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【祝合計PV2万突破!】推しの乙女ゲームの悪役令嬢に転生するも攻略キャラが全員ヒロインなのが間違っている!?  作者: 二代目菊池寛
2章。悪役令嬢、冒険期編。

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悪役令嬢、炎の騎士団の訓練に参加する。{前編}

昨夜、カレンから明日、騎士団の訓練に参加しないと誘われた。いきなり突然だったせいで私は驚くと同時に内心気付いた。その騎士団の訓練、もしかしたら私にとって良い経験が積めるのではないかと。


そう考えた私は直ぐ様にカレンの誘いを受けて明日、炎の騎士団の訓練に参加する事となった。


そして当日、雌牛の足跡を出てレイラに見送られた私はカレンに連れられて中央都市部の奥まで進み歩き、城門付近にある各団の屯所らしき建物が幾つかある、建物の色は違うけど恐らく其々の団をモチーフにしてるにだろう、するとカレンは右方向へと曲がり進み、私は遅れてカレンの後を追い掛けると、塀に囲まれた。炎の様な赤い屋根の大きな建物があった。恐らくこの建物が騎士団の屯所だろう。見上げると3階、ううん、4階ぐらいはあるだろう。


カレン「セリス!此方だ!」


セリスティア「うん!今行く!」


カレンの呼び掛けに反応し、私は急ぎ、追い付くと屯所へと続く騎士団関係者専用の正門にて足を止められる、正門の見張り担当の鎧兜で武装した2人の兵士に止められ話し込んでいた。


屯所見張りの兵士A「いえ、これも仕事ですから、カレン様のご帰還を知った時は我々一般兵見張り役一同、貴女様の帰還を待っていましたよ。」


屯所見張りの兵士B「とは言え、申し訳有りません、身元確認の為に呼び止めてしまって、これも規則ですので。」


カレン「いや、気にしないで欲しい、規則なら致し方無い、ああそうだ。彼女が今日から騎士団の訓練に参加する事になったセリスティアだ。今後は私の付き添い無しで通って来るから覚えてほしい。」


セリスティア「よ、宜しくお願いします!」


私は直ぐ様に見張りの兵士の方々に礼儀正しく挨拶する。2人の見張り兵は私をじっと確認すると、互いに顔を合わせ縦に頷き、笑顔で


屯所見張りの兵士B「セリスティア様ですね、ライズ副団長から話は通っております。どうぞお通り下さい。」


兵士に通され、私はカレンと共に正門を通過し、中へと進む、此処が『炎の騎士団』の騎士達が勤める屯所と訓練場か…。その時、訓練場の方から豪快な男達の叫び声が私の耳に響かす、振り向くと、鎧を着た男達が木剣で素振りや実戦訓練をしている姿を眼にし足を止める。


セリスティア「うわあ…。」


覇気の籠もった掛け声、全力で打ち込み合う木剣での打撃音、これが本場の騎士達の訓練、異世界に転生してから生まれて初めて眼にする光景を私は興奮した。


隣にやって来たカレンは、騎士達の訓練する光景を見つめながら私に語った。


カレン「凄いだろう、私も最初は苦痛だった。厳しい訓練を耐え抜き、乗り越え、今となっては皆に認められた立派な騎士となったんだ。私は。」


セリスティア「……カレンは確か、亡くなったお母様の影響で騎士になったんだよね?」


カレン「…知ってたのか?」


セリスティア「お父様から聞いたの、カレンのお母様、前の騎士団長だったスカーレット様の意志を継ぐ為に騎士になったって。」


カレン「…お母様は私のいや、私達セトランドの女の憧れだった。蝶の様に戦場の中を舞い、華の様に美しく華麗に敵陣を切り込む、幼い頃に一度だけ、お父様に連れられて王城内にて行われたお母様の公開御前試合を見に来た事がある。母上の燃え盛る美しい剣舞を見て、私は感動した。私も何時かあの様な剣を振りたい、けど、現実的には無理だった。知ってるだろう、セリスも私の体質を…。」


体質病が1種。『魔力無体症まりょくむたいしょう』。通称『魔無し』。産まれながらに魔力を持たずに魔法は使えない、しかし、カレンはそんなハンデを乗り越え、皆に認められる騎士となった。


