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くじかれる 2

 私もあそこに行きたいな。でもあの輪の中には入れない。

 泉田先生のせめて近くに。そう思いながらその集団を見ていたらハルちゃんが手を振ってきた。一斉に周りの女先生たちがこちらを見たので、もちろん私は目を反らした。


 マキちゃんがいたずらっぽく言う。「ハルカくんすごいね。モテモテなのにリッチィに手を振って来たよ」

「あ~そうかもね~」抑揚なく答える私だ。

「弟君はまだだね」

「うん。でも連絡あった。席、私たちのそばに座りたいって」

カエルのビイが卵産んだから世話が大変なのかな。

「弟君から連絡来たの?」

「メールが来たよ。なんかねぇ、飼ってるカエルの写メを送ってくれる」

「へ~~」

「黒い牛ガエルなんだよ」

「へ~~…それって、ハルカ君知ってるの?」

「連絡先教えてもらったのは知ってる」

「ハルカ君ともメールしてんの?」

「してないよ。私番号も知らないし。うちには電話かけて来たけど。むかし、うちの隣に住んでた時に覚えてた家電の番号今でも覚えてたって」

「へ~~…それでハルカ君は弟君とリッチィが連絡取り合ってるのには何も言わないの?」

「…何でそんな事マキちゃんが聞くの?」

「興味本位」

「…」


「で?なんて言われたの?」

「何も言われてないよ」と、ちょっとごまかす。「それに連絡取り合ってるって言っても、ちょっとメールしてるだけだよ」

「でもそれがハルカ君にはすごく嫌なんだと思うけどな~」

「でも自分の弟だよ?私からしたらハルちゃんも弟みたいな感じだったし、ミノリ君とかもっとちっちゃくて、もうほんと、赤ちゃんみたいな…」

「でも今は違うでしょ?結構女先生たちだけじゃなくて生徒たちにもキャーキャー言われてるよ、あの二人」

「ん~~そうだろうね~」



 呑んだり食べたりする泉田先生を見る事が出来たらそれでいいと思っていたけど、エリカ先生のおっぱいをチラチラ見る泉田先生なんて、やっぱりあんまり見たくなかった。

「付き合うの?」マキちゃんがジョッキのビールを飲み干して聞く。

「へ?」

「ハルカせんせぇと」

 マキちゃんは私が泉田先生を好きな事を知っているのだ。なのになぜ聞くのか。

今夜のマキちゃんはよく喋る。「ハルカせんせぇがイズミィと仲良くしてるのってさ、リッチィがイズミィの事好きだからだよね。なんかそういうのって見てたら結構ドキドキするね!」

「…」

「ホントのところどう思ってるの?ハルカせんせぇの事」

「うさんくさいと思ってる」

キャハハ!とマキちゃんが笑った。「どういうとこが?」

「私の事を…その、好きとか言ってるけど、引っ越してから15年もたっていきなりきてそんな事言われても…その間手紙も電話も全然なかったんだよ?もう2度と会う事もないだろうなって思ってた子なのに」

「イズミィの方が好きなの?あんな、ホラ、エリカ先生のおっぱいチラチラ見てニヤニヤしてるようなヤツ」

「…」

「それよりホラ、ハルカせんせぇイケメンだし~とか思わないの?普通思うでしょ?万が一よ?万が一イズミィと付き合ってたとしても、ハルカせんせぇが好きとか言ってきたら、普通だったらそっちの方行くでしょう?」

「何で私が泉田先生と付き合うのが万が一なの?」

キャハ!とマキちゃんがまた笑う。「人にはホラ、合う、合わない、があるでしょ?」

「私と泉田先生は合わない、ってマキちゃんは思ってるって事ね?」

「私だけじゃないと思うよ?そういうのっていろいろ巡り合わせってあるんだよ」




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