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42話 進の想いと修羅場?


 遥花お姉ちゃんは眼を閉じながら覇気を収め、思考しているようで暫くの間、居間に静寂が訪れ、リーシアちゃん達は、覇気がなくなり顔色は良くなっているが、緊張した表情になっている。

 僕はエナジードリンクを飲みながら、遥花お姉ちゃんを待つことにし、亮平お兄ちゃんがソワソワしながら遥花お姉ちゃんを、チラチラしながら見ていると、遥花お姉ちゃんが、眼を開け周りを見渡し、最後に進を見つめ優しく微笑みながら頭を撫でて、リーシアちゃん達を見つめ告げる。


「貴方達の気持ちは、良く分かったわ。進はまだ幼いけれど、リーシアちゃんとナーレーリッタさんも幼いし、ヘルミーヤーナさんもきついことをしてごめんなさいね?」


 と言うと遥花お姉ちゃんは、頭を下げる。

 それに対してリーシアちゃんとヘルミーヤーナ殿下、ナーレーリッタ嬢は慌てだす。


「頭を上げてください!遥花お義母様としては当然です。進君を大事に思っているからですよね?私こそすいません。勝手に婚約者を増やしてしまって…」

「リーシア嬢の言う通りですわ。私が強引に進めたので否は私にあります。申し訳ありません!」

「怖かったですが、これを乗り越えなければと思って挑みましたし、ヘルミーヤーナ殿下が私の気持ちを汲んでこの話が出たのです。悪いのは私です。ごめんなさい」


 三人は揃って遥花お姉ちゃんに謝罪をする。

 それを受け遥花お姉ちゃんは頭を上げて微笑みながら三人に向けて話し出す。


「私はね、政略結婚なんてわかっているつもり、私だってそうだし、進の兄達もそうだから…それでも、お互いに愛し合い支え合って今の幸せがあるんだと思うわ。でも、周りの政略結婚した人達は、散々よ仮面夫婦が多いもの。幼い貴方達に言ってもわからないわよね」

「いいえ、分かります。母上が言っていましたから、政略結婚をした人には子供を産んでからお相手から相手にされなくなったと。ですが私の父上は母上と政略結婚をし、別の方を側室にされ兄上が産まれていますが、父上は母上やラナー母上も両方愛されています。私もその様な家庭を築きたいです」


 遥花お姉ちゃんの話に、リーシアちゃんが知っている事や、自分の家庭のことを話し、自分の願望を語る。


「そう。でもね正妻と側室との対峙があるのも事実よ。私は、それで進が悩むのも嫌なの。ごめんなさいね、ワガママで…」


 遥花お姉ちゃんは、自傷気味に笑う。

 それを労うように無言で、亮平お兄ちゃんが、遥花お姉ちゃんの肩に手を置き、遥花お姉ちゃんが、亮平お兄ちゃんを見ると、亮平お兄ちゃんが、優しく微笑むと釣られるように遥花お姉ちゃんも微笑む。

