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お茶会2

 プイッと機嫌悪そうにする青薔薇の聖女。

 青薔薇の美少女が机を叩いたので、シーンとする室内。


 俺はメガネと顔を合わせる。


「なぁ、スバル、君が話しかけてくれ」


 小声でメガネが俺にいう。


「はぁー、なんで?御神、お前元からイケメンだろ。女には慣れているだろ」


(そうだよ。俺は同い年の美少女とは円滑に話した経験がないんだっ!元ブスデブってことで察しろ!)


 だがメガネは・・・


「スバル、僕は自慢じゃないが、ああいうタイプは苦手なんだ」


 メガネをくいっと直す御神。


「いや、誰だって苦手じゃないか。あの手は」

「かもな。はははっ」


 メガネが高笑いする。


「ちょっと、こそこそ話してないで、早くこっちに来なさいっ!やっぱりホモなの?そうなんでしょっ!絶対そうっ!」


 青薔薇の聖女が再び叫ぶ。

 キリッと睨んでくる。


「おいスバル、どうする?」


 再び俺に聞くメガネ。


(いや、俺に聞かれても・・)


(でも、聖女同士円滑なコミュニケーションは必要だろうからな)


「よし、御神。一緒に行こう」

「そ、そうだな」


 若干動揺するメガネ。


 俺は猫のミクを持って立ち上がる。

 するとミクは俺の頭の上に移動する。

 そしてこの件には関わらないことを決めたのか、さっと目を閉じて寝始めた。

 「スースースー」と寝息が聞こえる。



 俺と御神が青薔薇の聖女の傍に到着。


 プンスカ怒っている青薔薇の聖女。

 確かに見た目は綺麗でかわいい女の子だ。

 幼い系の顔に、ツインテールに結った髪が揺れている。

 青いドレスもよく似合っている。


 召喚の時も思ったが・・・かなりの美少女。

 年も俺たちと同じで・・・多分高校生だろう。

 学校一の美人だったんだと思う。

 だから、常にちやほやされてきたんだと。


 しかしなんだろう・・・・

 今は怒っているので、なんとも近寄りがたい雰囲気だ。


 メガネが俺の横腹をつつく。


「ほら、スバル、話しかけてくれよ。君の出番だ」


 小声で囁く。


(しょうがない)


「あの、こんにちは」

「こんにちは」


 青薔薇に挨拶を返された。


「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・」


 沈黙。


 そう。

 俺は美少女に対して免疫がない。

 なので会話が全く浮かばなかった。

 

 だが、とにかく何か話す。


「俺は南雲スバル。隣のメガネは御神だ。よろしくな」

「そう。私は秋ノ院麗花よ。よろしくね」


(おっ、なんだ。以外に普通に話せた)

 

 でもなんだろう。

 なんだか秋ノ院さんは刺々しい。


「その、秋ノ院さんは青薔薇の宮殿だったよね」

「そうよ。それと麗花でいいわ。私だけ苗字だったら仲間はずれみたいじゃない」


(名前呼びはドキドキするけど・・・)


(仕方ないか)


「分かった、麗花。そういえば、青薔薇の宮殿ってどこにあるんだ?」


 とりあえず思いついた疑問を聞いてみる。


「あなた達下の宮殿とは違って、王立区にあるのよ」

「王立区?」


 俺が聞き返すと・・・

 青薔薇は得意げに「ふんっ」と鼻を鳴らす。


「あなた達、そんなことも知らないの?いいわ。特別に私が教えてあげる。

 王城を中心として、地面が低いところにあるのが庶民区。王城より高い場所にあるのが王立区。わかった?」


「ほーう。そんな区分けが」


 ふむふむと納得する。

 というか、俺は隣にある黄薔薇の宮殿以外、他の宮殿の位置を知らなかった。

 メガネ宮殿の位置も知らない。


 麗花は俺を見る。


「スバル、あなた黒薔薇でしょ?」

「そうだけど」


 麗花は不思議な顔をする。


「黒薔薇は廃止されたってきいたわよ。本当に宮殿あるの?実在するの?」


(いや・・・まぁ、確かにボロボロで宮殿って感じじゃないけど・・・)


