謎の少女登場!悪役令嬢、謎の少女と共にスタンピードの元凶である迷宮主に挑む。{後編}
私がこの場に再び現れた事に予期しなかったせいか、私とサリーシャを睨みながら唸るレッド・ホブゴブリンは一歩、また一歩と自身の脚を後ろへと退かせ私達2人から離れる。
ジリジリと地を一歩踏み出しながら、私達2人も其々の相手と対峙しながら手に持った武器を構える。先に何方かが動いた瞬間が主導権を掴めるからだ。
私達2人がまた一歩前へと踏み出した瞬間、迷宮主は遠吠えの様な指示を出し、2体のアームド・トロールは同時に其々の武器を振り上げながら駆け出すと共に、真正面に立つ私とサリーシャに向けて武器を振るい下ろす!!
セリスティア「『剣術・受け流し』っ!」
サリーシャ「『双剣術・逆波』!」
其々の相手が繰り出す敵の攻撃を、私とサリーシャは其々の武器での防御技術で受け流しお互い当たらない様に左右逆側へと魔物の武器攻撃の軌道を変えてから、このまま身を回転させながらカウンターを繰り出す!!
セリス&サリーシャ『『剣術・一文字斬り』ぃ!!』
身を回転し終えると同時に私とサリーシャは同時に『剣術・一文字斬り』の技術で其々のアームド・トロールを斬り込むと共に力で押し出す、私とサリーシャのカウンター攻撃を食らった2体のアームド・トロールが装備してる鉄の鎧の腹部が砕かれながら、後ろへと吹っ飛ばされ迷宮主から距離を取らせる。
この隙を逃さない私達2人はそのまま其々の攻撃魔法で迷宮主を攻撃する。
サリーシャ「水属性中級攻撃魔法。『水大砲(ウォーター・キャノン』!!」
セリスティア「『爆炎』!!」
私の爆炎とサリーシャの水の砲弾が同時に放たれて、そのまま迷宮主に命中すると共に2体のアームド・トロールの吹っ飛ばされた位置へと向かって吹っ飛ばされる。
サリーシャ「おっし!このまま一気に攻めるで!セリスっち!!」
この追撃の好機を逃さないサリーシャはこのまま速攻で駆け出し、立ち上がろうとしている迷宮主に向かって素早く攻撃を繰り出す!!
サリーシャ「『双剣術・重十文字』ぃ!!」
手に握り持った双剣で同時に✕の字に迷宮主に斬り込もうとした途端、2体のアームド・トロールは素早い反応速度で其々の武器を2段に重ね、盾代わりにしてサリーシャの双剣術を完全に防ぐ。
サリーシャ「って、嘘やろ…。」
2体のアームド・トロールは互いの武器を重ねサリーシャの攻撃を防いだまま、互いの武器を同時に思いっきりフルスイングしてサリーシャを吹っ飛ばす。
サリーシャ「ぐうっ!?」
2体のトロールの同時連携攻撃で吹っ飛ばされたサリーシャは空中アクロバットしながら地面に双剣を突き刺して着地すると同時に私が駆け付ける。
セリスティア「サリーシャ、大丈夫?」
サリーシャ「何とかなぁ、食らう寸前にトロールの武器を踏み台代わりに高く蹴ったから、大した事はあらへんで。」
そう、サリーシャはトロールの武器攻撃を当たる寸前に両足で蹴って高く宙へと跳んでトロールの同時攻撃の衝撃を空へと流して無傷で要られたからだ。しかし、迷宮主は私とサリーシャがダメージを受けていないせいなのか苛立ち始めながら、2体のアームド・トロールに攻撃指示をした。
2体のアームド・トロールは迷宮主の指示の元、武器を振り回しながら私とサリーシャな向かって突っ込んで来る!さて、そろそろ良い加減に…。
サリーシャ「此奴等との決着も掴んとアカンなぁ!!」
そう叫ぶとサリーシャは速攻で仕掛ける、私も負けじと遅れながらもサリーシャと同じく攻撃を仕掛ける。
双剣を強く握り締めながらサリーシャは自分の相手である棍棒持ちのアームド・トロール目掛けて、身を限界まで低くして機動力、全力の脚の速さで棍棒持ちの右脚の脛を二対の双剣で斬り込んで突破する!
