9卵.ご都合主義全開?の後輩ポーター?と行くダンジョン金策?
兎にも角にも、履物と小物入れ位しかそろわなくて、黒シャツにズボンと靴、小手、ミニバッグだけ。コイツをそろえるだけで貯金の八割が消し飛ぶ。流石に挑戦する階層は計画的に変更しましょう。とは言われるだけある。散財(入院)が多いからこそ貯金していてこんな有様だしな。ま、揃えるついでになっちまったが、姐さんに事情説明(人、それを言い訳という)出来たし、クラウスにも伝えて(寝惚けている所に突撃して)きたし、終始頷いてくれたから良かったな。…、何とは無いけど性格の矯正急ごう。にしても、流石にダンジョンの中でする考え事ではない…、現実逃避だしな…仕方ないかな…。前回の事も有るから、ゆっくり稼ぎたいんだけど。折角、実力が問題ない?と、言うよりも、使いあぐねてると判断されれば出来る『レベルアップ後の指定ダンジョンでの訓練制度』で前回と同じところに入ったのに、
「先パーイ!」
あの鳥頭、「抑えて行くぞ!」に「はい!」って言ったんだぞ?
「先パーイ!!」
そいつがどうして
「先パーイ!!!」
「うるせぇ!馬鹿!」
一直線に階層主の部屋なんぞに来とるんだ!
「先パイ酷い!」
「んじゃ、鳥頭!」
「へへ!いいでしょこの帽子!!」
「はぁ~ン。そうだな。」
んなこたぁ今どうでも良いんだよ!はぁー。
「じゃ、引き返すぞ。」
「え、何でですか?」
この馬鹿は、そんな事言われるとはまるで考えていなかったような顔で、あぁ、その物か。心底不思議だと聞き返す。
「あのな、俺は、前回そいつに挑んで死にかけたんだよ!分かるか?である以上は心配かけるわけにはいかねぇんだ。挑めないだろ?」
「う~ん。それが分からないんですよね。だって、鏡さんに聞いていた倍くらい強いですよね?」
コイツ…、カマ掛けるか。
「お前、また使ったな?」
「え?え?え、え?な、なんのこっちゃですよ?」
「(*´Д`)はぁ~。」
このお馬鹿の相棒は二匹の『太っちょ八咫烏』…最初に命名した奴は何を考えてこんな名前にしたんだ?そう言わずにはいられない名前だ。しかし、見た目が神々しい三脚の黒、白、灰色になれるカラスなのだ…太っているけども。こう、マッシブではなく、太っちょなのだ。名前を付けてしまうのは仕方なく感じる。しかし、能力は強く、習得スキルは、マジックバック系や、光や影、闇の魔法や、光、闇、影を移動するスキル。物品の収集スキル。そして、今問題としている一種の未来予知。コイツは案外使いどころが難しいらしい。何故なら、どのようにすれば目的地に辿り着けるのか?その方法のみが見える、というより、体感できるスキルらしい。そして、このスキルの最難点は目的地及びその過程が不明な必要がある。
「お前、金策は噓か?」
その問いに渡の奴は大層焦って首を横に振る。
「ホント!金策はホント!噓ついてない!」
お前なぁ、他の所って
「金策はしてて良いのか?」
「…はい。」
スゥ―!ハァー!落ち着く様に大きく息を吸って吐く。
「金策にはココを抜けて行けば良いんだな?」
「…はい。」
「余裕がある時くらいはしとくか。それでも良いと思うなら!」
諦めたって構わない。逃げたって構わない。それでも良いと思うなら、だ
ああ、やってやるさ。それで良いとは思わない。
だから、怒られる時はこの馬鹿の所為にしよう!
「おし!そうと決まれば稼ぐぞ!」
「え゛?何か今凄く理不尽なことが決まったような!」
安心しろ、正当な押しつけだ元凶。
「んじゃ行くぞ。」
「あ、はい。」
「あ、でもここまで轢いてきた素材」
「それなら回収してます。」
え、優秀?
