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猫の恩返し

作者: 叶 実花
掲載日:2018/07/17

ある日の夕暮れのことでした。

今にも雨が降り出しそうな気配に帰りを急いでいると、草むらの中に何か白いものがごそっと動きました。

何かと思って立ち止まってみると、真っ白な小さな猫がうずくまっていました。

小さな猫はミィミィと弱弱しく泣き、まるで助けてと言っているようでした。

「どうしたの? 迷子になっちゃったの?」抱き上げると子猫はぐったりしてしまいました。

真理はびっくりして急いで家に連れて行きました。

ここから真理の家は2~3分ほどのところにありました。

家について、明るいところで見ると子猫の首には刺されたような穴が2つあってその周りは化膿して悪臭がしていました。

これは大変だと真理は慌てて救急病院を探し駆け込みました。

「う~ん、、かなりの傷だな、、、生後1ケ月から2ケ月ぐらいかな~

 人に悪戯されたのかもしれないねぇ かわいそうに、、」

先生は苦渋な表情で子猫の傷を見ながら言いました。

「かなり衰弱もしてるし、麻酔がかけられないから、、このまま手術してももちこたえられるかどうかですね、、助からないかもしれない」

どうしますかというように私を見ました。

「手術しないで治す方法はないですか?」

先生は首をふった。

「助からないかもしれないけど、この子の生命力にかけてみますか?」

真理は草むらで、泣き方は弱弱しかったが、助けてと言ってるように、真理をじっと見つめた時のまん丸い目の力強さを思い出しました。

「やってください!先生、 この子はきっと助かります!」


こうして手術が始まりました。


真理はあんな強気なことを言ったけれど不安でいっぱいでした。


何分かして待合室に先生が入ってきました。

一瞬体がこわばったのを真理は感じました。

そんな真理を見て先生は優しく笑って

「よく頑張りましたよ、もう大丈夫です」

「よかった、、ありがとうがざいました、、」

真理は思わず泣いていました。


術後の治療のためしばらく入院することになりました。


家に帰ってホッとししたものの真理は子猫が退院する時の病院代の心配をしていました。

真理はお店をやっていたのですが、悪い人に騙されてお店を取られてしまったのです。

収入はなくわずかなお金しかありませんでした。

今の真理にはペットを育てていけるような経済状態ではなかったのです。


とにかく怪我を治して元気になったら里親を探そうと思いました。


真理は子猫が必要なトイレや食べ物や食器などを買いに出かけました。

ペットショップへいくと、上下左右に並んだゲージの中で可愛い子猫や子犬が遊んでいたりお昼寝したりしていました。

「かわいい!」思わず声に出していました。

そうだ! ここで引き取ってもらって里親を探してもらおう、そしたらあの子猫も寂しくないだろう。

真理は店員さんを見つけると

「あの、すみません、ちょっといいですか、」話しかけると呼び止められた店員はニコニコ

やってきました。

「実は今、けがをして入院している子猫がいるのですが、怪我が治って元気になったらここにおいて頂いて里親をさがしていただけませんか?」

「何の猫ですか」

「のらちゃんですが、ワクチンも去勢もちゃんとします。病気も心配ないです」

さっきの優しそうな笑顔は消えて、「うちではちょっと、、」

「真っ白なかわいい猫です、店の片隅に里親を探していますという張り紙をつけておいていただくというのは駄目ですか?」

「うちは、見ての通りのペットをお買い求めにいらっしゃるところなので、野良猫の里親を探すところではないので、そういった行政を当たってみたらどうですか」

冷たく突き放されてしまった。

真理は腹が立つより悲しくなりました。

見ての通りのペットか、、なるほどゲージの上には23万円とか26万円とか手の出ないような金額が書かれている。こんな高い猫と病院で一生懸命生きようとしている猫とどう違うというのだろう。

