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34話 悪巧みって上手くいかないこともあるよね?


 パーティーは続き色々な子息や令嬢に話しかけられたが、僕の目には媚を売っているようにしか見えていない。僕と言うより大賢者であるママに取り繕うと親にでも言われたのであろうね。

 嫌気が差していた頃、アクセル殿下とガイゼルーダ殿下のもとに戻ると僕を労ってくれて、僕の苦労をわかってくれた。


「やはり成人すると親の影響を受けて利益しか見ていないな」

「嫌になるな、俺も国元でそんな奴ばっかりだったからな、お前の気持ちも分かるぜ」

「これで誰と付き合えばいいか良く分かったけん、これで良いんやけどね。欲を言えば僕自身を見てほしかったね」

「仕方ないさ。君の場合親が大賢者と剣聖でもあるからね」

「ちげぇねぇ、俺でもデイヤ様の子孫てだけで良からぬことを考えた奴が近づいてくるんだからよう。まぁお前の場合護衛や従者とかいるわけだから良いだろうけどな」

「僕は大丈夫やけど進がね」

「「あ~あ」」


 僕が視線を進に向けると二人も進に向け同情の目線をやる。そこには未だに進がヘルミーヤーナ殿下やリーシアちゃんとナーレーリッタ嬢に絡まれていた。僕と目線が合うと進が助けてと言う目線を出すが首を横に振る。諦めり、ありゃあテコでも動かんばい。

 進が絶望していると護衛のレオとディランが苦笑いを浮かべていた。

 そんな感じでパーティーは幕を引くのであった。






「クソが!!なんであんな奴にコケにされなければいけんのだ!それに大賢者達をこの国から追いやることが出来たというのに…それに奴はなんで大賢者同様、母上の秘密を知っている!!」


 は~い、トワやで〜。今ワイはライナックを監視しとるわけやけど部屋に戻ってからというのも部屋で暴れまわっとるわけや。さっきから家具や花瓶がボロボロやかなり高いやろうに何しとんねん。

 せやけど主が放った一言はかなり効いとるわけやな。まぁそれもそうやろ己の出生にも関することやからな。そりゃあ隠したい秘密が知られとるんや気が気ではないやろ。

 そこでパーティーでは無言だった水色髪をしたファイン・デン・ダクネリーナがライナックに近づき落ち着くように体を支え始める。

 正直何考えとるかわからん人物やな。


「殿下お怒りはわかりますが手を汚されてますよ。回復魔法をかけます」

「あ、ああ、すまん。ついな、それにしても思い出しても腹が立つ、どうにかして奴を排除してドクトリウムの娘とメイド達を手に入れてやる」


 うっわ!あくどい顔しとるでホンマ。

 ホンマ女癖が悪い男やで、ここで排除してもええんやけど、コイツの裏に居る大物を釣らんと今後のこの国の影響が傾くさかいに変に動けんわ。

 そう思っているとザゲット・デン・ビッツヘルンがあくどい顔をして口を開く。


「ならば殺してしまえば良いのです。父上の持つ暗殺者ならあんな平民殺せるでしょう」

「闇ギルドのガルードを超える実力者なのですか?」

「えぇファイン卿そこは安心してください。暗殺の天才が三人もいますので大丈夫です。いくら大賢者の息子と言えどただの人、会った感じ凡夫です。殺すのに手を煩わすことはないでしょう。父上には通信晶で報告済みですので今夜にでも決行できます。その時にドクトリウムの娘とメイド達を捕らえて隷属の首輪をつければ良いのです。こんな簡単なことはありません」

「ですがもし失敗すれば我々の立場が…」

「何も心配することは無いフランク。失敗しても暗殺者は自殺するようになっているし、大勢で攻めることになっている。いくら護衛がいようが数で圧倒すればその隙に殺せるし、その時に攫えば良い」


