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悪役令嬢、湖を割る。

そもそも『十戒』のモーセの海割り、とは。

イスラエルの民達は葦の海の岸辺でエジプト軍に追い詰められる絶体絶命の窮地の処に、物語の主人公であるモーセが先頭に立ち、自ら手を挙げると海の水が割れ、イスラエルの民達は渡る事が出来た。


エジプト軍の追撃が来たけれど、イスラエルの民達が全員渡りきった処でモーセは再び手を挙げると自ら割った海が元に戻り、追って来たエジプト軍は海に飲み込まれたと言うのが、『モーセの海割り』のあらすじ通りだ。


そして現在、好奇心に満ちた私は今、レリウス様の暇潰しがてらに目前の湖の水を割ると言うとんでもない難題を私は挑んでいた。


エリシア「カ、カレン様、セリスお姉様はお父様見たいに湖の水を割る事は出来るのでしょうか?」


カレン「………正直に言うと、まだ分からないでいる。」


真剣な表情で湖の前に立つセリスティアを見つめながら、初めての実戦訓練での事を思い出した。


カレン{私と出会ったあの実戦訓練で見た最後にセリスが繰り出した技術スキル。『魔法剣』はあの日以降から眼にはしていない、前にセリスから聞いた話によると調整やら何やらで研究してるが…。何か湖を割る策でもあるのか?}


肝心の私はと言うと眼を瞑りながら、呼吸を繰り返し、己自身の力を集中させている。


セリスティア「ふぅ……。」


一呼吸整え終えてから腰に納めた剣を抜く、一応、昨日エリシアから言われた通りに強化された鋼の剣を持って来て正解だったかもしれない。


工房の鍛冶師頭のガザムさんの手によって強化された。この鋼の剣には付与技術ふよスキルとして『対炎耐性4』『損傷減少5』が追加されている。つまり、魔力の炎にやや耐える事が出来ると言う意味だ。


因みにだけれど、私の現在の総合値ステータスはこうなっている。


『Lv:16

HP:508/508

MP:429/429

攻撃力:68+81

魔法力:131+90

器用力:72+99

防御力:60+71

機動力:75+85』


カレンとの訓練の日々と読書による自主学習を送り続けて私のLvは1つしか上がってないが訓練と学習の成果により総合値は大きく上昇している。


しかも総合値だけじゃない。

『剣術10{最大}』の技術が進化条件である攻撃力と器用力数値が120に達した為。『剣術』から『下級剣士{弱}1』へと進化した。


それと同時に『投擲』と『再撃』の技術スキルが新たに会得された。


『投擲』の内容は兎も角。この『再撃さいげき』と言う技術は何でも相手へと攻撃を決めると共に一定確率で追加のダメージを与える事が出来るらしい。


湖に向けて構える最中、レリウス様がルールを私に伝える。


レリウス「ルールは簡単な事だよ。君には3回だけ剣を振る権利を与える、もし、一度でも湖を断ち割る事が出来たら合格、君に良い物をプレゼントしよう。」


そんな事を言われちゃったら増々本気を出さないとな、私、しかも。


エリシア「お姉様ー!頑張って下さーい!!」


愛しの妹分に応援されてるからね。


………ふぅ、再度呼吸を整えさせて私は剣をぎゅっと強く握り締める。


1回目。


私は剣を天に挙げてから魔力を集中させる、紅いオーラが私の全身に纏わせ、そして剣の刃に魔力の炎が現れて燃え纏う。


セリスティア「はぁぁぁ…。」


レリウス「ほぉ…。」


エリシア「お姉様、凄い…。」


カレン{セリスの剣に魔力の炎が纏った!?何だ。実戦訓練の時とは違う、その頃のは付け焼き刃程度だったが魔法動作と魔力操作で安定させているお陰なのか、前以上の威力を得ている!!}


集中させ終えた私は、天に挙げた全力の魔法剣を湖に向けて振り下ろす。


セリスティア「行っけえええええ!!!」


ザッパアアアアアン!!!