突破するとサリーシャはそのまま左足にブレーキを掛けて、身を半回転させて棍棒持ちの背中目掛けて斜めに跳び出し、双剣で棍棒持ちの鎧ごと背中を深く斬り込む!
棍棒持ちは自身の周りを素早く駆け回るサリーシャに攻撃が当たるように四方八方を棍棒で振り回し続けるも命中しない。まるで野生の猿が木から木へと跳んで移動する様な瞬発力と脚の速さでサリーシャは棍棒持ちの攻撃を避け続ける!それだけじゃない、サリーシャは避け続けながら、双剣で少しずつ斬り込んで行く!本当に踊ってるかの様に…。
対して私も負けられない、大斧持ちの縦から振り下ろされる大斧の斬撃を私は剣で受け防ぐ。剣で受け流して軌道を横に逸らす?いいえ、此処は相手の力を自分の力で押し返す!
大斧持ちは力で押し出そうとするが、私相手にビクともしない、そりゃそうでしょ、何たって攻撃力の方は私の方が遥かに上なんだから。無論、一気に私は一瞬だけ全力で押し返すと、押し返された反動で大斧持ちの両手に持った大斧は上へと向け挙げられ、大きな隙が作り出される!
セリスティア「このおおおっ!!」
この好機を待っていた私は瞬時に真っ向から跳び出し、大斧持ちの肥満腹目掛けて深い一閃を斬り放つ!!
更に、身を回転させながら剣を鞘に納めてからの下段居合斬りで大斧持ちを鎧ごと、一気に両断する!!大斧持ちは雄叫びの様な断末魔を出しながら、私はそのまま下段からの居合斬りを繰り出す!!
私の一瞬なる反撃を二度大きく受けた大斧持ちは立ったまま、斬り込んだ十字の斬撃傷から血飛沫が噴き出し、そのまま前のめりで地面に倒れる。一応念の為に『超鑑定』の技術で確認した処、HPが0で死亡になっている。取り敢えず側近の1体は倒した。
問題は残りのもう1体、棍棒持ちのアームド・トロールを相手にしているサリーシャの方は。
サリーシャ「そらそらそらぁ!!」
サリーシャの挑発に乗せられた棍棒持ちは激怒し、自分の目前に立つサリーシャ目掛けて棍棒で縦から大振りで叩き付けようとするが、サリーシャは瞬時に後ろへと素早く後退すると、この隙を待ち構えていたのか、彼女全速力で駆け出しながら、地面に叩き付けた棍棒を踏み台代わりに踏み付け、棍棒持ちの真上へと高く跳躍する。
サリーシャ「此奴で仕舞やぁ!!」
そう言いながらサリーシャは陽の光と重ね合わせたか、棍棒持ちの視界を眩しくさせると共にサリーシャは身を回転させ落下しながら棍棒持ち目掛けて双剣で斬り込む!!
サリーシャ「『双剣術・渦潮斬り』ぃ!!」
サリーシャのトドメの双剣術が棍棒持ちの頭部を兜ごと破壊し、後部から下の襟首を斬り込む、頸動脈に達したか、サリーシャが地面に着地すると同時に血飛沫が噴き出しながら地面に倒れ絶命する。
するとサリーシャは私も同じくアームド・トロールを倒した事に気付いたか、直ぐに私を呼び掛けながら駆け付ける。
サリーシャ「おおーっ!セリスっちー!セリスっちの方も終わったんだね!」
セリスティア「ええ、そっちも今終わったんだね。」
サリーシャ「まあね〜。図体がデカいだけやからホンマ大した事はあらへんかったわ〜。」
確かに、前の私1人で2体のアームド・トロールに挑んだものの、敵の連携やギリギリのレベル差と総合値の高さで押されて不利だった。けど、サリーシャが助太刀に来てくれたお陰で何とか1対1で倒せて良かった。
もし、彼女が助けに来なかったら私は今頃どうなっていたか…。だけど、今はそんな考えをしてる暇は無い、側近の2体を倒した。残りは…。
サリーシャ「後はあの、ちっこい迷宮主だけやな。」
セリスティア「あれを倒せば、このスタンピードの魔物達の暴走状態は解ける筈。だけど…。」
迷宮主であるレッド・ホブゴブリンは自分の側近である2体のアームド・トロールが私とサリーシャの手によって倒された事で、私達2人を見つめ、歯ぎしりしながら、一歩ずつ後退していた、自分の優秀な眷属が倒されたからあんな焦った表情をしてるけど。
一応此奴は迷宮主、魔力や魔法力は無いけど油断は禁物、さぁ、どうする?
