表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/16

あさみと史人

 あさみは1ヶ月振りに史人と会っていた。


「ごめんな~、なかなか時間がとれなくて」


「うううん。史人くんはお仕事忙しいんだもの。仕方無いよ。ちゃんとメールのお返事くれるし、凄く嬉しいよ。遠距離恋愛してると思えば平気だよ」


「平気……なのか? それはそれでちょっと寂しいな」と笑う。


「俺はあさみちゃんと会う時は、長い時間会っていたいんだ。空いた時間に会うんじゃなくて、ゆっくり過ごしたいっていうか……。変なのかな? 俺」


「ん~。どうなんだろうね~。恋人同士なら毎日でも会いたいって思うらしいし。でも、私は毎日会えなくても、全然平気。私も変なのかな?」と笑いながら「でも〜、私達って、まだ恋人同士って感じでもないよね?」


「えっ! じゃあ俺達の関係は何?」


「何かな? ……変人同志? 同志は志すの方ね」


「変人同志……。なるほど……」


「納得しないでよ!」あさみが無邪気に笑う。


「じゃあさ、今日を記念日にしない? 変人が恋人に変わる日にさ。いいかな?」


「ん? どういう事?」


「どういうって……。実は部屋を取ってるんだ」と言って、上を指さす。


「えっ? あ…………そ、そうなんだ……」


「まだダメかな?」


「史人くんがそうしたいなら……」


「俺はあさみちゃんの気持ちを聞いたんだよ? イヤなら無理強いはしないから」


「ごめん。私……よくわかんないの。でもイヤじゃない事は確かだよ」


「イヤじゃ……ない…か……。じゃあ、いい?」


「う、うん……」


 ふたりは部屋へと向かう。エレベーターに乗ると、史人が手を握ってきた。


 ドキッ! 史人の手は温かい。


 部屋に入ると、あさみがぐるっと見回す。



 ここが、よくテレビで見る部屋の感じなんだ~。意外に広いんだな~



 などと思っていると、史人が後ろから抱きしめてきた。


「あ……、ふ、史人くん……。待って。私……史人くんに話さなきゃいけない事が……あ……あるの……」


「何? 今じゃなきゃダメな話?」


「い、今だからこそ言わなきゃいけない事…だと思うんだ…」


 史人は、一息おいて椅子に座りあさみに顔を向けた。


「あ……あのね、私、男性経験ゼロなんだ。始めてなの。だから、その…すごく恥ずかしいし、どうしていいのかわからないし、期待に応えられなかったらどうしようって思ったり、ちょっと怖いっていうか…」


史人は再びあさみを抱き寄せて、あさみの頭をそっと撫でながら言った。


「大丈夫。俺を信じて任せて欲しい」


あさみの鼓動が段々早くなる。史人はあさみの身体の震えを感じながら、ゆっくりと唇を重ねた。



ふたりはこの日から恋人となった。

史人はあさみと呼び、あさみは恥ずかしいからと言って、今までどうり史人くんと呼んでいい?

とはにかんだ。


しかし、あさみは身体の痛みだけが残り、快感というものとは程遠いと感じていたのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