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言われた言葉たち

作者: 一色

「いつか人を好きになれるよ」

「愛する努力が足りないんじゃない?」


人を愛することが分からないと気づいたのは小学生の頃だった。その時は、まだ経験してないだけ、思春期なだけ。そうやって誤魔化していた。

けれど、中学生になっても変わらなかった。余計に分からなくなった。人を愛することをなんでできるのか、教えてもらっていないのに何でできるのか。みんな私を置いて先に行ってしまった。


高校生になっても分からなかった。恋愛が活発化したからか、余計に分からなくなった。自分を責めた。愛することができないのは私の努力不足だと。私がいけないんだと。愛することができないのは、人としてダメなんだと。


たくさんのカップルを見た。付き合っている人を観察した。したら、余計に分からなくなった。

何で他人のためにそんなに動けるの?なんで他人のために拘束されるの?

分からない。何も分からなかった。


高校生の時、アロマンティックという言葉に出会った。人に恋愛感情を持てない人がいるんだと知った。

私は嬉しかった。けれど、自分を抑えつけた。

アロマンティックかもしれない。けれど、そうじゃないかもしれない。アロマンティックじゃなくて、ただ私がダメなだけかもしれない。


悩んでいる時にある人に言われた。

「愛する努力が足りないんじゃない?」

その人は、多くの人を好きになれる人だった。

『持っている』人だった。

苦しかった。

持っていないだけで私は人として見られないのかと。私は認められないのかと。


元カレの相談に乗っていた友人が私のことをこう言っていたらしい。

「今は興味がない、貰っても返せないとか自分自身のできる範囲内での努力を怠ってるんじゃない?」と。

それは、『持っている』人の言葉だった。


10年考え続けた。常にではなくても、それでも悩み続けた。当たり前が分からないのは私が悪いんじゃないかと自分を責めた。


それでも、私は壊れなかった。壊れなかったら、この時間は無意味なものになるのかな。


LGBTQ+

最近広まってきた言葉。それでも『+』に入っている人たちを認める人はとても少ない。

『+』の存在を知らない人は多い。

愛することが当たり前の世界で、愛せない人はとても生きずらい。


私は、声を上げないと認めてもらえないの?

私は、苦しんだ事実を晒さないと認めてもらえないの?

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