セトランドは本来、男尊女卑の王国だ。今のセトランド王家は男女平等の立場を認めているけど、貴族の多くは女の表社会に立つ事を認めない、そんな前世の昭和意識見たいな連中がわんさか存在してるからだ。カレンは言わば、この世界の女社会を先頭で立つ中心的存在になるかもしれない、スカーレット様以来の。


セリスティア「知ってる、けど、スカーレット様はスカーレット様、カレンはカレンでしょ。貴女なりの騎士を目指せば良いんだから。」


カレン「セリス…。フッ、そうだな。」


炎の騎士団員「ぐわっ!!」


その時、実戦訓練してた1人の騎士団員が私とカレンの近くへと吹っ飛ばされる、騎士団員は倒れた目線の先に私とカレンの存在に気付き驚く。


炎の騎士団員「えっ?も、もしかしてカレンか!?おーい皆!カレンが戻って来たぞー!!」


思いっ切り立ち上がった1人の騎士団員の掛け声により、騎士達は一斉に訓練を中断してぞろぞろと私とカレンの元へとやって来ると、騎士達は喜びながら同じ団員であるカレンの帰還を歓迎し、カレンは笑いながら挨拶をする。


カレン「皆、ただいま!」


炎の騎士団員A「お帰りカレン!元気だったか!?任務中の最中にちゃんと食事してるか?怪我とか病気しなかったか!?」


炎の騎士団員B「お前ったら相変わらず過保護だな!でも本当に突然帰って来る何て驚いたぞ!」


炎の騎士団員A「だな!と言う事は今日から騎士団に復帰するのか!?」


カレン「そ、それは…。」


まだ私の護衛任務は終わっておらずに継続している事に、流石のカレンも言えない空気の中にいた矢先、新たにやって来た2人の騎士団員が駆け付けながら、騎士達に注意した。


やって来たのはオレンジ色の髪をオールバックをした若い騎士と、もう1人は冷静で大人びた眼鏡の長身の騎士の2人組だ。


コンロッド「おいおいお前等!あんまりカレンを質問攻めすんじゃねえぞ!」


レイム「同感だ。少しは加減と言うのも理解しろ。」


カレン「レイム殿!コンロッド殿!」


レイムとコンロッドと呼ばれた2人の騎士団員は喜びながらカレンの元へと接して来る、どうやら、カレンの知り合いの様だ。


コンロッド「昨日以来だなカレン!」


レイム「戻って来たと言うと、まだ例の極秘任務は継続中の様だな。」


カレン「ええ、申し訳有りませんが、それで団長と副団長は?先程からお二人の姿が見当たりませんが?」


するとレイムは困った顔しながら、団長であるクリムゾンと副団長であるライズの2人が何処に居るか答えた。


レイム「ああ、済まない、お二人はつい先程、団長室にて2人きりで話し合っている、この前の魔物の大群の件に関してな。」


コンロッド「それで俺等はライズ副団長からの命令で、其処の嬢ちゃんを訓練に参加させろとな。」


そう言うとコンロッドは目線を私に向け、ニヤリと笑顔で私に自己紹介をした。


コンロッド「嬢ちゃんがセリスティアだな、紹介が遅れた。俺はコンロッド・S・ウィルター。騎士団の2番隊団員で剣士。で、此方の眼鏡掛けたノッポが同じ2番隊の。」


レイム「レイム・G・グレネイド、槍騎士そうきしだ。宜しく頼む。」


セリスティア「ご丁寧な挨拶有り難う御座います、改めまして私、カレンの弟子でセリスティア・K・クラリスロードと申します。」


その時、私の名前を聞いたレイムと言う騎士が何か察し、聞き出して来た。


レイム「クラリスロード?もしかして、量産武具を生産しているあのクラリスロード工房と同じ姓だが?もしや…。」


セリスティア「あ、はい、クラリスロードの娘です。」


私がクラリスロードの人間だと答えると、レイムは微笑みながら、私にお礼を言った。


レイム「そうか、数年位前に武器と鎧の素材が変わった影響か、城に仕える兵達と我々の生存率が伸びたんだ。君のお父様が提案した武器防具のお陰だ。本当に感謝する。」


セリスティア「い、いえ!私は特に何もしてません!お礼は攻めてお父様に直接伝えて下さい!」


慌てながら私はレイムにそう言い、内心、察した。流石に言えない、武器防具をカーボン製にさせた提案者が私だと知ったら、武具工房の新武具生産の影に私が関係してると知ったら、大変な事になるから黙っておこう…。