私も同じくレリウス様見たいに湖の水を割る事が出来た……と、思った。底には届かず距離は余り行かなかった。


セリスティア「嘘、失敗…。」


カレンとの実戦訓練の日から何とか魔法剣を安定させたけれど、()()が足りない!?


エリシア「あの、カレン様、その、セレスお姉様、何か不服そうな顔をしてますが…。」


カレン「あの様子だと恐らく、失敗をしたそうだな。」


レリウス「ふむ、どうやら失敗の様だね、さて、セリスティア、今ので1回目の権利は失った。さあ、どう攻略をする?」


セリスティア「………レリウス様、技術スキルの使用を宜しいですか?」


レリウス「ああ、無論、構わないよ。何しろ技術スキルの使用は駄目とは言われていないからね。」


セリスティア「有り難う御座います。では、2回目参ります。技術スキル発動『強化』ぁ!!」


私は『強化』の技術を使用して、自身の攻撃力を上昇させると共に『集中』と『呼吸法』の技術の重ね掛けを行う。これで魔力安定状態のまま、攻撃力と魔法力の一時的上昇からの『魔法剣』の準備を再び行う。


レリウス{ほう、一度に複数の技術スキルを発動させてから魔法の詠唱を…。この様に多彩多様に扱えるのはクロノだけかと思ったが、こんな身近に居たとは、まさかルーファスの言っていた通りにセリスティアは本当に__}


瞬間、レリウスは真剣な顔でセリスティアを見つめながら、友から伝えられたある記憶を思い出した。





時は巻き戻り、3週間程前。

エリシアがセリスティア達と遊びに出掛けてる最中、レリウスは1人執務室にて書類仕事をしてると、外から馬の鳴き声と足音に気付き羽根ペンを止め、席を立つ。


レリウス「馬の鳴き声と足音?誰か来たのか?」


警戒しながらレリウスは近くに置かれた鉄の剣を持って、居間の窓の方へと向かい外を確認すると、馬から降りて来たルーファスがの姿に気付き警戒を解いて玄関口へと向かう。


レリウス「ルーファス。突然やって来て驚いたぞ!」


ルーファス「いやはや済まないな、レリウス、実は領主殿から採れたての野菜を頂いてしまってな。お裾分けとして持って来たんだがどうかね?」


ルーファスは籠に入った山盛りの生野菜を手に持ってレリウスに直接受け渡す。


レリウス「これは凄いな!今晩の夕食の材料に丁度良い…と、言いたい処だがルーファス、普通、こう言う行為は使用人が行う筈だ。家の当主である君が直接、此方へ来たと言う事は何か有るんだな…。」


ルーファス「……ああ。」


先程、微笑んでいた筈のルーファスの表情は真剣な顔付きへと変化する、どうやら何か話がある様だとレリウスは玄関の扉を静かに開ける。


レリウス「……取り敢えず中で話そう。」


暫くして、棚の上に採れたて野菜の籠が置かれ、男2人きりの居間にて、ルーファスは紅茶を一口飲んでから、セリスティアが聖女だと言う可能性がある事をレリウスに伝えるとレリウスは席を立ちながら驚愕した。


レリウス「セリスティアが聖女だと言う可能性が!?」


ルーファス「実際に眼で見たと言う訳では無いが、カレンからの報告によれば訓練中にて娘の身体が光を纏い輝かせたとの事だ。」


レリウス「カレン?もしや、クリムゾンの姪御の?」


ルーファス「現在、彼女は任務としてこの村に滞在しながら我が家に居候としてすまわせている、流石に私達の友人である、騎士団長、クリムゾンの姪御とは言え令嬢を安宿に泊まらせる訳には行かないからな。」


