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【祝合計PV3万突破!】推しの乙女ゲームの悪役令嬢に転生するも攻略キャラが全員ヒロインなのが間違っている!?  作者: 二代目菊池寛
2章。悪役令嬢、冒険期編。

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悪役令嬢、冒険者として初めて旅立つ。

読者の皆さん、忘れてると思い、前にも言っていますが、セレナはセリスティアが冒険者として変装した姿なので、セレナをセリスティアだと思って下さいませ。m(_ _)m

翌日の早朝。

昨夜は酒場にてレイラ、カレン、そして新たに友人となったサリーシャの4人と仲良く夕食を共にする最中、サリーシャのお姉さんらしき女性がやって来て彼女を叱った挙句に謝罪して、そのままお姉さんはサリーシャを向かいの宿にへと連行されて行ったのは予想外だったけれど。


『雌牛の足跡』の出入口前にて、私こそセリスティア…ではなく冒険者のセレナは、カレンとレイラ、女将であるマーサとその娘のミナの4人に見送られていた。


レイラ「本当に、門までの見送りをしなくて宜しいのですか?」


レイラは心配そうに私に言うも、私は元気良く


セレナ「心配しないでレイラ、私1人で大丈夫だから。」


マーサ「そうだよレイラ、お嬢様はもう12歳何だ。これ以上の過保護はいけないよ。」


レイラ「……そうですね、お嬢様もそんなお年頃ですし、申し訳有りません、それはそうとお嬢様、お向かいの宿に泊まってる御友人の方はまだ見えないのですが?」


そう言われて見れば、確かにそうね、私達は向かいの宿屋である『双魚の尾鰭』を見つめる、サリーシャ、何かあったのかな…。


女性の声『おらっ!何時まで寝ぼけとんねん!この馬鹿!早よさっさと出掛ける支度せぇや!今日はお友達と一緒に冒険者としての依頼の仕事行かなきゃならんやろ!!』


サリーシャの声『ひーん!勘弁してやホンマ〜。』


扉がバァンと思いっ切り開く、中から寝惚けた状態のサリーシャと、彼女の後からサリーシャと同じ橙髪のロングヘアの女性が出て来た。


女性「全く!昨晩はお向かいはんの所で勝手に夕食取るわ、人様に迷惑掛けて何やっとんねん!!」


そう、彼女が昨夜、家にてサリーシャに謝罪と連行させたサリーシャのお姉さんで名前はアリッサ・ウンディーネさん、彼女は寝惚けてる自分の妹の左手首を掴んで引っ張りながら、私達の元へと向かうと、アリッサさんは私達に向かって頭を下げて謝罪した。


アリッサ「あ、こりゃあ。『雌牛の足跡』の皆はん、朝っぱらからこんな姿見られてしまって申し訳あらへんな、昨晩は家の妹が、ほんっまーーーにお世話になられましたわ。」


マーサ「い、いいえ!いいえ!お嬢…じゃなかった。家の姪っ娘ととても仲良くしてくれて逆に感謝していますよ!」


レイラ「そ、そうです!アハハ…。」


アリッサは深く頭を下げたまま、橙色のロングヘアを揺らしながらも、すぐに顔を上げて苦笑いを浮かべた。


アリッサ「ほんまに、すんまへん……。この子、普段はもっと確りしてるはずなんやけど、昨晩は珍しくテンション上がってしまって……。お向かいの皆はんにも、ほんまに迷惑かけてしもて。」


マーサは手を振って、にこやかに笑った。


マーサ「良いのよ良いのよ! 寧ろ賑やかで楽しかったわ。サリーシャちゃん、元気いっぱいで可愛いじゃない。……それに、レイラもカレンさんとも、すっかり意気投合で仲良くなったみたいだし。」


レイラは頰を少し赤らめながら、そっと頷いた。


レイラ「……はい。サリーシャ様、とても明るくて……セレナ様も、楽しそうでしたから。」


サリーシャはまだ寝ぼけ眼をこすりながら、左手首をアリッサに掴まれたまま、だるそうに欠伸をした。


サリーシャ「うー……アー姉、もっと優しく起こしてくれや……。昨日、セレナっちとカレンはんとレイラはんと、めっちゃ楽しかったんやから……。」


アリッサは妹の頭を軽く小突き、厳しい顔で言った。


アリッサ「楽しかったのは分かるけどな!今日は大事な依頼やろ?寝坊して遅刻したらどうすんねん。……ほら、ちゃんと挨拶しぃ!」


サリーシャは渋々背筋を伸ばし、私たちに向かってぺこりと頭を下げた。


サリーシャ「お早うさん、セレナっち、レイラはん、カレンはん、マーサはん、ミナちゃん。……昨日はほんまありがとうな。お料理、めっちゃ美味しかったわ。」


ミナは目をキラキラさせて手を振った。


ミナ「サリーシャさん、また来て下さいね! 次はもっと大きなパン焼くから!」


サリーシャ「うん!絶対来るで!」


私は黒髪のポニーテールを軽く揺らしながら、笑顔で言った。


セレナ「お早う、サリーシャ。アリッサさんも、お早う御座います。……サリーシャは準備の方、大丈夫?」


アリッサは妹の背中を軽く押して、私たちの前に立たせた。


アリッサ「この娘、双剣と水魔法の使い手やからな。戦う時は頼りになるはずや。……セレナちゃんも、よろしく頼むで。危なくなったら、遠慮無くこの娘の事、こき使ってやったれや。」


