38話 ノアさんに弟子入り?
このアトランは西南に商店街、東南に住宅街、北東に鍛冶や建築の職業街が、あり西北に闘技場、北にダンジョンがある。
中央に政務を行う城があり、冒険者ギルドは商店街にあり、宿は住宅街にある。
僕達は今職業街に来ており鍛冶屋がある店に来ていたのだが、そこにレオ達が二人のドワーフに言い寄られていた。
僕達が近づくとレオ達は疲れた表情をしており、僕を見るや助けを求めるような目を向けて来ている。
二人のドワーフは男女で女の人は身長は150cm位で紺色の髪をツインテールにして背中には大きな戦槌を背負っていて、レオとディランの剣や槍を見ている。
その表情は真剣そのもので声をかけづらい。
年齢は18位だろうかドワーフは基本身長が低い人が多いが中にはガイゼルーダ殿下の様に身長が高くガタイが良い人も居る。
もう一人のドワーフは背が低いようだ。
女性と同じくらいの身長であり髪も紺色。
「これ作ったの誰なわけ?白状しろし!!」
女性がレオとディランに向かって勢い良く質問する。
それに対してタジタジになりながらも観念したのか二人とも眉を下げ困った表情で女性に応える。
「それはノアさんが作ってくれた物だ」
「俺たちの腕が上がればオリハルコンやアダマンタイト、ヒヒイロカネで作ってくれるらしいがよ」
「ノアだって!?まさか破壊王の武器と呼ばれた最高の鍛冶師じゃん!お前ら直ぐアーシを合わせろ」
「落ち着けナナ!興奮するのは分かるが人が集まってる!」
「これが落ち着けるわけないじゃん!あの伝説のノア様に会えるかもしれないじゃん!これは弟子入りしないとアーシがここまで来た意味がないってわけ、それにコイツ等が着ている服も見たことない素材だし、かなりの付与がされていると見たわけ」
お目が高い、武器はノアさんだが服に関してはクロエさんの糸を使い作られている。
そのままでも丈夫なのだが付与は僕がこれでもかってぐらい欠けている。
エルに関しては部分鎧にドレスになっており、ルイは軍服の様な服を着て、フォビアナちゃんはローブを羽織り中には男装の様な服を着ている。
レオやセレナちゃん、ディラン、シノは洋服の上にSSランクのベヒモスの革で作られた革鎧を着けている。
勿論ベヒモスは僕たちが斃している。
魔獄にはベヒモスやSランクのキマイラやヒュドラなんかがゴロゴロいる。
ベヒモスを単独で倒せるようになったのも二年前からだ。
進は魔法使いの服装でローブを着用してエルリックは執事服。
僕は興奮気味の女性に話しかける。
「あのー、ノアさんに会いたかったら連れて行こか?」
女性は僕に向き直り興奮した状態で振り向き、僕の胸ぐらを掴み声を荒げて、僕に話しかけるのを落ち着かせるが意味がなかったぽい。
「本当?会えるわけ?なら早く案内するし!ほら早く!ん?その刀…」
急かそうと引っ張ろうとして僕の腰にぶら下げている月光に気づくと足を止め刀を注視する。
しばらく考え込み僕に了承を得て月光を受け取り刀身を抜くと魅入られる様に注視している。
「これ魔剣じゃないじゃん、もっと禍々しい感じがするわけ」
「御名答。それは妖刀、長い年月人ならざる者を斬り続けた結果意思を持った刀やね」
「インテリジェンスウェポン…それもそこら辺のインテリジェンスウェポンと違ってちゃんと自我があるっぽい。アンタ良くこんなもん従わせられたね、普通は死ぬよ?」
「認められとるからね。じゃなかったらアンタの言う通りとっくの昔に死んどるばい」
「ふ~ん、それもノア様が作ったわけ?」
「いや、これは僕のユニークスキルやね」
「そう。なら案内して」
そういう事で僕達はアトランの城に向か移動中で二人が親子で女性がナナ・セイノーズで男性がバルン・セイノーズであることが分かった。
二人は冒険者で各地を回り鍛冶の力をつけていたそうだ。
二人とも紺色の瞳をしており、ナナさんは端正な顔立ちをしておりバルンさんに関しては立派な髭を蓄えていた。
城に着きそこから転移ドアを使い魔獄へと向かうのだった。
魔獄に着き、ナナさんとバルンさん、一応シノとエルリックが付き添いノアさんの工房へと向かい中に入る。
中に入ると作業をしているのかカンカン音がなっている。
それに構わず僕は大音声でノアさんを呼ぶと作業の音が止み玄関に出てくる。
「なんだい、ユタカにシノとエルリックじゃないかいどうしたんだい?」
黒髪に髪を後ろでまとめ上げ、猫のような耳と尻尾があり、全身黒尽くめの服を着て、瞳は赤目をしていて僕を見ると笑顔で迎えてくれるが、ナナさんとバルンさんを見ると目つきが変わる。
その視線にナナさんとバルンさんは身体に緊張が走る。
それでもナナさんは負けじと前に出て自己紹介をする。
「アーシはナナ・セイノーズって言います。鍛冶師です、ノア様はアーシの憧れなんです。いつかノア様が作ったインテリジェンスウェポンを作ってみたいんです。どうかアーシを弟子にしてください」
