37話 アトランの発展状況とは?
冒険者ギルドを後にして僕らは、僕とエル、ルイ、フォビアナちゃん、シノ、真琴さん、キッド兄ちゃんとネェネとそれ以外に別れアトランの街をみて回ることにした。
街では僕のレシピを使った料理店があったり屋台が並んでいて景気がいい。
「それにしても日に日に人が増していくばいね今じゃ6000人も超えとるばい」
「もっと増えて良いものだがな」
「ここは父であるドクトリウム辺境伯の領地ですからね。都心はあくまで城塞都市ベインですから、父もアトランに負けじと領地を活性化させていますしね」
「ルイのお祖父様であるリチャードさんなんかは魔獄に家を建てて隠居してたまに軍の訓練の為にダンジョンにこもるけどね」
「私とも戦えって言われてる。正直うざい」
「あの方は食えないお方ですからね。隠居していても政務の話をされますし、先日なんか領地の特産品を作らねばとおっしゃってましたし」
「ぼくたちもまいにち、モフモフなでられるよ」
「ウン、アツクルシクテウザイ。ユタカタチナライイ」
リチャードのおっさんに対してものすごい言いようだな。でも間違ってはないけどね、あの人の考えはどうやって領地を栄えさせるか、家を繁栄させるか、最後に国のためにがくる。
実際、辺境でありながら、ドクトリウム辺境伯領はかなり人が増えている。ベインでもアトランと同じように学校を作ったり、ドクトリウム辺境を舞台にしたドラマを作って実際の舞台を見に越させるためいろいろ頑張っている。
「まぁ僕はシュナイゼルの王家の臣下でもないから領地なんて持てないけどね。それしちゃうと小国になっちゃうし、てか魔獄で十分なんだけどね」
「あそこはもう村というより広さ的には街だがな。それこそ国を起こせそうなくらい国力はあると思うのだがな」
「そうですよ。後は人が移り住めば国として認められますよ」
「いやばい。国王とか、ママもそれを望んどらんし今のままでよかとよ。でも住人は多分増えると思うけどね」
エルとルイに対して僕の想いを告げる。
住人が増えることに対して皆思うことがあるのか思案顔になりフォビアナちゃんが応える。
「それは…奴隷の事だよね?」
「そうやね」
「奴隷…」
「豊様、それはハルハンドの事ですね?」
「うん、ハルハンドは今一万人の奴隷を何箇所かの村に集めとる、ばってん貴族たちが抱える奴隷もおるけんそれ以上になるばい」
フォビアナちゃんの問いに応えるとシノが呟き真琴さんがハルハンドについて言及してくるのを応えると再び皆は思案顔になる。
「確かハルハンドで勇者召喚を行うのであったな…」
「奴隷は獣人やエルフ、ドワーフ、ハーフリング等と言った亜人まで居るらしいですね。その人達を犠牲に召喚を行うのでしょう」
「まだ先みたいやけど近い未来救助に行く予定ばい」
「ディーンがハルハンドについたことにより人間を良く思わない魔族が集結しているみたいだよ。東大陸の魔族国から穏健派の魔族を奴隷に狩りを行っているみたいだしね」
僕たちの背後から声が聞こえ振り向くと悠木さんが立っていた。
悠木さんは笑顔で右手を上げて「やぁ!」と挨拶してきて何気ない顔して僕達の中に入ってくる。
何で悠木さんが?と思っていると悠木さんは頬を膨らませ抗議をしてくる。
「ずるいんじゃない?ボクだけ除け者にしてデートなんて念の為監視をつけていて良かったよ」
悠木さんもトワに負けず劣らずこの世界に虫型偵察機を散布していてそれをクリシュナが処理して情報を落としてくれる感じになっている。
悠木さんには筒抜けなんよね。トホホ。
「悠木殿、これからはそう言った反乱分子の魔族ともやり合わねばならぬということだな?」
「そうだね、エル君。でも大魔王である人も動いているみたいだし、水面下って感じだろうね。ハルハンドは人間至上主義だし公にできないだろうね」
「魔族まで敵になるのですね。厄介ですわ」
「…」
「…」
「うん?どうした、フォビアナ、真琴」
エルと悠木さん、ルイが話していると考え込むフォビアナちゃんと真琴さん、それに気付きシノが問うのだが二人して眉間にしわを寄せて口を開く。
「ディーンさんて何がしたいんだろうね?」
「会ったことはまだありませんが反乱分子を集めてこちらに勝てると思っているのしょうか?イマイチ腑に落ちませんね」
「アイツの考えなんか分からんばい。僕を排除したがってるって言ってるけど、この10年なんもなかったし、なんなんやろうね」
話しながら僕達は商店街から抜け大きな建物の前に来た。
ここはこのアトランの学校でもある。
ここはジョセフィーヌさんが一から組織を作り上げた学校で教材に関しては僕や悠木さんが監修して出しており読み書き計算、礼儀作法、武術や剣術、魔法、裁縫と言った多岐にわたることを教え、難民の中で教師をしていた人を集めて基礎を、絵梨花お姉ちゃんが叩き込みこの10年でこの街の政務をこなせる子供を輩出していて、それを見た、リチャードのおっさんが真似してベインにも作り上げそれがドクトリウム辺境伯領の力を上げている。
武術や剣術に関しては冒険者ギルドがバックアップして教えており現在、軍務はかなり補強されゼムとスミスさんでダンジョンで鍛え抜かれている。
意外なのが配信者やV配信者になりたいというものが多く、それに関してはルイがEMAとしてV体を使いテレビで、話し方やどうやったら見入るか配信力を教えセンダ事務所に入りレリー歌唱団に続き人気になっているがフォビアナちゃんやルイには勝てないが見込みがあるものも出てきて始めているのでこれからが期待だ。
