表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/35

選ばれたと思ったら

一話、大幅に変更しています。

 ということで。

 俺たち現代人は現実を受け入れて、そして始まった選考会。


 俺たちは聖女育成組織、七つの宮殿に割り振られることになった。

 赤薔薇、白薔薇、青薔薇、黄薔薇、緑薔薇、紫薔薇、黒薔薇の7つの宮殿。

 各宮殿で過ごし、聖女としての素質を開花させていくらしい。


 (いや、俺は男だし、美少年やおっさんもいるけど、その点は誰もつっこまない)


 で、なんと指名式。

 イケメン貴族や、美しい令嬢が次々に俺たちを指名していくのだ。


 俺はそこはかとなく嫌な予感がした。

 どうみても、俺が最後の方に残ることが予想されたのだ。


 そして。

 初めに選ばれたのは、やはり美少女3人。

 彼女達は、白薔薇、赤薔薇、青薔薇に選ばれた。


 周りの人の反応を見るに、この3つの宮殿は格式が高そうだ。

 選んだ人の身なりは一際豪華で、気品が溢れていた。

 雰囲気や周りの人とのやりとりから、相当地位が高いのだろうと推測できた。


 で、次に選ばれたのが美少年。

 緑薔薇の宮殿に選ばれた。

 彼を選んだ人は、美しい女性の人だったが、美少年を熱の篭った目で見ていた。  

 あの目は、女性ファンがアイドルを見る目に似ていた。

 きっと一目ぼれ、もしくはかなり気に入ったのだろうことが分かった。

 ツバメ候補だろうか。


 で、その次に選ばれたのが、はげたおっさん。

 元イケメンっぽさはあるが、はげているのでアンバランスだった。

 おっさんは紫薔薇の宮殿に選ばれた。

 選んだ人もおっさんだった。

 おっさん同士気があったのかもしれない。


 でも、ちょっとショックだった。

 さすがにはげ親父よりも、若い高校生の俺が選ばれると思ったのだ。



 で、その次が俺の番かと緊張していると。


 優しそうで、胸の大きなお姉さんが俺の前にくる。

 俺を見つめている。


 俺はドキドキした。

 こんな美人に見つめられたことはなかった。


「私は、指名します。この子を」


 お姉さんが俺を指差す。

 天にも昇る気持ちだった。


(お、お姉さん、ちょっと、俺で良いの?)


 と思いつつ、俺は笑顔一杯、軽くスカしてみたが。


「ニャー」


 俺の腕から、猫が奪われた。


(えっ!)


「私はこの猫を選びます」


 お姉さんが告げる。

 俺は笑顔のまま固まった。


 お姉さんはそんな俺を見て、「ふふ」っと笑って去っていった。


 猫が選ばれたのは黄薔薇の宮殿だ。

 優しそうで胸の大きなお姉さんは、猫を抱きながら、大きな胸に抱き寄せ、「よしよし」と頭をなでながら歩いていく。

 ちょっとうらやましい。

 俺もあのお姉さんに選ばれたかった。

 大きな胸に抱かれて、「よしよし」と頭を撫でられたかった。


 で、落ち込んでる場合じゃない。


 次は俺の番だと思い、ドキドキする。 

 どんな人に選ばれるんだろうと。


「では、次に指名する者は?」


「・・・・・・・・・」


(あれ?誰もいない?)


 シーンと辺りが静まり返る。


(どういうこと?あのー、まだ自分が残っているんですが?)


「誰もおらぬのか?」


「・・・・・・・・・・・」


 魔法使いのお爺さんが困ったように皆を見回す。

 「やれやれ」っと残念そうに俺を見る。


(ん、なんだ?俺が悪いのか?そっちが勝手に召喚したんだろうが、ゴラアアアアアア!!!!)



「仕方ない。ではこの者は暫くフリーということで、どこかの屋敷に隔離して・・・・「ちょ、ちょっと待ってください!」


 爺さんの声をさえぎる声。

 人ごみの中から、頼りなさそうで、ちっこい女の子 (小中学生?)っぽい子が、オドオドしながら前に出てきた。

 魔女っぽい黒い格好をしている。

 現代でいうと、ハロウィンのコスプレをした小学生にしか見えない。


「どうしたのじゃ?」


「あの、その・・・賢者様。わ、私・・・あまりこういうところにきたくないんです・・泣きそうです」


(じゃあ、来ない方がいいだろう。何しにきたんだ?)


「お主、何しにきたのじゃ?」


 爺さんも俺と同じ事を思ったようだ。


「その・・・私たちの黒薔薇が・・・指名しまちゅ」


(あっ、大事なところで噛んだぞ・・・この子)


 「あちゃー」「あそこ、今日来てたんだ」「まだ残ってたんだ」「廃止でいいのにね」等々。

 失笑や悪口?がこだまする中、俺は黒薔薇の宮殿に選ばれたのだった。


 女の子はトタトタと俺の前まで来て、ペコリと挨拶すると。

 かぶっている帽子が地面に落ちた。


 「あわわわー」っと慌てて帽子を拾う女の子。

 帽子が取れて露になった彼女の頭には、小さな角が生えていた。


(角?人ではないのかもしれない)


 再び女の子は俺を見る。

 恥ずかしそうに顔を赤らめ、もじもじする。


「あ、あの・・・・ちょりっす」

「お、おう・・・ちょりっす」


 何故か陽気?な挨拶をされた。


「その・・・なんでしょう、えへへへ」

「・・・・・」


 苦笑いする女の子。


(こっちが何でしょうと聞きたい)


「よ、よろしくです」

「あぁ、よろしく」


 とりあえず挨拶を交わす。


「あの・・・その・・・わたしは悪魔族のミカンです、これから・・・宜しくです」

「え、うん、はい」


 こうして俺は、黒薔薇の宮殿に選ばれたのだった。


 最低最悪と呼ばれた宮殿に、聖女として選ばれたのだった。




※黒薔薇族・・・・・ふふふっ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拍手ボタン設置中。なろうユーザーでなくても、一言感想を送ることができます。

 

【2/5】続きのエッセイです↓
現代は恋人がいない人が多いですが…恋人はいた方がいい

 

【2/2】エッセイ短編です↓
恋人がいない人は、これをちょっと見て欲しい

 

【1/6】短編が好評?だったので、連載開始です↓
【連載版】生産職の俺は彼女を寝取られたので、パーティーを抜けて自立することにした

 

新連載です~ (数話で完結予定です)↓
3日後、婚約破棄されます。

 

同時連載中です↓(タイトルあれですが、実は少年漫画っぽい話です)
妊娠した私を婚約破棄するって、気は確かですか?【ヒグマ格闘編(石狩鍋) 】

 

とまっていましたが、連載再開です~↓
チートスキル「美容整形」持ちの俺は、目立ちたくないのにハーレムに
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