優秀な兄とネカマゲーマーの妹
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この世界に転生して4ヶ月ほどが経過し、いくつか分かったことがある。
1つ目、この世界がdifferentworldであるとゆうこと。
2つ目、この世界はラスボス、魔王を倒してから400年ほど経過しているということ。
3つ目、400年もの時間が経過しているという事もあり、生活レベルがかなり上がっているということ。
1つ目に関しては憶測でしかないが、母親が神暦742年と話していた。
ディファレントワールドと同じ年号の表現をしていたし多分合ってるだろう。
2つ目の理由に関してはゲーム内のラスボスを倒した年号が神暦329年だったからというだけである。
3つ目に関しては、現代っ子としてとても嬉しかった。
ガスコンロや水道が完備されているようだし、電気も通っている。
ゲームとかがないのは残念だけど下水道、灯り、コンロに近いものがあるなら苦労することはないだろう。
この分だと魔法やスキルは無いんじゃ?と思ったがそうでもない。
コンロ、電気、下水道はどれも魔結晶、いわゆる魔石で動いているのだ。
水を出したり火を出したりする魔法があるのだから余裕があれば生活をより豊かに、便利にするために研究するのは当然のことだろう。
「どうしたの?シルフィ、これが気になるの?」
そう言って俺に話しかけてきたのは今生の母、エシルだ。
腰まで伸びた金色の髪が特徴で、女優顔負けに整った顔、体に関しては、出るとこ出てるわけではないがスラッとしていてとても魅力的だ。
母親でなかったら……いや、俺がちゃんとした成人男性の体なら襲ってたかもしれん。
シルフィと言うのは今の俺の名前だ。母親の名前から取ったらしいが、プレイヤーネームと同じ名前なのが偶然とは考えにくい。
ディファレントワールドには様々な都市伝説が存在した。
その時のVR技術ではありえない程のグラフィック。現実ではないか?と思うほどの自由性。
勇者の選別をしているのでは?宇宙人が地球人の調査をしているのでは?など、根も葉もない噂程度の都市伝説だったが。
名前がプレイヤーネームと同じと言うのもあるし、本当にゲーム形式で勇者の選別をしていたのかもしれないな。
「あうぅ、うぅ」
(赤ちゃんになって困った時は適当に愛想笑いをして喋っておけば何とかなるから覚えとくようにっと)
「何だか楽しそうね、でもこれはあっちぃだから触っちゃダメよ?」
赤ちゃんプレイでもされてる気分だがもう慣れたものだ。
「ダリウスに似て好奇心旺盛ね、元気なのは良いけど、女の子ならもう少し落ち着き持っても良いのよ?」
ダリウスは俺の父親の名前だ。俺が誘拐犯と間違えたブロンズ髪の男なわけだが、こいつが大物だったようで国の騎士団長をしているとか……。
何となく生まれた時に察してはいたが、俺に息子は居なかった……無き息子のためにも今世、誰とも交わらない事を誓おうぞ……ん?
俺がくだらない事を考えているとリビングの方から誰か歩いてくる音が聞こえてきた。
「父上に似てしまったら
……アマゾネスにでもなってしまうのでは?」
そう言ったのは、7歳離れた兄のダンテだ。
母親似で男の娘と言うのがしっくり容姿、満点のテストを当たり前のように持って帰ってくるので頭も良いだろうし 、剣の訓練で良く褒められている所を見るに運動神経も良いらしい。
(才能の塊の兄を持って、生後5ヶ月の元ネカマゲーマーの妹はビクビクですよ)
「どういう道に進んだとしてもこの子の人生だもの。私達は人として正しい道に進めるよう、サポートすれば良いの」
(お母さんのその言葉だけで何だか救われた気がしま……って、あれ……?)
そんな事を考えている中、自分の目が開かなくなって来ている事が分かった。
(情報収集はまた明日にして……寝よう……)
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