サリーシャ「ちょっ!?アー姉!!」


セレナ「はい!有難う御座います、それよりアリッサさんは、今日はお仕事なのですか?」


アリッサ「今日は港の方で荷揚げの仕事でな。……妹が無事に帰ってくるまでは、仕事しながら、ちゃんと祈っとくわ。」


サリーシャは姉の言葉に、少し照れくさそうに頰を掻いた。


サリーシャ「アー姉、心配し過ぎやで……。アタシ、ちゃんと帰ってくるし、セレナっちもおるし、大丈夫やって。」


アリッサは妹の頭をくしゃくしゃに撫でて、優しく微笑んだ。


アリッサ「……分かってるよ。……でも、1番大事なのは無事に帰ってくることやからな。約束やで。」


サリーシャ「うん。約束や。」


そのやり取りを見ながら、私は胸が少し温かくなった。

――サリーシャにも、家族がいるんだ。守りたい人がいるんだ。


カレンは静かに微笑みながら、私の肩に手を置いた。


カレン「……サリーシャ、気を付けて下さい。セレナも。」


セレナ「うん。……カレンも、レイラも、マーサ叔母さん、ミナちゃん。行ってきます!」


レイラは少し涙目になりながら、そっと手を握り締め、小さな声で私に見送りの言葉を伝えた。


レイラ「……お嬢様……どうか、無事でお帰り下さいませ。」


マーサ「ほらほら、泣かないの。セレナちゃんは強い子よ。……帰ってきたら、今日は特別にステーキ出すからね!」


ミナ「セレナ様!サリーシャちゃんもお土産」


サリーシャは元気よく手を振った。


サリーシャ「了解!絶対帰って来るで!ステーキ、楽しみやー!」


私とサリーシャは、4人に見送られながら、王都の東門へと歩き始めた。

朝の陽射しが、黒髪と橙色の髪を優しく照らす。


サリーシャは少し照れくさそうに、私に小声で言った。


サリーシャ「……セレナっち。……家の姉ちゃん、五月蝿いやろ?」


セレナ「ふふ、全然。私からしたら、凄く優しいお姉さんだね。羨ましいよ。」


サリーシャは少し驚いた顔をして、すぐに笑った。


サリーシャ「せやな……。アタシ、アー姉のこと、めっちゃ大好きやで。……セレナっちも、家族おるんやろ?」


セレナ「……うん。……大切な人たち、たくさんいるよ。」


2人は並んで歩きながら、東門を目指した。

王都の朝は、静かに動き始める。


――そして今日、初めての本格的な冒険が、始まろうとしていた。





セトランド王都の『東市街』は『CRYSTAL SYMPHONIA』の舞台であるエンディミオン魔法学園を始め。冒険者ギルドと学生達の為の商店街アーケードが存在する。


因みに東市街の冒険者ギルドの建物は中央街のと同じ仕組みだけど。あくまで『学生用』。ゲーム本編では、依頼を成功する毎に報酬だけでなく『進級』や『卒業』に必要な『単位』も獲得出来る。中央街の冒険者ギルドこそが本命と言う事だ。


そして、合流場所である東正門にて。

リーダーであるセラフィナを始め、シンシア、ロザリーの3人がセレナとサリーシャの2人待っていた。


ロザリー「それにしても、眠いなあ…。」


セラフィナ「後でガルバルが用意した馬車の中で寝てて良いよ、早朝だと、誰だって眠たくなるから、ふわあ〜。」


そう言いながら、セラフィナは大きな欠伸をする。街中の何処からか、小鳥の鳴き声が聴こえる。


シンシア「ねぇ、セラフィナさん、ガルバルさんが言ってた最短ルート、どう思う?」


セラフィナは欠伸を噛み殺しながら、朝の冷たい空気を吸い込んでゆっくりと息を吐いた。


東正門の石畳に朝陽が差し込み、門衛の騎士たちがまだ眠そうな顔で立っている。街道の向こうには、薄い霧がたなびき、遠くの森がぼんやりと浮かんでいる。


セラフィナ「……正直に言えば、好きじゃないよ。あの男の言う『隠し通路』なんて、信用何か出来る訳が無い。そもそも霧の谷自体が、最近魔物の巣窟になってるって噂なんだから。」