心の中で意識してると、レイムは我に返ったか早速本題に入ろうとする。


レイム「さて…。そろそろ本題に入ろう、セリスティア、君にこれからこの騎士団の訓練内容を説明しよう。先ずは武器防具を装備状態時による20キロの走り込み、次に木剣での素振りを1000本、実戦訓練を夕方まで継続、と言いたい処だが、今日だけは実戦訓練を執り行う予定だ。君の実力を皆の場で見せて貰いたい。」


セリスティア「そう言う事でしたら、分かりました。」


実戦訓練ならカレンとやっているから経験豊富、けど、相手はカレン以外のこの場に居る騎士団の面々、未知なる相手との戦いは私からしたら、とても面白くなって来たって意味じゃない!最高よ!


レイム「では、実戦訓練の前にカレン、セリスティアを連れて屯所の案内ついでに、彼女に訓練用の防具を着けさせに更衣室に連れ出してくれ。」


カレン「分かりました。じゃあセリス、屯所の中へ行こうか。」


セリスティア「は、はいっ!」


私は実戦訓練の準備をする為に、カレンに連れられて騎士団屯所の中へと足を運びに行った。早く着替えて、訓練を始めましょう!


微笑む私の姿を遠くから見ている男の視線に、まだ気付いてはいなかった。





数十分後、防具を着け終え、と言うより単に外出用の赤いドレスワンピースの上に革の鎧と籠手、そして長靴を装備した姿の私はカレンと共に騎士団の皆様の元へと着替え終えた事を、直ぐ様にレイム様に報告する。


セリスティア「レイム様!只今準備が完了致しました!今日は宜しくお願い致します!」


レイム様は私の防具装備姿をじっと見て確認する。


レイム「ふむ、ベルトのズレや鎧の着崩れの様子は無いな、では始めるとしようか。全員!これより訓練を再会する!実戦訓練の体制に入り、各員1対1になるように2人1組で速やかに組むように!」


騎士達『おうっ!』


騎士達は駆け出しながら訓練場の其々の位置にて訓練用の武器を構えながら互いに組んだ相手と実戦訓練を始める。


カレン「ほらっ!セリス!遅れてるぞ!」


セリスティア「えっ!?あっ!は、はいっ!!」


カレンの呼び掛けで私は慌てながら、急いで訓練に参加する、えっと、取り敢えず相手を探して訓練をするんだよね、訓練の相手は…。


コンロッド「おっ!初っ端の俺の実戦訓練の相手がまさか嬢ちゃんとはな。こりゃあ運が向いてるな。」


私の前に現れたのは2番隊騎士団員のコンロッド、彼は笑いながら私の前に姿を現す、どうやら彼が最初の私の実戦訓練の相手だろう。


セリスティア「最初の私のお相手はコンロッド様からですね。」


コンロッド「おう、俺も珍しくタイミング遅れてしまってな、」


其々の実戦訓練で勝ち負け終えた騎士団員達が私とコンロッド様の実戦訓練の野次馬となって集まると共に、


炎の騎士団員A「おいコンロッド!相手は女の子だからサラッと手加減しろよな!」


炎の騎士団員B「相手は貴族何だ!わざと負けるんじゃねえぞ!」


コンロッド「るせぇ!言われなくても手加減するわ!」


野次馬の同期の騎士達に怒鳴りながら私に手加減をすると叫ぶ、ああ、この様子だとコンロッド様は私相手にわざと負けようと力を抑えるだろうね、なので私はコンロッド様にこう言った。


セリスティア「…お言葉を返す様ですがコンロッド様、私に手加減等は必要有りません。」


コンロッド「は、はぁ!?手加減無し!!?」


流石のコンロッド様も私の予期せぬ発言に驚くも、話を続ける。


セリスティア「はい、このセトランドを守りし炎の騎士団に属する騎士が貴族よ令嬢相手に手加減等は恥、なので私を敵だと認識し全身全霊を持って相手して下さい。仮に私が負けても、何も言いませんので。」


コンロッド様だけでなく、周りの騎士達も私に手加減は要らないと驚く、カレンは微笑みながら縦に頷く、どうやら私の考えに察してた見たいだ。コンロッド様はニヤリと笑いながら、私に確認がてら問い出した。


