5卵.冒険?訓練?
朝早く、まだ仄暗い時間帯
「一週間お世話になりました。ありがとうございましたー。」
礼をつげて、逃げる様に出ていく男と、卵
「さて、装備は家に予備が有るから、簡単な覆えるもん買えばいいか。ステータスの事考えると、訓練用のガントレットとポーションちっとばかし高いが、定数回復と、割合回復両方買うか…。」
そう男が独り言のように言うと、卵が震える。
「ん?どうした相棒?装備があるのに買うのかって?ああ、そいつは簡単だ。今までのじゃ強度が足りないからなどうせ使わないし、調べたらうちのカギが無いと持ってこれないもんが用意してあったから、あいつ等なら適当な奴が俺の部屋にアンテナ張ってるだろうからな。悪足搔きすんなら今くらいだな。」
そう言って、答えながら歩いていると、建物の陰から不機嫌そうな声が聞こえる
「それが悪足搔きと理解しているなら早々に諦めろ。ウチの隊長はご機嫌斜めだと自分に厳し過ぎるんだ。他の人達も色々と、お前のせいで周りに迷惑をお掛けて、姉さんにも嫌な思いをさせるんだ。」
そう言って、リオ君が姿を表す
「それは、そうかもしれない。なら、強くなった分、いや、変われる分には良くなる努力をするって、伝えてくれよ。」
そう言うと、怒った顔をして、その後に、呆れた様な声がする
「またそれかい?相変わらずだねぇ?シン?」
女性の声でそう言いながら、後ろから肩を組んでくるいつもの猫のお面を被った奴
「現それは、それとして見逃してくれないか?」
鏡現、一つ後輩で、リオ君と同じく現在はクラウスの所でパーティーの一人として活躍している、天才だ。その天才から、距離を取るように動き、反対を見ながら言う。まぁ、離れる為でも無いし、きちんと伝える為だ。
しかし、それはそれ、位から、肩の組み方が首を絞めるようになる。
「やだなぁ?そんな事許すわけないじゃないですか?能天気なお人好し先輩と違って、ぼくは人の心がとおってもよく分かるんですよ?それどころか人の体の状態も。」
体が硬くなって、声も似て来て、そこまでするか?
「知ってるよ。」
そいつが筒抜けだから逃げたいんじゃなくて、見逃してほしいんだが
「そうですよね?でもだめですよ?その為になりたくもない先輩になってるんですからね?とはいえ、」
更にもう一人出てくる。
「ぼくとしては非常に嫌ですが、先輩が僕に頼まないで、ぼっ!くっ!にっ!頼むのですから、仕方ないですねえ!」
そう言って離す僕の方
「助かった、恩に着る。」
「いえいえ、その必要は無いですよ?訓練頑張って下さい!先輩!」
その一言に少しばかりこっ恥ずかしくなる。
「そいつを黙ってて欲しかったんだが…?」
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それから諸々買って、ダンジョン・・・受付
ジト目ですよ?ジト目?今すっごい恥ずかしいんですが。
「あの~エリスさん?申し訳無いのですが、それをお渡し願いたいのですが…。」
俺がそう言うと、エリスさんは呆れたように言う。
「あのですね?これでも私達心配してるんです。」
「はい。」
「最後に病室であった出来事の事も気にしていたんです。」
「はい」
『
「それなのに、現さんの報告が、「ばくに頼んでくれたし!それに、まるで『授卵の儀』で卵が割れて、興奮した子供の様な先輩の邪魔なんて出来ないよ?それも、皆が帰った次の日からずっと。」って、なんですか!心配も!告白も!そんなに軽いんですか!」
』
上記の『』を飲み込むエリス
「言いたい事は色々ありますが、とにかく今日は無事に帰って来てください。」
そう言いながら、いつもの紙ともう一枚を渡す
「はい!エリスさん、ありがとうございます!」
それだけ言いながら走り去るバカ
「五年間の頑張りを知っていて、素直にお祝い出来なかった分のお詫びですからね。きちんと受け取ってくださいよ?」
「ん、んん!エリスさん?」
そんな事を呟くエリスの後ろから咳ばらいをしたのは、上司だ。
「はい!」
「特定の方に肩入れは?」
「厳禁です!」
「よろしい!では、規律を守って業務を続けて下さい。」
「はい。」
そう返事をしてエリスは業務に戻る。…、特に意味は無いが、受付業務の退職理由の実に七割が寿退社となっている。
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そして、ダンジョン
今日は浅層だが、
「よし、頑張るか!カチカチダンジョン!」
そう言うと、目の前の最初のハードラビットが突撃してきた。それからしばらく。
「相棒!おさらいだっと、ダンジョンには、特性って、言っ、て良いのか、偏りが!みられる。」
そう言いながら、何度も助走付きで飛びかかるハードラビットを躱す。しかし、問題無く避けられる事を確認し、タイミングを合わせ横殴りにし、仕留める。そして、その死体は、霞の様に薄れながら、何かを落とす。それらを拾いながら、続ける。
「出たな。そして、ここは、通称「カチカチ」硬いのが出る。」
卵が少し震える。
「おいおい、相棒。この通称は俺が付けたんじゃない。よって、センスの問題はこの通称を付けた誰かと、そいつを後ろに広めた奴らの所為だ。だから、俺は今の所、相棒の分の責任しかないな。ところで、ホントに良いのか?」
更にもう一度肯定の様に震える。
「んじゃ、遠慮なく」
そう言うと、先程拾ったハードラビットの残した角をしすいの卵に叩きつける。キィンッ!