セリスティア「サリーシャ、見た目は小柄なホブゴブリンだけれど一応は迷宮主、外見に惑わされずに油断しないで。」
サリーシャ「油断って、どう見たったアタシ等の方が有利やないか?何処が…。」
言い終えた瞬間、レッド・ホブゴブリンは目線を上に向けてから大きく吠えた。すると迷宮主が吠え叫ぶ最中、迷宮主の小柄な身体は突然と大きく巨大化していく!
サリーシャ「な、何や此奴!?き、急に身体がデカくなったで!!?」
恐らくこれは。私が『超鑑定』で見た奴の所有技術の1つ。『巨大化』の技術に間違い無い!
個体名:レッドホブゴブリン【暴走状態+巨大化。】
Lv:35
HP:2699/2699
MP:0/0
攻撃力:101→218
魔法力:0
器用力:64→109
防御力:53→98
機動力:61→101
『超鑑定』で確認した処、HPとMP。そして魔法力以外の一部の基本総合値が大きく上昇している。
セリスティア「気を付けて!見た目が大きくなったとは言え並の魔物じゃないわ!!」
巨大化した迷宮主は離れてる私とサリーシャに向けて『咆哮』の技術を放つ、あれを喰らえば少しの間動けなくなってしまう!
セリスティア「左に大きく避けて!!」
サリーシャ「分かった!!」
私の言った通りにサリーシャは左側へと避け、私は右側へと大きく避けると共に2人は大きく迷宮主の方へと回り込むと私達2人がいた位置に迷宮主の咆哮が放たれて何とか当たらずに済む。
迷宮主は吠えながら、次は『突撃』の技術を使って突っ込んで来る。誰に向かって突っ込んで来るのかって?それは勿論、1番危険視してる私しか居ないよね!!
突撃する迷宮主は右拳で私を殴り飛ばそうと拳を放つも、私は剣で受け止めて防ぐ。
セリスティア「サリーシャ!!」
サリーシャ「『瞬速』!!」
私から離れた左側へと大きく回り駆け出しながら。『瞬速』の技術を使ったサリーシャは迷宮主目掛けて、眼にも見えぬ瞬間的の速さで跳び出す。
サリーシャ「そらぁっ!!」
迷宮主との距離が一定に達した瞬間、跳び出したサリーシャは双剣で迷宮主の左腰を2度斬り込む。腰に斬り込みを食らった迷宮主は怒りながら拳を握り締めると共に、腕をスイングしてサリーシャに当てようとするも、サリーシャはそれを読んだのか。『跳躍』の技術で後退して回避する。
サリーシャ「セリスっち!!」
セリスティア「余所見してる、場合じゃないわよ!!」
大きな隙を与えてくれたお陰で。私は迷宮主の胸部を斬り込むと共に一気に押し出す。迷宮主は吠えながら、今度は私に向かって真っ向から駆け出すと共に右拳を放つも、私はその迷宮主の受けた拳を剣で防ぐと共に横に受け流して、軌道を逸らしながら迷宮主の右腕を斬り込んで突破する。
サリーシャ「今度は此方やでぇ!!」
跳び出したサリーシャは左の双剣で迷宮主の背中を不意に斬り込む。反撃は与えさせないと私とサリーシャは同時に攻撃を仕掛ける!!
