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私のダメダメ感 3



 「早くすっぱりあきらめた方がいいから」とハルちゃんが言った。「だからドライブは絶対行った方がいいって」

 余計なお世話だ。

「ね?」とハルちゃんがにやにやしながら念を押す。「もうちゃんとチュウもしたし」


 …何だろう。何でこんな事になってるんだろう。何で私はこんなにバカでダメなんだろう。

 後は無言で歯磨きをする。もう何も喋りたくない。

 こんな真夜中に「帰って」と言うのはひどい事かもしれないけど、言ってもいいよね?

「ダメだよ」と私の心を見透かしてハルちゃんが先に言った。「今さら帰れなんて言っても帰んないよ?泊まれって言ったのはリツなんだからね。帰れって言ったら、お母さん起こしてオレ、騒ぎ倒すよ?」

 じゃあもう知らない。もう口きかない。

 おやすみも言いたくないけど、ハルちゃんが2階について来たら嫌だし、私は大人なので言う。

「おやすみ」

「もう行っちゃうの?」

嫌な声にして嫌な顔も付け加えてもう一度言う。「おやすみ!」

 ハルちゃんは嬉しそうだ。

 私が嫌な顔したら嬉しいって言ってたし、今本当に嬉しいんだろうな。この人やっぱりものすごく変で気持ち悪い。

 ハルちゃんがおやすみは言わずにまたにやにやしながら聞いた。「一緒に寝る?」

「…私、ハルちゃんの事、ものすごく嫌い!」

 


 私は2階に上がり、ハルちゃんもついては来なかった。私が嫌いって言った時、最高に嬉しそうにしていたのがすごく腹立つ!

 今夜ハルちゃんは、私が明日ミノリ君とどこかへ行くのを止めに来たわけじゃなくて、泉田先生がマキちゃんの事を好きだっていう最高のタイミングを見計らって、嫌がらせするためだけに私のとこへ来たんじゃないのかな…

 私はまんまと外で一緒にこんな夜中にアイスまで食べたあげく、チュウまでされて…



 マキちゃんに、ハルちゃんが言った事が本当なのか電話してみたい。でももう真夜中だ。12時を回る。マキちゃんはただでさえ軽く着信は無視するのにこんな時間の電話に出るわけがないし、実際マキちゃんが出てくれたとして私は何て言うんだ?

「泉田先生はマキちゃんの事好きだって本当なの?何で私に言ってくれなかったの?」とか?言ってどうなるんだ?マキちゃんは泉田先生の事なんとも思ってないらしいのに。

 ていうか!何とも思ってないってどういう事だ。泉田先生にそんなにながく思われて追いかけられて、何とも思ってないなんて本当にマキちゃんいったい何様なんだ?



 ぐだぐだ考えながらも、もちろん階下も気になる。当たり前だ。

 私の部屋のちょうど真下がハルちゃんのいる応接間だった。

 2階までまたついてくるんじゃないかとも思ったけれどそれはなかったし、今もうかれこれ20分くらい私はぐだぐだと、結局マキちゃんに電話もメールもしないまま。

 ハルちゃんももう上がって来る気配はない。

 電気を消してベッドに入る。

 明後日マキちゃんに会って、私はどんな顔するんだろう。



 …ハルちゃん寝たかな…何してるんだろう。電気ちゃんと消したかな。 ちょっと階段を途中まで降りていって、電気をちゃんと消したかどうか確認したい衝動にかられたけれど、もちろん止めにする。

 帰ればいいって思ったくせに自分から行ってどうする。


 …あ~泉田先生はマキちゃんの事が好きなんて…。マキちゃんなんてCカップだけど私と同じくらいセクシーさにかけるのに。

そんなマキちゃんの事がずっとずっと好きだったなんて…

 なんて羨ましいんだマキちゃん。



 結局ミノリ君にも何の連絡もしてない。もう嫌だ胸がざわざわする。

 誰とも会いたくないし、何もしたくない。

 そもそも私がミノリ君と約束しなかったらハルちゃんは今夜ここまで来なかっただろうし…でもそうしたら、私は泉田先生とマキちゃんの事をしらないまま、そのことを知っている3人とドライブに行く事になったのだ。

 良かった。早くわかって。…全然早くないけど。



 泉田先生がマキちゃんに笑いかける所を想像する。泉田先生が背の小さいマキちゃんを抱き締めるところを想像する。泉田先生がマキちゃんにキスをするところを想像する。泉田先生がマキちゃんのおっぱいを…

 ダメだ。枕の上でぶんぶんと頭を振る。

 頭を振ったら私とハルちゃんのチュウをリアルに思い出して頬が熱くなる。

 またさらに頭を振る。

 泉田先生もマキちゃんに、ハルちゃんが今夜私にしたようなキスをしたいと思っているのかな。思っているよね、そりゃ思っているに決まってる。

 マキちゃんか…

 マキちゃんには勝てないな。例えばエリカ先生には悪いけど、エリカ先生が泉田先生の本命だったとしたら「エリカ先生なんか別に」って悔しがりながらも思えるだろうけれど。

 マキちゃんじゃ、もうダメだ。


 ダメだ…こんな事ぐだぐだいつまでも考えずに、眠りたいのに眠れない。

下に行ってお酒でも飲んでみようかとも思ったけれど、ハルちゃんが気付いて起き出してきたりしたら嫌だ。

 月曜のドライブに行けない事はちゃんと私から泉田先生とマキちゃんに話そう。マキちゃんには嫌味な事をいっぱい付け足そう。

 ハルちゃんが先に話してしまわないように釘をさしておかなければならない。


 …ダメだ!本当に眠れない!

 よし、腹筋してみよう。電気を付けないまま、腹筋30回スクワット30回、仰向けに寝ての脚上げ片方50回ずつ…

 

 …眠れない!

 仕方がないのでもう眠らない。

 カーテンを少し開け、さっきまでハルちゃんと見ていた夜空を見ながら、もう心のままにぐじぐじぐだぐだ繰り返し考える。昨日泉田先生に告った辺りから繰り返し繰り返し今ここにいる私までのところを。



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