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悪役令嬢、友人達と共に思い出のキャンプをする為に旅立つ。

それからと言うものの私は破滅√回避の為に自分の磨きとしてカレンとの厳しい訓練と趣味の独学、時に新たな魔法の練習と言う新たな習慣を得て、私はレリウス様から貰った中級魔導書を左片手で持ち、眼に通しながら新たな魔法の実験を行う、とある日の事。


レイラとカレンに見守られる中、私は魔力を集中させると共に紅い魔力のオーラを右腕に纏わせる。


セリスティア「魔力を右腕に宿してから、頭の中でイメージする…。」


呼吸で我が身を整えさせた瞬間、私は新たな魔法を発動させる。


セリスティア「見えた!炎魔法『炎鞭(ファイア・ウィップ)』!!」


右掌から炎の鞭が掃除機のコード見たいにビュンと飛び出し現れて素早く掴み取る。


レイラ「お見事です、お嬢様。」


カレン「驚いた物だ。まさか魔導書を読みながら魔法を覚えようとする何てな。」


2人はそんなセリスティアの魔法会得期間が早い事に驚くも、セリスティアはあたふたしながら不慣れな新魔法を操作して行く。


セリスティア「後は、この魔法の制御の問題ね…。」


数十メートル先に配置した立て置いた数本の木剣、何せ私はこれからこの炎鞭を使って一度に全ての木剣を捕らえる為に、私は鞭を打ち込む体勢を構える、何処ぞの名俳優が出演していた名作の主人公の何とかジョーンズの様に。


セリスティア「それっ!!」


全ての木剣目掛けて、炎の鞭を左から振るい放つ。放たれた魔力の鞭は大振りを繰り出す巨人の腕の様に、立て置かれた木剣を1本1本振れると同時に鞭のボディ部分で全ての木剣を巻き付けると共に私の頭上へと向けて離した瞬間、全ての木剣はミサイルの雨の様に私に降り注ぎに掛かる。左手に魔力を集中させ、私はもう1つの新たな魔法を発動させる。


セリスティア「炎属性攻撃魔法。『爆炎(ブラストファイア)』!!」


私は左掌を空から降り注ぐ木剣の雨に向けて、巨大な魔力の炎の球を撃ち放つ!炎の球は全ての木剣を飲み込ませてから焼き尽くし塵芥と化する。


カレン「見事な魔法捌きだったぞ、セリス。」


セリスティア「有り難う、カレンとレイラも、何時も訓練後に私の魔法の自主訓練に付き合わせちゃって本当に悪いわね。」


カレン「でも本当に毎日頑張っていたな、最初は不発の連発だったのに、短期間で制御出来てからの会得するとはな…。」


レイラ「それにです、また魔力酸欠で倒れたら大変ですのでこうしてカレン様共々お嬢様がやり過ぎ無い様に見張りをしているのですから。」


セリスティア「うっ……。」


そう言われると何も言えない私は額を青くする。その時、レイラはハッと何かを思い出したのか直ぐ様に私に伝えた。


レイラ「それはそうとお嬢様、キャンプの準備は出来たのでしょうか?後もう少しでエレイナ様達と合流する時間帯で御座いますよ。」


セリスティア「そ、そうだった、今日、キャンプの日だって事を忘れてたわ!!直ぐに準備するから!!」


私は自分の分のキャンプの準備を忘れてしまい、急ぎ自室へと向かって屋敷の中へと駆け出した。


レイラ「はぁ…。全くお嬢様ったら、当日までに必ず準備をする様にと何度もお伝えした筈なのですが…。」


カレン「レイラ、セリスの手伝いをして来てくれ。」


レイラ「カレン様は甘過ぎです、と、言いたい処ですが致しかねません、承知しました。」


レイラはカレンにペコリと御辞儀すると、お付きメイドとして、セリスのキャンプの準備の手伝いへと向かったのであった。





お父様とお母様、メイド長のシーナを始めとした数人の使用人達に見送られる最中、母・リリアナは心配そうな表情をしながら本当に娘達だけで大丈夫なのかと父・ルーファスに伝える。