四方八方から繰り出される私とサリーシャの連携で次々と迷宮主の全身を刃で斬り込んで行く、迷宮主は私達2人の機動力の速さに反応せず動作反応が追い付けないでいた。
大きく翻弄させた瞬間、私達2人は一気に追い込んで行く!!
セリスティア「これでぇ…。」
サリーシャ「どうやぁ!!」
私達2人同時の斬撃を食らった迷宮主はそのまま斬られながら吹っ飛ばされる。このまま一気に決めようとした私はそのまま攻撃魔法を速攻で放つ。
セリスティア「『爆炎』!!」
速攻で放った『爆炎』を吹っ飛ばされた先の迷宮主に目掛けて放たれる、しかし、迷宮主は直ぐ様に私の爆炎を防いだ。いや、正確には片手ずつ、何か大きな物を持って私の爆炎を防いだのだ。
セリスティア「えっ!?」
サリーシャ「違うでセリスっち!良く見るんや!」
良く観察して見る、土煙が消え迷宮主の姿を見た途端、私は理解した。どうやって防いだのかを、それは先程、吹っ飛ばした方向には迷宮主の側近である2体のアームド・トロールの遺体があったからだ。
爆炎が命中する直前、迷宮主は直ぐ様に倒れてる自分の側近の武器を片手ずつ手に取って、爆炎を武器で受けて防ぎ切る!!
どうやってかは分からない、右手には棍棒、左手には大斧を、そう言う事ね、自分の優秀な側近の武器を手に持ち、武器を2つに重ねてから私の爆炎を完全に防いだからだ。
唸りながら私とサリーシャを見つめる迷宮主はゆっくりと立ち上がった瞬間に、吠えながら武私達に向かって2つの武器を握り締めながら突撃を仕掛ける。
攻撃範囲内に到達した瞬間、迷宮主は左手に持った大斧で私目掛けて縦に振り降ろす、しかし私は直ぐに『跳躍』の技術で後ろへと回避するも、右手に持った棍棒でサリーシャ目掛けて横から振るい放つ。素早い攻撃の為か、サリーシャは上へ高く跳んで横から振るい来る棍棒を回避する。
セリスティア「ふぅ……。」
それにしても、次々と戦い方を切り替え続けて、本当に全く油断も隙も無いわね、眷属の指揮系統に巨大化、挙句の果てにまさかの『二刀流』技術…。最早何でも有りって感じだわ。
縦から振り下ろされる大斧を素早く避け、左横から振り放たれる棍棒を避けるの繰り返し、しかも私達が避けた後にも2つの大型武器を振り回し続けて隙が見つからない。どうする…いっその事、増加システムで数十倍魔力を消費させて一撃必殺のカウンターを仕掛ける?でも、それを受け切ってしまったら…。
考えていたその時、サリーシャが私に話し掛けて来た。
サリーシャ「なぁ、セリスっち、もしかしてと思うんやけど、一気に倒そうとか考えてあらへん?」
セリスティア「!」
私の考えに気付いたのか、サリーシャは真剣な顔をしながら、話を言い続けた。
サリーシャ「結論から言うとソレは流石にアカンで、迷宮主を良く見てみ。」
サリーシャの言われた通りに、私は武器を振り回し続ける迷宮主を良く観察する、見た所、右手に棍棒、左手に大斧をヌンチャク捌きの様に、乱暴に振り回しながら私達へと反撃を与えさせないと迷宮主は私達に向かって移動して来ない。
サリーシャ「あの迷宮主。アタシ等が反撃出来へん様に『力』で武器を振り回しとる、やから。こう言うんのはな『速さ』で対応するんや。」
速さで対応…。そうか、幾ら巨大化したとは言え、迷宮主は眷属の魔物達同様に暴走状態、力のみで暴れてるに過ぎないから、けど、どうやって速さで対応して倒すの?そう思ってるとサリーシャは言い続けた。
サリーシャ「『二奏攻撃』。しかも相手の眼にも見えない程の超速攻を、セリスっちなら出来るやろ?」
セリスティア「『二奏攻撃』!?」
本編の戦闘パートには合体技の様な連携攻撃が存在する。
2人での連携で決める『二奏攻撃』。
次に3人での連携で決める『三奏攻撃』。
4人での連携で決める『四奏攻撃』。
そして最後に5人全員での連携で行われる『五奏攻撃』。
人数によって攻撃の威力や、クリティカル発生率、命中率が高くなる、しかしデメリットととして人数分、行動回数を消費してしまう諸刃の剣。けど、此処は異世界、RPGの様な戦闘パートのターン制は一切存在しない、だったら…。
セリスティア「……確かにそうね、やろう!サリーシャ!」
サリーシャの提案に乗った私、速さで対応した超速攻の二奏攻撃で、スタンピードの元凶である迷宮主レッド・ホブゴブリンを瞬時に速攻で倒す!!
