表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/53

悪役令嬢、馬車の旅路の最中に運悪くスタンピードに遭遇する。

ディオス村から旅立ち早くも3日目が迎えたばかりの頃、今日も今日とで私達3人の乗る場所は目的地であるセトランドへとゆったり馬車馬の足音と共にパカラパカラと歩いて行く。


セリスティア「ねぇカレン、セトランドってどの位の時間に到着するの?」


カレン「そうだな、私達が昼食を済ませ終えたのが昼の12時だから、到着までに約2、3時間は掛かるな。」


推定2時間か…。それまではゆっくりと馬車の中旅の外を窓から見つめましょうかな。


とまあ、私は馬車の窓の外の景色をボーッと見つめる最中、本国への道から次々と道馬車が見兼ねる事が多くなった。


セリスティア「うわあ、次々と馬車があっちに来たり、此方に来たりするよ。」


カレン「この道筋はかなりの行商や仕事帰りの『冒険者』が乗る移動馬車が見兼ねるからな。」


セリスティア「『冒険者』って?」


ゲーム本編で冒険者の活動内容は知ってるけれど、私は一応、転生したこの世界での冒険者の活動内容をカレンに聞き出した。


カレン「そうだな、本国に着くまでセリスには色々と教えた方が良いかもしれないな、良し!先ずは『ギルド』に関してだ。ギルドと言うのは要は私達騎士団見たいに上からの任務を与え受ける仕事をする組合の連盟組織だ。」


セリスティア「組合の連盟組織。」


カレン「そうだ。ギルドには其々4種類存在する。商人のみで構成され、あらゆる店や、その商品の品定めを運営管理する『商業ギルド』。傭兵のみで構成された『傭兵ギルド』。裏で違法的犯罪行為を行う非合法組織の『闇ギルド』。そして基本にして依頼内容によって、王兵と共に街の治安維持や外部での冒険活動を行う冒険者達が属する『冒険者ギルド』がある。」


『商業』『傭兵』『闇』そして『冒険者』の4つのギルドか…。現代で例えるなら会社、警察、マフィア、そして自警団見たいな感じかな。もし、資金不足で働くなら私は『冒険者ギルド』を候補としておいて。


セリスティア「レイラが預かった私達の生活資金ってどれくらい残ってるの?」


レイラ「残りですか?そうですね…。」


レイラは腰に背負った所持金の入ったポーチの中を確認する。


レイラ「今の処は銀貨は約数十枚、銅貨の方は約90近くはありますね。」


セリスティア「へぇ〜…。」


この世界のお金は『硬貨』と呼ばれて其々。安価の『銅貨』を最初に『銀貨』『金貨』『大金貨』そして高価である『白金貨』と5種類存在する。


現代で分かりやすく言えば。銅貨は100円、銀貨は1千円、金貨は1万円、大金貨は10万、そして白金貨は100万円と言う価値と言う構成になっている。


因みに、私達の所持してる硬貨の合計は約1万円弱。これで1月分の生活費らしい。


セリスティア「…月1って、まるで何処ぞのテレビ番組の企画見たいじゃないの。」


レイラ「?…お嬢様?今、何か仰いましたか?」


セリスティア「…何でも無いわ、単なる独り言。」


いけないいけない、2人の前で付い現代用語を言ってしまったよ私ったら。カレンは窓の外に写る先の道に指差しながら私に伝える。


カレン「この先の石橋を渡れば、セトランドに…む?」


突然と馬車が停まり、カレンは思惑な表情をする、何かあったのか私は聞いてみた。


セリスティア「どうかしたの?」


カレン「ああ、どうやら渋滞に巻き込まれた見たいだな。」


窓を覗き込むと本当に渋滞に巻き込まれた様だ…。後少しでセトランドなのに。


セリスティア「本当だ。凄い馬車の列…。何かあったのかな?」


カレン「変だな…。丁度あの石橋の前に本国の王城に仕える兵が警備をしているからな、取り敢えず私は馬車を降りて、何があったか聞いて来る。」


セリスティア「行ってらっしゃい。」


この馬車の渋滞の状況を自ら確かめる為にカレンは馬車を降りて見張りの兵士の所へと向かった。


レイラ「……それにしても、この辺りが渋滞になる何て、思いも致しませんでしたね。」


セリスティア「つまり、本来この道って渋滞にならないの?」


レイラ「はい、王国南側の道は元から渋滞とは『無縁』なので…。」


この様子だと本国に入国する時間がもう暫く掛かりそうだな、そう考えながら私は退屈凌ぎに馬車の左側の窓の外の景色を見つめる。


セリスティア「………。」


左側は何も無い草原地帯と川沿いのみ、確か大きく時間が掛かってしまうけれど、あっちに曲がれば本国の西側の道へと行けれるんだっけ?だとしたらこの列に並んでる馬車の大半って…。


セリスティア「……まさかね。ん?」


草原地帯の遠くの方から誰かが馬車列の方へと向かって走って来た。良く見ると鎧を着込んだ若い男の様だ。


レイラ「お嬢様、どうかなさいましたか?」


セリスティア「いや、何か誰かが此方に来て…あれ?」


先程の男の後から、1人また1人と鎧や武器を背負った人達がこの馬車列へと向かって駆け出して来る。その人数凡そ6人。


レイラ「何でしょう?盗賊にしては何か違和感が…。」


先頭を走る鎧の男が何か私達に向かって大きな声で叫び放った。


先頭の男の声『………な………ろぉ!!』


良く聴こえない、私は窓越しながら男の声に聴き耳を立たせて集中する。すると男は先程と同じ言葉を再び叫び放った。


先頭の男「馬車に乗ってる皆ぁ!直ぐに逃げろぉ!西側から魔物の大群が此方に来るぞぉ!!」


セリスティア「!!」


今何て言ったが?魔物の大群って聞こえた様な気がしたのだけど…。


ドドドドドドドドドド!!!