コンロッド「ハッ!良いのかよ嬢ちゃん?一応言っとくが俺は2番隊の中でも強い方だぜ?本当に手加減無しで良いのかよ?」


セリスティア「ええ、私は今の私の実力を貴方がた騎士団に皆様相手に何処まで行けるのか、試したいんです、なので、私が怪我したら私の自己責任と致しますのでお気に為さらず相手して下さいませ!!」


コンロッド「……そうかよ、そう言われてしまったら仕方無いな、良いぜ!全力で相手してやる!!」


両者は互いの相手に向かって木剣を握り構えると、審判役のレイム様がこの実戦訓練のルールを説明する。


レイム「実戦訓練のルール形式は簡単だ。先に倒れた方が負けと見なす、尚、技術スキルと魔法の使用も認める。」


技術と魔法が使用出来るなら話は早い、けど油断は禁物、相手は炎の騎士団の騎士団員、魔物の討伐や犯罪者の対応に手慣れの戦闘経験者、カレンとは違う別の騎士が相手となると勝敗は不明、一応念の為に『超鑑定』を使用してコンロッド様の総合値を調べる。


基本情報

名前:コンロッド・S・ウィルター

性別:男

年齢:23

属性:炎

職業:セトランド王国軍『炎の騎士団』所属2番隊騎士団員。

総合値

Lv:36

HP:1422/1422

MP:235/235

攻撃力:92+24{116}

魔法力:55+19{74}

器用力:118+77{195}

防御力:75+28{103}

機動力:151+66{217}

所有技術しょゆうスキル

『炎耐性{中}』『炎魔法{中}』『強化6』

『硬化4』『瞬速5』『属性付与7』

『下級剣士{中}9』『回避動作{中}8』『反応速度{中}5』『魔法動作{弱}7』

『魔力操作{弱}5』『立体機動7』

『突撃8』『跳躍10{最大}』

『剣速{中}8』『剣術・音速斬7』

『剣術・居合斬り4』『剣術・柔波閃じゅうはせん7』

『剣術・全力斬り10{最大}』

『炎球5』『炎盾ファイア・シールド6』

『自然回復・体7』『自然回復・魔4』


凄い、総合値は兎も角、所有してる技術も多く熟練度も高い、コンロッド様のレベルの方は私より少し上だけど何とか行けるけど、油断はしないように行こう。


レイム「両者、準備は良いか?」


コンロッド「おうよ!何時でも良いぜレイム!!」


セリスティア「…ふぅ、此方も準備完了です!」


両者は剣を構えながら、何時でも戦闘に入れる態勢になってる事をレイムは確認し終えると、彼は右腕を上に挙げて開始の合図を執り行う。


レイム「始め!!」


コンロッド「開始と同時に速攻で終わらせてやるぜ!『瞬速』!『突撃アサルト』ォ!!」


レイム様が右腕が瞬時に振り下ろされ、開始の合図がすると同時にコンロッド様は真正面から一気に私に向かって木剣による横からの一振りを仕掛ける。


セリスティア「『剣術・受け流し』!」


コンロッド様の一振りを私は木剣で受け止めると同時に『剣術・受け流し』の技術で軌道を変えて右斜めへと流す。


コンロッド「なにっ!?」


セリスティア「せいっ!!」


受け流してから私は身を回転させ、反撃の一閃を振り放つ。


コンロッド「『跳躍』っ!」


しかし、コンロッド様は『跳躍』の技術で私のカウンターでの木剣による一閃を素早く後退回避し、一私から距離を取るも、私はコンロッド様を逃さまいと『瞬速』と『跳躍』の技術を重ねて使って一気に距離を縮もうと駆け出す。


コンロッド「だったら!『火珠』!!」


焦るコンロッド様は左手で攻撃魔法である『火珠』を私目掛けて撃ち続ける。


セリスティア「『属性付与エンチャント』&『魔法破壊マジックブレイカー』!!」


『属性付与』で木剣を一時的に炎属性にさせてから低確率による自動発動で、私は瞬速の速さで駆け出しながらコンロッド様が連射した火珠を付与した木剣で次々と真っ二つに斬り込んで突き進む。




