さわりたい 3
「へ!?」
今なんて言った?
「おっぱい触られるのとチュウだったらどっちがいい?」
『おっぱい』って!
ハルちゃんの口から『おっぱい』て言葉がすんなり出るのがものすごい違和感だ。なんでだろう。泉田先生が『おっぱい』て言うと可愛い感じすらするのに、ハルちゃんが言うと卑猥に感じる。
いや、泉田先生だって『おっぱい』なんて口に出して言ったのは、私の夢の中だけだったと思うけど。
…泉田先生ももしかして…マキちゃんと帰ってどっかに寄って…いや、泉田先生の家にそのまま一緒に帰ってるかもしれない。そしてマキちゃんのおっぱいを…
まじまじとハルちゃんの顔を見てしまう。
「や、」とハルちゃんが言う。「まぁちょっと恥ずかしいけど、そんなまじまじ見て来ても負けないよ」
そう言ったとおりハルちゃんが同じように私をまじまじと見返してくる。
「ハルちゃん、私はいいとして、他の女の人の前で『おっぱい』とか言っちゃダメだよ?そういうキャラじゃないから」
女先生たちの夢も壊れるわ。
「リツ…触りたい」
「!」
私の『おっぱい』を本気でって事?またまじまじとハルちゃんを見てしまう。
「だからそんな見ないでって。オレだって結構勇気出して言ってるから」
本気で『おっぱい触りたい』って?この私の小さい…
私は無理に笑ってから言った。「私…見てわかってると思うけど…ちっちゃいよ?触ってもちっとも楽しくないと思うけど」
「それはオレが決める」
何言ってんだ。
「それにちょっと考えて?私これでも振られたばっかだから。そこらへん考慮に入れてよ。ここ庭先だし」
「そんなの知らない」
ふっと笑ったハルちゃんが見えたが、次の瞬間私はキスされていた。
うわ~~~~!
ちゅっと音を立てて唇が離れた時に「ハルちゃん」と呼んでみる。
が、返事はなくてまたキスされる。
ハルちゃんの唇が優しく、私の上唇を端からたどる。すごくゆっくり、もどかしく。
「ハルちゃ…」呼びかけるとそれを遮るように上唇を優しく吸われる。ハルちゃんの目が私をしっかり見ているのでぎゅっと目をつぶってしまった。怖い。
ハルちゃんの舌がゆっくりと私の上唇をたどって、そして優しく吸う。
うわ、ダメだ、と思う。
そして今度は私の下唇を端からゆっくりとたどる。何回も。
「ちょっ…ん…ハルちゃんっ、んぅ…」
下唇も優しく吸われる。そしてまた端から舌でたどられる。
くすぐったい。けど、目は開けられない。耐えられなくて前歯で下唇を噛んでしまうと、急に後頭部に手を回され頭を固定されてしまった。
「ちょっ、…ぁ…や、ちょっと、…やだ」
びっくりして開けてしまった私の目をハルちゃんがじっと見るので、またつむってしまう。しっかりと唇を重ねられてしまった。
ハルちゃんの鼻息が荒くなってきてさらに怖い。両手を使ってハルちゃんの胸を押そうとしたらその腕はやんわり外にやられたあげくに、ふわっと私の小さな左の胸に覆いかぶさるようにハルちゃんの手のひらが置かれた。
うっわ!!おっぱいだ、まじでおっぱい触られてる!チュウかおっぱいかつったくせにどっちもいっぺんに!
胸の上に置かれていた手がゆっくりと少し上に移動する。そして少し下へも。
うっわ!!おっぱい触られてる!!
驚いた私の口の中へ、柔らかいハルちゃんの舌が当たり前のように入って来た。手をゆっくりと上下させておっぱいを触りながらだ。そして舌の先で私の口の中のあちこちを探るようにゆっくり優しく撫でていく。
「…ぅん…」
「ダメだ!」
と言って唇をふいに離したハルちゃんが言った。「リツがチュウだけで変な声出すから直に触りたくなったんだけど」
思い切り首を振る。ダメに決まってるって!ここ、外だし。家の中だったらいいってわけでもないんだけど。チュウかおっぱいかって言ったくせに。
必死に首を振って見せる。
「5分なんてすぐ終わる…リツ…」
ハルちゃんの声がかすれていやらしく感じる。
「ちょっ…ハルちゃん!今日はもう終わり!ねぇ!…」
うちの玄関の街灯の淡い光の中、私を優しく見つめるハルちゃん。
「今のもう1回言って」
「何が!」
「『今日はもう終わり』って。そんな事言われると『もっとやって』って聞こえる…」
「マジでそんな事ないから」
「即答だな」ハルちゃんが笑って私の胸をじっと見つめる。「でもオレが触った時ちょっとビクッとしたよね?」
「してない!!」
「あ~~帰りたくねぇ」
「…」
「リツ」そう呼んで見つめられる。
「…なに?」
「オレはちょっと触るだけのつもりだったのに、リツがエロい声出すから」
「出してない」
「もう1回、もう1回だけ触りたい」
「ちょっと!声大きい!バカじゃないの?ここ外だって!」
ぎゅううっと抱き締められる。ハルちゃんの下半身になにかちょっと違和感。
「わかった」とハルちゃんが言った。「じゃあ仕方ないけど帰る。お父さんにもちゃんとまた挨拶しなおすし」
ハルちゃんが帰るのをどうしようもない気持ちで見送って、ドアを開けたら母さんがいた。




