no title
蒼い夏の空の下一面に広がる
向日葵のその金色の満面の笑顔
戦車がたたずんでいる
戦の中の生臭い血の匂いが鼻腔をつく
銃の鉄の固い銃口が幼子の額にあてられる
イカサマの正義を背中に背負って
走っていくよ
小さい亡骸を地面にほうりなげて
あの日ぼくらの家は
楽しい思い出ごと爆弾に吹き飛ばされました
おかあさんはやさしくて
おとうさんはかっこよくて
おにいちゃんはたよりになって
おねえちゃんはとてもきれいでした
でもあの日ぼくらの家は
楽しい思い出と家族をひきつれて
爆弾に吹き飛ばされました
僕はひとりになりました
赤い夕焼けの空の下
一面に広がる向日葵は空を見上げていた
どこか遠い遠い場所のことを見ているようだ