ナナさんが頭を下げるとバルンさんも慌てて頭を下げる。
それを見たノアさんは厳しい表情のまま二人に圧力をかけ言葉をかける。
「その戦槌は私が作ったもんだね?まぁ良い…アンタが打った物見せな」
「はい!」
ナナさんは腰に着けたマジックポーチからナイフを取り出しノアさんに渡し、それを厳しい眼で見つめ角度を変えたり刃を触ったりと色々触っている。
暫くするとノアさんはナイフをナナさんに無言で返し背を向ける。
それを見たナナさんは肩を落とし絶望するが背をこっちに向けたままノアさんが告げる。
「私の指導は厳しいから気を引き締めてかかんな!舐めた態度で打ってると追い出すよ!」
「えっ!?」
「何してんだい!二人とも鍛冶場に来な!鍛えてやるよ」
「「はい!!」」
三人は鍛冶場に向かった。
「怒涛の展開やったね。それにしてもノアさんは嬉しそうだったばい」
「うん。母さん尻尾は振ってなかったけど耳が動いていたし、期待してるみたい」
「そうですか?私には厳しい眼で見て無表情にしてましたけど…二人とも良くわかりましたね?」
「それは俺の目かな。ナイフを見る目は少なくとも認めていたと分かったたい」
「なるほど…全くわかりませんね。ユタカ様の目がおかしいと言うことはわかりましたが」
「なんやって?やるとや?表に出んね!」
「やりませんよ!無駄ですから…直ぐ頭に来るの止めてもらって良いですかね…はぁ〜」
「エルリック、ユタカ様は本気にしてない」
「わかってますよ。直ぐのるんだから困った主ですよ…はぁ〜」
懐から携帯シーシャを取り出し吸い始めるエルリック。
それに対して僕も懐からタバコを取り出し火をつけ一息吸い吐き出す。
タバコを吸い終わり携帯灰皿に入れて、ノアさんの家を後にし、家へと帰る。
土間で靴を脱ぎ遊戯室に行くとそこには明とセイミー、エンジュ、平八郎が大乱闘なゲームをやっていて、明がセイミーを飛ばし、それに対して悔しそうに拳を握り、エンジュは平八郎をボコボコにしていた。
僕は平八郎と代わり、ゲームに加わり一時間やり日本のホラー映画を僕、キッド兄ちゃん、ネェネ、シノ、エルリック、明、セイミー、エンジュ、、平八郎で見て、セイミーが絶叫したり、絶叫したセイミーを見てエンジュが笑い、少しは二人の心が開かれたら良いなと思った。
映画を見終え、夕飯の準備に取り掛かると、ママと霞お姉さん、遥花お姉ちゃんがキッチンにやって着て準備に取り掛かる僕とクロエさん、イザベラさん、ジルさん、真琴さんに向かって聞こえるように話しかける。
「遥花ちゃん、進君に婚約者が増えたんだからこっちから婚約者をたてていいよね?やっぱり進君も皇族なんだからね!私の近衛に良い娘が居るんだよ口は汚いけどね、私の養子にしてこっちに向かわせよう!」
「まだあの子は幼いのですよ。それなのにあの年で四人となると…」
「良いんじゃないかな〜、豊も候補とは言え六人居るんだしね〜それに神流家から養子とは言えそんな変な娘じゃないでしょ〜」
「あの~霞様もしかしてジェシカの事を言ってらっしゃるんですか?」
「流石真琴だ!そのとおりだよ」
霞お姉さんの言葉が爆弾の様で遥花お姉ちゃんがちょっと困った顔をする。
それに対してママは気楽に捉え笑いながら応え、真琴さんが思い当たる筋があるのか名前を上げ正解だと霞お姉さんが告げると真琴さんは心底ため息を吐き手を動かしている。
因みに今日は冷凍庫にある牡蠣のフライと魚のフライ、豚汁、青じそのドレッシングをかけたサラダとご飯の予定だ。
たまには魚だけでもよかろ?
進の婚約話は明日、真琴さんが神器船で迎えに行くそうで通信はこの後直ぐにするのだそうだ。
はぁ〜人が増えていくんよね。
楽しくなりそうやけど面倒が待っているんじゃないかと密かに思いながら料理を作っていくのだった。
食事には、リチャードのおっさんはもちろんの事、グラッドさんやラスティアさん、ノアさんにナナさん、バルンさんも加わって大宴会となり、ナナさんとバルンさんは出された料理を美味しそうに食べウイスキーロックで飲んでいた。
食事の後歓迎の意味を込めて居間に繋がる広間に楽器を持ってきてリサーナさんがキーボードで、レオが魔石で動く魔力ギターで、同じく魔力ベースをディランが、パーカッションをセレナちゃんが担当し、歌を僕とフォビアナちゃんにルイでアニメのバイオリンの病気の女の子と心を閉ざしたピアノ奏者の男の子の主題歌である曲を歌い歌う。
その他にも交代しながら三人で曲を歌う。
僕が歌うと明が仮面から涙が流れていた。
明は僕が歌うのが好きだったから感動してくれるのは良いけど、どんだけ泣くんよ、目痛いでしょうに。
フォビアナちゃんやルイが歌うと明は小声で「えっ!?garo?高嶺ミーナ?嘘でしょ…」と呟いていた。その情報は入ってなかったのね。
歌声がナナさんやバルンさんだけでなくセイミーやエンジュに響いてくれると良いなと思うのやった。




