
その目は「あなたも文様見せなさいよ~」と無言のプレッシャーがあった。
俺は右腕の服を捲る。
「ほらっ、俺はここ、右腕だ」
「へぇー、スバルにしてはかっこいいじゃない」
俺の右腕、黒薔薇の文様をまじまじと見る麗花。
目がキラキラと輝いている。
「黒薔薇の文様っていいわね。やっぱり刻印は黒が良いのかも」
「うんうん」と頷いている。
「麗花のはどんなのなんだ?青いのか?」
「うん?私の見る?私のもとっても綺麗よ。ほらほら、これよ」
ドレスの胸元ちらっとめくる麗花。
胸の谷間、綺麗な白い肌がよく見える。
ドレスで分からなかったが、そこそこ胸は大きいようだ。
そこに青色の薔薇が描かれていた。
「お、おう・・・」
思わず声が出る。
で。
麗花は自分の胸を俺に見られていることに気づいたのか・・・
「あぁ、あ、あ、あ、あああああーーー!!!」
声にならない声をあげてから。
「キャーなにみてるのよーっ!、えっち、変態っ、ど変態っ!ウォターハンド!」
突然巨大な水の手が出てきて、バチっと俺は叩かれる。
「ぐおおおおおーーー!」
俺は部屋の端まで吹き飛ばされた。
(な、なんだっ!何が起こった!?)
【警告っ!警告っ!HPが半分以下にになりました。】
頭の中で声が響く。
(ま、まじか・・・)
すぐに俺はステータス確認する。
【名前】南雲スバル
【種族】人間 【年齢】17 【性別】男
【ジョブ】聖女
【レベル】1
【HP】190/400
【MP】60000/60000
【筋力】300
【魔力】110000
【丈夫さ】100
【魔法】
炎魔法LV55 土魔法LV21 回復魔法LV101
【固有魔法】
魔力自動回復LV101 異種間会話LV10 獣神使いLV1 付与魔法LV70
【スキル】
料理LV80 錬金術LV10 鑑定LV10 アイテムボックスLV3 ダンジョン召喚LV30 浄化LV101
【ギフト】
ステータス限界突破 スキル限界突破 魔法限界突破 固有魔法限界突破
可能性の身体 無限の進化
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【称号】
異世界から召喚された者 黒薔薇の聖女 動物に愛されし者 神に愛されし者
【加護】
獣神の加護 創造神の加護 召喚神の加護 冒険の加護 ダンジョンの加護
(お、おう・・・本当だ)
【HP】190/400になってる。
210もへってるぞ。
初めてここまでHPがへった。
(あの水の手、どんだけっ!)
(って、驚いている場合じゃない。すぐに回復魔法使わないと)
俺は即座に回復魔法を行使する。
フォーン。
【HP】190/400→ 【HP】400/400
よかった。
回復した。
俺は立ち上がって麗花の元へ。
「って、な、なにすんだよ麗花っ!あやうく死ぬところだった」
「もう、スバルがエッチなことするからでしょ」
「はぁ、自分で見せたんだろ」
「まったく、油断も隙もあったもんじゃないわ。まさかあんな狡猾な手口で見てくるなんて。あー、怖い怖い」
「麗花・・・いったい何を言ってるんだ・・・・」
俺が呆然としていると。
「それにスバル、聖女なら回復魔法は基本でしょ。大丈夫じゃない。みたとこ全快したんでしょ? 直ってないなら特別に私が直してあげるわよ」
「まぁそうだけど。って、え、そうなのか・・・皆回復魔法使い?」
(確かに御神も回復魔法を使っていたが・・・)
俺がメガネを見ると。
「あぁ、麗華さんのいっていることは正しいよ。聖女に癒しは必須。基本的にどの聖女も回復魔法が伝えるはずだ。一説によれば、薔薇、植物の回復力に起因しているらしい」
「ほーう。そうなんだ」
(なるほど)
「ほらね。だからスバルは私に感謝しなさい」
「え、なんで・・」
「なんでもよっ!」
フンっと鼻を鳴らす麗花。
トントン
扉を叩く音が響く。
「失礼するのじゃ、なにやら大きな音が聞こえたからのう」
賢者のお爺さんが入ってきた。
爺さんは部屋の中を見回すと・・・一部崩れている壁に目を留める。
俺がぶつかった壁だ。
「何でもありません」
麗花が答えるので・・・俺も。
「はい。まぁー、特に大丈夫です」
同じように答える。
その答えを受けたお爺さんは察したのか。
「そうかのう。では、ちょうど時間もきたのじゃ、お茶会はお開きにするかのう」
こうして、初めてのお茶会は終わったのだった。
どうも、赤ポストです。
短編に連載希望が有り、好評?であったため、連載を始めました。
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「【連載版】生産職の俺は彼女を寝取られたので、パーティーを抜けて自立することにした」
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