「秤んに「いつであろうと回収状態は切るな。」って言われて面倒なのでそのままなんです。でも、僕のスキルなのに酷いですよね!」
うーん、それは秤さんの大正解では?ま、それなら、
「んじゃ、殴り込みと行きますか!」
「おー!」
…、コイツ、無理やり話し換えて誤魔化してんのになんも言ってこねぇよ。大丈夫か?って場合じゃないな。取り敢えず今回は警戒して中に入って…
そう考えながらそーっと足を出した時だった
「何してんですか先パイ!ビクビクしてないでサッサと入って下さいよ!」
そう言いながら、俺の背中を押して、その瞬間俺の体はもう一度吹き飛んだ。
「先パーイ!?」
アンの馬鹿!一発ぶん殴る!それはそれとして、
「もう一発ぶん殴る!リベンジマッチじゃボケェ!!」
この間とは違うだろうが、もっかい黒鬼だ。前回とは違って自分で飛んだとはいえ、また足蹴にされた以上前回ゴミにされた装備の供養だ。
「その皮剥いで置いてけ!!」
「ガ!?」
「先パイがデンジャラスワイルド!?路線に!?」
そこの黒鬼!震えてンジャねぇ!!先輩の黒鬼装の修復材料だ!あと、うっせぇ馬鹿!性格は矯正予定だ!
「しかし、だな!」
前回少しだけ俺より強かった奴。攻めあぐねていた奴より多分弱い個体で、前の俺と同じ位の奴。スペック的には俺の半分!って事は、
そう言いながら、俺を蹴った個体に駆け寄る。しかし、さっきの俺の宣言に何故かビクついて震えているから、
「体が硬直しているなら!アイツにされたように駆け寄って攻め込める!んでもって!」
俺は、ギリギリ躱せたイコール!コイツは!反応を示した所で前回の俺よりもワンテンポ遅い!
そう考えながら、反応して腕で急所を隠しながら今更後ろに逃げようとしてるコイツの胸に拳を叩きこむ!そして、
「幼爪!」
前回は一か八かだったが、一般的に急所『コア』のある所に幼爪を伸ばす。
「ギャ」
それだけ言い残して黒鬼はただの皮と宝箱を残して消える。しかし、その様子を見て喜んでいる馬鹿と違って俺にはそんな余裕は無い。もしも、俺の初期値が二、三レベル低ければ、前回の黒鬼がもう少し強ければ、いや、黒鬼でなく特化型の青鬼が幼爪の様な武器を持っていれば恐らくは俺がこうなってた…、そんな姿だ。
「早く性格治そう。あ、それと馬鹿、一発殴るぞ」
それはそうとして、モノクルを使って宝箱を確認し、問題が無かったため、開けながら声をかける。
「何でですか!?」
「お前が押し出したせいで先制攻撃を受けてんだろうが!そんぐらい甘んじて受けろ!」
「嫌ですよ!今の先パイの一撃って最悪僕に通るじゃないですか!」
「んなこと知るか!」
は?
「いや、いやいやいや!?さすがにそれは無いだろ?一レベルしか上がってないぞ、俺は。」
「それこそ冗談でしょ!?鏡んにきいたら先パイの攻撃は多分僕の防御抜けてくるって言ってましたよ!」
現さん!?何をバラしてらっしゃる!?ステータスは個人情報!って、
「何で現に確認取ってきてんだ?」
そう俺が聞くとしどろもどろになる
「いや、あの、あ、そ、それはそ、あ、あ、え、っと」
「分かった。俺の実力を確認はしておいたと。」
それにぶんぶんと何度も首を縦に振る馬鹿…、いい加減に背中に抱えさせている相棒の不満がやばそうなんだが?この短期間に嫌われ過ぎじゃね?姐さんにはそんなに不快感表さないんだが…。そう考えながら宝箱の中身を取り出し、
「ま、仕方ねえ。取り敢えずついて来いよ。」
そう言いながら、馬鹿の背中から相棒を回収して小脇に抱える。
「あ、はい!先パイ。それは?」
そう言いながら、此方に問うので、地面に置いてるそれを見る
「ん?ああ、鬼種の金剛石だな。」
「え?」
「正確には種みたいなもんだが…。」
「いや、でも、それって高いんじゃ!」
