第三話
「お邪魔しまーす」
店内には手前に赤い机と椅子、奥に厨房があり、そこに一人の女性がいた。
「すいません、今日の営業は終わったんです、ってマリーナ!今日は休みだったろ」
「いや店長、今日は紹介したい人がいて、こちらイオリさん」
「初めまして、イオリです」
「おお、そんなイケメン連れて来て、なんだい、結婚の報告か
い?」
「しませんよ、まだ」
とマリーナさんが否定した。
声のボリュームがだんだん小さくなっていったが、最後まで聞こえていた。
「まだ?」
店長が憎たらしい顔で聞き返した。
「そこは、、、イオリさん次第です」
「え、俺?」
「あんた、イオリっていうの、マリーナのこと幸せにしてやってくれ」
「あ、はい」
「そんな話がしたかったんじゃないんですよ、店長この前魔力持ってる人を雇いたいって言ってましたよね、イオリさん、魔力持ってるんです」
「イオリ、魔力持ってるのか?」
「はい、持ってます」
「そうか、この前な、知り合いに魔力で電気を作る道具をもらってな、これを使えば電気代が浮くから、それで魔力を持ってるやつを探してたんだよ」
「わかりました、やらせてください」
「ありがとう、今からその道具持ってくるから」
と言って厨房の方に戻っていった。
店長は戻ってきたが何か持ってきた様子はなかった。
でも、右の手を開くと。
「これだ」
紫の宝石が付いた指輪だった。
「これを利き手の中指に付けて店の中にいるだけでいい」
俺にとっては右の手の中指に付けるということだ。
「仕込みとかもあるけど、その時間も来てもらうってなると大変だからな、この店は昼の営業しかしてないんだけど、その時間に来てほしい、早速明日から頼んでもいいか?」
「わかりました」
「よし、私は店長のメランダだ、よろしく」
「よろしくお願いします」
こうしてメランダさんの店で、なによりマリーナさんの働いている店でバイトすることになった
ちょっと変わったバイトだけど、明日から頑張ろう!
つたない文ですが、ここまで読んでいただきありがとうございます。
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