サリーシャ「先ずはアタシが仕掛けるで!技術発動!『挑発』!!」
敵への攻撃対象を自分自身にへと向ける『挑発』の技術を使ったサリーシャ。迷宮主は暴れるのを止めて、眼をギロリと強く睨み付け、吠えながら私達もとい挑発仕掛けたサリーシャ目掛けて突進して来る!
サリーシャ「セリスっち!!」
サリーシャの合図と共に私は突進して来た迷宮主の左足を斬り込んで中央突破する。左足を斬られ痛みを感じるも、挑発された迷宮主はそんな事を気にせずに左手の大斧を振り下ろしサリーシャを両断しようとする!!
セリスティア「サリーシャ!」
サリーシャ「大丈夫やって、双剣術・逆波!」
振り下ろされた大斧目掛けてサリーシャは左の双剣で迷宮主ごと左方向へと受け流すと共に反撃の双剣術を仕掛ける!
サリーシャ「『戦舞術・荒魚の舞』っ!!」
力の差や体重差とか関係無く、サリーシャは双剣で、後方の魔物達を巻き添えに迷宮主を投げ飛ばす。しかし、アレを受けても迷宮主はゆっくりと立ち上がろうとする。
セリスティア「『瞬速』&『突撃』!!」
私は『瞬速』と『突撃』の技術を重ねて発動させ、眼にも見えぬ瞬発的な速さで立ち上がる迷宮主に向かって魔法剣での突きを繰り出し放つ!!
セリスティア「『魔法剣・紅蓮一文突』ぃ!!」
魔法剣での突き攻撃を迷宮主の腹部に深く突き刺すも、迷宮主の属性は私と同じ炎な為、大きなダメージにはならない、不味い!武器での攻撃を仕掛けて来る、このまま受け耐えられ続けたら私が殺られる!そう思った途端、迷宮主の真上に『跳躍』で高く跳んだサリーシャの姿があった。
サリーシャ「『双剣術・渦潮斬り』ぃ!!」
宙を落下し、身を回転しながらサリーシャは迷宮主の背中を2本の双剣で深く斬り込む。
腹部と背中からの同時攻撃を一気に食らった迷宮主は断末魔の咆哮を上げ出す、至近距離であんなの耳に響かしてしまったら冗談抜きで鼓膜が破けてしまうじゃないの!!
けどね、悪いけど私達の攻撃はまだ終わっていないのよ、
私は突き刺しから斬り込みへと切り替え様と、迷宮主の腹を刺した剣を右へとねじ込み、そしてサリーシャに叫び伝えた。
セリスティア「左ぃ!!」
サリーシャ「なら、アタシは右や!!」
私は一気に左側へと剣で斬り込み、サリーシャは逆に右側へと双剣で斬り込んで同時に突破する。迷宮主の斬られた腹部と背中から血飛沫が噴き出す、けど、まだ攻撃は終わらない!
私達2人は息が合う様に突破と同時に止めて、そのまま身を回転させ迷宮主に向かって瞬速の速さで同時に斬り込むと同時に、私達は2人は時計回りに迷宮主の前後に回り込むと同時に再び、其々の武器で同時に迷宮主を斬り込む。そしてまた再び時計回りに左右に回り込んで迷宮主を斬り込む!!
