眠り姫
学校の図書室ーーそう聞いて多くの人がイメージするのは、授業で調べ物をするために使う分厚い書類や、国語の教科書に出てくる様な文学作品が並んでいる教室、もしくはテスト前になるとテスト勉強と称して学生が集まる自習室、といったところではないだろうか。
というか、俺自身そんなイメージを持っていたんだ…そう、持っていたんだが…
現在俺は図書委員会の顔合わせに参加すべく、図書室に来ていた。
集合時間より早く着いてしまったので、暇つぶしに図書室を見て回っていた時、俺は見つけてしまったのだ。
そう、漫画・ラノベコーナーなるものを。…これが進学校か。(迫真)
冊数はそこまで多くないものの、最近流行りのものまで置いてあるようだ。素晴らしきかな進学校。俺、この高校に入ってよかった…
「…泣いてる?」
「うおっ!…びびったぁ…えっと、どちら様?」
「…びっくりした」
いや、びっくりしたではなくて。
超至近距離から声かけられたら誰でも驚くと思うんですよお嬢さん。
進学校の図書室事情に涙していた俺に話しかけてきたのは、どこか眠そうな金髪美少女。入学式で代表挨拶してた子だよな…確か名前は…
「小山さん、であってる?」
「凄い。エスパー?」
「残念ながら超能力者ではないんです…代表挨拶してたよね。それで覚えてただけだよ」
「…じゃあストーカー?」
「なんでや。代表挨拶の時に覚えてただけって言ってるでしょうが」
「…」
「いやそんな不満そうな顔で見られましてもお客様。ストーカーを自称して社会的に滅せられるわけにはいかないのでございますよお客様」
「…ふふっ」
どうやら眠り姫にはこの対応で正解のようだ。
初対面の相手に対してボケ倒すその胆力は認めるが、ラノベを読み込んで鍛えた俺のツッコミ力を舐めるなよ?
大抵のボケなら素早く返せる自信があるからな。
"ラノベはツッコミの教科書である"
俺の座右の銘だ。皆んなしっかりと覚えておくように!
「…さっきなんで泣いてたの」
「まさか学校の図書室で漫画やラノベに出会えるとは思わなくてな…つい涙腺が崩壊してしまった…」
「…分かる。凄く分かる。漫画やライトノベルから得られるものも多いのに、学校側は全然分かってない。文学作品もいいけど漫画やライトノベルにはそれにしかない良さがある。学校はもっと柔軟な思考を持つべき」
「そう、そうなんだよ!中学時代に何度司書の先生にラノベの良さを語ったことか…本が苦手な人でも手に取りやすく、内容にしたって最近の社会情勢を面白おかしく書いてる作品もある…それなのに大人は全然分かってくれないんだ…!」
当時を思い出し己の不甲斐なさに歯噛みしていると、小山さんが肩を優しく叩いてくれた…同志よ!
「…ここの司書は話が分かる…安心して。」
「良かった…本当に良かった…」
「……いっぱい話したら疲れた…おやすみぃ…」
「えっ、えっ、ちょっと待て。寝るな。俺に寄りかかって寝るな。おい!起きてくれ!」
揺さぶってみるも全く起きる気配がない…嘘だろおい…これどうしろと…?
すっきり天然水割りです。
次回更新は明日になります。
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