コンロッド{あの嬢ちゃん、先に俺の攻撃を食らう筈が逆に受け流してから瞬時に反撃、しかも俺の火珠を斬り込んで進む何て嘘だろ!?おいおいおい!カレンの奴、この嬢ちゃんに一体どんな指導させたんだよ!?}


そして至近距離に到達した瞬間、私は『剣術・居合斬り』の構えに切り替える。


セリスティア「『居合斬り』!!」


左横からの『居合斬り』がコンロッド様目掛けて放たれる。


コンロッド「『跳躍』!!」


しかし、コンロッド様は私の居合斬りが命中する寸前に『跳躍』の技術を使って左方向へと前進回避し、私と再び距離を取る。


コンロッド「ふぅ…。嬢ちゃんにしてはなかなかやるじゃねえか、まさか一度の訓練で俺に『跳躍』を2度も使わせる何てよ。」


セリスティア「それで、お次はもう仕掛ける積りですか?」


コンロッド「次か?そうだなぁ、次は俺の()()()()()を食らわせてやるぜ!!」


そう言うとコンロッド様は『瞬速』の技術を使い、眼にも見えぬ音速の速さで私を囲うかの様に高速移動を繰り返し続ける、この後に何か仕掛ける積もりだろうと悟った私は木剣を構えながら警戒態勢に入る。


足を強く踏み込む音が聴こえ、私は目線を音の方に向けて構えようとした瞬間、コンロッド様が攻撃を仕掛ける!


コンロッド「『剣術・音速斬おんそくざん』!」


音速の速さから繰り出される一閃が私に向けて斬り放たれる、しかし、私は自身の『反応速度』と『回避動作』で直ぐ様にコンロッド様の音速の一閃を回避すると共にコンロッドは私を突破する。


剣術技術、音速斬おんそくざん

敵味方の誰よりも早く確実に先制攻撃を決める事が出来る、自身の機動力を応用した剣術系の基本技術の1つ。名前の通りに音速の速さで敵を斬り込む!


けど、これはゲームでの知識に過ぎない、実際の眼からしては一直線での攻撃な為、回避しやすいのが欠点。


コンロッド「平然と避けた!?だが!!」


突破したコンロッドは身を回転させてから再び私に向かって『音速斬』を再び繰り出す。


コンロッド「そらそらそらぁ!!」


私が回避する毎にコンロッド様は突破と身を回転させてから再び『音速斬』を何度も繰り出し放つ。周りの騎士達はコンロッド様の連続攻撃を見て歓喜する。


炎の騎士団員A「出たぞ!コンロッドお得意の速攻戦法!」


炎の騎士団員B「当たるまで延々と音速斬を繰り出し続ける、流石の貴族の令嬢様も本気のコンロッドに勝てる訳が無い!」


確かに、そう何度も避け続けたら、流石の私も疲れが出て攻撃が命中するかもしれない、それでも私はコンロッド様の音速斬を避け続ける!


セリスティア「っ!!」


コンロッド「どうしたどうしたぁ!?避けるだけじゃ俺には勝てないぜ!!」


次なる回避を繰り出したその時、私は片足を滑らせてしまい、バランスを一瞬だけ崩してしまう。しまった。私とした事が…。


コンロッド{バランスが崩れた!勝機!}


コンロッド「貰ったぁ!!」


一瞬の隙を突くコンロッド様は、油断した私目掛けて必中の音速斬を繰り出す。


セリスティア「……なんてね。」


そう見せ掛けて、私はバランスを崩したフリをした後にコンロッド様の音速斬を『剣術・受け流し』で真正面から流すと同時にコンロッド様を駆け抜く。ただ単に抜いたんじゃないわよ。


コンロッド「真正面から避けた!?だが、避けた処で結果は同じ、ぐおっ!!?な、何だ!?」


瞬間、コンロッド様は私を突破しようとした矢先に何らかの力で動けなくなる。そう、私の狙いはこれよ!!