 そんな光景を見ていたリーシアちゃんとヘルミーヤーナ殿下にナーレーリッタ嬢が語りだす。


「ワガママだなんて…良いではないですか!」

「そうですわ!私達は必ず仲良くやってみせますわ」

「はい!これから絆を深めていきたいと思います」

「ありがとう」


 三人の言葉に遥花お姉ちゃんが礼を言う。


「オイオイ、オレも婚約者の一人なんだが?忘れられちゃあ困るぜ!」


 ここでジェシカさんが話の中に入る。

 三人はそこでジェシカさんを見て微笑みながら応える。


「忘れてませんよ。これからよろしくお願いします、ジェシカさん」

「貴方はまず言葉使いから学ぶ必要がありそうですわ」

「よ、よろしくお願いします」

「フン、オレの言葉使いは公の場じゃマシになるんだよ!まぁ兎に角よろしくな、姫さん達!」


 ジェシカさんがニヤッと笑い三人も笑顔になる。

 この四人なら大丈夫やろうね。

 ジェシカさんは姉御肌のような人だしヘルミーヤーナ殿下も引っ張っていくだろう。


「良かった。でもね本題はここからよ!その答えによっては、婚約話自体なかったことになるわ」


 その場の誰かがつばを飲み込む音が聞こえる。

 遥花お姉ちゃんは何を言うんやろうと思っていると、遥花お姉ちゃんが進を見つめ優しく問う。


「進貴方はどう思うの?」

「えっ?」


 まさか自分が質問されるとは思っていなかったのか、驚愕した表情で遥花お姉ちゃんを見る。

 確かにさっきまでは、リーシアちゃん達の事を聞いていたけど、当事者である進の気持ちを聞いていなかった。

 これは一番重要な事かもしれない。

 進の答え一つでこの話は無しになる可能性も出てきた。


 進は下を向き暫く思考し、答えが決まったのか、遥花お姉ちゃんの眼を見ながら話す。


「正直俺は兄様の支えになるため、強くなることしか考えていませんでした。リーシアと婚約したのは一目惚れですが、兄様がシュナイゼルで行動するには、フォークス公爵の力が必要と思ったのも事実です。今回の婚約の話だってゼルクや第三王妃の実家、そして神流家の後ろ盾ができるとしか思っていません。これも兄様の為になると思って…」


 話していく内に段々顔色が曇っていく進。

 それを聞いて僕は、いても立って入れず、立ち上がり進のもとに行き、座っている進を後ろから抱きしめる。


「兄様?」

「進ありがとねー。僕の為に考えてくれて、偉かぞ。でもな僕は進にもっと自分の事を考えてほしかばい。お前はまだ幼い、もっと周りに甘えて良か、ワガママになったって良かとぞ。じゃないと進が、進の心が保たんばい!それにな…」


 そこで言葉を遮り抱きしめていた進を離すと、進が僕に身体ごと振り向き、進の眼を見つめながら言い放つ。


「進は僕にとって大事な甥であって、実の弟と思っとる。進には幸せになって欲しいんよ。その為には、僕が進に支えられている様に、遥花お姉ちゃんが言ったように進にも支えてくれる人が必要なんよ。僕も支えになるけど、それとはまた違った、リーシアちゃんの様な癒やし的な存在が必要ばい」

「兄様…」


 そう言うと僕は、進の頭を微笑みながら優しく撫でる。

 恥ずかしそうに撫でられる進、そこに、遥花お姉ちゃんが進の肩に手を置き、亮平お兄ちゃんが進のそばに近づき、進の背中をぽんと叩く。


「豊の言う通りよ。進はもっと私と父様(ちちさま)や周りの大人に甘えなさい。一人で抱える必要はないのよ」

「そうばい。お前はまだ12歳の子供なんやけん、難しい事ばかり考えるんやなか、もっと俺たちに遠慮せずに甘えて色恋にうつつを抜かしてよか、今を楽しめ!まぁ、俺は遥花一筋やったばってんな!ガハハハ」

母様(ははさま)、父様…」


 二人にそう言われた進は黙り込み、暫くしてから、意を決したような顔つきになり、身体を元の位置に戻しリーシアちゃん、ヘルミーヤーナ殿下、ナーレーリッタ嬢、ジェシカさんの順に見ていきながら自分の想いを告げる。


「俺は、今リーシアの事しか想っていないですし、俺が強くなり兄様、ひいてはこの世界の為の事しか考えていません。ですが母様や父様、兄様が言う通り先の事ばかり考えすぎたのかもしれません。これからは目先のことを考えたり、俺も素直になろうと思います。こんな俺と仲良くしてくれますか?」

「はい、喜んで!」

「よろしくお願いしますわ!」

「こちらこそよろしくお願いします!」

「…」


 進の言葉に、リーシアちゃんとヘルミーヤーナ殿下やナーレーリッタ嬢は喜び、笑顔で応えるのだがジェシカさんだけ、下を向き身体を震わせて黙っとる。

 どうしたんやろ?不服やったんかな?と思っていると勢い良く顔を上げ、叫びだした。

 ビックリなんやけど!本当にどうしたん?