彼女は腰の細剣に手をやり、軽く柄を握り直した。紫髪の三つ編みが、朝風に揺れる。

シンシアは槍を地面に立てかけ、眉を寄せた。


シンシア「でも……確かに、普通の街道だと馬車で2日はかかる。ダナン村に着く頃には、逸れ魔獣の情報が古くなる可能性もあるし、目撃だけでも報酬は出るけど、討伐報酬の銀貨20枚は大きいよね。……私達、最近装備の更新もしたかったし。」


ロザリーは弓を背負い直しながら、小さく頷いた。


ロザリー「……時間短縮は魅力的だと思う。でも、ガルバルさんが……本当に信用できるのかな。」


3人が顔を見合わせていると、遠くから軽快な足音が近づいて来た。黒髪のポニーテールと橙色のミニポニーテールが、朝陽に映えて揺れている。


セレナ「セラフィナさん、シンシアさん、ロザリーさん、お早う御座います!お待たせしました!」


サリーシャ「おはようさん! 遅れてゴメンなー、いや〜。お姉に起こされて、ようやく出られたわホンマ!」


セラフィナは2人を見て、ふっと笑みを浮かべた。


セラフィナ「おはよう。……2人とも、ちゃんと寝れた?初依頼とは言え、今日から長い仕事になるよ。」


セレナ「はい! 準備万端です!」


サリーシャ「アタシもや!昨晩は腹一杯食べて、気合入ってるで!」


シンシアはくすっと笑い、ロザリーは優しく微笑んだ。


ロザリー「良かった。……じゃあ、そろそろガルバルさんが来るはずだから、待とうか。」


その言葉が終わるや否や、東門の向こうから馬車の車輪の音が聞こえて来た。荷台に布を被せた中型の馬車が、ゆっくりと近づいてくる。


御者台に座るのは、昨日ギルドで会ったガルバルだった。


ガルバル「おーい、待たせたな!馬車は俺が手配した特別仕様だぜ。霧の谷の道も、なんとか抜けられるように頑丈にしてある。……ほら、乗れ乗れ!」


セラフィナは馬車を睨みつけ、すぐにガルバルに鋭い視線を向けた。


セラフィナ「……良く、馬車が用意出来たな。」


ガルバル「まあな、俺の知り合いに頼んで無料タダで貸してくれたんだ。それよりも報酬の方、分かってんだろ?」


セラフィナ「3分の1だろ、道中はちゃんと案内するって約束も忘れたら困るからな。」


ガルバルはにやりと笑い、左腕に赤い布を巻きながら頷いた。


ガルバル「へへっ、もちろんだ。俺は約束は守るタイプさ。……それに、女5人守るなんて、男の甲斐性ってもんだろ?」


サリーシャは馬車を見上げ、双剣を軽く回しながら言った。


サリーシャ「ふーん。……ま、ええわ。乗るで! セレナっち、隣良えか?」


セレナ「うん、良いよ。」


5人が馬車に乗り込むと、ガルバルは鞭を鳴らし、馬を走らせた。


馬車は東門を抜け、街道を進み始める。

朝の陽射しが、馬車の屋根を照らし、車輪の音が軽快に響く、セラフィナは馬車の隅に座り、ガルバルをじっと見つめていた。


シンシアは槍を膝に置き、ロザリーは弓を膝に抱えて外の景色を見ている、サリーシャは隣のセレナに小声で囁いた。


サリーシャ「なあ、セレナっち。このガルバルって奴、な何か……匂いが嫌いやわ。」


セレナ「……奇遇だね、実を言うと私も。……でも、今は信じるしかないよね。霧の谷、最短ルートで抜けられるなら。」


サリーシャはにぱっと笑い、双剣の柄を軽く叩いた。すると向かいに座るシンシアさんが私に話し掛けて来た。彼女の左肩にはロザリーさんが片寄ってスヤスヤと寝ている


シンシア「そう言えば、セレナちゃんはどうして冒険者何かになったの?」


彼女の突然の質問に、私は眼を大きく開く、冒険者になった理由か、それは幾つかある。『炎の騎士団』。主にフレイジェル達『絶血派』ら上級貴族らに対する私への敵対心を減らす事。『クリムゾン団長の加護下に置かれた特別扱いの小娘』ではなく『自分自身で道を切り開き進んでいる女』として、意識させる事。


そして、セリスティアと本来、物語に存在しないセレナと言う登場人物の1人2役の役割はきっと今後の私の活動になると思う。


セレナ「……どうして、そんな事を?」


シンシア「いやさ、人間誰だって事情あるでしょ?ほら、例えば、お金を沢山稼いでお金持ちになりたいとか、冒険者として活躍して英雄になるとかさ。」


私は少し考え込んでから、ゆっくりと口を開いた。嘘は付きたくない。でも、全てを話すわけにもいかない。

だから、出来るだけ本当の気持ちを、言葉にしてみる。


セレナ「私……小さい頃から、村の近くで魔物が出るたび、怖かったんです。家族や村の人たちが守ってくれるけど、何時も『もし自分がもっと強かったら』って思ってて……。それで私は近所に住んでる師匠から、剣や魔法を少しずつ習ってたんですけど、やっぱり本当の戦いは知らなかった。」