コンロッド「これはっ!炎の、縄!?」


セリスティア「『炎鞭ファイア・ヴィップ』&『強化』!!」


コンロッド様が私を抜いた瞬間に私は瞬時に左手で『炎鞭』を発動させ、コンロッド様の身体を巻き付かせて捕らえたからだ。


コンロッド「しまっ…。」


セリスティア「そのまま、吹っ飛べえええ!!」


『強化』の技術で一時的に攻撃力が上昇した影響で炎鞭を掴んだ左腕の腕力で炎縄を強く握り締めながら、陸上のコマ回しの様に遠心力を使って、コンロッド様を上へと投げ飛ばす。


コンロッド「うおおおおっ!!?」


空中に投げ飛ばされたコンロッドは驚愕した表情でセリスティアを見つめながら、


コンロッド{嘘だろ、大の大人である俺が年端も行かない少女相手に投げ飛ばされるか普通!?この嬢ちゃん、予想外し過ぎて強い!!訂正だ…。女子供だと思って意識しちまったか。だが!!}


吹っ飛ばされたコンロッド様を追撃すると共に私は『居合斬り』の構えに入る。しかし、コンロッド様は浮遊状態のまま別の剣術を構える。


コンロッド「伊達に騎士団に属してはいないぜ!!」


セリスティア「『跳躍』!!」


私は『跳躍』を使って高く跳び、空中からの反撃態勢に入るコンロッド様目掛けて一気に至近距離まで接近する。


コンロッド「受けてみろ!!技術発動。『剣術・柔波閃じゅうはせん』!!」


柔波閃じゅうはせん』。

剣士系の攻撃技術にして基本技の1つ。名前の通りのやわらもとい機動力を重視とした眼にも見えない光速の一閃を繰り出し放つ、斬撃の威力は攻撃力重視の『剛破斬』より低いけど、連続で繰り出す事も可能。だけどね…。


セリスティア「そう来ると思ったわよ!!」


振り下ろされた光速の柔波閃を木剣での『居合斬り』を繰り出すと共にコンロッド様ごと前へと『受け流し』。互いに空中に落下したまま私はコンロッド様の背後に回り込む。


コンロッド「『居合斬り』!?いや違う!此奴は居合斬りと見せ掛けての『受け流し』…!!」


コンロッド様が後ろを振り向いても時既に遅し、既に私は次なる攻撃の準備を終えたばかり、なので不意討ちだからって卑怯とか言わないで下さいよ!!


セリスティア「『剣術・全力斬り』ぃ!!」


コンロッド「がはぁっ!!?」


『全力斬り』を食らったコンロッド様は斜めに吹っ飛ばされ、そのまま地面に向かって急落下しながらズドンと衝突し、攻撃を決めた私はそのまま落下しながら静かに着地する。


セリスティア「よっと。さて、コンロッド様はと言うと…。」


コンロッド様が吹っ飛ばされた方向を見つめる、目先には衝突から生み出された土煙が晴れると、白目で気絶しながら倒れ伏せてるコンロッド様の姿があった。


審判役のレイム様が慌てながら、倒れたコンロッド様へと駆け付け、状態を確認し驚愕する。


レイム「…あの切り込み自慢のコンロッドが負けた。ハッ!相手が気絶での意識喪失により戦闘不能!セリスティアの勝利!!」


我に返ったレイムは直ぐ様にセリスティアの勝利を宣言すると、周りの騎士達はコンロッドの予期せぬ敗北に驚きを隠さずにセリスティアを見つめながら騒めき始める。


炎の騎士団員A「嘘だろ!?あのお嬢様。コンロッド相手に勝ったぞ!」


炎の騎士団員B「何言ってんだ?どうせ途中から手加減でもしたんだろ?」


炎の騎士団員A「んなわけ無いだろ!手加減無しで全力で挑んだとは言え、あの貴族のお嬢様、セリスティアだっけ?カレンの弟子の割には滅茶苦茶強いぞ!?」


炎の騎士団員C「もしかしたら、この場に居る俺等と互角かそれ以上の実力じゃ…。」


炎の騎士団の騎士達は唖然とする最中、カレンはセリスティアの勝利する姿を見つめながら、師匠らしく、ニヤリと微笑む。


カレン{どうやら皆驚いてる様だな、セリスの強さに、これで周りの士気も高めながら、手加減無しでセリスを令嬢ではなく、1人の戦士として意識してくれるだろう。}


カレンの読み通りに、騎士達は私に対しての戦意を高ぶらせながら、利き手に持った木剣と槍を力強く握り締めると共に表情が真剣になると、私は騎士の皆様目掛けて問い出した。


セリスティア「さて、お次は誰が相手なのかしら?」

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