視線
楢畑さん、もとい卯月ちゃんが我が家に遊びに来た翌日、俺は一人で登校していた。
というのも、中学は今日が入学式なので在校生は休みなのだ。
晴華は俺が家を出る時間になってもまだ寝ていた。あぁ、羨ましい…
「やぁ、色男くん、さっきぶりだね」
「今朝も言ってたけど、その色男ってなんなんだよ。よっぽどお前の方が色男だろ」
「いやいや、僕なんてとてもとても。君には敵わないよ」
奏太は今朝のランニングの時から、俺のことを色男と呼んでくる。
色男ってあれだよな、モテるやつのあだ名的なやつ。でも何で急に…?
昨日あったことといえば…卯月ちゃんの件だけど、こいつが知ってる訳がない…となるとあれか。
「懇親会でなんかあったか?」
「おっ、さすが鋭いねぇ」
「それくらいは誰でも分かるだろ」
「いやいや、意外とみんな気づかないもんだよ」
「そういや俺以外にも不参加のやつっていた?」
「いや、他にはいなかったかな。でも安心して!ちゃんとみんなに晴人の良さを伝えておいたから!」
「いらんこと吹き込んでないだろうな…」
「第一印象は大事だからね、そこは信頼してもらって大丈夫だよ」
まあ、こいつはこう見えて一応空気は読めるやつだ。変な紹介はしていないだろう。
いや今大事なのはそこじゃない、色男呼びの件だ。
クラスメイトで俺のこと知ってるのは奏太と若葉だけのはず。
こいつは除くとすると、色男呼びの原因は若葉ってことになるけど、あいつとは仲間とか悪友みたいな表現がしっくりくる関係だしなぁ…
こいつならまだしも、俺が他のクラスメイトから一目惚れされたって展開はまず無いだろうし、そうなるといつものおふざけか?
「…ふーん。なるほどねぇ…これはこれは…楽しい高校生活になりそうだ」
色々と考えていた俺は、奏太がニヤつきながらボソッと呟いた台詞に気が付かなかった。
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下駄箱で靴を履き替えていると、やけに視線を感じる。ふと辺りを見回すと、2年生の先輩方がこちらを伺っているようだ。
月高は学年ごとにネクタイと上履きの色が決められており、一目で学年が判るようになっている。
「なんか凄い見られてるね」
「やっぱり奏太もそう思うか?けど、別に嫌な視線じゃ無いんだよな」
「うん。これはどっちかっていうと…憐れみ?同情?って感じの視線な気がするけど…なんだろうね」
疑問に思いつつも教室に着くと、すぐ予鈴が鳴った。話してて気付かなかったが、割と時間ギリギリだったようだ。
奏太と別れ、自席へと向かいつつぼんやりと呟く。
「みんな早いなぁ」
「いや、あんた達がゆっくりしすぎなのよ」
独り言に反応したのは苦笑いを浮かべた若葉であった。
返事が返ってくるとは思っていなかったので、思わず固まってしまう。
「なに固まってんのよ」
「いや、独り言のつもりだったから…まだ予鈴だぜ?ここからが勝負みたいなところあるじゃん」
「あんたは何と戦ってんのよ。まだ登校2日目でしょ?みんな最初だから早めに来てるんじゃない?私もそうだし」
「あー…そういうことね。そういえば昨日の懇親会どうだったよ」
「普通に楽しかったわよ。どっかの誰かさん以外みんな来たし」
「さらっと嫌味混ぜてきたな…いや悪かったって」
「冗談よ冗談。私としてはバド部に入りたいって娘とも仲良くなれたし楽しかったわ。それと、感謝なさい。ちゃんとあんたのこと、みんなに紹介しといたから」
いや、お前もかい!
ありがたいけど、クラスメイト2人から紹介される欠席者って逆に目立たない?
変にハードル上がってないと良いんだけど…
「勉強も運動も出来る凄いやつだって」
ハードル跳ね上がっちゃったよ!
すっきり天然水割りです。
初投稿です。
私の理想を書き殴った内容となっております。
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