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器用貧乏(自称)による理想の高校生活  作者: すっきり天然水割り


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24/30

誘い


「じゃあこの前のテスト返すぞー。名前呼ばれたら取りにくる様に」



眠気との激闘を制した午後授業を終え、ショートホームルームに入った直後、大ちゃん先生が言い放った言葉を聞いて、噂をすれば何とやらってやつだなぁ…なんて考えた。


…ってちょっと待て、テストやったのが水曜、委員会が木曜、山登りが金曜だったよな…

んで土日を挟んで、今日テスト返し。


大ちゃん先生…!あんた、いつテストの採点したんだ⁉︎


確か個人情報がうんぬんかんぬんでテストの持ち出し禁止されてるってテレビでやってたから、家では採点できないよな…


大人ってすげぇ…!


大人の不思議に感嘆しているといつの間にか俺の番になっていた様だ。



「新島、惜しかったな。もうちょいで特上券だったぞ。また次回頑張れ」


「うっす。先生もお疲れ様です」


「なんか妙な尊敬の仕方してないか…?

まあいい、次!」



帰ってきた解答用紙には学年順位も記載されていた。


"15位"


確かに惜しい。

あと5人だったか…俺のローストビーフ丼…



「どうだった?」


「惜しかった…ローストビーフ丼食べたかった…若葉奢って…」


「なんで私が奢らなきゃいけないのよ。と言うか奢りたくても少なすぎて買えないわよ」


「そうだよな…一年の教室、学食から遠すぎるんだよ…」



そう、限定30食に加えて俺ら一年生の教室は4階、2年生が3階、3年生が2階で食堂も2階にあるのだ。位置的不利ってやつだよな。


年功序列って言われればそれまでなんだろうけどさぁ…


学校の構造に不満を抱いていると、若葉が何かを閃いた様な顔をした後、こちらを向いてニヤリと笑った。


あっ、嫌な予感…



「じゃあ俺そろそろ帰るわーまたあしたー(棒)」


「ちょっと待ちなさい。と言うか演技下手すぎでしょ…あんたにとっても悪い話じゃないから。話だけでも聞きなさい」



まあ聞くだけなら無料ただだしいいか。



「今度の土曜、月森体育館でバドしようって滴と話しててさ、晴人も来てくれない?」


「えー、あそこの体育館山の上だから行くの大変なんだよな…

久々にバドもやりたいけど毎朝走ってるから身体鈍ってる訳でもないしな」


「ローストビーフ丼1食…って言ったら?」


「…⁉︎ まさか若葉、お前トップ10に入ったのか⁉︎ 明日は雪か⁉︎」


「何よその反応、腹立つわね…

そんな訳ないでしょ。お姉ちゃんが毎年取ってるから何とか1枚もぎ取るわよ」


「いやそれ大丈夫なのか?」


「学校のルール的には譲渡されたものなら大丈夫みたいよ。無理に奪ったりとかはもちろんダメだけど」


「いやそっちじゃ無くて、お姉さんからもぎ取る方なんだが…」


「大丈夫よ……多分…きっと…大丈夫だと良いなぁ…」


「そこまで大変な思いされるとこっちが申し訳ないんだが…」


「冗談よ。普通に1枚くらいならくれると思うから。心配ありがと」



そう言ってはにかむ若葉だが、それって言い換えると1枚しか貰えないってことだよな。


さっきはああ言ったけどバドやりたいのも事実だし、少し足を伸ばしますかね。



「やっぱりローストビーフ丼はいいよ。その代わり当日ジュースでも奢ってくれ」


「…本当にいいの?」


「男に二言はねぇよ。さて、家帰ってラケットとかシューズの準備するか。シャトル持って行った方が良い?」


「ううん、大丈夫。うちにいっぱいあるから持って行くわ。…ありがとね」


「おう…」



ちょっと気恥ずかしくなり、変な返事になってしまった。


その後、河野こうの含めて当日の詳細を詰めて解散となった。


週末がちょっと楽しみになった。





すっきり天然水割りです。


次回更新は明後日になります。

よろしくお願いします。


気が向いたらフォローしてくれると喜びます。まかり間違って⭐︎なんか押してもらった日には泣いて喜びます。


最後まで読んでくれてありがとうございました!

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