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29話 神の信託、あらがいてみせようじゃないか!


 暫くして泣き止み、明と話をしていた。

 親父の気持ちは分かったし、お袋も後悔をしていたらしいが、「私も豊久に愛情表現ができていなかった。でも息子として愛していたのは確かよ」と言っていたらしく親父同様幸せになってくれとのことだった。

 俺もそうやけど親父たちも不器用やったんやね。

 

 さて、親父たちの気持ちは分かったが、明が何でここに居るか分からない。

 今度は僕が聞く番だ。

 そう思い聞いてみると驚愕することばかり。

 なんとこの明15の頃婆ちゃんに会いに行ったらそこで、婆ちゃんと見知らぬ人が話をしていたらしく気配を消して聞いてみたら婆ちゃんが銀河連邦警察の学校に入学しないかと言われていたそうで、婆ちゃんはその時爺ちゃんが生きていたので断ろうとしたのを興味を持った明がその話を受けたそうだ。

 これには婆ちゃんもビックリしたらしく全く気配を感知出来なかったらしい。話を持ちかけた人も出そうだ。

 話を持ちかけた人は最初は渋っていたが、明の熱意に負けて折れたそうだ。

 婆ちゃんも反対していたが同じく明の熱意と甘さが出て許可を出したそう。


 で、何で婆ちゃんがその話を持ちかけられたかと言うと、実は婆ちゃん、天王寺家の分家の人間で第二の人生を宇宙でやり直さないかと言われたそうで、話を持ちかけた人は天王寺家の人だったらしい。


 こうして明は銀河連邦警察の学校に入学することになるんやけど未成年で親の許可が必要やったんのを婆ちゃんが承認して入り、親や俺達には海外に留学したことにしたとか。入学して生体強化し妖気も使ってか、学校でもトップの成績を残しばぁばに認められ、ばぁばの部隊に所属したらしか。


 ばぁばは明が部隊に入る際入念に身辺調査をしたところ代々続くハンターの家系で婆ちゃんの孫と言う認識だったのだが、僕が転生した事により悠木さんが僕の事を調べばぁばに言ったところそういえば…と調査し直したところ明が僕の妹と判明し面白そうだから今回監視に付けたそうだ。

 因みに僕の事を教えたのは赴任する前。

 ビックリしたらしく恨み言でも言ってやろうとノリノリで承諾したらしか。


 なんやそれ婆ちゃんの正体知らんかったんやけど、天王寺って亮平お兄ちゃんのところだよね?知ってたんかな?どうやろうか…うん?ってことは僕も前世は天王寺家の人間ってこと?

 まぁそれは置いといて。

 そんな事があったとは、しかも面白そうだから監視につけるって…どんだけよ。


「立場がおにぃの方が上になっちゃったけどね、皇族ばい?それも百合花様の孫!ウチが仕える事になるとは思ってもおらんかった」

「僕もまさか妹が宇宙に行っていてばぁばの部下とはね。世間は狭かね」

「ウチも今回の件で父さん達にはなさんといかんと思って話したらかなり怒られるしおにぃの事よりウチの事がかなり問題になったばい…」

「そりゃそうに決まっとるやろうが!僕より危険やろが!なんば考えとるとね!」

「それに関してはごめん!でも好奇心には勝てんかった!」


 頭に片手を当て舌を出しごまかそうとする明。

 そんな事しても許されんばい。

 勝手な事ばしてからに、両親が不憫でならん。

 まともなのは秀治ぐらいか…

 アイツは出来た嫁さん貰って店をやりながらハンターもこなして、両親に孫を抱かせて、本当に孝行者やね。


「そんな事よりおにぃも大変やね。霞様の猟犬と言われるあの真琴さんが…今は真琴様か、その人が婚約者候補って!」

「そんなに?」

「そんなに!」


 明は真剣な表情に変えて真面目な話をし始める。曰く真琴さんは軍務ではかなりの実力者で霞様に対して忠誠心が強いらしく敵には容赦無いとか。真琴さんは海賊や敵対組織だけでなく内部にも眼を光らせていたようで猟犬と言われているとか。


「僕の従者、かなり危ういこと言ったかも…」


 僕は明にエルリックのことを話す。

 最初は真剣に聞いていたが段々笑いを堪えれなくなって笑い出す。


「プハハ!そんな事言ったの?おにぃの従者ってかなり忠誠心高かね!皇家も敵に回すとか良くだいそれた事が言えるばいね!しかもちゃんと自分の無力さを知ってるし、しっかり力をつけるきまんまんやん」

「まぁ今は宇宙とか言ってられんけんね」

「神殺し、か〜、大変やね?ウチも監視っていうかどちらかと言うと真琴様の方の監視やけん手伝えることがあったら言って手伝うけん!」

「遥花お姉ちゃんとかいるけん大丈夫と思うけど…」

「それがそうも言ってられんとよ。彩也花様の情報ではDr.マードックが近代化を進めているのと同時に勇者召喚をする準備をしていて、その中に宇宙の犯罪者も召喚しようとしてるらしく、それを阻止するために遥花様達も本格的に動き出そうとしてるんよね」

「マジか…」

「マジ!今まではおにぃ達を育てるのに忙しかったけど、それも一段落ついたから今度はこの仕事が加わる感じやね」


 笑いこけていた表情も潜めて真面目に話す明。

 それだけ重要何やろうね。Dr.マードックは宇宙の學士でかなりのマッドサイエンティストらしく彩也姉が前から追っていた人物らしい。

 かなり厄介でトワ曰く守りが厳重で近寄ることも不可能だとか。

 