レリウス「そうか、して、お前の娘の身体が光り輝いたと聞いたな、念の為に聞くがセリスティアの産まれながらの属性は確か…。」


ルーファス「『炎』だ。」


レリウス「まさか…。私と同じ『双属性デュアル』!?」


双属性デュアル』とは、世にも珍しい2つ持ちの属性魔力を持つ人間の事を言う、とくにレリウスは『風』と『地』と言う2つの基本属性を持つ大魔術師でもある。


レリウスの様な2つ属性持ちの人間が世に出て、もし、セリスティアが聖女だと確定すれば…。良きせぬ展開が訪れるとルーファスとレリウスは思惑する。


レリウス「『光』と『炎』。本来、相見えない筈の2つの属性を持つ少女が本当に聖女ならば…。本国中央都市部の大聖堂に納められた『聖剣』が今頃、光輝いている筈だ。」


ルーファス「確かに、しかし、大聖堂からの通達が無いとなると聖剣はまだ輝いていない。セリスティアは聖女ではない可能性ま有りうるが……。」


レリウス「………まだ分からない、か。」


そう言うとルーファスは無言に縦に頷くとあらゆる考察が思い浮かべる、自分の娘が聖女だと言う可能性が消えていないからだ。だが、周りの者達はどう思うだろうか?


本国の貴族達なら兎も角、国王陛下を始めとした王族の場合、娘のこの先の一生が利用される事となってしまうと恐れたルーファスは、娘を、セリスティアを政略の道具にさせない為にある対策を思い付き、レリウスにお願いした。


ルーファス「レリウス、頼みがある。」


レリウス「セリスティアの事だろう。」


ルーファス「ああ、もしも娘が、セリスティアがお前の所に尋ね、魔法を教えに現れた時は…。」


レリウス「…分かった。エンディミオンの魔法学校の校長としてではなく、友人として、お前の娘のセリスティアを強くさせよう。」


結果、セリスティアの聖女の可能性の件はこの場での内密と言う事にすると共にレリウスはセリスティアを貴族達の政略の道具にさせない為に、セリスティアを強くさせると決意するレリウスであった。





時は現在へと戻り、レリウスは魔法剣を発動するセリスティアを真剣な顔で見守る。


レリウス{聖女の可能性、もし本当なら…。}


瞬間、私は『集中』を終えて強化された魔法剣の準備を終える。『強化』と『集中』と『呼吸法』の技術スキルと刃は前よりも魔力の炎を増して行く。


今にでも魔力の炎がチリチリと火華が私の身体に触れて火傷しそう!でもこれならば行ける!!


カレン「な、何て魔力の炎だ!?最初の時よりも凄い…。」


エリシア「お姉様!このまま決めて下さい!!」


前より燃え盛る魔炎の剣、強化されたこの魔法剣、これを名前で例えるならば…。


セリスティア「紅蓮の炎で断ち斬れ!『強火きょうか魔法剣』!!」


業火に燃え行く、強化魔法剣を湖に向けて振り下ろす!!


ザッパアアアアアアアアン!!!


前よりも大きな水飛沫が大きく飛び、地面底が見えた。


エリシア「す、凄い水飛沫です!!」


カレン「ああ、強化で施された魔力の剣、攻撃力が高ければ高い程に威力は増す、しかし…。」


レリウス「2回目の権利、結果は失敗。理由は簡単な事だ。補助系の技術スキルを使いながらの魔法発動は強力だが欠点がある、強力ながら攻撃距離は短い、私の様な魔法技術の高い魔術師でない限りは話は別だけれどね。」


