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【祝合計PV3万突破!】推しの乙女ゲームの悪役令嬢に転生するも攻略キャラが全員ヒロインなのが間違っている!?  作者: 二代目菊池寛
2章。悪役令嬢、冒険期編。

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閑話。 闇は深海潜めし蛸と共に動き出す。

セリスティア達3人が其々の帰路へと向かう同時刻。


セトランド王都のとある裏路地街道、ギルドを出たばかりのガルバルは1人歩きながら、辺りをキョロキョロと見渡してから、頭に王冠を被った黒いタコの紋様が記された民家の扉を4度ノックする。


男の声『………黒蛸4足。』


扉越しから男の声が聴こえ、ガルバルに合言葉を伝える。


ガルバルは周囲をもう一度素早く見回し、低い声で答えた。


ガルバル「……黒蛸4足、闇夜の潮に深く沈む。」


扉の向こうで、かすかな金属音がした。錠が外れる音だ。ゆっくりと扉が開き、薄暗い室内から冷たい空気が流れ出る。


ガルバルは迷わず中へ入り、扉が静かに閉まるのを確認してから、背後で鍵がかかる音を聞いた。


室内は薄暗く、窓は厚い布で塞がれ、蝋燭の灯りだけが揺れている。中央のテーブルには、黒いローブをまとった数人の男達が3人座っていた。

全員、顔の下半分を布で覆い、眼だけが見える。その中でも一番奥に座る男はガルバルに話し掛けた。


奥の男「……報告を聞かせろ。」


ガルバル「へぇ、ギルドにて冒険者パーティーが例のルートを通るとの事、構成は5人全員が女、その内2人は餓鬼、結構な上玉ですぜ。」


奥の男はゆっくりと頷き、蝋燭の炎が彼の瞳に赤く映った。布で覆われた口元は動かないが、声だけが低く響く。


奥の男「……女5人か。しかも2人が子供……。面白い。しかし、セラフィナ・シルバリオのパーティーだろう?」


ガルバルはテーブルに片手をつき、にやりと笑った。


ガルバル「その通りですぜ。あの女剣士がリーダー格で、槍使いと弓使いが後衛。残り2人は白級の新入りだ。1人は橙髪の双剣使いの小娘、もう1人は長い黒髪を結んだ可愛い……名前は確か、セレナとか言ってたな、見た目は華奢だが、眼付きが妙に鋭くてな。……ありゃあ、単なる餓鬼らしい強気な態度だろ。」


奥の男の隣に座っていた、もう1人のローブの男が、ゆっくりと身を乗り出した。声はかすれていて、まるで枯れた葉が擦れるようだった。


奥の男「まあ良い、パーティーで役に立たん餓鬼2人が入った処で変わりは無い、お前は明日。『霧の谷』の最短ルートを使ってから夜、奴等が眠る隙に例の小屋の別同班と合流しろ、依頼先はダナン村から離れた岩山の森だな、其処で俺達が奴等を奇襲する。」


右隣の男「何時も通りに。『冒険者潰し』の名の下に活躍しろよガルバル。」


左隣の男「お前を『紹介人アウター』として雇った以上、失敗は許さんぞ。」


ニヤリと不気味に笑う、ガルバルは薄暗い部屋の中央で、ゆっくりと息を吐いた。蝋燭の炎が揺れ、彼の顔に影を落とす。布で覆われた男達の視線が、針のように突き刺さる。


ガルバル「……へぇ、分かりましたぜ。明日の夜、霧の谷の奥の古い小屋で合流。セラフィナのパーティーが野営してる隙に、奇襲をかける。……女5人、しかもそのうち2人がガキンチョ。簡単に片付く筈ですから。」


奥の男――黒いローブの中心に座る、声の主――はゆっくりと頷いた。覆面の下から、低く抑揚のない声が漏れる。


奥の男「成果を出せ。報酬は約束通り、女1人につき金貨5枚。子供は特別に10枚だ。殺さずに生きて連れて帰れれば、なお上乗せする。」


ガルバルは口元を歪めて笑った。彼の歯が蝋燭の光に白く光る。


ガルバル「へへっ、太っ腹だな。……ま、俺がちゃんと『商品』を傷つけねぇように運ぶよ。」


右隣の男が、かすれた声で付け加えた。


右隣の男「霧の谷は俺たちの縄張りだ。隠し通路の先で待ち伏せする。……お前はただ、奴らを誘導するだけでいい。合図は昨日の通り、『紅い布』を左腕に巻く。見逃すなよ。」


左隣の男が、冷たく笑った。


左隣の男「万が一、セラフィナが気付いて抵抗でもしたら……容赦なく潰せ。銀級とはいえ、女剣士1人くらいなら、俺達の数でどうにでもなる。」


ガルバルは肩をすくめ、ゆっくりと立ち上がった。


ガルバル「……了解だ。じゃあ、明日の夜だな。……楽しみにしてるぜ、闇商会の皆さん方。」


彼は扉の方へ歩き、振り返らずに手を挙げた。扉が開き、冷たい夜風が室内に流れ込む。ガルバルは素早く外へ出て、扉が閉まる音を背に受けながら、裏路地を歩き始めた。


ガルバル{……女5人か。セラフィナの奴、相変わらず面倒くせぇ女だが前々から鬱陶しかったな、口は悪いし、奴隷に堕とせば大人しくなるだろう。……だが、今回は新入りの餓鬼が2人もいる。簡単に潰せるはずだ。……あの黒髪の小娘、妙に落ち着いてやがったけど……ま、所詮は餓鬼は餓鬼だ、直ぐに泣きじゃくるに決まってる。}


裏路地の闇に溶け込むように、ガルバルの足音が遠ざかっていった。

セレナは、セリスティアはまだ知らない、初めての依頼の陰に潜む悪が、新たに迫ろうとしていた。

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『推しの乙女ゲームの悪役令嬢に転生するも攻略キャラが全員ヒロインなのが間違っている!?』 『小説家になろう』及び『カクヨム』にて兼任絶賛連載中!目指せ!ランキング上位!! 感想も宜しくお願いします!m(_ _)m リンク先のTwitter{X}は此方。 @jBFyXO83wZ73627
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