各々のペットショップで1匹2匹、店の片隅で保護された野良猫の里親探しに協力してくれたら、殺傷処分されるかわいそうな猫が少しでも減っていくだろうに。


そうだ! ゆきちゃんに聞いてみよう。

真理はとっさに思い出しました。

ゆきちゃんとは真理がお店をやってた時にアルバイトできていたスタッフです。

猫が大好きで猫の話ばかりしていました。

そう言えばやめるころ、仕事をしているので家にいる時間が少ないから、1匹ではかわいそうなので、もう1匹飼いたいと言っていたのを思いだしたのです。

早速電話をしてみると、ゆきは即答で喜んで引き取ると言ってくれたのです。


数日後病院からもう大丈夫なので迎えに来るようにと電話がありました。

真理は嬉しくて早くあの子猫にあいたいと思いました。


病院に行くと暫く待たされ数分後に名前を呼ばれ診察室に入ると、診察台の上に、体の半分位を覆うラッパの様な、エリザベスカラーと言うものを首につけてよろよろと寄って来る子猫がいました。

「ほら、お母さんが迎えに来てくれましたよー」と子猫に言い

「もう大丈夫ですよ、とても我慢強い子で良い子にしてましたよ、褒めてあげてくださいね」

優しい笑顔で真理に言いました。

家に帰っての注意や、お薬の説明を受けて、会計すると6万円ちょっとの金額でした。

真理はびっくりして、戸惑いました。

どうしようそんなお金ない、、周りにはペットショップで見たような高そうな、猫や犬を連れた人が席いっぱいにいます。

真理は恥ずかしそうに小さな声で言いました。

「あの~、すみません、猫飼ったことないのでこんなにかかると思わなくて、持ち合わせが~すみません、、すぐもってきますので、、」

「いいですよ、次回で、一週間後に来てくださいね」会計の女性の優しい笑顔の対応に真理は救われた思いでした。


小さな子猫はダウンジャケットの胸の中にすっぽり入って安心したのかすやすやと眠っていました。

「ちびちゃん、つきましたよー」

家に着くと子猫は、重たそうな頭を振りながらヨタヨタ、ヨタヨタ歩き回っていました。

机の下や、狭いところに入ろうとすると首のカラーがつっかえて、後ろに引き返してはまた入っていこうとしたり子猫ながら生きてることを実感しているようでした。


「良かったね、ちびちゃん!  元気に育つのよ!」

「うん、ありがとう」

子猫はまーるい愛くるしい瞳でじっと真理を見つめていました。


真理は病院代の残りや、これからの2人の生活費の工面をしなければなりませんでした。

真理は思い切って母の形見で大切にしていた指輪を売ることにしました。

指輪はS字型に蛇の形をしていて18金の台にダイアモンドが埋め込まれた高価なものでした。

蛇は身を守るからと田舎の母が最後に上京した時に買ってくれたものでした。


真理は駅前にある買取やに持って行き事情話してなるべき高く買ってくれるように交渉しました。

「大切なものなんですね、品物もいいものです。売らなくても預かりますよ、お金ができたら取りに来てください。期限はつけないとまでいってくれました。

真理は必ず取りに来ます。ありがとうございますと何度もお礼を言って店を出ました。


これで、病院代の心配もないし、行先も決まっているし子猫と何日間は一緒に居られる。

そう、安心すると子猫の可愛さだけが目に飛び込んできました。


子猫はどんどん回復し元気になっていきました。


エリザベスカラーを外せる日が来ました。


子猫は嬉しそうに部屋の中を自由に飛び回り元気いっぱいです。

動くものには何でも飛びつき、周りのもの全てに興味深々です。


その愛くるしいしぐさがたまらなく可愛く真理は毎日癒されました。


でも、もう連れて行かなくては可愛くて離せなくなってしまうと思いました。

真理は財産をすべて失った後で、これからの仕事のことも考えなくてはいけません。

もう、お金に換えられるものはありません。

母の形見も取り戻さなければなりません。

子猫を飼うには余裕がありませんでした。

それに、何より子猫のことを考えればゆきのところのほうが、ずっと幸せになれると思いました。


