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The start was. . .  作者: もる
1/1

プロローグ

相川カレン、底辺の高校生。


私の肩書にピッタリな言葉。






ただ返ってきたテストをただ眺め茫然とする、教室が騒がしいとかそんなのも考えられないくらいに。


数学 25点…。


いくら勉強が出来ないとはいえ、流石にこれはひどい。

いや、酷いなんてもんじゃない。

今までも何度かテストを受けひどい点数を取ったことがあったが、ここまでひどい点数は無かった。

おかげで私はテスト返しの後の授業は頭に入らず、今日何をやったかなんてとても覚えていられない状態だった。


だって、また……。





ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



授業の終わりの鐘が鳴り、教室にいた生徒たちは次々と食堂へ行ったり、友達と机を並べ昼食の準備をしていた。

私も机の上の教科書をしまい、いつもの様に昼食の準備をする。

お弁当を取り出すために鞄を開けると、目についたのはさっきの数学のテスト

今日帰った後のことを想像するだけで背中に汗が伝う。

嫌だ、帰ったら。


また…また。




「……レ……ン…ーレン………カレン!」



急に名前を呼ばれ、慌てて振り向くとそこにいたのはお弁当を持った友達の姿。

何回も呼んでるのにっ、と言いながら私の向かいの椅子に座りお弁当を広げ始める。


「ご、ごめん…。」


「まあ、いいけどねー。」


でも正直今日は1人で食べたい気分だった。

だってきっとこのタイミングなら話す内容は、あれしかないから。

何て、考えている矢先の事だった。

友人は明るい声で。


「今日のテストどうだった?」


思わずはしが止まるほど動揺してしまった。

少しためらった後、自信なさげに下を向き小声で、


「……あんまりだったかな…。」


「…そっか。」


友人も察してくれたのか、それ以上突っ込んでは聞いてこなかったが、その後しばしの沈黙があり、その空気に耐えきれなくなったのか友人は明るい声で、


「そう言えば私今回の成績の結果で推薦で大学行けるようになったの!」


「え…。」


この友人は1年の時からずっと夢があり、そのために必死で努力してきたのを知っている。

まだ3年になったばっかりなのに、もう大学が決まってしまたというのか。



「そっか…ずっと行きたいって言ってたもんね…おめでとう。」



正直私は羨ましかった。

夢があり、そのために努力をする。


私には夢がない…。

ただ毎日をなんとなく生きているだけで…。

だから友人がとても輝いて見えた


それに比べ私は……。





ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーー






「何なのこのテストは!」

あぁ…分かっていたけど、やっぱりキツイな…


家に帰った後、どこから聞いたのか母は今日テストが帰ってきていることを知っていた。

そしてテストを見せた矢先の事だ。


「これじゃお姉ちゃんみたいな立派な社会人にはなれないわよ!」


母の怒鳴り声が家中に響き渡り、何度も何度も聞いた言葉が心に突き刺さる。



「もう、何であんたは努力が出来ないの…お姉ちゃんはあんなに出来たのに…。」


お姉ちゃん…私の姉のレイ。

昔から勉強も出来て両親から褒められ続けている、両親自慢のお姉ちゃん。


それに比べて私は勉強のできない落ちこぼれ。


でも、私だって努力をしていないわけではない、でもそんなことを言っても。


「努力はね結果を出して初めて努力したって言うの!あんたはね人の半分もやってないのよ!」


これは母の口癖だった。

確かにそうかもしれない、私は、甘い。


人が出来ることが出来ない…努力が出来ない。


「…ごめんなさい…。」




それだけ言うと部屋戻る母はまだ何か行っていたが、今はとにかく1人になりたかった。


ふぅと息をつき、ベッドに倒れこむ。


友人も、姉も皆素晴らしい。

いや、それが普通なのかもしれない。


私が…ただ。


もう、虚しいな…。

姉に比べられることも…出来ない自分も。

全部全部嫌い。


消えてしまいたい。



そんなことを考え意識は闇の中に落ちて行った。




ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーー



日差しの眩しさで目が覚める

覚醒しない意識の中でぼんやり良い天気だな…何て考えたりして



でも一気に目が覚めた



目の前には見たことのない天井、見たことのない部屋。

慌てて起き上がると見たことのない服に身を包んでいた。


これは…夢…?。

でも夢にしてはリアルすぎるし、感覚もある。



「ここは…どこなの…。」



全身から汗が噴き出て、恐怖で手が震える。


私はいったいどうしてしまったのだろう…。













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