リリアナ「本当に大丈夫なの?セリスティア。また森で野営をする何て。」


セリスティア「そう何度も心配しないでお母様、本当に大丈夫だから。」


ルーファス「そうだぞリリアナ、セリスはもう今年で11になるんだ。少しでも良い経験を積んでおかないと。それに引率としてカレンも一緒何だ。心配する必要は無いだろう。」


リリアナ「貴方…。」


一方のレイラの方はと言うとシーナを始めとした当家の使用人達に見送られている最中だった。


シーナ「レイラ、セリスお嬢様の事をお願いね。」


レイラ「はい、全身全霊を持ってお嬢様をお守り致します。」


カレンの場合はお父様とお母様から子供達の事をお願いした。


ルーファス「カレン、子供達の引率、最後まで頼んだぞ。」


リリアナ「子供達の事をお願いね、カレン。」


カレン「はい、後の事はお任せ下さい。」


そろそろ合流する時間帯に近づくと私達はお父様達と別れて、村の方へと向かった。


セリスティア「それじゃあお父様、お母様、皆!行って参りまーす!!」


確して、私とカレンそしてレイラの3人は屋敷、エレイナお姉ちゃん達との合流地点であるディオス村へと向かって歩き出した。


キャンプへと向かうセリスティア達3人の後ろ姿を見守るルーファスとリリアナ。


リリアナ「……行って仕舞われましたね。」


ルーファス「ああ、子供の成長と言うのは早いからな。」


リリアナ「ええ、だけど、最近では魔獣被害は落ち着いてるとは言え、大丈夫なのかしら?」


ルーファス「大丈夫だ。こう言う時もあろうとセリスの強い希望としてカレンが引率し、元冒険者だったシーナの手解きでレイラには短剣術と初球の風魔法を心得ている。そうだろうシーナ。」


シーナ「ええ、セリスお嬢様の身に何か有りましたら大変ですからね、念の為にレイラをお嬢様のお付きてしてではなく護衛役として守りの術を叩き込ませてますので。御安心を。」


シーナは微笑みながら、ルーファスとリリアナに伝える。するとリリアナは少し悲しげな表情になってる事に気付いたルーファスはリリアナを優しく支えながら話し掛けた。


ルーファス「心配なのは分かっているが、そんな悲しい顔をするなリリアナ。」


リリアナ「だけど貴方、私は心配です、カレンとレイラが一緒とは言え何も起きなければ良いのですが…。」


ルーファス「確かにな、しかし、私達の娘は護衛要らずながら剣の腕前は良く、魔物の戦闘経験も小型相手なら容易い。今の処、大丈夫だろう。さぁ、何時までも外には居ないでそろそろ屋敷に戻ろう。」


リリアナ「………ええ。」


ルーファスはリリアナを支えながら、使用人達と共に我が屋敷へと戻って行く、その最中、再度、リリアナは旅立った娘の去る姿を見つめながら心から娘の無事を願った。


リリアナ{セリスティア、どうか無事で帰って来てね…。}


そう願うと皆、屋敷の中へと入ると共にパタリと静かに扉は閉場する。





ディオス村内、出入り口近くの木のさくの上に乗りながらエレイナは鼻歌をしながら後から遅れてるセリスティア達を待っていた。


エリシア「エレイナ様、お姉様達、まだ来ませんね…。何かあったのでしょうか?」


セリスティア達の身に何かあったのか心配そうな顔をするエリシア、少女の身には皮の鎧を装備され、その背中には弓と矢が入ったケースを背負ってる。クラリスロード武具工房製だ。


エレイナ「この様子だと恐らく寝坊か或いは時間を忘れる程にカレンとの訓練をしてるかと思うわよ。」


欠伸するエレイナ、彼女もエリシアと同じく皮の鎧を着込んでいる。彼女の隣には鋼の槍が柵で立たせ置いている。


ノービス「………。」


エレイナ「どうしたのよノービス?あ、そっか、セリスティアに会うのは結構久し振りだから緊張してるんでしょ?」


ノービス「ち、違いますよ姉上!そ、そんな筈が…。」


150センチ程の背丈まで大きくなり、少しながらも逞しくなったノービスは自分の勉強や槍の訓練漬けの毎日を送っていたのか、まるで何年もセリスティアと会ってなさそうに顔を真っ赤にしながら慌てだす。