「痛って!にしても、ホントに硬いのな。その卵。」
手元にあるのは、砕けた角の欠片。また、卵が震える。
「分かったよ。相棒がそれで良いならその卵で守ったり戦うよ。でも、本当にそいつの中にはいないんだよな?」
その何度も繰り返した問いに呆れた顔のしすいが顔を出す。そして、シンの頭の上に登りぺしぺしと叩く
「やめ、悪かったって、何度も説明されたけども、そいつはもはや卵であって、卵でない卵なんだろ?」
なんだかよく分からんけど、この卵は、卵であって卵では無い卵であり、卵ハウスでもある?のだそうだ。もはやよく分からん。しかも、卵が閉じている時は、いや、開いていても中には存在するが、存在しないのだそうだ。謎だ。しかも、この内容を詳細に説明はしてくれないそうだ。ただ言えるのは、盾にしたり、攻撃に使ったりする時は、中には何も無い、に等しい?そのもの?だそうだ。この件については、考えるな感じろとの事だが、要は、卵で攻撃も防御もして構わない。どころか、経験値の分配的に積極的に使えとの事だ。今日に至るまで軽くさする事から始めて先程のアレまでしたわけだが、仕方が無い。約束通りしすいを信じて頼むか。
「でも、何かあればすぐ言ってくれよ。相棒」
そう言うと、しすいはぺちっと叩いて卵に戻った。卵を抱え直し周囲を探る。しかし、抑えきれない感想が口から出る。
「にしても、これまでと違いすぎるな。」
そう、これまでは、「ハードラビット」では無く「ラビット」に苦戦でなくとも戦闘はしていた。そのすばしっこさや、引き際から、初心者向けの「速い敵」「逃げる敵」の教材とされるラビットだが、しかし、舐めてかかれる敵ではなく、教材としては、最も大切な役割として最後に「見かけによらない致命的な敵」としてが、現場で教えられるものだ。小動物の小柄な体と、額から生える角、引き際の判断出来る危機察知スキル、見た目以上の脚力、歯。しかし、その見た目は大体ふわふわもこもこ。近づけば震え、恐れたように鳴く。そんな存在の為、侮る者も多くその結果、「侮りは死に繋がる」を教えられる。そのついでとして、即死回避の道具も試す事となるのだが、そこは置いて置いて、そんなラビット共は、これまでに何度も戦った相手だ。最近でも、纒て相手できるのは、五匹が限界で、一匹だって遊ぶ余裕は無かった。それが、手を抜いて、考えて喋りながら軽く倒せる。しかも、ハードラビットだ。剣や、鉈を使って何度か切り付けてやっとだったモノが一撃で、いや、「ハード」と名がつくのは浅層で大体元の一.二~七倍は硬いと聞くし、その柔いのは各園でヤり比べた。しかも、素手で倒せた。その上で二十匹だったが、手ごたえに大差は無かった。この事実から鑑みるに、その程度は関係無い程に能力が上昇しているって事だ。
「こいつは、狩場を変えないと、やばいか?」
この仕事は、命がけだ。だからこそ安全を確保しながらの挑戦が推奨される。しかし、攻撃が一切効かない(様なレベル)で、素手で簡単に屠るのは挑戦だろうか?冒険?開拓?どれにも当たらないだろう。だからこそ、そのような者は、取り調べの上ペナルティがある。とは言っても、レベル上昇が一度でそこまで探索している場所は変わらない筈…筈なのだが。
「現状は現状。つっても流石にここまでは予想外。とはいえ、」
そう言いながら、抱えた相棒を見る
「このまま足踏みするなんて恥ずかしいマネ、出来ないし、進んでみますか!先に!」
そんでもってつい、浅層のボスを倒して上層に足を踏み入れ、帰り道の澪さん達に襟首掴んで引っ張って行かれたのは辛いかったです。あと、やってたゲームのステータス表記からもしや、とは思ってたんだが、案の定スキルの方は●が、パッシブ又は、使用可能で、詳細が確認可能。○が何らかの理由で使用不可…原因は記載されない。そこが!いや、そこも!だが、知りたいんだけども!?
エッグり情報コーナー
5.スキルは、レベルアップに応じて1レベルに付き最大1つ覚える。ただし、使用については条件があるモノもあり、習得=使用可能ではない。しかし、必ず自力で使用できるようになる為、使用できない場合は、資質の指標として扱われる事が多い
作者「やらかした」
辛抱「でしょうね!」
ドラ娘「ん」
姉さん「だねぇ」
作者「すいませんでした。それと、今更で申し訳無いのですが、一応努力目標として、週三回以上の投稿をしていきたいと考えています。」
辛抱「ホントにだよ。」
ドラ娘「それはそれとして、もっと辛抱と喋りたい」
姉さん「いや、そもそも喋って無くないかい?」
辛抱「あ~、それは、俺としすいは喋ってる?んだけど、いまいちイメージが行きかってるんだよな。だから、こっちはそいつを口に出して言語化咀嚼する感じかな?簡単なのとかだとそのまま行けるんだけど。」
姉さん「何てことしてるんだい…。じゃあずっとこのまま?」
ドラ娘「ううん。普通に喋れるようにすぐする…作者と辛抱が」
作者/辛抱「え!?」
ドラ娘「する」
作者/辛抱「はい!」
姉さん「ありゃま」
辛抱「あ、あの?ドラ娘さん?どうして近寄って?」
ドラ娘「ちゃんと返事したから」
作者「俺は、次回予告有るから」
辛抱「てめぇ!おヴぉべ・・・」
作者「落ちが付いたと言う事で次回予告「6卵.冒険の続きとお祝いここまでがプロローグ?」」
ドラ娘「長い」
姉さん「だね。」
作者「何で君らはそんなに遠慮が無いのか…、伸びそうだから切り上げて」
作者「次回もよろしくお願いします!!」