 ファインは無表情で、フランクは動揺した感じが見えたがザゲットの言葉に安堵しとる。その言葉を聞いたライナックに関してはあくどい笑みを浮かべいい案だと言いたげやな。

 そないにうまくいくわけがありゃせんわ。

 今日、シュナイゼルの剣聖を負かした男やぞ。実力を知らんのかい。


「数はどれくらいなのですか?それに相手は今日この国の最強と言われるヴォルフ卿を倒した人物ですよ。決しって侮る相手ではありませんよ!」

「数は20人程。それにそれは怪しいですな。きっと大賢者の息子だから勝ちを譲ってあげたに違いがありません。実力は大したことがないでしょう」


 現実を見んタイプやな。こういうタイプは痛い目に遭わ分からんやつやな。それに20かいな、結構用意するんやな。せやけど主達やったら大丈夫やろう。


「そう上手く行けば良いのですが…ザゲット上手くやるのですよ。決しってライナック殿下の手ではないと分からないように大賢者の家にはハルハンドの剣王を負かした相手もいると聞きます。油断は禁物です」

「わかっていますとも、ファイン卿。幸い大賢者とその一派は王家主催のパーティーに行っています。足止めも可能でしょう」

「クハハハ、これであの男は死に女共は俺のものとなる。できれば生きたまま目の前で犯してやりたいが大賢者が出てくるかもしれんからな殺してしまえ、クハハハ」


 ライナックの高笑いが部屋中に響く、だがこれがいつまで続くのやら。ワイは部屋にナイトウォッチャーを設置し部屋を出ていくファインとフランクの後をついて行く。


「ファイン卿大丈夫なのでしょうか。確かにあの平民には怒りを覚えますし、殺すことには同意しますがさっきから不安が止まらないのですが」

「大丈夫でしょう。ザゲットがうまくいくというのです。ここはザゲットを信じましょう」

「そうですか。それでは私はこれにて」


 そう言って曲がり角を曲がり離れていくフランク。ワイはファインの後をつける。するとちょっと広い中庭に出て中央に着くと歩みを止め空を見上げ独り言を言い始め言い終わるとその場を後にする。

 ワイはそれを見届けると主のもとに行きこの事を伝える。それがワイの仕事やからな






 僕は王都の屋敷で皆と話をしているとトワがライナック殿下の企てを聞いた。屋敷に入る時になんか視線を感じるし気配察知にも引っかかるやつがいると思っていたら暗殺者とはね。

 どこまでも腐った輩ばい。

 それにルイも狙うとはこれは痛い目に遭わんと分からんやろうね。

 それを聞きルイは泊まる気満々でそこにエルまで泊まると言い出す。

 ママ達は今日は王城に止まるらしい。

 まぁ高みの見物やね、そうすることにより襲いやすいんよね。

 僕らは外にいる暗殺者に悟られないように日常をして眠りにつく。

 僕のベットにはキッド兄ちゃんとネェネが一緒に横になりモフモフしながら暗殺者が来るのを待った。

 しばらく待つと気配を消し音も立てず忍び寄る者がいたが魔力感知でバレバレだ。

 魔力も最小限に抑えているが僕には分かるけどかなりの手練れに違いない。

 魔力感知で僕の部屋に入って居るのは四人で僕に近いのは三人で部屋の出入口に一人居る状態。

 屋敷にはその他に16人居るがそれぞれ部屋に入っているのが分かる。


 僕の首元にナイフを立てたのを感じ暗殺者の手首を捻り上げるがその他の人間が襲いかかってくるのをベットから立ち上がり妖刀召喚で月光と言う刀を召喚し戦闘態勢に入り目の前に背が小さい黒装束に仮面をつけた二人と黒装束に口元が開いた髭面の男性が佇みこの三人には、首輪がされてあり、鑑定眼で隷属の首輪とでている。出入口には、顔を出した鋭い目線の男性が、居て指示を出そうとしている。この男には首輪がない。