「それがなぁ…。」
「こうゆう丸種の何々って、基本的には体内のそれっぽい所が残った場合上手く取り出せれば残るんだが、こいつは、正確には鬼種の金剛核要は、コイツを使った鬼の角の中に金剛石がつくれる。ま、養殖真珠の核みたいなやつだな。でも、コイツは確かに下産にも劣らない金にはなる。」
「じゃあ!」
「ああ、そのサイズの鬼を倒して角が取れればな。」
「え?」
「結局はそこなんだ。ザコ魔物の宝石なんてたかが知れてる。効果付きでも無ければ工業資材行きで、相応の効果であれば少し高いが、所詮浅層産ではな。ン百万となれば最低でも中層の魔物、下層なら余程の能力でないとだめだな。」
そう言うと、だいぶ落ち込んでいる。ま、形次第で浅層産でも高額で売れるが、どうせコイツはくれてやるものだしな
「ま、そうゆうわけだ。でもな?上手くやれないなら上手くすればいい。オークションならそいつでも上手くいけばン十万になる。何と言ってもそいつの成長限界は一㎥記録上十指に入る凄い種、と、このモノクルに出てる。」
「じゃあ!今回の分の支払いは!?」
「間に合えば何とかなるな。とはいえ、その為には早急にも出らねばならんのよ。」
だから、全速力で帰る!
「分かりました!『リターン!』」
そう馬鹿が言ったら、塔の外に出ていた。
「は?」
「どうすればいいですか?先パイ!」
あ、はい、こんなん出来るんね?教えておいて欲しかったわ
「ん~、ギルドの明後日のオークションに出せば?今日が締切のはず。」
そう答えると、言うが早いか
「分かりましたぁー!」
と叫びながらギルド受付に向かった。
「あ、ま、行きやがった…。知らね、とはいかんか。」
そう独り言を言いながらバカの後を追って、出品者を匿名にしたり、鑑定費用を出したりして今日の探索は終了としたかったのだが、
「さあ!先パイ!もう一回行きましょう!」
そう言って、俺の首根っこを掴んでもう一回突撃して行きやがった。
エッグり情報コーナー
9.今更キャラ紹介主人公の容姿は普段格好から主に言動補正で中の中未満~上の中以上(範囲外は極少なめ)を行き来する。185cm位所謂細マッチョ。傷跡が多く、見つけると理由は様々だが、気にする人が多いので、基本的には長袖長ズボン。髪は首より下まで行くと面倒になって切る。けど、疎遠になっていた人達と係り出してからは段々と服装や髪型、持ち物にチェックが入り諸々変えられそうになっている。
作者「寒い」
辛抱「体調管理!」
ドラ娘「寒い」
姉さん「だね。」
水零「辛抱!暖まろう!」
ドラ娘「は!」
作者「そっちで丸まってなよホレ(二人位包まれそうな毛布二枚)」
辛抱「作者は!」
作者「ホッカイロ」
辛抱「ずるい!」
姉さん「へぇ?面白そうだね。(そう言いながら毛布の一枚を辛抱に放り、自分はもう一枚に早々に包まる。)」
辛抱「そんな!」
ドラ娘/水零「辛抱!!」
辛抱「かくなる上は!カタカタ→(辛抱気絶)」
ドラ娘/水零「自分で気絶した!?」
姉さん「そうゆう所が中の中未満とか言われるの察して無いんだろうね?」
作者「ま、辛抱だからね。色々と耐える寄りなんだよね。あ、二人に抱えられて(;^ω^)・・・」
姉さん「どうするのさアレ」
作者「次回!」
姉さん「逃げたね」
作者「グフッ!じ、次回金策の続きと、new先輩の登場。装備品の関係デス」
姉さん「装備品ってあの子かい!?ウチの顧客がまた減るのかねぇ?」
辛抱「ずっと常連・・・」
姉さん「そこは姉さん一筋とかじゃないのかねぇ?」
ドラ娘/水零「そこはそう!でも、そしたら許さない!」
作者「あ、それ以上は…。」
姉さん「照れ」
作者「姉さんわざとらしく言わないで!あ、辛抱が!や、やめ!」
ドラ娘/水零「次回もよろしくお願いします!!」
作者「辛抱ー!?」