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悪役令嬢は新たな出会いに遭遇する。

私が乙女ゲーム『CRYSTAL SYMPHONIAクリスタル・シンフォニア』の世界で悪役令嬢セリスティア・K・クラリスロードに転生してから早くも3年の月日が経った。


それからの私は破滅√回避の為に悪役令嬢√を通らず真面目に自分磨きを極めてる最中、総合値のレベル上げと技術スキル強化に専念をする為に色々な事を極め続けた。


そして現在の私はと言うと、何時もの屋敷外れの草原地帯でお姉ちゃんであるエレイナと戦いごっこを行っていた。


エレイナ「はあああっ!!」


セリスティア「えええいっ!!」


互いの武器がガンガンと打ち合いながら回避と防御を素早く繰り返し行う、気が付けば2人の実力は戦いごっこの回数が増える毎に動きとキレが増している事に数年立ち会い続けていた私のお付きのレイラとお姉ちゃんの弟であるノービスは慣れのせいか、驚く事は無かった。


エレイナ「槍術、乱れ突きっ!!」


お姉ちゃんの槍術技術『乱れ突き』の乱れた連続の突きが私に襲い掛かる最中、対して私は眼に慣れてるか避ける事はしない、何故かって?


セリスティア「剣技、受け流し!!」


お姉ちゃんの乱れ突きの軌道を全て左右に受け流して攻撃を逸らし続けるからさ!そして間が入った瞬間に。


セリスティア「からのっ……居合斬り!!」


カウンターでの居合斬りをお姉ちゃんの脇腹に繰り出すも、何とか当たる寸前に剣の振りを止める。


レイラ「其処まで!今回の勝負、お嬢様の勝利です。」


エレイナ「あーーーっ!また負けたよもう〜。」


ドレス姿ながら身を草原に大の字に載せるお姉ちゃんは悔しがる。


セリスティア「これで戦績はどうなったんだっけ?」


エレイナ「えっと、確か…。」


互いの戦いごっこの勝敗をお姉ちゃんは指を数えながら確認するも。


レイラ「私の記憶によれば128戦中65勝がお嬢様で、後の63勝がエレイナ様で御座います。フッ。」


間にレイラが入り込み戦績を私に伝える最中、レイラは小さな声でフッと鼻で笑った。


エレイナ「ねぇレイラ、お前、今、私の戦績を聞いて笑わなかったか!?」


レイラ「いえ、笑ってはおりませんが?」


エレイナ「いや絶対笑ったでしょ!見てたんだから!!」


何時もながらに2人は相変わらずの仲の悪さ。ノービスは3年経ってもオドオドとしている。


そして気付けば私は今年で10歳。破滅√回避の為の自分磨きと言う名前の総合値ステータス上昇と技術スキル強化に専念し続けて気付けばもう3年の月日が経ったのは早い物だ。


確か、エレイナは今年で12歳、来年からゲームの舞台である『エンディミオン魔法学園』の中等部に入学、それと同時にノービスは性格去勢の為に王国が管理している兵士を育成する寄宿学校に入学して数年の間、会えなくなるんだっけ?


