今川家の跡目争いも気がかりだが、その時告げられたのは、東国・関東に進出する計画…!
店の商売も順調。この店で稼いだ資金を、今後の戦の軍資金にしようかと考えていた。
店の商売をやっているうちに、もしかしたら、ここでしか手に入らないような、レアアイテムとか、手に入らないかなと、考え始めていた。
そんなある日、とある客が、大量の武器と、鎧兜を持って、西陣経康の店を訪れていた。身なりは、いかにもみすぼらしい感じの、年の頃は40歳過ぎといった感じだった。
「ここは武器の店かね?」
「はい、いちおう武器も取り扱っておりますが、本業は何でも取り扱う、なんでも屋です。」
「実はこれらの武器防具を、引き取ってもらいたい。」
突然そんなことを言われて、初めは戸惑っていた西陣だったが、
「わかりました。引き取ります。ですがその前に、金子をお持ちいたします。」
そう言うと、西陣は奥の部屋に入り、手持ちのスマホで、コマンド入力用画面を開く。
このコマンド入力用画面を使えば、今後の展開が有利になるようなコマンドを入力して、いろんな効果が得られるということらしい。
「えーっと、こういう時は、タンマリまるもうけと入力して…。」
すると、本当にタンマリまるもうけしたようで、この大量の武器防具を購入できるだけの、金子を入手することに成功した。
西陣はさっそくその金子を持っていく。すると、その40歳過ぎの男は、
「いや、すごいですね!いったいどうやって、そんな大金を入手したのでございますか?」
西陣はわけを話そうかと思ったが、さすがに文明の利器、スマホのコマンド入力を利用したなどとはとても言えないだろう。
「実は、これこれこういうわけで…。」
適当にごまかして、どうにか、この大量の武器防具を入手した。
「なるほど…。鍛えれば十分使えそうだな…。
刀、長槍、なぎなた、それから、弓矢もある。
矢は、鋼鉄の矢だぞ。しかしあのおっさん、いったいなんだって、こんな大量の武器防具を、わざわざうちの店に売りにきたんだ…?謎だ…。」
これだけ大量の武器防具を入手したとなれば、これを店で売りさばくのか?いやいや、これは実は、西陣が自ら兵隊を金で雇って、部隊編成をした時のために、その兵隊たちの装備として支給するために、あえてとっておく、ということらしい。
そうこうしているうちに、すっかり日も暮れ、西陣は今日はもう店じまいにして、店から屋敷への帰路を歩んでいた。
ところがそこに、怪しげな浪人者の一団が現れる。
「へっへっへ…。お前、西陣経康だな。」
この浪人者たちは物盗りか?と思ったら、どうやら龍王丸と関係があるらしい。
「龍王丸様がこのまま家督を継ぐことに、反対の者もいるってことだ。」
「かかれ!やっちまえ!」
浪人者たちは刀をぬき、西陣経康に斬りかかってきた。
当然、西陣もそれに応戦。みねうちにして、浪人者たちと刀を交える。
カキン!キン!カキン!
バシッ!ビシッ!バシッ!
「ぐううっ…!」
そこに、仲間の侍たちが駆けつけてくる。
「おい!お前たち!何をしている!」
「西陣に助太刀しろ!」
「龍王丸様に仇なす者どもだな、許せん!」
敵の浪人者たちはとたんに分が悪くなったと悟るや、刀を鞘におさめ、引き上げていった。
「引けーっ!」
西陣1人では、いくらなんでも無茶だったろう。やれやれ助かった…。
「いやー。ありがたや、ありがたや。」
「いやいや、大事なくてよかった。しかし、それにしても、あの浪人者たちの雇い主というのは、いったい何者なのか…。」
雇い主というのが何者なのかはまだわからなかった。しかしその夜、家臣の侍たちが一同に会し、そして北条早雲から、あることが告げられた。
「これより我らは、東国、関東に向かい、我らの国をつくる!
まず目指す先は、伊豆だ!伊豆を手に入れたら、次は相模だ!
まずは手始めに伊豆、相模に進軍し、それに続いて、武蔵の国に進軍し、やはり手中におさめる。
そして、いずれは関東、東国の全てを、この北条早雲のものにしてみせようぞ!」
「オオオオオーッ!」
野太い歓声が上がる。家臣一同、歓声を上げていたが、正直な話、さすがにこれは、むさ苦しいとも思った…。
とにもかくにも、今のところは、引き続き商売をやって、軍資金稼ぎ、装備品の調達、それから、レアアイテムの入手といったところで、貢献しようと考えていた、西陣経康であった…。