サリーシャが隣で、興味深そうに身を乗り出した。


サリーシャ「へぇ……セレナっちも、そういう理由やったんか。」


セレナ「うん。……王都に来て、色んな人を見て、色んな話を聞いて……『自分も、誰かを守れるくらい強くなりたい』って、はっきり思ったんです。冒険者になれば、色んな魔物と戦えるし、経験も積めるし、報酬もも貰えるから。」


シンシアさんは槍の柄を軽く撫でながら、優しく微笑んだ。


シンシア「立派な理由だね。……私も最初は『お金が欲しくて』だったけど、今は違うよ。仲間と一緒に戦うのが楽しくて、誰かを助けられるのが嬉しいから、続けてる。」


ロザリーさんは眠りから少し目を覚まし、ぼんやりしながらも頷いた。


ロザリー「……私も……スタンピードの時、赤髪の令嬢に助けてもらって……。だから、今度は私が誰かを守れるようになりたいなって。」


セレナ「…仲、良いんですね、シンシアさんと。」


ロザリーさんはシンシアの肩にそっと頭を預け、小さく頷いた。眠気と懐かしさが混じった声で、静かに続ける。


シンシア「実を言うと私とロザリーは幼馴染何だ。ロロア村って言う、村の外の周りが草原だらけが私達の故郷でね、魔物の発生は疎か、被害も無縁な平穏な所でね。私達、子供が村の外を出る事が許されないから退屈三昧、唯一の楽しみは、外から来た旅人さんから聞く『冒険語り』と『迷宮ダンジョン奥の話』が眼をキラキラ輝くする程に憧れたよ。」


ロザリー「とくにシンシアは大好きだったからね。」


シンシア「ロザリー!」


私達3人はシンシアさんの事を笑い合うと、彼女は顔を真っ赤にしながらプンスカと怒り出す、そんな光景をクスリと微笑む、セラフィナさんは私達に言った。


セラフィナ「確かに、人間誰にだって冒険者になる理由は其々あるわ、私の場合は、少し違うけれどね…。」


悲しげな表情をしながら、セラフィナさんは目線を上に見上げる、彼女も何か理由があって冒険者になったのだろう、するとシンシアさんが私にセラフィナさんが冒険者になった理由を答えた。


シンシア「確か、セラフィナさんには妹さんがいるんだっけ?病弱の。」


シンシアさんの言葉に、セラフィナさんは自ら眼を伏せながら、私達に話した。


セラフィナ「……ええ、妹の名前はリィナ、まだ10歳にもなっていないのに、魔力の暴走で蝕まれてるの、セトランド王都の最高の医療院に入院させてるけれど……薬代も治療費も、毎月、雪だるま式で増えていく、冒険者にならなければ、もうとっくに諦めていた命なのかもしれないわ。」


彼女の声は淡々としていたが、紫の三つ編みの先が、僅かに震えているのが分かった。そうか、この人は病気の妹さんの為に冒険者をしてるんだ。


セラフィナさんの言葉が馬車の中に静かに落ちた瞬間、車内の空気が少し重くなった。

シンシアさんは槍の柄を握る手に力を入れ、ロザリーさんは眠気まじりの目を少しだけ開いて、そっとセラフィナさんの膝に手を置いた。


サリーシャは隣で黙って聞き、橙色の瞳を細め、そして私は、胸が締め付けられるような感覚を覚えた。


セレナ「……その、リィナちゃんは……今も、入院中なんですか?」


セラフィナさんはゆっくりと頷き、馬車の窓から外の景色を眺めながら続けた。


セラフィナ「うん。魔力の暴走って、稀にある病気なんだって。生まれつき魔力回路が不安定で、成長するにつれて制御が効かなくなって、体を蝕む。……王都の最高医療院でも、完治は難しいって言われてる。ただ、定期的に高額な魔力安定薬を投与すれば、進行は抑えられるらしい。でも、その薬が……1ヶ月で金貨10枚以上かかるの。」


彼女は苦笑いを浮かべ、紫の三つ編みを指で軽く弄んだ。


セラフィナ「銀級になった今でも、毎月ギリギリ。依頼を断ったら、すぐに薬が切れる。……だから、報酬の大きい依頼は、どんなに危険でも飛びついちゃう。……情けない話だけどね。」


シンシアが静かに口を開いた。


シンシア「……セラフィナさん、情けないなんて事無いよ。私達だって、皆それぞれ事情抱えて冒険者やってるんだから。……リーシャちゃんの為なら、私だって何だってする。」