ちびちゃん、もうお別れだよ、ゆきちゃんのところで幸せに暮らすのよ。うんと可愛がってもらってね」

優しくなでる子猫の頭に真理の涙が一粒、二部、、、落ちていきました。

子猫はキョトンと小首をかしげて真理を見つめていました。


翌日真理は子猫をゆきのところへ連れて行きました。

チャイムを押すと「久しぶり!上がって、上がって」ドアを開けると同時に甲高い声とゆきの変わらない笑顔がありました。

ゆきの部屋は1LDKのこじんまりしたした部屋でしたが、きれいに片付いていました。

ゆきの家の猫はキジトラでメリーという3才の女の子でした。

少し離れたとこらからじっと様子をうかがっています。

ゆきの猫の薀蓄や積話に夢中になっていると、真理の後ろでじっと固まっていた子猫もおろそろと動き出し猫同士で匂いを嗅ぎあっていました。

「これは、猫の挨拶なの、においをかいだり、なめたりするのはお互いを受け入れてる証拠だからもう大丈夫よ」ゆきは得意そうに言う。

そのうち、ゆきの言う通り、二匹の猫は仲良く走り回りじゃれあうようになっていました。


「良かった、じゃお願いね、」

「ちびちゃんメリーと仲良くするのよ、元気でね」

真理は子猫をしっかり抱きしめました。

真理が帰り支度を始めると、子猫は当然一緒に帰るものと思っているのか、来た時に入ってきたキャリーの前にちょこんと座っています。

「ちびちゃん、一緒に帰れないの、ごめんね」


真理は、子猫のなく声を振り切るように速足で駅へむかいました。

ずしんと重い何とも言えない寂しさで、真理は電車の中で涙をこらえるのに必死でした。


家に帰るとそれは数倍にも大きく膨らんで張り裂けそうでした。

子猫が使っていたお皿、残っている缶詰やドライフード、いつもじゃれていたお気に入りのネズミの玩具、今にも子猫が飛び込んできそうな気がしました。


病院へ迎えに行ったとき「おかあさん、、」と呼ばれた先生の声が聞こえました。

動物でも一緒に暮らしたら家族です。真理は手放したことを後悔しました。


お店を失い、失意のどん底にいたのを子猫が忘れさせてくれていました。

今また、その辛い思いがよみがえり、さらに、子猫がいなくなった寂しさも加わり真理は何もする気になれず、一日中ぼーっとしていました。


そんなある日、ゆきから思いもよらない電話がありました。

「真理さーん、ごめんなさい、あの子、全然なつかなくて、、駄目なの、真理さんが帰った後は、メリーとも遊ばないし、ご飯も食べないのね、玄関のところで真理さんが来るのを待ってるみたいで、ずっといるの、かわいそうでみてられないわ」

「わかった!迎えに行く!すぐ行くからってちびちゃんに言って」

真理は身支度もかまわず家を飛び出しました。


チャイムの音ももどかしく、玄関に入ると子猫は真理に飛びついてきました。

「ごめんね、ちびちゃん連れて帰るね、一緒に帰ろうね」

真理は涙が溢れました。ゆきももらい泣きをしていました。

メリーは「良かったね、ママのところに戻れて」と言ってるように、しっぽを振って子猫をペロペロなめています。子猫は「ありがとう、ごめんなさい」というように頭を下げてメリーに体をこすりつけていました。

家に着くと、子猫は我が家に帰ってきたように嬉しそうに同じところを行ったり来たり何度も何度もくりかえしていました。


「そうだ!ちびちゃんに名前付けてなかったね、、なんてつけようか?なにがいい?」

子猫は「・・・」小首をかしげています。

「そうだ、ちびちゃんも、お母さんにはぐれちゃったのかな、、、一人ぽっちでさみしかったよねー

おまけにあんな大けがを負って、 私も今、どん底の時だから、二人に福がくるように、ふくにしよう!

今日から君はの名前はふくですよー」


真理はいつになく明るい気分になりました。


もう絶対にふくに寂しい思いはさせない。

世界一幸せな猫にしてあげる。

その為には、早く仕事を復活させて前のような生活に戻らなければ、もう一度何とか頑張ってお店をやりたい、そうだ、私にはお店しかない! お店をやろう!

