幼馴染
委員会の顔合わせのために図書室に向かった俺は、そこで学年一の頭脳を持った同志と巡り会った。
その同志は現在、俺に寄りかかって気持ち良さそうに眠っている。
…いや、眠っている、じゃねぇよ!どうすんだこれ!もう委員会始まるんだけど!
声を掛けても揺すっても全然起きる気配のない小山さん。これもボケの一環であればどれほど良かったことか…
しかも彼女は俺の腕を掴んで離さないので、動こうにも動けないのが今の状況である。
最悪抱えて運べば動けなくはないけど、眠っている初対面の女の子を抱えて運ぶって俺捕まっちゃわない?明らかに絵面が犯罪者だよね?
心の中で冤罪のリスクと葛藤していると、救いの手が差し伸べられた。
「あの…新島くん、何してるの…?」
「あ、天野さん…信じられないかもしれないけど、この子と話してたら急に話疲れたって寝ちゃって…」
声を掛けてくれたのは、同じクラスの天野さん。この後ある委員会の顔合わせのために図書室に来たんだろう。
…うん、終わったな。初対面の時ほど人見知りされなくはなったものの、まだ距離がある俺の言い訳を信じて貰えるとは思えん。
なんて言ったって、その言い訳が胡散臭さ半端ないしなぁ…
「ごめんね。紫織ちゃんっていつも急に寝ちゃうんだ…」
「それはそれで大丈夫なのか?」
「うーん…今まで何とかなってるし大丈夫じゃないかなぁ…」
意外なことに俺の言い分が認められたようだ。話を聞くと、天野さんと小山さんは幼馴染というやつらしい。で、小山さんのこれはよく起きる現象だという。
暫くほっとけば自然と起きるとのことなので、取り敢えず図書室の机に運び、俺の隣の席で寝かせておけばいいとのこと…まさかこのまま委員会に参加しろと?
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そのまさかでした。
他の図書委員の方々と顧問の先生が集まっても小山さんは相変わらず俺の横で眠っていた。
当然、同級生の人達からはヤバい奴を見る目で見られている。そりゃそうだ。委員会で女連れにしか見えない奴(女連れとは言ってない)がいたら俺だって距離を取るさ…
意外だったのが先輩たちが普通に接してくれたことだ。
「おっ、ついに図書委員にも変人枠が…!」
「今年の一年も気合い入ってんなぁ」
「まぁ顧問ふみちゃんだし大丈夫でしょ」
…あれ?よく考えるとこれ普通ではないのでは?
というか去年も他の委員会にはこのレベルの人達(他人事)がいたってこと?ここ本当に進学校なんだよな…?
ちなみに最後の先輩が呼んでいるふみちゃんとは、この図書室の司書であり委員会顧問の渡邊 文香先生のことである。
国語の教師で物凄くのんびりした雰囲気の先生だ。
なにせ俺の今の状況を見て一言
「あらあら」
って言ったあと、普通に委員会を始めちゃったからね。
おい教師、本当にそれでいいのか。
すっきり天然水割りです。
次回更新は明後日になります。
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