笑顔
「それって自分の寂しさを度外視した考え方だよな?
本当にそれで良いのか…?」
「えっ…?」
天野さんの考え方を聞いた。
共感する部分は勿論あったし、考え方なんて人それぞれだ。
そこも分かってる。
けど、ーー俺はそうは思えない。
「天野さん、寂しくはないの?」
「…っ!…寂しくないって言ったら嘘になるよ…」
「なら…」
「だけどっ…!もう裏切られるのは嫌なのっ!
裏切られたって思っちゃう私自身も嫌なの…!
だからと言って紫織ちゃんと一緒に居るのも辞めたくない!
そしたら私が我慢するしかないじゃん……!」
「……」
「私のこと、嫉妬なしで見てくれる女の子なんていない…!紫織ちゃんと一緒にいて調子に乗ったことなんて一度もないよ…
男の子だってそう!みんな話してる私の事なんて見てない!どうやって紫織ちゃんに近づこうか考えてる人ばっかり…!」
「…ちょこ……晴人は違うよ」
「何が違うの!」
「…晴人、しおりとお昼食べてた……ちょこの事聞いて来た…他の男と違う」
「…………本当?」
「うん」
ここで2人してこっち見るのは違くないですかね…
「あー…少なくとも、俺は天野さんと接してる時に紫織のことは全く考えてないぞ。
紫織は本繋がりの同士で、天野さんはクラスメイトで委員会仲間ってイメージだしな」
「…そっか」
「そうそう。だからこれからはクラスでも声かけてよ。折角仲良くなったんだし、高校生活楽しまなきゃ損だぜ?」
「……うん……ありがとう」
そう言って笑った小山さんは凄く素敵な笑顔をしていた。
「と言うわけで、俺の友人達を紹介しよう!」
「「……?」」
やっぱり幼馴染なだけあるな…2人して同じ反応してやがる…
「俺の後ろの席で盗み聞きしてるのが、奏太・静流・若葉・雫の仲良し4人組だな」
「…人聞きが悪いなぁ…確かに盗み聞きっぽくなっちゃったけど、もうちょっと言い方どうにかならなかった?」
「あはは…ごめんね天野さん。晴人君が拉致されて気になってついて来ちゃった」
「私は別に晴人のことなんて心配してなかったけど…でも話聞いちゃったのはごめん!」
「いや千夏あんたすっごい挙動不審だったじゃない…ウチもごめん。
自慢じゃないけど今まで嫉妬したこととかないから、ウチとも話そうよ」
そう、こいつらずっと後ろの席に座ってたのだ。
正直俺も紫織が戻って来る辺りまで気付かなかったんだが、途中から聞き耳立ててるのが分かったので、引き摺り込んでやったぜ。
最初は目を白黒させていた小山さんだったが、話してる内に4人にも慣れて来たのか自然と笑顔が出る様になっていた。
…おそらくだが、女子の嫉妬、男子の下心は小山さん本人の魅力によるものも多かったんじゃないだろうか。
みんなに囲まれる小山さんは、そう思ってしまうほど素敵な笑顔をしていた。
良かった良かった。これにて一件落着だな。
なんて思いながらその景色を眺めていると、横からジト目が突き刺さってきた。
「なんすか紫織さん」
「…晴人の女たらし」
「冤罪だ…あなたが巻き込んだんでしょうが…」
「…ふふっ」
…こっちもこっちで良い笑顔しちゃって。
魔性の2人でお似合いの幼馴染だよ、全く。
すっきり天然水割りです。
次回更新は明後日になります。
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