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第ニ話

「すいません、俺の聞き間違いじゃなければ、付き合ってと聞こえたんですが、いや、そんなわけないですよね、ハハ、すいません、なんでもないです」


「言いましたよ」


 恥ずかしそうに俯きながら言った。


「へ?」


「私、言いました」


「えと、あ、あの、一ヶ月、一ヶ月の間考えさせてもらえませんか」


 正直こんなかわいい子とすぐにでも付き合いたいという気持ちもあるけど、この世界について知らないことが多すぎる。

 まず知ることから始めよう。

 この世界のことも、マリーナさんのことも。


「はい、もちろん」



         ・・・・・・・・・・・・



 次の日、体調もよくなったので、マリーナさんに町を案内してもらうことになった。

 それと、この世界のことについて聞くのに都合がいいから、俺は記憶をなくしたってことにしたんだ。

 マリーナさん、最初は驚いてたけど、すぐに落ち着いて 「私が教えてあげます」 と言ってくれて今に至る。


「右にあるのが道具屋さんです」


 今俺たちは商店街を歩いていた。

 ここに来れば生活に必要なものがだいたい揃うらしい。 


「で、左にあるのが武具防具屋さんです」


 この町で一番大きいらしい。

 店ではたくさんのハンターが仲間と話しながら、あるいは顎に手をやりながら真剣に考える者もいた。


「イオリさん、コンタに聞いたんですけど、魔力を持ってるんですか?」


「ええ、まあ」


 まあ、もらったものなんですけどね。


「じゃあイオリさんもハンターに?」


「いや、それは考えてないです」


 これからのことも考えていかないといけないな。

 まずバイトでもして、一人暮らしをしたい。

 いつまでもマリーナさんの家に厄介になるわけにはいかない。


「バイトしようと思ってるんですけど、どこか良いとこないですかね?」


 そう言うと、マリーナさんは真剣に考え始めてくれた。

 しばらく考え込んでくれていると、マリーナさんは 「そうだ」 と言って右の握りこぶしを左の手の平に打ち付けた。


「私の働いてる店に来ませんか?」


「え?あ、はい、お願いします」


 俺がマリーナさんと同じところで働くだって!!!

 そんな幸せなことがあってたまるかよ!!!

 

「今から行ってみますか?」


「はい、お願いします」


 その店は、商店街の端っこにあるらしい。

 そこに行くまでに通った店について教えてもらった。

 そのたくさんお店の中には不動産屋もあって、一人暮らしができるようになったら、ここにこようと思った。

 

「着きました、イオリさん」


 そこには、ナギサというラーメン屋があった。


「ラーメン屋で働いてたんですね」


「はい、もうここのラーメンすごい美味しいんですよ、もう毎日食べたいぐらい、でもそれはお母さんが許してくれないから、働いてまかないをもらうしかないと思って働き始めたんです」


「へー、マリーナさんって食いしん坊なんですね」


 そう言うと、マリーナさんは顔をりんごみたいに真っ赤にさせた。

 マリーナさんは恥ずかしながら、


「もう、やめてください、気にしてるんですから!」


 怒られてしまった。

 でも怒った姿もかわいくて、全然悪い気はしなかった。


「もう!早く中入りましょう」


「はい」


 こんなマリーナさんと働けるのは、本当に楽しいんだろうなぁと思った。

つたない文ですが、ここまで読んでいただきありがとうございます。

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