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第7話 龍王丸との出会い

そして、北条早雲と、西陣たち供の者は、今川家の屋敷に招かれる。


ギギギギギギーッ!


屋敷の門が開く。そして屋敷の中に入る。


今川家は足利将軍家とも親戚であり、この戦国乱世においても、確固たる地位を維持していた。


そして、この屋敷の、謁見の間には、龍王丸と、生母の北川殿がいた。

「おお!2人とも達者か?」

まずは早雲が声をかける。続いて、西陣経康も、まずは初対面ということで、自己紹介をすることになった。

「初めまして、と申してよいのか…。

拙者は、西陣経康と申す者にございます。

以後、お見知りおきを。」

とりあえず、初対面のあいさつにはなっただろう。

北川殿も、こころよく対応してくれた。

「まあまあ、遠路はるばるお越しとは…。

兄上の世話になっておると、聞き及びましたぞ。

何もないところですが、さぞかし、腹もすいておられることでしょうから。」

北川殿は侍女たちに飯を持ってこさせた。

すると、見たこともないような、大盛りのご飯が、持ってこられた。

そのご飯は、玄米のご飯に、麦や、いもなどが、入っているご飯だった。

それと、味噌汁(みそしる)と、焼魚は定番だ。

味噌汁(みそしる)の具は、野菜の切れはしと、豆腐(とうふ)が入っていた。

ここに来て、豆腐(とうふ)入りの味噌汁(みそしる)を飲めるとは…。


「いただきまーす!」


西陣はさっそく飯にかぶりつく。ここに来るまでの間、よほど腹が減っていたのか…。


「ごちそうさまー!

ふう、お腹いっぱいだ、ごちそうさまー!」

飯を食い終わると、早雲が、何やら北川殿と、つもる話をしたいということで、

「ちょっと、悪いが、そなたは、龍王丸と、遊んでてくれないか。」

そう言われて、西陣は、龍王丸と何かして遊ぶことになったが、正直な話、遊び道具も、あまりないような時代だった。

それでもまあ、暇潰しもかねて、適当に体を動かしたりとかしながら、遊び相手になった西陣だった。

一方で、早雲と、北川殿は、久々につもる話で、盛り上がっていた。

戦いの中で生きる早雲にとっては、たあいのない話で盛り上がるのは、本当に久々のことだった。


その後、皆で、歴代の今川家の当主の菩提を弔うために建てられた、墓所にある供養塔へと向かい、いわゆる墓参りをした。

そこには龍王丸の父である、今川義忠も眠っている。歴代の今川家当主と同様に、ここにまつられたのだった…。

そしてさらに、父の代から成し遂げられていなかった、遠江攻略を、龍王丸の代で実現させよう、という話も、持ち上がったのだった…。

「遠江はまだ、今川宗家の領地ではなかったのか?」

西陣経康は聞いてみた。

「さよう、駿河と遠江は、別々になり、相争ってきた。

この2つの国を、1つにまとめ、今川宗家が統治することは、今川宗家にとっての、長年の悲願だ。

その長年の悲願を、今こそ、龍王丸様の代にて、実現させたいと、北川殿も、願っているのだ。」

なんだかよくわからない話だと思ったが、こっちはこっちで、話があった。

「あのー。早雲様。実はこちらも、話があるんですね…。」

「何だ?」

「あのー、今までこの旅に同行してきたのに、申し訳ないとは思っているのですが、拙者は、何か商売をしたいと思いまして…。

いわば、商人(あきんど)のようなことを、したいと思いまして…。」

商人(あきんど)じゃと…?」

「このような戦乱の世になりますと、なかなか必要な物資も、手に入りにくくなると思うんですよ。

それにね、今の世は、戦乱の世。平穏な時代であれば、はっきりとした、身分制度も確立していて、その身分に生まれたら一生その身分、みたいなところがあると思うんですが、

この戦乱の世は、たとえば、百姓から侍になるのも、侍から商人になるのも、全て、おのれの力量次第、ということになると思ったから…。」

「なるほど…、そうなのか…。それならば、考えてやってもよいが…。」

早雲にも一応の合意を得た、西陣経康だったが、正直な話、早雲としては、侍として、軍勢の戦力として貢献してほしい、と考えていたようだったが…。



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