セレナ「不安定な魔力暴走…それってもしかして『魔力暴発症』では?」


セラフィナは私の言葉に、ぴくりと反応した。

馬車の揺れが一瞬止まったように感じるほど、彼女の動きが固まった。


セラフィナ「……何で、妹の病名を知ってるの?」


彼女の声は低く、かすかに震えていた。紫の三つ編みが、肩の上で静かに揺れる。

シンシアとロザリーも、息を呑むように私を見た。サリーシャだけが、橙色の瞳を少し細めて、興味深そうに身を乗り出した。


セレナ「い、医療に関する本で読んだ事があります、生まれながらの病で出産した子の魔力質量が異常な質量で、せのせいか身体が劣り病弱になると、確か、その病気は『万能薬エリクサー』があれば完治出来る筈です。」


セラフィナさんの瞳が、鋭く細められた。馬車の揺れが、彼女の体をわずかに揺らす中、その視線は私を真っ直ぐに貫くように固定されていた。


セラフィナ「……『万能薬エリクサー』って、もしかしてどんな不治の病も治せるって言う、あの!?」


彼女の声は低く、抑揚が殆ど無い。まるで、言葉の重さを確かめるように、ゆっくりと吐き出された。


セレナ「は、はい……。私が読んだ本では、そう書いてありました。魔力暴発症――生まれつきの魔力回路の異常で、体を蝕む病気。進行を止めるには高額な魔力安定薬が必要だけど、根本治療には『万能薬』が唯一の希望だって……。」


私は慌てて言葉を続けた。ゲーム知識をそのまま出すわけにはいかない。本編に出て来る『万能薬エリクサー』はその名の通りに回復道具の中でも最強と言われる魔法の秘薬、何でも上級貴族の別荘1件を買える程の値段だけど、素材となる道具、とくに『賢者の石』は高難易度の調合道具でその材料素材もレア級の道具ばかりで構成されている、攻略ゲーマー達も苛立つ程だからだ。


でも、セラフィナさんの妹の病気を前にして、何も言わないわけにはいかなかった。私は用語辞典の部分だけでも伝えた。


セレナ「勿論……本に書いてあること何て、全部が本当かどうかは分からないですけど……。でも、もし本当なら……何時か、何時か絶対に手に入れられる筈です!」


馬車の中が、静まり返った。

シンシアさんは槍を握る手に力を入れ、ロザリーさんは眠気まじりの眼を完全に開いて、セラフィナさんの横顔を見つめている。サリーシャさんだけが、隣で無言で私の顔をじっと見つめていた。橙色の瞳が、何かを探るように揺れている。


セラフィナさんは、しばらく無言だった。

やがて、彼女はゆっくりと息を吐き、紫の三つ編みを指で軽く梳いた。


セラフィナ「……有難う、セレナちゃん。例え嘘偽りがあっても嬉しいよ。」


その声は、意外なほど柔らかかった。

でも、直ぐにいつもの強い口調に戻る。


セラフィナ「……確かにセレナちゃんの言った通り、万能薬なら完治の可能性はあるって、医療院の医師も言ってた。でも……今、本国の王都で手に入る万能薬は、王族か上級貴族しか手を出せないくらい高価な値段で、市場に出回ること自体が稀なんだって。……だから、私も諦めてない。ただ――今は、毎月の薬代を稼ぐのが精一杯で。」


シンシア「セラフィナさん…。」


サリーシャ「………ホンマ、悲しいやな。」


彼女は苦笑いを浮かべ、馬車の窓から外の景色を見た。朝の街道はまだ静かで、遠くに霧の谷の輪郭がぼんやりと見え始めている。


セラフィナ「ううん……セレナちゃんがそう言ってくれると、少しだけ希望が持てる気がする、可能性が1つでも増えて、嬉しいと思うよ。」


セラフィナさんの言葉に、馬車の中が再び静かになった。

誰もが、それぞれの思いを抱えて外の景色を見つめている。朝の陽射しが馬車の窓から差し込み、埃の粒子を金色に輝かせていた。


私はそっと息を吐き、隣のサリーシャに視線を移した。彼女は橙色の瞳を細め、黙って窓の外を見ていた。いつもの明るい表情とは違い、少しだけ眉間に皺が寄っている。


セレナ「……どうしたの、サリーシャ?」


サリーシャはゆっくりと私の方を向き、ふっと笑みを浮かべた。でも、その笑みはまるで私の会話に興味を抱きそうな顔をしていた。まるで鼠を見つけたギラリと眼を光らせた猫の様に。


サリーシャ「……なぁ、さっき話しとったセレナっちの話やけどさ……『万能薬』って、ホンマにそんな凄い物なんはアタシでも知っとるけど、何で田舎育ちのセレナっちが読んだ本だけで良く見つけられたなあ〜。なぁ、それって何て本の名前なん?」