「オオオオオオ!もう堪らねぇ!我慢の限界だ!!」

「待ちなさい、ジェシカ!!」

「やれやれ」


 叫びながら言うジェシカさんを真琴さんが止め、霞お姉さんは呆れていると、ジェシカさんが突然消える。

 転移魔法?にしては魔力を感じんかったし、そもそも魔力器官が出来上がっていないのに、魔法は使えないはずばい。

 そんな事を考えていると、いきなり僕と、亮平お兄ちゃんが突き飛ばされ目の前に、ジェシカさんが現れ進を抱え抱きつき、頬ずりをしだす。

 突然の事で何が起きたのか、一瞬分からず皆が呆然とする中、ジェシカさんの行動は増す。

 

「あーーー、可愛い!なんて愛らしいんだ!もう一生離さないぜ!()()()()はオレのだ♡」


 そう言うと進の頬にキスをしだす。

 この行動で皆我に返り、特にリーシアちゃん、ヘルミーヤーナ殿下が怒りをイダキ、ナーレーリッタ嬢は顔を真赤にさせ戸惑っている。


「何をしているんですか!?シン君は貴方だけのものではありません!!」

「そうですわ!!しかもいきなりシン殿の頬にキスをするとわ、はしたないですわ!この痴女!」

「はわはわ〜…シン様にキス…」

「へっ!こう言うのは、早いもん勝ち何だよ!悔しかっ――」

「殺す!!」


 リーシアちゃん達の言葉に、勝ち誇ったように言うジェシカさんの言葉を遮り、この場に居ないはずの人物が現れる。

 物騒な言葉と物凄い殺気を込めて、一番厄介で極度なブラコンと甥に執着する人。

 その人物が有無を言わさずジェシカさんのもとに駆け寄り剣を振り落とすと進と共に消え元の位置現れる。


「絵梨花姉様!」

「進は直ぐ離れなさい!直ぐにこの女を殺してあげるから!」

「物騒だなぁ、これが華京院三姉妹の殺気かぁ。良いねぇ、良いぜ、これも進ちゃんの為だあんたを倒しイチャイチャしてやる!」


 進が絵梨花お姉ちゃんの名を言うと、離れろと進に言うがジェシカさんに抱えられている為自力では無理やろね。

 ジェシカさんもそんなに挑発しないで!

 この状態の絵梨花お姉ちゃんは厄介なんよ!


「例え霞様の養女でも殺す!」


 ほらね?

 絵梨花お姉ちゃんが覇王覇気を全力で出しちゃったよ!

 向けられるのはジェシカさんだけだけど、余波がリーシアちゃん達に向かうい、顔面を蒼白にして震えているし、その余波は僕にも来ているけど僕は大丈夫。

 これに対してジェシカさんは汗を流しているが、好戦的な笑みを向け進を真琴さんに預け、戦闘の体制に入り殺気を飛ばす。

 

「覇王覇気か、流石皇族だな!だが母さんの覇気に比べるとまだまだだな!」

「言ってなさい!直ぐに殺して上げるから!」


 二人が臨戦態勢になる。

 一触即発の空気になり、僕でも止めるのは難しいと思っていると怒声が響き覇気が飛び絵梨花お姉ちゃんの覇気を相殺した。


「止めなさい!!いい加減にしなさい絵梨花!ここには幼い娘が居るのよ?それを全力の覇気だなんてどうかしているわ!いつになったら甥離れが出来るの?進が前に進もうとしているのだから、黙って見ていなさい!それと…」


 遥花お姉ちゃんの言葉が絵梨花お姉ちゃんに、突き刺さる。

 そして、言葉を区切り今度は、ジェシカさんに鋭い眼光で睨みつけ言い放つ。


「ジェシカさんも控えてください!そもそも貴方の態度が原因なのだから、それらの行動は進と親睦を深めてからにしてくれるかしら?他の娘と進の為にもね!」

「ちぇっ!仕方ねぇなぁ、分かったぜ!」


 遥花お姉ちゃんの言葉に、ジェシカさんも渋々了承し、戦闘態勢をとき胡座をかき座る。


「よろしい、絵梨花も良いわね?」

「でも…」

「それでも文句を言うなら強制送還させるわよ」

「分かったわよ!」


 遥花お姉ちゃんの言葉に、渋々了承する絵梨花お姉ちゃんも剣を納め戦闘態勢を解く。


「シン殿の身内にも気をつけなければいけませんわね」

「絵梨花お義姉様は認めてくれれば頼もしいですよ。それよりも私達が一番気をつけなければいけないのはあの方です!」

「そうですわね。危険ですわ!」

「難敵ですしね」


 ヘルミーヤーナ殿下の言葉にリーシアちゃんが応え、リーシアちゃんの言い分にヘルミーヤーナ殿下とナーレーリッタ嬢が納得する。

 これから進の周りは賑やかになるだろうけど、遥花お姉ちゃんが居るし、僕も支えんばね。




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