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美少年だと思ってたルームシェア中のイケメンが実は美少女幼馴染で俺の布団に潜り込んできた

それから、俺は風呂に入って

汗を流した。


夕方になって、


リョーヤと、ユーマがそれぞれバイト先から帰宅した。



今日の炊事当番はマヒロだった。



マヒロが作ってくれた麻婆豆腐や煮物なんかを、食べて寝る時間になったのだが。


実を言うと。


このシェアハウス。


かなり狭くて。


四人寝るときは


和室で川の字になって寝ていた。

いつも、

奥から、一番居住歴が古株のリョーヤ、その次、ユーマ、そのあとマヒロ。

一番入り口に近いところに新入りの俺が寝てた。


それぞれの布団はあるが、

六畳くらいのスペースしかないので、

少し窮屈だった。


深夜23:00。



事件が起きた。



すぐ近くで落雷が落ちたのだ。



ガッシャアアアン!!


それからバケツをひっくり返したような雨だと思う。

その雨粒が窓を叩き割るんじゃないかと

思わせるくらい、激しく和室の窓を叩いたんだ。


落雷の音で俺は寝てたけど目を覚ました。


ふと見ると。

マヒロがむくりと起き上がっている。


リョーヤやユーマも目を覚ましたとは思うのだが、疲れているのだろう、布団の中で寝返りを打つ程度だった。



それから1分後。


事件が起きた。



モゾモゾ...



「え...」


マヒロが赤ちゃんみたく、ハイハイしながら

俺の方に向かって来たのだ。




そして、俺の布団に手をかけた。


それから蚊の鳴くような声でこんなセリフを吐いたんだ。


「雷、こわい...。ねぇ、シンジ。

今夜、俺と一緒に寝てくれ」



「えええええええ!」


俺も小声で返した。


幸いにも、リョーヤやユーマは

俺らの方をふり向いてない。



「いや、ダメだろ。お前は一応、

女なんだから!」



「まぁ、女だけどさ。

雷がこわいもんはこわいわけよ」


俺の拒絶もむなしく、彼女は俺の布団に潜り込んだ。


そして、ギュム!と俺をハグしてみせたんだ。



「これでよし、と。

これで明日に備えて眠れるな」



「おい、離せ。そして、離れろ...」



「実はさ、お前にまだ話してないこと

あるんだけどよ...」


「何?」


耳元でささやくように言われ、

大変くすぐったい。


「実はさ、俺、おまえのこと、ガキのころから知ってんぞ」



思わず、驚く俺。


「おまえ、誰?」


「マヒルだよ。俺の本名はさ」


「マヒル...?あのマヒル?

小学二年生のとき、都会に引っ越しちまった

あの、マヒル?」


思い出してきた。

マヒルは、俺の幼馴染で、はるか昔に

男だと思って遊んでいたやつだっ

た。


小学校は別々だが、お互いがいつも遊ぶにいく公園はおんなじだった。




「それから、シンジ...。

あのね、実はガキのころからおまえのこと好きだった」



と告げられた。


「マジか...?」


「うん、マジ」


「小学校二年生の春にさ、鬼ごっこ中に転んで

足を怪我した俺をおぶって、医者に連れて行ってくれたろ?」


言われてみれば、

そんなことがあったかもしれない。



「シェアハウスで再会して、ビビった。

それと、裸を見られてビビった」


「でもね、裸を見られたら、告白する

のも怖くなくなっちゃた」


俺はマヒロに軽いキスされた。


それから、


「おやすみ」と言われて。


続けて


「明日も、あさっても、その次の日も、

一緒にねようね?」


などと言われた。


今宵。


俺は頑張って頑張ってマヒロに手を出さないよう耐え抜いた。


翌朝。


リョーヤとユーマ二人に朝食時に馬鹿にされた。



「おまえら、昨晩、一緒に寝てやんの!

BLかと思ったぜ!」


とリョーヤが言えば、


ユーマも、


「しかも抱き合ってた。

おいおい...って思ったわ」



どーやらバレバレだったようです。






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