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未読少女  作者: 青戸透
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初投稿となります

拙い文章、未熟な表現力ですが何卒よろしくお願いします。

昔から僕は、他の人間が違う生物に見えて仕方がない。

考えていることがわからないからね。

他人のものさしもわからないし、言葉も思った通りに伝わらないことも多い。

ひねくれている、と言われてしまえばその通りなんだけど、とにかく僕は他の人間が違う生物に見えたし、何より苦手だった。

それでも頭の中ではちゃんと同じ生き物だってわかってはいるんだけどね。

こんなことを考えてるから人付き合いはやっぱり不得意で、ひねくれていて世の中のこともあんまり好きじゃなかった。


まだ学生の僕は平日は学校に通っている。

僕にとって学校は違う生物の集まる場所、そして精神的にも最も疲れる場所の1つで学校に行っている時間は常に警戒心が働いていた。

話しかけられたり、袖が触れ合うようなことがあれば睨むように見てしまう。

それでもなんとか学校で浮いた存在にならないよう努力をして、みんな認識は根暗で変わったやつ程度に留まっていた。


2年生になってからすぐのある日、学校の廊下で女の子に話しかけられた。

いつも通りの悪い目つきで振り返ってみると、少し乱れ気味の長い髪と顔の大きさと合ってない大きな眼鏡をかけた女の子がニコニコしながら立っていた。

反射的に鋭い目で見てしまうことを日頃少し申し訳なく思っている僕は少し柔らかめに「何か用事?」と聞くと、女の子は少し笑みの表情を変えて「君、図書委員だったよね?」と聞き返してきた。

つい先日、クラスの役員決めの時余っていた図書委員の役職を強引に押し付けられたのをまだ不満に思っていた僕は不貞腐れ気味に「そうだけど…」と答えた。すると、女の子はまたしても笑みの表情を変えて気さくに笑いながら「図書委員長の川上です。この間、委員会こなかったでしょ?色々と会議の情報の伝達ミスがあって来れない人が多くてさ、配るはずだったプリント配って回ってるんだ。」と川上さんは言った。

僕はすぐにプリントを受け取り一言お礼を行ってこの場を去ることにした。

そろそろ僕の精神力が限界だった。

「ありがとう。」と言って足早に去っている僕の背に川上さんは「今週の木曜の放課後に図書室で図書委員の会議やるからちゃんと参加してねー」と言って僕とは反対側の方へ駆けて行った。

正直に言うと行きたくなかったけど、図書委員の肩書きがある以上参加する他なさそうだった。


会議当日の放課後、ため息をつきながら図書室に行ってみると会議の流れを大まかに記したホワイトボードに三役決めと大きく書いてあった。

長引きそうだなぁともう一度ため息をついてから適当な椅子に座るとどうやら僕が最後の1人だったようで会議がすぐに始まった。

会議は始めに図書委員の仕事について簡単に説明をされた後三役決めという流れだった。

やる気のない僕は会議の内容を半分聞き流しながらスマホをいじっていると気付いたら副委員長以外決まっていた。

なかなか立候補者が出てこないようで、埒があかないことを悟った川上さんが「なかなか決まらないのでクジで決めたいと思いまーす。」と提案してきた。

皆とりあえずで賛成して、クジ引きで決めることになった。

まあ、まず自分には当たらないだろうと考えていた僕が甘かった。

結果を言うと当たりという名の外れクジを引いたのは僕だった。

外れを引いたのが僕だとわかると川上さんはニヤニヤと笑いながら「君かー、よろしく、副委員長。」といって無理矢理に握手をしてきた。

なるべく顔に出ないようにしていたんだけどどうやら僕が嫌がっているのを感じ取られたらしくさらにニヤニヤして手をぶんぶん振ってきた。

腕がもげそうなくらいされて余計嫌だった。

それから思い出したかのように「自己紹介して。」と言ってきたので「2年の佐倉です。よろしくお願いします。」となるべくそっけなく自己紹介した。

川上さんは「そっけないなー。」と言いつつ満足したようにパチパチと拍手をしていた。


副委員長が僕と決まってからすぐに会議は終了した。

さっさと帰ってしまおうと思って図書室を出るところを川上さんにつかまって副委員長の仕事について説明された。

「通常の図書委員の仕事に加えて、私の補佐、それと私と一緒に生徒会活動にも参加してもらいます。拒否権はありません。」とのことだった。

何か言い訳してサボることもできなさそうで、なるほど、本当にこれは外れクジだなぁと思っていたら川上さんが「佐倉くんは当たりクジをひいたねぇ…」と茶化してきた。

やかましい、と思っていると川上さんは急に姿勢を正して「改めまして、図書委員長の川上 楓です。同じ2年生です。私のことは委員長と呼ぶように。」と言ってきた。

「委員長って呼ばれたいの?」と僕が聞くと川上さんは「かっこよくない?」と返してきた。

僕は先が思いやられながら不安しか感じない川上さん、もとい委員長に「佐倉 (たすく)です。よろしく、委員長。」と一応こちらも改めて自己紹介しておいた。

すると委員長は満足そうにうんうんと頷いて「よろしく、副委員長くん。」と少しふんぞり返って言ってきたので、このまま委員長にペースを渡しておくと後々大変なことになりそうだったのと、委員長のペースに乗せられていたのが少し気に食わなかったので「やっぱり川上でいいや。バイバイ川上、僕はもう帰る。」と少し反撃をして帰路に着いた。

川上は「委員長だよー!」と叫んでいたけど気にしないことにした。

僕の精神はとっくに限界を過ぎていた。



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