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器用貧乏(自称)による理想の高校生活  作者: すっきり天然水割り


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18/19

遠足(山登り)

暖かな春の陽射し。心地よい風が鶯らしき鳥の鳴き声を運んでくる。そんな昼寝に最適な気候の中、俺たち月高生はというとーーー山登りの真っ最中であった。



「…はぁ…はぁ…なんだからって高校になってまで山を登らにゃならんのだ…」


「はぁ…いやぁ…流石に飽きるよねぇ…」



奏太と並んで舗装された道を進みつつ、つい愚痴が溢れる。

と、一緒に登っていた静流が少しハイテンションな様子で話に乗ってくる。



「え、僕山登りなんて久々だから凄く楽しいんだけど…?」


「そうか、静流はここら辺出身じゃないのか…」



この土地の小・中学校での最初のレクリエーションと言えば月見山での登山が定番である。

登山とは言っても大人数がゾロゾロと登るわけで、ルートは自然と安全なものが選ばれる。

結果、山登りとは名ばかりのアスファルトで舗装された坂道を登り続ける苦行となるのだ。



「まぁ授業より全然良いんだけどなぁ…なんか、もっとこう…なぁ?」


「せめてもうちょっと山道っぽいルートにしてくれれば違うんだけどねぇ…」


「あーそれは僕も思ったかも。山登りって聞いてたからもうちょっとこう…土と木でできた獣道っぽいところを登るのかと思ってたかな」



今まで散々登った山道を前にやる気を出せというのが難しい話である。



「はぁ…ちょっとそこの溜息ペア…只でせさえ憂鬱なイベントが一層酷いことになるでしょ…」


「いや若葉も溜息ついてんじゃん…」


「何か言ったかしら?」


「なんでもないっす…」



近くを歩いていた若葉からお小言をいただいてしまった。

ちなみに彼女も例に漏れず月見山の常連である。


時刻は午前11時ーー午前10時に登り始めたことを考えると半分程は登っただろうか。

残りの距離は…考えるのは辞めよう。より憂鬱になる。



「あ、そう言えば部活はみんなどうしたの?因みに僕は家庭科部に入ったよ!」



陰気な気配を感じ取ったのか、静流が話題を別のものにシフトさせた。

静流が家庭科部か…イメージ通りというか何というか…



「僕はサッカー部に入ったよ。やっぱり先輩達は上手かったね。僕も頑張らないと」


「私はバドミントン部ね」



二人共中学と同じ部活を選んだ様だ。



「晴人くんは?」


「俺は図書委員会入ったから部活は良いかなぁ」


「いや逆でしょ」



奏太からツッコミが入った。



「逆?」


「あー…委員会に入ると部活に入らなくて良いって聞いたから図書委員やったみたいな?高校ではゆっくりしようかと思ってな」


「そうなんだ」



そうなのだよ少年よ。

…いや別にやってもいいんだが、正直中学で燃え尽きたと言いますか…満足しちゃったんだよね。



「あれ?そう言えば若葉、バド部入りたいって娘と仲良くなったとか言ってなかった?」


「あ、それは…」


「それ多分ウチの事だね」



若葉の後ろから突如話に入ってきた女子。

背が高く表情があまり変わらないことから若干冷たい印象を受ける…えっと…なんとか滴さん…名前の方が印象強くて苗字が出てこない…なんだっけ?



河野こうの しずく。よろしく」


「あーごめん。河野さんね。覚えた」


「別にいいよ。ウチも千夏の友達じゃなきゃ覚えてないと思うし」


「そう言ってもらえると助かる」


「あと呼び捨てでよろしく。さん付けされるとぞわぞわするから。ウチもそうさせてもらうし」



とのことだ。結構サバサバしたタイプの子なのかな?

それはさておきマジで人の名前覚えるの苦手なんだよなぁ…何とか出来ないもんかね…




すっきり天然水割りです。


次回更新は明日になります。

よろしくお願いします。


気が向いたらフォローしてくれると喜びます。まかり間違って⭐︎なんか押してもらった日には泣いて喜びます。


最後まで読んでくれてありがとうございました!

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