そんな弟の姿を見ながらエレイナはニヤニヤと笑いながら、ノービスにある事を告げられる。


エレイナ「はは〜ん、さてはアンタ、セリスティアの事が好き何じゃ?」


ノービス「そ、そんな訳が無いじゃないですか!?姉上じゃあるまいし!!」


エレイナ「何ですってえ!?」


姉弟同士で言い争ってる中、当の本人であるセリスティア達3人と無事、合流する。


セリスティア「お姉ちゃん達!遅れてちゃって御免!」


エレイナ「遅いわよセリスティア!待ちくたびれたじゃないの!!」


ノービス「っ!?」


久し振りに眼にした私を見てノービスは緊張のせいなのか、直ぐ様にエレイナの後ろに隠れた。


エレイナ「ちょっ、ノービス!?」


セリスティア「いやはや、訓練後にちょっと魔法の練習をね…。って、お姉ちゃんの後ろに隠れてるのってもしかしてノービス?」


うわあ、エレイナお姉ちゃんの身体で頭隠して尻隠さずならぬ槍隠さずと言うのはこの事かと思ってるとお姉ちゃんは自分の後ろに隠れているノービスに怒り出した。


エレイナ「ちょっとノービス!幾らセリスティアと久し振りに会うがてら緊張してるのは分かるけどね、流石に姉の後ろに隠れる何て恥ずかし過ぎるでしょうが!!早く私から離れてセリスティアに挨拶と御礼を言いなさいよ!!」


ノービス「痛い!足踏み付けないで下さいよ姉上!分かった!分かりましたから!!」


姉に足を踏み続けられる最中、仕方無くお姉ちゃんの後ろから飛び出すかの様に、ノービスは顔を赤くしながら私の前に姿を現す。


ノービス「え、えっと、その…。ご、御無沙汰してます、セリスティア様……。」


セリスティア「ノービス、だよね…。もしかしてだけど背、伸びた?」


ノービス「そ、そう言われますと、父上との槍の訓練での影響でしょうか、あ、あのその、本日はキャンプを誘って下さって有り難う御座います!」


そう言うとノービスは思いっきり頭を下げると共に、私が本日のキャンプを誘わせてくれた事を御礼する。


本当、男の子の成長期と言うのは意外と速いと良く言われるけれど、あのお姉ちゃんの後を何時も追ってたあの大人して心優しいノービスが、たった2年で私の身長を追い抜く何てね…。


ああ、そう言う事、アルフォンズ様の指導の元と兵学校に入学したのが原因で攻略キャラのスタイルになってしまったのか。


ノービス「あ、あの…。セ、セリスティア様?」


セリスティア「へ!?な、何でも無いわ…。」


エリシア「処でお姉様、その、先程気付いたのですが、キャンプ当日も剣の所持を許されなかったのですか?」


セリスティア「うん、そう何だけれど…。」


そう、実はエリシアのキャンプ参加の許可の日にまたもや剣を壊した事でお父様にこっ酷く叱られて以降、訓練以外に今日まで剣を持ち出す事を禁じられていたのだ。


けど確か、今日で持ち出し禁止は解禁される筈、可笑しいと思った私は思惑していると工房方面から私の事を呼び掛ける声が此方に近付いて来た。


ガザム「おう!間に合った間に合った!おーい!お嬢様ーっ!!」


エリシア「あの御方は確か、武具工房にお勤めしている鍛冶師頭の…。」


セリスティア「ガザムさん!一体どうしたのですか?もしかして、私達のお見送りに!?」


お父様が経営しているクラリスロード武具工房所の鍛冶師頭を務める老鍛冶師のガザムさんが息を切らしながら私達を見送りに駆け付けて来る何て良い人なのだろうか!