そのニヤつけたサリーシャの笑みに、優しみが感じず、少し真剣そうな雰囲気をしていた。不味い、さっきの万能薬の説明を喋り過ぎたかもしれない、取り敢えず私は慎重に言葉を選んだ。


セレナ「そ、そう言うサリーシャは冒険者になった理由って?」


サリーシャ「其処で話逸らすなやホンマ!……アタシはな〜__」


その時、馬車が突然と右方向へと曲がると共に進む地面がガタガタになった。馬車馬を引いてるガルバルは大きな声で私達に言った。


ガルバル「おいお前等!ここからが『霧の谷』の入り口だ!普通の街道はもう終わりだぜ!これから先は獣道みたいな細い道だからな、馬車が揺れるぞ!しっかり掴まってろよ!」


セラフィナ「そうだな…少し予定より早いが、ガルバル、馬車を止めてくれ。此処で降りて早めの朝食を取る。」


ガルバル「ち、朝食だとぉ!!?」


ガルバルは驚愕な表情をする。


セラフィナ「…どうした?急に額を青ざめる程の面をして、お前らしく無いぞ。」


ガルバルは御者台で体を硬直させ、額に浮かんだ汗を慌てて袖で拭った。何時も余裕たっぷりの嘲笑が、初めて消えていた。


ガルバル「……いや、なんでもねぇよ。ただ……昼飯なんて、ここで食うのはマズいんじゃねぇかと思ってな。そ、それより…霧の谷はもう直ぐだ。魔物の気配も濃くなってるし、止まってる間に何か来たら面倒だろ?」


セラフィナは馬車の隅から身を乗り出し、冷たい視線をガルバルに突き刺した。紫の三つ編みが、馬車の揺れに合わせてゆっくり揺れる。


セラフィナ「ふぅん……。さっきまで『俺が案内するから安心しろ』って偉そうに言ってた男が、今さらビビってるの?心配しないで、さっき私の『気配探知』の技術を使ってこの周囲には魔物の気配は無いわ。」


ロザリー「確かにそうだね、私達もお腹空いてたし。」


シンシア「実を言うと朝早く出たから朝食を食べ損ねたから…。」


ロザリーさんだけでなく、シンシアさんも賛同する。


サリーシャ「あーーー。実を言うとアタシもお腹空いたな〜。セレナっちは?」


セレナ「あ、叔母さんの所で軽く食べたわ、でも一応途中にお腹空いたら困るから、頂くわ。」


セラフィナ「ガルバル、賛成5人反対1人って事で異論反論は無いね、さ、皆、これギルドからの補給品、携帯食料の干し肉よ。」


セラフィナさんは馬車の荷台から小さな布袋を取り出し、中から干し肉の束と固形の麦パン、少量の干し果実を配り始めた。


朝の冷たい空気が霧の谷の入り口に流れ込み、馬車の周囲を薄く包んでいる。木々の間からは、かすかに鳥の鳴き声が聞こえるが、それ以外は不気味な静けさだ。


セラフィナ「ほら、ガルバルも食べなさい。腹が減ってたら、案内どころじゃないでしょ?」


ガルバルは御者台で体を硬くしたまま、額の汗を拭いながら渋々手を伸ばした。彼は内心焦っていた。まさか谷の入口間近で朝食を取る何て思わなかったからだ。ガルバルは苛立ちながら谷へと続く細道を見つめながら、心の中で呟いた。


ガルバルは渡された干し肉を半分に千切って、口に放り込みながら、苛立ちを隠すように咀嚼した。彼の歯が肉を噛み砕く音が、馬車の狭い空間に小さく響く。


ガルバル{……く、糞っ、こんな所で突然止まるなんて聞いてねぇぞ。このままだと、奥の連中との待ち伏せの時間のタイミングが狂っちまうじゃねぇか……。大体、霧の谷の出入口近くで朝飯だと?ふざけんなよ!!セラフィナの野郎……。いや待て、ここで焦って俺が変な動きしたら、逆に怪しまれちまう。……し、仕方ねぇ、此処は此奴等の誘いに乗るしか。}


ガルバルは干し肉を無理やり飲み込み、咳き込みそうになるのを堪えながら、わざとらしく笑った。


ガルバル「へ、へへっ、相変わらず気が利くなぁ、セラフィナ。……まぁ、腹が減ってちゃ戦えねぇしな。有り難く頂くぜ。」


彼は麦パンを一口だけかじりながら、視線を霧の谷の奥へと向けた。朝の薄い霧が、木々の間をゆっくりと流れ、遠くの岩肌がぼんやりと浮かんでいる。鳥の鳴き声が途切れ、代わりに風が葉を擦る音だけが響く。


