休み明け
ーー月曜日
その単語を聞くと憂鬱になる学生、社会人は多いだろう。
それが長期休み明けともなれば、殊更だろう。
理解はできる。理解はできるんだが…
「い・い・か・げんに……起きろぉ!」
「いやだー!まだ起きてない!起きてないから春休みは終わってない!学校も始まらない!」
「訳分からん屁理屈を捏ねるな!春休みは昨日までだし、後5分で起きないとガチで遅刻すんぞ!」
ここまで起きないとは聞いてない!
そう、俺は朝っぱらから晴華を起こすのに苦労していた。
いつもの如くランニングから帰った俺を待っていたのは、春休み明けという現実から逃げようとしている妹様であった。
先週生徒会として普通に(?)登校してたから油断した!
…仕方ない。この手はあまり使いたくないんだが…
「…パンケーキ」
「…!」
「…甘さ控えめの生クリーム」
「……!!………2段?」
「今起きれば2段作っても良いけど、まだ寝てるなら1段かなぁ」
「はい起きたもう起きた完璧に起きた!だから今晩2段のふわふわパンケーキね!生クリームたっぷりで!」
「分かったから早よ準備しな。朝飯できてるぞ」
「はーい」
と言う訳で今夜のメインディッシュが決まった。
今日は母さんも父さんも帰りが遅いとのことで、俺が夕飯を作る日なのだ。
パンケーキは良いんだけど、あれに合う副菜って少ないんだよなぁ…何か良いメニューあったかな…
なんて考えながら部屋を出て行こうとすると背後から
「お兄ちゃん…ありがとう…」
と消え入りそうな声が聞こえて来た。
…まぁたまには凝った料理もアリだよな。
我ながら甘いことを考えながら軽く手を振り学校の準備を進めた。
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午前中の授業を何とか終え、昼食の時間となった。
奏太と静流と共に学食に向かいながら今朝の話をしたところ、帰ってきた台詞が以下である。
奏太
「晴人は相変わらずシスコンだなぁ」
静流
「ミネストローネとか良いと思うよ!」
奏太を殴らなかった俺を誰か褒めてくれ。
俺は決してシスコンではない!…はずだ。
あのまま放っておいて家を出たら気になって仕方ないから起こしたまでだ…多分。
ちょっと自信無くなって来たな…
それはそれとして静流よ、きみ実は天然だろ。
俺は夕飯のメニューの相談をしたかった訳ではないんだ。
…トマト缶買って帰るか。
脳内メモにトマト缶(400g)と記載しながら学食の列に並んだ。
月高の学食は券売機でチケットを買ってそれぞれの受付で交換する方式を取っている。
その券売機の中で煌々と光る"売り切れ"の文字を発見した。
「ローストビーフ丼って限定30食なんだっけ?」
「そうだよ。やっぱり人気だねぇ。
今日も売り切れだ」
「どうせならもうちょい作ってくれれば良いのにな」
「まあ原価とか考えると限定じゃないと厳しいんじゃない?」
山登り(あれを遠足とは認めない)の前日に突如開催されたテストの商品になるだけはあるな。
ちなみに俺と奏太は迷わずカレー、静流はうどんを選択した。
うどんも嫌いじゃないけど、俺にとってはちょっと物足りないんだよな。
以前食べた時は後からおにぎり2個追加購入した。
「卒業するまでには1回くらい食べてみたいなぁ」
「今回のテストで10位以内に入れば食べれるんだよね?2人ともどうだった?」
「あのね、静流くん、よく覚えておいて。勉強面では僕に期待しない方がいい。晴人はさておいて、ね」
「自信満々に言うセリフではないわな」
「勉強は程々に頑張るのが僕のモットーだからね!」
あとさらっと俺をさておくな。
受験期に結構頑張ったからそこそこ出来る方だと自負してるが、学年トップ10に入れるほど頭良くないわ。
苦笑いしている静流はと言うと、おそらく平均程度だろうとのことだった。
「じゃあローストビーフ丼はしばらくお預けか〜残念」
「まて、奏太さては俺か静流がなんちゃら券取ったら便乗する気満々だったな?」
「いやいや、勿論対価はちゃんとお支払いするつもりでしたよ?ローストビーフ丼代と、別日に学食奢りますとも」
「まあ、それなら良いか」
「あっ、じゃあ僕も晴人くんが取れたらそれでお願いしたいかも!」
「いつか取れたら、の話だけどな」
取らぬ狸の皮算用ってやつを3人でしながらのんびりとした昼食を過ごした。
すっきり天然水割りです。
次回更新は明後日になります。
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