「10番213番214番何をしている!さっさと殺せ!」

「キッド兄ちゃん、ネェネ後ろのうるさいヤツを取り押さえてくれん?」

「わかった!」

「ウン。マカセテ!」


 番号で呼ばれた人達を僕が相手をするとして指示だけのやつを取り押さえるため二人に指示をして三人をすり抜け指示を出した男にたどり着くと二人が小さい為「魔物風情が!」と息巻いていたが二人が元のサイズに戻ると旋律し始める。


「そんなやつさっさと殺してこっちを手伝え!」


 僕はそんな男の言葉を無視して三人の首についている首輪を武術のスキルの瞬歩を使い近づき分解で壊し三人を自由にする。


「これで三人は自由ばい。さあどげんする?」

「「私達にはこの道しかない」」

「俺も長年散々人を殺してきた自由になったと言っても困る」

「何を話している!さっさと俺を助けろ!」

「きしゃんは黙っとかんか!この三人の隷属の首輪は壊した。きしゃんの事は聞く必要は無か!」

「なっ!?グワっ!」

「ユタカこっちはだいじょうぶだよ!」

「ウルサイノハ、カタツゲタヨ!」


 指示を出していた男はキッド兄ちゃんに取り押さえられ、後は三人だけとなり、三人は戦闘態勢のまま僕と睨み合っている。この三人は、本気で僕と戦いたいのが分かるが、この部屋じゃ戦うには狭すぎる。場所の提案をする。


「ここじゃ狭いけん場所を中庭にせん?本気で殺りあおうやん」


 三人が頷きここは二階なので窓から中庭に出ると屋敷の中で殺り合う音が聞こえてくるがそんなに長くはなく直ぐに音は収まり暗殺者を連れて、皆が中庭に出てくる。キッド兄ちゃん達も小型になり引きずりながら窓から出てくる。


「ユタカ、賊は自殺をするから直ぐに意識を刈り取ったぞ」

「豊さん、賊は中々出来るようですが私達の敵ではないですね」


 エルとルイが代表して敵の情報をくれる。

 自殺を図っても僕が再生魔法で治すので意味がないので、情報はその後ゆっくり取れば良い。

 暗殺者は、大抵苦痛耐性があるはずだが僕は、再生魔法があるので情報収集等は相手によるが割と簡単に取れる。

 そんな事より目の前の三人だ。

 三人は戦闘態勢で僕を見ている。


「分かったばい。情報収集は任せんしゃい。取り敢えず今はこの三人やね」

「手伝うか?」

「良かよ。エル達はそいつ等を見張っといて。この三人は僕が相手ばするばい」


 僕は三人に向き直り構えると小さい二人が影に潜みどこから来るのか分からず、髭面の男が暗器を持ち瞬歩で距離を詰め急所を狙ってくるが、月光で受け止めはねのけ背後からくる二人の攻撃を振り向きながら捌く。

 僕もユニークスキルを使い影に潜み先ず二人から倒すために一瞬動揺した隙を突き影から出て一人の意識を刈り取る。


「よくもお姉ちゃんを!」


 激昂したもう一人を再び影に潜み背後から意識を取ると髭面の男が僕の影から出てきて急所を狙ってくる。コイツも影魔法使えるとや。

 攻撃を避け反撃を食らわすと受け身を取り緩和し、また影に潜み隙を見て攻撃をしてきたり、瞬歩で攻撃してきたりと多彩に仕掛けてくる。

 どれも避けたり捌いたりしていると決め手がなく汗を流す髭面の男。それに対して僕は余裕があり身体強化魔法をさらに強め武術スキルの神速を使い相手が対応できない速度で抜刀術で斬りつける。

 相手も対応できず胸に深手を負うことになる。

 僕は髭面の男に近づき首に刀を当てる。


「殺せ、敗者に容赦をするな。俺なんか人を殺すことしかしてきていないんだ。行きていても無駄なだけだ」


 生を諦めた感じで物を言う男。

 僕はこの男に前世の自分を重ねるのだった。




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