ガザム「いやはや、お嬢様が本日キャンプに行くと旦那様から聞きましてな、何とか間に合いましたわい。実はお嬢様達のお見送りついでに此奴をね!」


ガザムさんが両腕で抱え持ってる包を私に受け渡す。長い形からして私は中身が何なのか察したのか、直ぐ様に包を開けた。


セリスティア「これって、剣!?」


エレイナ「しかもこれって確か、鋼鉄の剣じゃない!」


鋼鉄の剣。

確か鋼の剣の上位版じゃない、まさかガザムさんはこれを持って駆け付けて来たの?私の為に!?鋼のよりも強度も攻撃力も高い、魔法剣にもかなり耐えられると思う。


セリスティア「い、良いのですか!?こんな高価な物を私が貰って…。」


するとガザムさんは高笑いしながら私に言った。


ガザム「ガッハッハッハ!安心して下せぇ!この剣は余った鉄の鉛を少しずつ集めてから、儂自らの腕で作りやしたんでまあ、要は儂の金で作った物何でどうぞお受け取りを。」


セリスティア「本当ですか!?有り難う御座います!」


エレイナ「良かったじゃないのセリスティア、流石に剣無しでは私との魔物狩り競争が出来なくなるからね。」


レイラ「お嬢様、そろそろ。」


セリスティア「それじゃあガザムさん、私達もう行きますので失礼致します。」


ガザム「おう、確りとお気を付けて下さぇ!」


私達はガザムさんに見送られディオス村を後にし、村外れの近くの森へと向かって旅立った。


そんな最中、セリスティア達とすれ違いになってしまったのかエレイナとノービスの両親であるアルフォンズとマリアンヌが後から駆け付け、セリスティア達の旅路を見送る。


ガザム「これはアルフォンズ様にマリアンヌ様。お二人もお嬢様達のお見送りですかい?しかし、生憎ともう既に出発してしまいましてね。」


アルフォンズ「そうか、どうやら見送りのタイミングが遅れてしまった様だなマリアンヌ。」


マリアンヌ「ええ、でも大丈夫でしょう。」


アルフォンズ「……帰って来るまでに何も起きずに平穏な日々を送りながら子供達がキャンプを過ごせれば良いがな。」


領主夫妻は旅立つ子供達を見送りながら、何も起こら無いで欲しいと心から願うアルフォンズとマリアンヌの領主夫妻。


しかし、一見魔獣による被害の流れは落ち着いているこの平穏な日々の隙にて必ず、大きな脅威が一気に近付いて来る事をまだ私達は知らないでいた。





私達が村を出て、村外れの森へと向かった頃。同時刻、アルバ村の外れにある森内部にて数人の騎士達が内部調査をしていた。


彼等は数ヶ月前に起きたアルバ村自警団魔獣襲撃事件にて自警団達を助けに駆け付けに来たあの本国直属の騎士団『炎の騎士団』の面々だった。


炎の騎士団員A「この辺りの筈だ。例の魔獣の痕跡があったのは。」


炎の騎士団員B「間違い無いのか?」


炎の騎士団員A「数日前に茸狩りに出た村人達からの報告によれば、この周囲にて影を見兼ねたらしい。」


炎の騎士団員C「確かに、あの魔獣がまだ生息しているならばこの好機を逃す訳にはいかないな。」


炎の騎士団員B「ああ、ん?おい、あれを見ろ!」


その時、1人の騎士団員がある物を発見する、見つけた物と言うのは魔力の痕跡が残った『魔物の足跡』。それはこの森に生息しているどの魔物の物でも何でも無い、大型の物だ。


炎の騎士団員A「間違い無い!奴の足跡だ!」


そして騎士達は察する、この森の何処かに例の大型魔獣が隠れ潜んでいる事を、しかもそれだけでは無い、発見した足跡の先にもまだまだ足跡が続いているが。


炎の騎士団員A「な、何だこりゃあ…。」


騎士達は驚愕しながら、足跡を見つけた先を眼にする、続けた足跡は行き戻りを何度も往復した跡が、しかもそれだけじゃない、移動する際に周りの木々は力で押し出されてかの様に粉砕され、草花も滅茶苦茶にされている。


