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断罪された公爵令嬢は、完璧であることをやめました  作者: 月影 すずり


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105/113

第105話 もう一つの答え

 連合評議会への招集は、三日後だった。


 町はいつも通り動いている。


 畑は耕され、

 炊き出しは続き、

 倉庫の確認も行われる。


---


 だが、人々の視線はときどき止まる。


 この町の構造が、

 連合の議題になる。


 それがどういう意味か、

 誰も完全には理解していない。


---


 出発の朝。


 代表だった男は、荷を持って立っていた。


---


「代表じゃない」


 倉庫番が笑う。


---


「そうだな」


 男も笑う。


---


 今は三つの責任者。


 防衛はレオン。


 交易は倉庫番。


 内政はマルタ。


---


 そして私は同行する。


---


 連合都市に着いたとき、

 広場は町のものより大きかった。


 石造りの建物。


 人の数も多い。


---


 クラウスが迎える。


---


「来てくれて助かります」


---


「議論はもう始まっているのか」


 レオンが聞く。


---


「ええ」


 一拍。


---


「そして」


---


「あなた方の構造と対になる都市も来ています」


---


 その言葉に、

 私は少し眉を動かす。


---


「対になる?」


---


 クラウスが視線を向ける。


 広場の向こう。


---


 一人の女性が立っていた。


 背筋がまっすぐで、

 歩き方が静かだ。


---


「リア・ヴォルン」


 クラウスが言う。


---


「都市ベルグの代表です」


---


 ベルグ。


 名前を聞いた何人かが顔を上げる。


 連合でも有名な都市。


---


「中央集権型都市」


 クラウスが続ける。


---


 リアはゆっくりこちらに歩いてくる。


---


「あなた方が模範都市」


 彼女は言う。


 声は穏やかだ。


---


「噂は聞いています」


---


 マルタが腕を組む。


「いい噂か」


---


 リアは少し微笑む。


---


「興味深い噂」


---


 一拍。


---


「ですが」


---


「持続するかどうかは

 分からない」


---


 レオンが言う。


「中央集権は持続するのか」


---


 リアは迷わず答える。


---


「します」


---


「私の都市は十年続いています」


---


 広場が静まる。


---


 十年。


---


 集中統治で繁栄している都市。


---


 リアは続ける。


---


「人は決断を必要とします」


---


「責任は一つであるべきです」


---


 それは、

 イェルクとは違う言葉だった。


 だが、


 結論は同じだった。


---


 私は彼女を見る。


---


 もし、


 この町が代表制度を選んでいたら。


---


 この女性の都市のように

 なっていたかもしれない。


---


 リアが静かに言う。


---


「あなた方の構造」


---


「評議会で議論になります」


---


 一拍。


---


「楽しみにしています」


---


 その言葉は礼儀だった。


 だが、


 思想の対決でもあった。


---


 町の試み。


 中央の成功例。


---


 そして、


 連合の未来。


---


 議論の舞台は、


 もう


 完全に


 町の外に移っていた。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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