僕達は窓ガラスがつけられた校舎を覗き授業風景を眺め話し始める。
「アトランを中心にして他の領も平民学校を立ち上げているみたいで何よりだ」
「と言ってもやっているのがわたくしのドクトリウム辺境伯とフォークス公爵とドジャンダル大公、ネインヘル侯爵、それにダンジョン都市を持つレダー伯爵家しかしていませんがね」
「平民に力を持たれたくないんだろうね。貴族って厄介だね」
「皆ユタカ様を見習えば良いのに」
「それは難しいでしょう。平民が力をつければ貴族の立場を追われると思っても仕方がありませんからね。旧体制が良いのですよ、大半の貴族にとっては…」
「まぁそういう事だね。配信自体反対の貴族も居ることだし、大抵が貴族派だけどね」
エル、ルイ、フォビアナちゃん、シノ、真琴さん、悠木さんの順に述べていく。僕はそれに頷きながら肯定して考える。
確かに配信に対して反対が出ているが最近ではこの世界の歴史のドラマを撮影して配信したりしている。
アトランには他の領から演劇を学ぶためやって来る人がいる。
そういう人達が演技をして視聴率はかなり多く、最近ではアニメの吹き替えを声優としてやる役者もでてきている。
この街には役者も多く住んでいるし、ベインに住み通いで習いに来ている人も居る。二、三日かかるんだけどそこは転移ドアを作り検問を設置し騎士の監視のもとやって来る。
お陰でアトランは芸術の街として有名になっていて王都からやって来るものも居る。
なので人工は増え続けておりジットとゾシア、エキドナさんは毎日政務に追われているが学校で育った子たちが円滑に回してくれているおかげでそこまで苦はない。
勿論僕も政務はこなしている。どうやれば街が活気付くか考え季節の変わる頃には大きなイベントを打ち上げたりしている。
レリー歌唱団やV配信者のライブや街のダンジョンの近くに位置する北区に闘技場を作り、武闘祭を開催したり等企てたり人気役者の公開ラジオ収録等いろいろだし、アトランは北に位置するが魔獄の北の海から魚を釣りアトランで鮮魚として販売している。
これ等が人気で各地から人が集まるため宿なんかも多く作っていても足りず畑エリアで野宿をする人が出るほどだ。
そうならならないために多めに土地を取り城壁で囲っている。
計算上一万人は住めるようになっているのだが土地はあるが建物が追いつかないだけで僕が、魔法で作り上げれば良いんだけどそれだと大工の仕事を奪ってしまうので任せている。
僕達は学校を後にして住民街に来ていた。
「それにしてもアトランは綺麗ですねゴミ一つありませんし臭い匂いもしませんね」
「ゴミはテイマーがスライムをテイムしてゴミ処理してくれるし、住宅には浄化の魔法が付与されたトイレがあるから汚くないんよ」
「スライムはテイマーなら誰でもテイム出来るのだからそれでお金を貰えるならかなり人気だと以前ユタカが言っていたな。この案を王家も前向きに捉え実践し王都も綺麗になっているのだからな」
「低級のテイマーでも仕事にありつけるのですから引っ張りだこですがプライドの高い上級テイマーはバカにしていますがね」
真琴さんの質問に僕が応えるとエルとルイがそれぞれ意見を述べる。
実のところ低級のテイマーの仕事はそれだけではない。
スモールスパイダーと言う魔物をテイムしてアトランの街の各地を監視して回ったりと軍務の中にそう言った、情報部隊も存在している。
スモールスパイダーは強くはないが知能は高く意思疎通もできる優れもので、魔獄のカラーシルクスパイダーがBランクと強く中級のテイマーに僕たちが付き添いカラーシルクスパイダーに認められたものはテイムが出来る。
カラーシルクスパイダーは上級テイマーでもテイム出来るか分からないほどでそれがアトランの中級テイマーがテイムしているのだ、上級からしてみれば苦湯を飲んだ感じになるし、非難も上がる。
カラーシルクスパイダーは強さだけでなく糸も色々な糸を吐き出しその糸が上級でアトランの名物となる。
中級のテイマーはスライムとも契約しており街にも役に立っている。
上級が文句があるなら同じ仕事をしろとジット言われ「低級の事なんか出来るか!俺は上級のテイマーだ!」と言って去っていくらしい。
中には表面上取り繕い嫌々やりカラーシルクスパイダーに契約を持ちかける者もいるがそういう者は大抵認められない。
何故カラーシルクスパイダーがテイム出来るのかと言うと、それにはクロエさんが関係している。
クロエさんは蜘蛛神と言う土地神の様な魔族で魔獄に住むスパイダー系はクロエさんの言うことを聞くしそのスパイダー系が認めた奴としか契約しない。
そんなテイマー達だが勿論ダンジョンでレベルを上げ、格も上げ低級から中級へ、中級から上級へと上がりテイム出来る魔物も増えている。
幼いファング・ジァイアントボアをテイムして育て上げ戦力にするものや、ファイティングスパイダーやソードスパイダーと言ったAランクの魔物をテイムしたり、中にはSランクのブラック・ブラッティタイガーとテイムしたりしている。
ブラック・ブラッティタイガーに関しては極稀だ。
僕がキッド兄ちゃんやネェネを連れまして良いものを食べているから同じ思いをしようと考えたネェネの一族が出てきているに過ぎない。
そんなこんなでアトランはテイマーにも人気な街となっている。