真理はやっと本気で前を向くことができたのでした。


こうして、再び子猫ふくと真理の生活は始まりました。


「ねえ~おきてよ~、おなかがすいた~」

ふくはとっても早起きで5時には起こしに来ます。

眠い目をこすりながら大きくあくびしながら真理が起きると嬉しそうに足元に体をこすりつけてきます。

「おはよう」抱き上げると、喉をゴロゴロ鳴らし頭を顔にスリスリしてきます。

缶詰をおいしそうにたいらげると、次のおねだりは

「ふくちゃん、これをしないと駄目でしょう」小型犬用の一番小さいハーネスをつけて犬のように散歩に行くことなんです。

いつからか、日課になっていました。

ふくは、小さい体に嬉しさを思い切り表して駆け出していきます。

ただ、犬と違うのは、道をちゃんと通らず塀に沿って足早に歩いたり隅を隅を選んで歩くので追いかけるのに大変です。

空き地に到着すると、草を食べたり匂い取りをして遊びます。


冬の空はまだ暗く、都心から一時間しか離れていないのにあけきらない空には無数の星が輝いています。

この星空に、いつかまた必ずお店をやって成功して見せると真理は誓うのでした。


ある朝、いつものように散歩してるとふくにそっくりの、真っ白い猫がいました。

ふくは「うーー」と威嚇しながらへっぴり腰でそろそろと猫の方に近ずいていきます。

猫は黙ってふくを見ています。

あまり近づいてくると後ずさりして距離を置いてみています。

この時、真理はふと、ふくのお母さんではないかと思いました。

真っ白で、耳がピンクで目の色もブルーでそっくりです。

ふくがうずくまっていた場所も近くです。


「おいで、 ふくのお母さんなの?」

寄っていくと「うにぁーーう~」と低く泣いて来るなと言っているようでした。

「ふくちゃん、帰るよ」ひっぱてもふくは動きません、仕方ないので抱っこして帰ろうとすると、その時、

「にぁぁおん」と猫が小さくないたのです。

ふくは抱っこされながらずっと後ろを気にしていました。


そんなことがあってから、ふくは朝起きて散歩に出ると、一目散に猫と会った場所にかけていくのです。

あの猫もまるでふくを待ってたように同じ場所にいるのです。

2匹は一定の距離をおきながらじっとしています。

「おいで、」近ずくと逃げるので、真理もふくと同じように距離を置いて見守っていました。

そんな日々が何日か続いたある日、「帰ろうね」ふくと歩いていると、真理とふくの後を猫がついてきたのです。 

「え~、2匹飼えないし、、どうしよう、、」と思っているとまるでその気持ちをさっしたように家の近くまで来ると畑の方に去って行きました。


そんなある日、真理の家の庭にいつもの猫が来ていたのです。

ふくは嬉しそうに猫のそばにいました。

あった時のような距離はなく猫はふくの体をなめてやってます。

真理はやっぱりふくのお母さんだったんだと確信しました。

ご飯を持って行くとお母さん猫は逃げて行ってしまいます。 真理はお母さん猫とふくのご飯を一緒におくようにしました。家の中からそっと見ているとふくと一緒にパクパク食べています。

かわいそうに、きっとお腹が空いていたんだ。

どこかに飼われているようには見えない、野良猫でいるのだろうか、真理は心が痛みます。


いつに間にか来てふくとご飯を食べて、遊んでいつの間にか帰っていきます。そんな日が続いて、知らないうちにお母さん猫もすっかりなついて真理がそばに行っても逃げないし頭を撫でたり触らせてくれるようにもなりました。


ただ、不思議なことに雨の日はやってきません。家の中に入れてあげるのにと待っていても一向にくる気配ははしません。ふくはベランダでじっとお母さんを待っています。真理は切ない気持ちでふくを抱きしめます。