セリスティア「何これ?地震!?」


いや違う、これは地震何かじゃない、地面を踏み駆ける足音だ!それも1体処じゃない、10……20……いいや、これはもう尋常の数じゃない!


叫んだ男の言う通り、男達の後から数多くの魔物達が姿を現し、逃げる彼等目掛けて追い掛けて来る。しかもこの大群の数、


セリスティア「まさかこれって、スタンピード!?」


瞬間、周りから多くの馬車に乗ってた人達の断末魔が私達の乗ってる馬車の中から響いて来る、不味い!もし魔物の大群が馬車列と衝突したら大変な被害が起きてしまうのは確定!!


私は直ぐに助けに向かおうと、白金の剣を握り締めて馬車を出ようとした瞬間、レイラに左手を掴まれて止められる。


レイラ「お待ち下さいお嬢様。」


セリスティア「止めないでレイラ!このままだとあの人達が!」


レイラ「いいえ、そうでは有りません、良く見て下さいませ。」


先頭の男「糞っ!間に合わないか!こうなったら、皆!」


6人の男女の一行は魔物の大群から逃げるのを止め、馬車列を防衛する為に全員所持してる武器を手に取って戦闘態勢へと切り替える、この人達は一体…。


魔術師風の男「どうやらやるしか無い様だな…。」


槍持ちの女性「ああもう!何で魔物討伐の依頼の帰りにこんな目に遭わなくちゃならないのさぁ!?」


女弓使い「つべこべ言わないでよ!こうなった以上、殺るしかないんだから!」


リーダー風の剣士「総員!攻撃魔法用意!1匹も通すな!!」


6人の一行は一斉に其々の攻撃魔法と技術の準備を執り行う。魔物達が至近距離に到達した瞬間、6人は其々攻撃を仕掛けた。


魔術師風の男「『風刃エア・カッター』!!」


槍持ちの女性「地属性攻撃魔法!『岩球ロック・ボール』!!」


女弓使い「技術スキル発動!『弓術・乱れ撃ち』!!」


リーダー風の男「炎属性攻撃魔法!『炎剣ファイヤー・ソード』!!」


後方の4人は其々の攻撃魔法や弓で前方の魔物の大群に次々と命中して行く。


大柄の棍棒使い「うおおおお!!」


剣持ちの痩せ男「この野郎ぉ!!」


それに続けて、残りの前衛の2人の男が武器を両手に握り持って迫り来る魔物を1体ずつ討伐をする。どうやら彼等は単なる手練れでは無い様だ。だとしたらこの人達は恐らく…。


リーダー風の剣士「魔物共!!俺達セトランド支部の冒険者の力を思い知れ!!」


やはり私の思った通り、彼等は冒険者ギルド、セトランド支部に所属する冒険者、確かに手練れの有る彼等なら、大群の魔物を相手なら何とか行ける!


そう思ったけれど、ギルドの冒険者達が攻撃魔法や技術を繰り返し使用してるから、無論、魔力も底無し何かじゃない、魔法を使った人達は段々と息を切らし、額を青ざめ魔力酸欠の初期状態へとなり始める。


女弓使い「っ……。」


槍持ちの女性「はぁ……はぁ……このぉ!!」


このままだと冗談抜きで私達の乗ってる馬車を含め、渋滞中の馬車全て魔物達に襲われ、大きな被害が起きてしまう!だとしたら不味いと思った私は馬車を今度こそ飛び出し、冒険者達を助けに行こうとするが…。


レイラ「お嬢様!あれを!」


セリスティア「!」


馬車の窓を再び覗き込むと、何処ぞの行商の荷馬車の中から武装した感じ悪そうな男達が一斉に降りて来る。あれはもしかして…。


セリスティア「傭兵!?」


レイラ「しかもこの数なら戦況は逆転するでしょう。お嬢様が出る必要は…。」


セリスティア「………。」


可笑しい、あの傭兵達、武器を構えてるとは言えギルドの冒険者に加勢する気配が一切無い。まるで奴等は魔物を倒すと言うより、荷馬車を守ってると意識している…。


セリスティア「……レイラ、やっぱり私出るわ。直ぐに防具を用意して!」


レイラ「で、ですがお嬢様!」


セリスティア「あの傭兵達は恐らく加勢しない!こうなってしまった以上、私が行くしかないでしょうが!!」


レイラ「お嬢様……。分かりました。直ぐに御用意致します。」


私のお願いを聞いてくれたレイラは直ぐ様に私の2つの鞄の内1つを開けて防具のセットを取り出す。


セリスティア「生憎と余り時間が無いから篭手と長靴だけで構わないわ!」


レイラ「畏まりました。」


瞬時に私は上皮の篭手と長靴を装備し、剣を握り締め、レイラに見送られ、私は冒険者達を助けに向かう為に馬車を飛び出した。


絶対にこのスタンピードを止めないと!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『推しの乙女ゲームの悪役令嬢に転生するも攻略キャラが全員ヒロインなのが間違っている!?』小説家になろう及びカクヨムにて兼任連載中! 感想も宜しくお願いします!m(_ _)m
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