「一応あるよ。まぁ、住めば都だよ」


 誰かが言っていた言葉を引用する。

 実際屋敷はオンボロだが、ミカンと子猫達と澄むのは悪くない。


「そうっ。宮殿の皆は怪しがっていたけど、あなたがいるんだから、あるようね」

「まぁ、そうだな。暇なら今度見に来ると良いよ。子猫もたくさんいるし」


「子猫・・・・」


 一瞬顔がほころぶ麗花だが。


「いやっ。庶民区にはいかないわ。危ないって話だから。病気になるって」

「そんなにひどくはないと思うけど・・・」


 うん。

 疫病が流行っている様な雰囲気はない。

 子猫達も皆元気だ。


「いいの。いかない。それに本当は今日、赤薔薇と白薔薇の聖女に会いにきたのに・・・2人ともいないんだもん。どうなってるのよっ?」


 悔しそうに呟く彼女。

 確かに、召喚の儀式の際も、赤、白、青の代表者は別格の雰囲気を放っていた。

 現状の宮殿の格は上なのかもしれない。


「そういえば、他の3人はどうして欠席したんだろうな?」


 俺は何気なく呟くと、それまで黙っていたメガネが。


「多分、出席する必要がないから来なかったんだろう」

「?」


(えっ)


 メガネが俺の驚きに気づいたのか、説明を始める。


「スバル、賢者様もいっていただろ。今回のお茶会は聖女が各宮殿の薔薇に認められたか確認するためのもの。別に強制的に出席する必要があるわけじゃないんだ」


(確かにな・・・・爺さん言ってた)


「って、御神、お前しっていたのか?」

「あぁ」

 

 メガネが頷く。


「わ、私も、勿論しっていたわよ」


 フンっと呟く麗花。

 なんだか動きが怪しかった。

 本当は知らなかったのかもしれない。


 メガネは続ける。


「でも僕は、他の聖女に会っていた方が今後やりやすいと思ったんだけどね。どうやら他の3人はそう思わなかったのかもしれないけど」


(ほうほう。知らなかったのは俺と麗花だけっぽいな)


(というかうちの宮殿は聖女実績が少ないから、この手の情報が少ないのかも)


「わ、私も本当は来ない予定だったんだからね」


 念を押すように叫ぶ麗花。

 ツンっとする美少女。


(さっき白と赤と聖女に会いにきたといっていたが・・・麗花は負けず嫌いなのかもしれない)


「誰も疑っていないよ。麗花。でもじゃあ、なんで来たんだ?」


 俺が聞くと・・・


「それは・・・色々よ。察しなさいよ」


 プイッと顔を背けられた。


(まぁ、何か理由があるのだろう。というか、赤と白の聖女に会いにきたんだろう)



 トントン

 扉がノックされる。


「皆様、お茶をお運びしました」


 メイドが机の上にお茶を置いていく。

 各宮殿の葉でつくられたものだ。


 俺達はそれを飲んでまったりとした。

 なんとも不思議な味がして気分が落ち着いてきたのだ。



 ―――お茶会は続いていく


どうも、赤ポストです。


短編に連載希望が有り、好評?であったため、連載を始めました。

「【連載版】生産職の俺は彼女を寝取られたので、パーティーを抜けて自立することにした」

※ページ下部のリンクで飛べます。


宜しければ、ご覧ください。

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【2/5】続きのエッセイです↓
現代は恋人がいない人が多いですが…恋人はいた方がいい

 

【2/2】エッセイ短編です↓
恋人がいない人は、これをちょっと見て欲しい

 

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新連載です~ (数話で完結予定です)↓
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とまっていましたが、連載再開です~↓
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