エレイナ「セリスティア!!もう1回私と勝負よ!!」


セリスティア「望む所よお姉ちゃん!!」


レイラ「いけませんお嬢様、今日は御屋敷にて御来客の方がお見えになる事をお忘れですか?」


遊びに出掛ける際、珍しくもお父様が仕事が休みで屋敷に居たわよね、今日の昼に何でも友人のお貴族様とその娘さんが遊びに来るって。


セリスティア「あ、そう言えば忘れてたわ。」


エレイナ「えーーーっ!今日の遊びはもうおしまいなの!?」


セリスティア「御免ねお姉ちゃん、本当はもっと戦いごっこしたかったんだけれど用事が出来てしまった以上、仕方が無いの、」


エレイナ「まあ、お前の家の用事なら仕方無いわね。分かったわ!その代わり、明日も負けないから!」


セリスティア「約束するわ、お姉ちゃん!」


私達はお姉ちゃんとノービスと別れ、屋敷に戻ると同時にいきなり早々にお母様が出迎えてくれた。


セリスティア「只今戻りましたお母様!」


母「お帰りなさいセリスって、セリスティア!貴女またお洋服汚して!!今日はお客様がお見えになるのにあれ程派手な遊びはしない様にとあれ程っ…。」


セリスティア「いやあ、面目有りませんお母様…。遊べば遊ぶ程、時間帯を忘れちゃうくらい遊びまくってしまいましてアハハ…。」


母「笑い事じゃないでしょ!?レイラ!お客様が来るまでにセリスをお風呂にお願い!!」


レイラ「畏まりました。さあ、お嬢様、お風呂場へ参りましょう。」


セリスティア「はーいっと。」


返事をすると私はレイラに背を押されながら、そのまま浴場へと連行されて行った。


数十分後。


お風呂を済ませ終えて、上品な服に着替えさせられると私はレイラと共に客間へと移動しながら、今日来るお客様がどんな方なのか聞き出した。


セリスティア「ねぇ、レイラ、今日家に来るお客様ってどんな方なのかしら?」


レイラ「旦那様のお話によれば確か、学友時代の頃からの御友人だそうです。」


セリスティア「お父様の?」


レイラ「それ以外に詳しい事は存じません、兎に角お嬢様、旦那様方の前では礼儀正しくお願い致しますよ。」


セリスティア「それもそうね、どんな人達が来るなのか楽しみだわ!」


どんなお客様と会う楽しみが増してるのか、そう思ってると、客間が見えて来る、室内から楽しげな笑い声が聞こえる。


セリスティア「凄い楽しげな声ね。」


レイラ「久方振りに会う御友人同士ですから、余計に楽しんでるのでしょう。」


そう言いながらレイラは客間の扉の前に立ち、扉を数回ノックする。


レイラ「失礼致します。旦那様、お嬢様をお連れ致しました。」


父の声『ああ、入ってくれ。』


レイラが扉を開けると、お父様の向かいの大型チェアに座っているのが先程言っていたお客様の様だ。上に銀緑シルバーグリーンの長い髪をした貴族の男性が座っていた。


父「ああ、紹介するよ、此方が私が言っていた私の娘だ。」


セリスティア「お初にお目に掛かります、私、セリスティア・K・クラリスロードと申します。」


礼儀正しく挨拶をする、流石の私も人様に向けて何時ものはしゃぎさを見せる訳には行かないからね。


貴族「そうか、君がルーファスとリリアナの娘か。御転婆とは思えない礼儀正しさだ。」


ルーファスとは私の父の名前。因みに此処には居ないけれど私の母の名前はリリアナだ。


レリウス「こうして話をするのは初めてだね、改めてセリスティア、私はレリウス・S・シルフィードと申します。」


セリスティア「御丁寧な挨拶、誠に有難う御座います。ルーファスが娘、セリスティアと申します。」


驚いた。お客様の正体があの()()()()()()()()()()()()()とはね。


レリウス・S・シルフィード。

攻略対象キャラが1人であるクロノ・S・シルフィードの父親にしてゲー厶の物語である『エンディミオン魔法学園』学園長兼王国宰相を勤めていた人物。まさか家のお父様と親友だった何て。


ルーファス「セリス、このレリウスはかの有名なエンディミオン魔法学園の学園長でもあるんだ。」


セリスティア「多くの貴族達が通うと言われる、あのエンディミオンですか!?しかし、何故、かの有名な学園長が此処に?」


ルーファス「それはだな…。」


レリウス「私が代わりに話しておくよルーファス。」


ルーファス「ああ、頼む。」


レリウス「実はねセリスティア、君に頼みがあってね。」


セリスティア「私にですか?」


かの有名なレリウス学園長が私に頼み事をする何て。もしかして何か重要な役割を引き受けてくれるんじゃあ、でも、何かいきなり過ぎるし。念の為に聞いておこう。


セリスティア「因みに、どの様な頼みでしょうか?内容が分からない以上、もし難しい事は流石に。」


レリウス「ハッハッハ、大丈夫だよ。これは君の様なお嬢さんでも出来る事だから。さて、内容を話す前に、出ておいでエリシア。」


何時の間にか何処から現れたのか、エリシアと呼ばれた私より1つか2つ歳下の少女がトテトテと分厚い本を両手で持って歩きながらレリウス様の座ってるチェアの後ろから姿を現す。


エリシア「………。」


セリスティア「なっ!?」


幼いながらも、このオドオドとし今にでも泣き出しそうな翡翠色の瞳、そして父親譲り銀緑色の髪、そしてエリシアと言う名前。


間違いない!

この娘はゲームの登場人物もといサブキャラクターが1人、エリシア・S・シルフィード。攻略対象であるクロノの妹にして13歳ながら学園唯一の飛び級優等生!!


まさか此処でレリウス学園長だけでなく幼い彼女に出会す何て思いもしなかったわ。


レリウス「エリシア、彼女はセリスティア、私の友人であるこの御屋敷の当主であるクラリスロード殿の娘さんだ、ほら、挨拶を。」


エリシア「っ!」


ビクッとレリウス学園長の影に隠れながら何も喋らずに私をじっと見つめている。


レリウス「も、申し訳無い、この娘は昔から恥ずかしがり屋であまり人前では喋らなくてね。」


ルーファス「いやはや別に構わんよ、何せ子供は最初、誰だって恥ずかしがり屋だからな。」


恥ずかしがり屋の彼女を相手にどうやって対応するか、こんな大人しい娘を流石に外で遊ばせる訳には行かないし、寧ろ遊ばせたら逆またお母様に怒られる流れになりそうだし、この状況をどう解決すれば…。


ん?エリシアの両手に抱え持っているのは本よね、あっ!だとしたら。


セリスティア「初めましてエリシア、私はセリスティア。此処には貴女が怖がる物は何1つも無いわ。」


エリシア「………本当?」


セリスティア「ええ、だから私に付いて来なさい!良いわよねお父様!レリウス様も!」


レリウス「い、良いと思うよ。なあルーファス。」


ルーファス「え?あ、ああ、危険な事をしなければ…。」


良しっ!2人の許可は貰えた。後は彼女を彼処へ連れて行けば万事解決ね。


セリスティア「それじゃあ、一緒に行きましょうエリシア!」


エリシア「!?!?」


レイラ「お、お嬢様っ!お待ちを!」


エリシアの手首を引っ張ってある場所へと向かい客間を退出する私とエリシア、私達の後を追い掛けながら慌て出すレイラ。


それと同時に化粧を終えたばかりのお母様とばったり遭遇するも、そんな事は気にしない!


セリスティア「失礼しますお母様!」


レイラ「失礼します奥様!」


リリアナ「きゃっ!セリスティア!レイラ!屋敷内を走り回らないって、あれ?今のは確か、エリシア?どうしてセリスがエリシアを連れて…。」


どうして私がエリシアを連れているのか思惑するお母様、兎に角、御免なさいお母様!お叱りは後で受けますので!!

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