するとサリーシャは突然と立ち上がった。


サリーシャ「あーーー。アタシちょっとお花摘みに行かなアカンな〜。」


ガルバル「!!?」


ロザリー「ちょっ、いきなり!?」


セラフィナ「宿で済まさなかったのか?」


彼女は笑いながら、セラフィナさん達にペコペコと謝罪した。一方のガルバルはサリーシャのお花摘み宣言に何か驚いていた。どうかしたのたろうか?するとサリーシャは突然と私の左手首を掴んだ。


サリーシャ「セレナっち!アタシ1人だけやと怖いから付き合ってや!」


セレナ「えっ?ちょっ!?」





私はサリーシャに左手首を掴まれたまま、馬車の陰から少し離れた森の木立の中へ引っ張られていく。朝の陽射しが木々の隙間からまだ弱く差し込み、足元には湿った落ち葉が柔らかく沈む。霧の谷の入り口近くとはいえ、ここはまだ街道寄りで、魔物の気配は薄いはずなのに……サリーシャの足取りは明らかに『お花摘み』に向かうものではなかった。


セレナ「ね、ねえ、サリーシャ……? お花摘みって、こっちの方向でいいの? なんか、だんだん奥の方に行ってる気がするんだけど……。」


サリーシャ「………。」


私は少し声を潜めて尋ねた。サリーシャは私に振り返りもせず、橙色のミニポニーテールをぴょんと跳ねさせながら、早足で進む。


サリーシャ「んー?ちょっと待っててや、セレナっち。もうちょっと奥や。……ここなら、誰にも聞かれへんし、見られへん。」


その言葉に、私は思わず足を止めた。サリーシャもそれに合わせて立ち止まり、ようやく私の方を向いた。朝の薄い光が彼女の橙色の瞳に反射して、鋭く輝いている。


セレナ「……サリーシャ。……お花摘みって、嘘だよね?」


サリーシャはにぱっと笑った。でも、いつもの無邪気な笑顔とは少し違う。どこか探るような、確かめるような眼差しだ。


サリーシャ「あー、バレてもうたかいな。……流石セレナっちやな。頭の回転、速いわ。」


彼女は双剣の柄に手を置き、ゆっくりと私に近づいてきた。距離が縮まるたび、私の心臓が少しずつ速くなる。


サリーシャ「馬車との距離は約150m近く、この距離は『盗聴』の技術の効果範囲外や。」


『盗聴』って、確か相手の会話を盗み聞きする盗賊系の技術だよね?何でそんな事をサリーシャが?


サリーシャ「……セレナっちはあのガルバルはんって人、どない思う?」


セレナ「!」


私は一瞬、息を止めた。

サリーシャの表情は真剣そのもの。いつもの悪戯っぽい笑みは消え、代わりに鋭い観察の光が宿っている。


――やっぱり、彼女も気づいていたんだ。

ガルバルの態度、言葉の端々、左腕に巻かれた赤い布……全てが、ただの『案内役』じゃないことを。


私はゆっくりと息を吐き、彼女の瞳を見つめ返した。


黒髪のポニーテールが、朝風に軽く揺れる。


セレナ「……正直に言うと、信用できない。……昨日のギルドでの事からずっと、違和感しかなかった。」


サリーシャの眼がわずかに見開かれ、すぐに細められた。彼女は小さく頷き、双剣の柄から手を離さずに続けながら、私に言い続けた。


サリーシャ「やっぱな。……アタシも同じや。あの男、初っ端からギルドで会った時から妙に馴れ馴れしくて、報酬と道案内の話したやろ? それに、さっき馬車の中で……額に汗浮かべて、目が泳いどった。……『霧の谷』の入り口で朝飯なんて、絶対予定外やったんやと思う。其処はセラフィナはんに感謝やな。」


セレナ「……うん。突然の朝食の提案で、ガルバルさんは驚いていた。……あの『赤い布』も、ただの飾りじゃない気がする。合図か、何か……。」


サリーシャは小さく頷き、橙色の瞳をさらに細めた。彼女は周囲の木々を素早く見回し、声のトーンを一段落と下げた。


サリーシャ「せやな。あれ、昨日、ギルドでの時は巻いてなかった。……今朝、東門で馬車乗る直前に巻いたんやろうな。恐らく、あれは誰かとの『合図』。……セレナっち、あの男の目的、なんやと思う?」


赤い布、最短ルート、道案内、金、私達に繋がる事…。私は全てが繋がったのか、静かに答えた。


セレナ「……もしかして、ガルバルさんは盗賊の関係者?」


サリーシャは私の言葉を聞いて、橙色の瞳をわずかに見開いた。


サリーシャ「……盗賊の関係者、か。……アタシも、同じこと考えてたわ。」


彼女は双剣の柄を軽く握り直し、木々の隙間から馬車の方をちらりと確認した。朝の霧がまだ薄く残る中、馬車の輪郭がぼんやりと見えるだけだ。


しかしどうする?