セリスティア「『魔法剣』!!」
サリーシャ「『属性付与』!!」
迷宮主の四方八方から、炎の斬撃が、水の斬撃が眼にも見えない速さで放たれて、迷宮主の全身を次々と斬り込ませてダメージを負わせて行く、失血量の影響か、迷宮主は両膝を地面に崩すも必死の抵抗か、左手に持った大斧を縦横に振り回そうとするが…。
セリスティア「『魔法剣・火炎一文字』ぃ!!」
眼にも見えない瞬発の速さで私は迷宮主の大斧を持った左腕が振り下ろされた瞬間に、私は最高の攻撃速度で剣を下から上へと振り上げて、迷宮主の左手首を一気に切断する。
左手を失った迷宮主は激痛を感じながら断末魔を叫ぶも、激昂した迷宮主は右手に持った棍棒で横へと振るおうと、私目掛けて攻撃する。
サリーシャ「『双剣術・霞千閃』!!」
瞬間、私目掛けて振り放たれた棍棒が一気にバラバラに斬られると共に私を抜いてから、飛び出すサリーシャ。左手を失い、棍棒も破壊された迷宮主は激怒しながら右手を伸ばし、飛び出したサリーシャを捕まえる。
サリーシャ「なっ!しまっ!?」
セリスティア「『剣術・居合斬り』!!」
右側へと全力で跳んだ私は、伸ばした迷宮主の右腕目掛けて居合斬りを繰り出し、迷宮主の右手首を切断する。
右手首を切断した事により、迷宮主の右手の力は無くなり、そのまま指が開かれ、サリーシャは地面に落下してしまう矢先に、私は剣を素早く鞘に収めて急ぎ、両腕で落下するサリーシャを受け止めてキャッチすると共にゆっくりと持ち上げる。
サリーシャ「あっ……。」
セリスティア「大丈夫?何処か怪我してる所は無い?」
サリーシャ「………。」
先程からサリーシャの顔が真っ赤になりながら黙っているけど、もしかして迷宮主の攻撃何か食らって何処か怪我したの!?一応、私はサリーシャを再度、呼び掛けをした。
セリスティア「………サリーシャ?」
サリーシャ「へ?あ、ああ!大丈夫やで!セ、セリスっち、け、怪我とかは一切、あらへんから!!」
顔を真っ赤にし、あたふたとしながら自分は大丈夫だと答えるサリーシャ。
セリスティア「?」
抱っこされたサリーシャは直ぐ様に地面へと自分から降りる、衣服に塗れた土埃を手で払い取ると彼女はある方向へと眼に向ける、それは勿論、迷宮主レッド・ホブゴブリンだ。
再び剣を抜き、私は左足を引かせて剣を。構える、サリーシャも、後ろ腰に備えた双剣を再び抜き、右足を引かせてから逆手に持って構える、両手を切断した事で迷宮主はもう武器を持つ事は出来ない、今此処で決着を付ける!!
先に動き出したのは迷宮主だ。遠吠えと共に私とサリーシャに向かって突っ込む。
サリーシャ「セリスっち!」
サリーシャの掛け声と共に私達2人も、突進する迷宮主に向かって駆け出す、終わらせる、この次の私達の攻撃で!!
迷宮主は全身を使って突進する、間近に入った瞬間、サリーシャは上へと高く『跳躍』し迷宮主の首目掛けて双剣で斬り込もうと振り降ろす。
迷宮主の腹部に最後の一太刀を放つ。
セリスティア「『剣術・全力斬り』ぃ!!」
相殺する力と力、しかし2人の乙女の放たれた斬撃が迷宮主の力を超えて行き、ズズズと一気に押し出して行く。
セリスティア「これで!!」
サリーシャ「終わりやああ!!」
断末魔が叫ぶ前に迷宮主は首を、上下半身を両断すると共に一点突破する、その光景を見た魔物達は迷宮主が倒された事で暴走状態が解かれたか、迷宮主を倒した2人の少女を見て動きが静止し、恐れを知った。
この場にて、2人の少女が魔物達にとっての新たな怪物だと知られる事に、恐怖し、戦意を喪失するのだった。




