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第26話 『ありがとう』

いつも読んでいただきありがとうごさいます!


最近更新が遅くなってしまい申し訳ないです。

今月はまた忙しいので、いつ更新できるかわかりませんが、できる限り頑張っていくので、応援のほどよろしくお願いします!


これにてセレナちゃんも無事堕ちましたねぇ

次の話はセレナ視点で書こうと思ってますので、どうぞお楽しみにしていてください!


感想、評価等いつでもお待ちしております!

それが作者の励みになりますので、どうぞよろしくお願いします!

 セレナを助けたり、アクシアと名乗る謎の男が現れたりと一悶着があったが、それも落ち着き、俺たちは洞窟を後にしようとしていた。

 まず、師匠が最初に外に出ていき、それに続いてシルも出ていこうとする。

 ふと、セレナの方を見ると浮かない顔をしている気がした。


「あれ?どうしたの、ジーク?行かないの?」


 俺がセレナを気にしているとシルが不思議そうに聞いてきた。


「………ああ。ちょっと先に行っててくれ」


「………わかった。あんまり遅くならないようにね!」


「ありがとう」


 俺が何をしようとしてるのか察したのか、シルは深くは聞かずに洞窟から出ていく。

 俺は、シルの方からセレナの方に体を向ける。


「………どうしたんだよ?浮かない顔して」


「ジーク………いや、何でもないわ。はやくいきま………きゃっ!」


 俺が聞くと、セレナは何の問題も無いと言わんばかりに歩き出そうとしたが、足元がおぼつかず、よろめき倒れてしまった。


「大丈夫か!?やっぱりどこか怪我したんじゃ………」


 心配して倒れた彼女に近づくと、微かに震えてるのがわかる。


「………大丈夫よ、これくらい何の問題ないわ」


 それでもなお彼女は、大丈夫と意地を張る。

 そんなに震えて何かに怯えたような目をしながら言われても、とても大丈夫そうには見えなかった。


「いいから、無茶すんな。

 ほら、背中貸してやるから乗れよ」


 そう言って俺は、セレナの前で後ろを向いて屈み、背中を差し出した。


「………」


 セレナは無言のまま、俺の背中に乗った。

 俺は黙ったままでいる彼女を背負って歩き出した。

 洞窟の外に出ると、もう夜明けの時間になっていたのか、ちょうど朝日が昇り始めていた。


♢ ♢ ♢


 歩き始めてしばらくすると、セレナがやっと口を開いてくれた。


「………どうして私のことを助けてに来てくれたの?」


 セレナの質問に俺は、当然のように答える。


「どうしてって………そんなの当たり前だろ?

 セレナはもう仲間なんだから」


「仲間………」


 仲間という言葉を聞いて、セレナは俺の背中に顔を伏せた。

 どうしたのかと思い、振り返って確認しようとすると、セレナが話し出す。


「………見捨てられると思ってた。

………私のことなんか助けに来てくれないって。

 ………結局私の居場所なんて無かったんだって」


 この言葉を聞いて、セレナの元気がなかった理由を理解する。

 おそらく、自分を捨てた親のように今回も俺たちに見捨てられると思っていたらしい。

 そんなことするはずがないと思い、セレナに伝える。


「そんな訳ないだろ?

 シルや師匠、それに俺がセレナのことを見捨てるわけがないじゃないか!

 セレナの居場所が必要だって言うのなら、俺が居場所にでも何にでもなってやるよ!

 だから………そんなこと言わないでくれ」


 セレナが居場所を見つけられないと言うのなら、俺がセレナの居場所になってみせよう。

 そのぐらいの気持ちを込めて、俺は言った。


「………うん………うんっ」


 俺がそう言うと、俺の背中に顔を埋めながら、セレナは涙を浮かべながら何度も頷いている。

 涙は浮かべていても先程とは打って変わって、明るい顔をしている彼女を見て俺は、安心する。


「ねぇ………ジーク」


 涙を拭き、いつもの落ち着きを取り戻したセレナが呼びかけてくる。


「ん?どうした?」


「………『ありがとう』………!」


 いつもは冷静でキリッとしているセレナが思わずドキッとするような満面の笑みを浮かべて、お礼を言ってきた。


「っ!?あ、ああ!気にすんな」


 俺は動揺していることをバレないように返事をした。


♢ ♢ ♢


 それからしばらく歩いて、やっと師匠の家が見えてくるところまで来た。

 セレナは先程から何がそんなに嬉しいのか、にこにこと笑顔を浮かべながら、俺の背中に顔を埋めている。

 

「セレナ?さっきから何がそんなに嬉しいんだ?」


「えっ!?い、いや別に!何でもないわよ!」


 なにやら物凄く慌てた様子だが、本人が何でもないと言うならそうなのだろう。


「そうか?それならいいんだけど」


「ほっ………」


 俺がそう言うとセレナはほっと胸を下ろしていた。

 そうこうしているうちに家に到着した。


「セレナ、着いたぞ。下ろすけど大丈夫か?」


「え?う、うん!大丈夫よ」


 家に入る前に背負っていたセレナをそっと地面に下ろした。

 もう震えは止まっているのか、しっかりと立つことができている。


 俺は家の扉を開いた。

 そしてもうすでに帰り着いていたシル、師匠と共にセレナの方を向いて言う。


「「「おかえり!」」」


 それを聞いた瞬間、セレナは先程とは比べ物にならないくらい涙を溢れさせた。

 しかし、それでも眩しいくらいの笑顔を浮かべて彼女は答える。


「………ただいま!」


 これまでに見た彼女のどの笑顔よりこの時の笑顔が1番良かった。

 



 



 

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