 こんな話をしているといきなり神気を感じた。

 明も感じたらしく警戒をしていると部屋にアクアジーネが突如として降臨する。

 それと同時に部屋にママも入ってくる。


「せっかくの兄妹の再開に水をささないでくれるかな〜アクアジーネ!」

「これはこれは、風ちゃん。ごめんね!ウルフちゃんが重要なことを言ったからこっちが把握していることを言おうと思ってね!」

「重要って勇者召喚の事やね?」

「そうだよ、豊くん!勇者召喚は実行される。これは決定された未来なんだ!で、その召喚で犠牲になる生贄を豊くん達に減らしてほしいんだよね!」

「唐突だね〜決定した未来か〜」


 ママが腕を組みながらあごに手を当てる。

 眉間にシワを寄せながら考え込んでいる。

 アクアジーネの次の言葉で僕や明がなんとも言えなくなってしまう。


「実は召喚される人の中に豊君とウルフちゃんの大事な人が含まれている。それも悲惨な末路が、ね!」

「「何やって!」」

「アクアジーネ、そんな事言わないでくれるかな〜いくら君でもそんな事分かるわけがないじゃないか〜そんな力は持っていないはずだよ〜」

「私じゃなくて紡様からの伝言!でも豊君の未来は断片的にしか分からないんだって変えられない事柄は見えるみたいだけどそれ以外がイレギュラーだって!」

「そう来たか〜」

「でも召喚の未来は変えられないけど悲惨な末路は変えられる、これは豊君次第かな!」


 何気ない顔で言い放つアクアジーネ。

 まぁやることは決まっているけどね。僕の平穏を壊す者は何人たりとも許さない。絶対に覆してやる。僕と明の大事な人なら優先的に助ける。

 何があってもだ。

 それは明も同じなのか僕と眼が合うと真剣な表情で頷く。


「要は犠牲者を減らして大事な人も助けろってことやろ?」

「上等ばい!何が来てもねじ伏せてやるばい」

「そう言うことだから〜アクアジーネは高みの見学をしてなよ〜」

「そうするよ。豊君の影響で豊君の周りがかなり強くなってるし、いい影響になってるみたいだしね。これからも楽しく見させてもらうよ!じゃあね!」


 そう言うとアクアジーネは消えって行った。

 僕らも居間に戻り明は仮面をつけ、遥花お姉ちゃん達に話をしていた。特に絵梨花お姉ちゃんは何があったのか逐一聞いている。

 明はママに何かを渡し、真琴さんと共に悠木さんの船で魔力器官を作るため船へと向かう。

 大体3、4日で作られるらしく慣れるまでそこからまたかかるとか、実は遥花お姉ちゃんや彩也姉、絵梨花お姉ちゃんも魔力器官を作っており三人は、大体一週間でものにしていた。

 これはかなり早い方らしい。父は一ヶ月かかったとか。

 料理とかいっぱい作っておかなきゃ。明の好物なんかをね。






 私、仙台風は今は一人で寝るようになった部屋で一人っきりになっている。

 豊も10歳まで一緒に寝てくれたんだけどね〜。

 まぁそれも私がわがまま言って伸ばしてくれたくらいだしね〜。


 さて、何故一人になったかと言うとウルフちゃんである豊の前世の妹から渡されたメッセージを聞くためだ。これは豊の前世の親からで、私宛だそうだ。なんだろうね〜。

 ドキドキしながらそのデータを携帯端末で読み込み空中に画面が出る。


『あーはじめまして、豊久の新しい親御さん。私は豊久の父、月影正宗と言います』

『私は月影美枝と言います』


 70を超えているだろう男性と60代くらいの女性が困った顔をしながら話す映像が流れた。信じきれてないかな〜。そんな感じを受けるよ〜。


『話は明から聞きました。正直まだ信じきれてません。実感がないと言うか…それでも豊久が新しく生まれ変わり人生をやり直せるのなら、親としては複雑ではありますがそれを応援したいのが私の今の気持ちです。正直に言うとこっちで生き返してやり直して欲しかったですが、それを選ばなかったからそれくらい追い詰めてられていたのでしょう』

『私達も親と言いながら厳しく育てろくに愛情表現が出来なかった…親失格です…』


 美枝さんは今にも泣きそうな顔で親失格と言うがそれをせざるを得なかった事を悠木を通して知っている。美枝さんは幼い頃幼馴染を妖魔に殺されている。それがきっかけで自分にも厳しく、子供にも厳しく育て妖魔に負けないようにしていた。

 一種のトラウマだよね~。幼い美枝さんにはよっぽどショックだろうし。

 その結果、豊は孤独を感じてしまった。でもそれは正宗さんや美枝さんのせいじゃない。

 豊が信頼できる仲間を作ろうとしなかった、心を閉じてしまったことが原因だ。


『私達はあの子に幸せになって欲しいんです。使命があると聞きましたが、それだけに集中せず人生を楽しんで欲しい!今度こそ信頼できる仲間を作って欲しい、ただそれだけです。明からは貴方が愛情込めて育てていて環境も良いと聞きました。だからこそ貴方に豊久を託します。豊久が幸せになるように導いて上げてください』

『私からもお願いします』


 画面越しに頭を下げる二人。

 任せてください。豊は何があっても幸せにします。豊を悲しませるようなことは絶対にしませんし、後悔がない人生にしてみせます。

 だからどうか安心してください。

 私は二人のメッセージから改めて気を引き締めるのだった。




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