仮にもし、本当にガルバルが盗賊の関係者もとい仲間だとしたら、魔獣どころ何かじゃない、サリーシャは話を続ける。


サリーシャ「昨日のギルドでの態度、今日の馬車手配の早さ……それに、霧の谷の『隠し通路』なんて、普通の冒険者が知ってるわけないやろ。しかも、報酬の3分の1で満足するって言うのもおかしい。銀級の冒険者なら、もっと強気に交渉してくるはずやのに、あいつ、妙に譲歩早かったんや。」


私は頷きながら、昨日の記憶を辿った。ガルバルの嘲るような笑み、左腕の赤い布、額の汗……全てが、ただの『案内役』ではないことを示唆している。


セレナ「……私達、女5人だってことも、狙われやすい理由になるかも。……特に、私とサリーシャが子供だって知ってるから。『足手まとい』って侮って、隙を突こうとしてるのかも。」


サリーシャは小さく舌打ちし、双剣を腰から抜きかけて、すぐに鞘に戻した。


サリーシャ「恐らく、そうかもしれんわ…。」


セレナ「……セラフィナさん達に、伝えた方がいいよね?」


サリーシャ「せやな。……でも、今すぐ騒いだら、ガルバルはんにバレて、先に動かれる可能性もあるし。……一旦、様子見て、タイミング見て伝えるのがええかもしれへん。」


私は頷きながら、胸の鼓動を抑えた。初めての本格的な依頼が、こんな形で危険に変わるなんて……でも、怖いというより、悔しい気持ちが強かった。


しかしどうする?

セラフィナさん達に伝えても、どの道…。


サリーシャ「其処でや、セレナっちに頼みたい事があるんや。」


セレナ「…頼みって?」


サリーシャ「ああ、今からアタシはこの森中で迷子になる、その間に、セレナっちは馬車に戻ってアタシが森で迷子になった事を伝えるんや、そうすれば、セラフィナはん達はアタシを探しに森に入る、ガルバルはんも同じくや、この隙にセレナっちはガルバルはんが盗賊一味の仲間やと気付かれない様に伝えてや。アタシは、ガルバルはんを尾行するから。」


セレナ「……サリーシャ、それって……危険すぎるよ。私1人でガルバルさんに伝えるなんて、もしバレたら……。」


私は思わず声を潜めて、サリーシャの橙色の瞳を見つめた。朝の霧が木々の間をゆっくりと流れ、2人の間に冷たい空気が漂う。サリーシャは少しだけ眉を寄せたけど、すぐにいつもの悪戯っぽい笑みを浮かべた。


サリーシャ「心配せんでもええって。……アタシ、双剣使いやし、水魔法も使える。尾行くらい余裕や。ガルバルはんが怪しい動きしたら、直ぐ分かるし、危なくなったら直ぐに逃げ切る自信あるわ。」


彼女は双剣の柄を軽く叩き、自信たっぷりに胸を張った。でも、その瞳の奥には、ただの自信だけじゃない――何か、覚悟のようなものが宿っているのが分かった。


サリーシャ「それに……セレナっちが馬車に戻って、セラフィナはん達に『ガルバルはんが怪しい』って伝えるんやろ? あの人たちなら、信じてくれるはずや。……アタシはアタシで、証拠を掴む。そしたら、皆でガルバルはんを問い詰められるやん。」


私は唇を噛んだ。確かに、サリーシャの言う通りかもしれない。ガルバルが本当に盗賊の仲間なら、馬車に乗ったまま進むのは危険すぎる。セラフィナさんたちに伝えるチャンスは、今しかない。


でも……。


セレナ「……分かった。でも、絶対に無茶しないで。もし何かあったら、すぐに合流して。……約束だよ。」


サリーシャはにぱっと笑い、右手を差し出した。


サリーシャ「約束や! アタシ、絶対に無事で戻ってくる。セレナっちも、馬車の中で変な動きせんように気ぃつけや。」


私はその小さな手を握り返した。2人の掌が触れ合う瞬間、朝の冷たい風が木々の間を抜け、落ち葉を軽く舞い上げた。


セレナ「……行ってらっしゃい、サリーシャ、待ってるから。」


サリーシャ「うん。直ぐに戻るで!」


彼女は素早く身を翻し、霧の谷の奥へと続く木々の影に消えていった。橙色のミニポニーテールが、最後にぴょんと跳ねて、見えなくなった。


サリーシャ、どうか無事でいて…。

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『推しの乙女ゲームの悪役令嬢に転生するも攻略キャラが全員ヒロインなのが間違っている!?』 『小説家になろう』及び『カクヨム』にて兼任絶賛連載中!目指せ!ランキング上位!! 感想も宜しくお願いします!m(_ _)m リンク先のTwitter{X}は此方。 @jBFyXO83wZ73627
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