炎の騎士団員B「ひ、酷い有様だ。どうやって移動したらこんな事になるんだ!?」


炎の騎士団員A「兎に角、この先を進むぞ。」


炎の騎士団員B「ああ。」


3人の騎士達は大型魔獣の足跡が続く方向へと向かって駆け出す。カチャカチャと鎧と横腰に納めた剣が揺れながら音が鳴る。


そして3人は茂みの中から飛び出すと足跡は途切れ、この先の大きな岩陰れを見て足を止めると共に眼にする。


炎の騎士団員B「何だ。この岩崩れの山は!?」


炎の騎士団員C「この大きさからして洞窟?いや、まさかこれは洞穴か!?」


岩陰れの形からして、これは紛れも無くあの大型魔獣の住処だろう、しかし、足跡はこの先から途絶えられている。まるで自ら住処を破壊して何処かへと。


騎士達は直ぐ様に岩陰れの周辺を調査し始めた。1人残った騎士団員は洞穴だった岩陰へを見上げながら考えた。


炎の騎士団員A「しかし、魔獣は元はと言えど魔物、そもそも自分の隠れ潜む住処を破壊する事が出来るのか?」


あの大型魔獣。ジャイアントボアの身体には巨人の両手の様な異業な物を生やしており、その手から魔法を発動した事を。


炎の騎士団員A「いや、それ以前にあの魔獣、どうやって魔法を扱えた?あれには魔力反応は無かった筈、なのに何故…。」


すると別の場所を調査していた騎士団員が焦った表情をしながら戻って来た。


炎の騎士団員B「おおい!直ぐに此方へ来てくれ!不味い状況になった!!」


仲間の1人に案内され、騎士団員は直ぐ様に岩崩れの山の裏側へと向かうと、裏側は何と表よりも周りは飛び散った岩が裏の周辺の草木は表側以上に酷く滅茶苦茶にされていた。


炎の騎士団員A「こ、これは…。」


炎の騎士団員C「表の方より酷い有様なのは分かるが、問題は其処じゃない、これを見ろ。」


指差した先には岩崩れの目前に大穴を見つける。


炎の騎士団員A「まさか…。」


炎の騎士団員C「自分の住処を魔法か何かで破壊したと同時にこの穴を掘って脱出したんだろう。しかも足跡のおまけ付きだ。」


穴から出た先を眼に向ける、あの大型魔獣の足跡が続いていた。


炎の騎士団員A「奴は彼処から出て何処か移動したのか、あの先には何がある?」


炎の騎士団員B「確か、数十キロ先にはアルバとは違う別の領地があって其処にも村があった筈だぞ…。」


炎の騎士団員C「あの先の別領地、村?不味いぞ、直ぐにこの事を本国のクリムゾン団長に急ぎ報告しないと!!」


何かを思い出したのか騎士団員は叫んだ。直ぐに騎士団長であるクリムゾンに報告しなければならない通達を2人の騎士団員に伝える。


炎の騎士団員A「一体どうしたんだ?あの先の領地に何かあるのか!?」


炎の騎士団員C「お前等忘れたのか!?あの魔獣が移動した先を、あの領地の村にはカレンが滞在してるんだ!!」


仲間達は直ぐ様に驚愕する、そして森を出た3人の騎士達はアルバ村へ戻ると同時に直ぐ様、魔獣防衛の為に2人を村に残し、1人馬を駆けながら、クリムゾンに直接報告する為に本国へと向かって旅立った。





陽に塞がれた暗い森の中、不気味に満ち溢れたその巨大な影は自ら闇を纏わせ、1歩、また1歩とズシン、ズシンと、砕かれた片角、火傷塗れの半身を痛み無く、ルビーの様な紅い眼をギラリと輝かせながら、先を直進して行く。


しかし、その影は歩き進む道を立ち塞がるかの様に周りの木々や草花を無視して押し切るかの様に木は、枝の様に左右へとへし折られて行く。


大型魔獣ことジャイアントボアの脳裏から男の声が聞こえた。


男の声『進め、進め、進め!目前に立ち塞がる物は何であろうと突き進め!その為にお前は私の手によって新たに造られた。さあ、進め!光のある元へ!!』


ジャイアントボアは雄叫びをあげると共にズシンズシンと前進し続けて行った。

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『推しの乙女ゲームの悪役令嬢に転生するも攻略キャラが全員ヒロインなのが間違っている!?』小説家になろう及びカクヨムにて兼任連載中! 感想も宜しくお願いします!m(_ _)m
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