そんな時は真理もまた、つらい過去を思い出します。

都会のど真ん中で大きなお店をやってた頃は、華やかで、真理の周りにはいつも大勢の人がいました。

お店がなくなってからは、過ぎ去る日々とともに、一人、二人と皆去っていきました。

真理は悲しさと、悔しさで、心がつぶれそうになる時は、ふくを抱きしめます。

ふくは決まって真理の両肩に前足を乗せてハグします。そして涙をペロペロなめてくれるのです。

「元気出して! 僕がいるよ!」と。


真理は小さくてもいいからもう一度お店をやりたいと奔走していました。

うまくいきそうになったり、やっぱり駄目だと絶望したりの繰り返しでした。


そんなある日、梅雨のうっとうしい夜でした。

浅い眠りのなかで、ふと、いつもそばに来て一緒に寝ているふくのやわらかい感触が感じられず、目を覚ますとやはりふくはいませんでした。

「あれ、、ふくーふくちゃーん」

家の中を探してもどこにもいない。

えー!驚いた真理は外へ飛び出し、暗い夜の中を必死でふくを探しました。


一晩中探してもふくは見当たらず、帰ってきませんでした。

翌日は一日中何もてにつかずあれこれ心配しながらふくを待ちました。

怖がりのふくは昼間はきっとどこかに隠れていて出てこないだろうと思い真理は夜暗くなるのを待ちました。

そして、日も落ちてうす暗くなると、懐中電灯をかたてに、周辺の公園や、駐車場、空き地ふくのお母さん猫がいたところは何回も行き探しましたがふくはいませんでした。

お母さん猫もいないことに、真理はその時全く気が付きませんでした。


「なんで、お母さんをお家に入れてくれなかったの? 僕、お母さんと一緒に住みたい」

ふくが言ってるような気がした

そうだね、雨の日は逢えないし、このところ雨が続いていたからふくはきっとお母さんが恋しくなって出て行っちゃたんだね。


もう外は白々と明るくなってきました。

取り敢えず家にもどろう、真理は重い心で帰ってきました。


家に着くと同時くらいにベランダの方からふくが帰ってきたのです

「ふく!どうしたの、、」真理は泣きながらふくを思い切り抱きしめました。

ふくはいつもと違い抱かれるのを嫌がっておりようとします。

「そうか、お腹すてるよねー」

下におろしてご飯をあげようとすると、ふくは「むにゃーにゃぁーー」とないてベランダの方に連れて行きました。


真理はびっくりして、息を呑みました。

そこには、お母さん猫が傷を負って死んでいたのです。

ふくはお母さんを銜えてきたのだろうか?

ふくがいなくなったのはお母さんを助けに行ったのだろうか?

「ふく!」 真理はふくを抱きしめました。

「くうぅん、くうぅ~ん」ふくの小さな体は悲しみにあふれていました。


真理とふくはいつも一緒にご飯を食べていたところにお母さん猫を埋めてあげました。

「ごめんね、ふくのお母さん、一緒に住んであげなくて、、」

真理は涙が溢れてきました。

ふくは悲しそうにじっといつまでもそこを動きませんでした。


それから、真理とふくは朝起きるとお散歩の前に必ず、お母さん猫のお墓にご飯を添えてお祈りしました。


真理はある日夢を見ました。

お母さん猫が、金色の姿でまくらもとにきたのです。

「どうしたの、その色? ふくのお母さんでしょう」

手を伸ばすと優しく微笑むような、感じで、前足を高ーく伸ばしてすーっとてんに昇るように消えていきました。 

真理はびっくりして目を覚ますと明け方でした。

「夢か、、」夢というか何か幻覚を見たような思いでした。

ベランダの方に行くとふくがドアの前にちょこんと座って外を見ています。

その後ろ姿に真理は言いようのない不思議な思いがしました。

ふくもお母さんの夢を見たのだろうか?

「ふく、なにしてるの、、」

「今ね、ふくのお母さんの夢をみたよ、、」

そっと語り掛けると

「夢じゃないよ、いまね、お母さんが来たんだよ、お母さんはねあの月の中にいるんだって。

そこには、猫の世界があって、僕のように人間の世界で暮らしている猫たちを見守っているの。

優しく僕たちを育ててくれる人には、猫の女神さまがお礼をしてくれるんだって、ママにもお礼を言いに来たんだよ」


なんと、そんな不思議なことがあった翌日、お店に出資するという人が現れたのです。

真理はびっくりして信じられない気持ちでした。

やっぱり、あの夢のせい?

そうだ!天国にいったお母さんがきっと助けてくれたんだ!

真理は嬉しさでいっぱいでした。

「ふく!またお店やれるよ!ふくのお母さんとふくのおかげ!」

真理はふくを抱き上げて飛び跳ねて喜ぶと、ふくも尻尾いっぱいふって、喜びを感じているようでした。


一ケ月後、お店は無事開店することができました。


お店の名前はホワイトキャットとなずけました。







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