そう、如何なるメリットも必ずやデメリットが存在する、レリウス様の言う通りに強化された魔法剣は高威力だが前の時より飛距離が縮んでいた。


要は強化された魔法剣でも駄目だと言う事なの!?だとしたら、今の私の実力では正直…。


セリスティア「足りない…。とでも言うの?」


エリシア「お姉様…。」


レリウス「セリスティア、先程の2回目の魔法を使用して君はどう思った?」


私の元へと近寄るレリウス様は私の強魔法剣をどう思ったのか単刀直入に聞き出す。


セリスティア「正直に言いますと、威力を強くしたとは言え、成功は出来ませんでした。ちゃんと魔力と魔法は制御したのですがね…。」


レリウス「……確かに、君は強化された状態でありながら、安定させたまま魔法を放つ事は出来ている。其処だけは合格としよう。」


つまり、レリウス様曰く、安定状態中の魔法の発動準備は正解と言う事を意味している、するとレリウス様は再び湖の前に立つ。


レリウス「少し、君に特別授業をさせようか、確りと私の魔法を見る様に。」


風が再びレリウス様の『運命の叡智』の球体前に集まり、小さな球体の形へとなる、ゲーム本編で見た事がある、あれは確か。風属性初級攻撃魔法の。


セリスティア「……風球(ストーム・ボール)。」


私は言われた通りに、レリウス様の風球をじっと良く見ると風球の大きさがビー玉のサイズにどんどんと縮小して行くと、急速的な速さで運動会の転がし競技に使う大玉サイズへと巨大化する。


セリスティア「これはっ…。」


レリウス「良いかねセリスティア、熟練に磨き極めた魔法は時に使用する魔力量によって変わる事がある、この様に初級攻撃魔法が上級魔法級の威力となり、そして…。」


レリウス様は大型杖を大きく振り出すと、巨大化した風球を湖の真上、水飛沫を噴き出しながら、レリウス様の巨大な風球は数キロの距離もある大きな湖を突き抜けてから瞬時に消滅する。


レリウス「放たれる距離も大幅に増大する。」


魔力の、いいや、MPの消費量が変える事で魔法の威力を増大にさせたりする事が出来るこの現状を見た事がある。いや、と言うかこれって…


増加ブーストシステム』じゃないの!?


増加ブーストシステム』。

『CRYSTAL SYMPHONIA』の攻略を進む際に戦闘パートの追加チュートリアルにて新たに使えるコマンドシステム。


使用する技術スキルまたは魔法のMP消費量の倍数を最大100まで使える事で通常の技術と魔法での攻撃の威力が増大になる。


例えば『火球(ファイヤー・ボール)』の消費MPが3。増加システムで10使用する事で消費MPが10倍の30へと上昇して、その分、威力が増して敵に莫大なダメージが与えられる事が出来る、言わばこのシステムは諸刃の剣。


まさかエリシアのキャンプ参加許可を貰いに来ただけなのに、追加チュートリアル後に使用出来る増加システムをレリウス様が見せる何て…。


レリウス「この様に、一見、強力な上級攻撃魔法に見えるが実際は初級攻撃魔法だ。己の魔力の分量を操作させてから、威力と放つ射程距離のバランスを変えるんだ。まあ、まだ学校に通う処か、まだ10歳の君に扱える術では無いからね。」


セリスティア「………魔力のバランス。」


魔力の分量、増加システム、そして強化された魔法剣…。私は鋼の剣を見つめながらレリウス様から伝えられた言葉を並べ集め、繋ぎ合わせる。


私は再度、魔力に満ちた紅いオーラを私の身体に纏わせて、再び鋼の剣を天に向け上げ、魔法剣の準備に入る。


エリシア「お姉様、まさか…。」


カレン「お、おい、セリス?」


3回目、最後の権利に全てを賭けた私は剣に魔力を集め、紅く輝いた瞬間、剣の刃身が魔力の炎によって燃え始める。


セリスティア「っう!!」


カレン「まさかセリス、お前はレリウス様と同じやり方で魔法剣を発動しようとしてるのか!?」


レリウス「何だと!?セリスティア!直ぐに発動を中止するんだ!!」


セリスティア「嫌です!!すいませんがレリウス様、私こう見えて我儘何ですから!!」


魔法剣の発動と同時に私は『強化』をメインに、『集中』と『呼吸法』の重ね掛けで発動させて、総合値を一時的に上昇させると私は魔法剣への魔力を基本消費量超えて集めていく。


セリスティア「……消費量、2倍!!」


瞬間、通常の魔法剣の炎の火力が倍に増す。これで消費MPは20になる。だけどこれでは足り無い!!


セリスティア「5倍、7倍、っくう!」


立つ足のバランスが今にでも崩れそうな程に剣が重い、けど、まだ足りない、だったら!!


セリスティア「10倍に、上昇だあああ!!」


剣の大きさは燃え盛る長い刃へと変貌する、消費量100の高威力の魔法剣と化する。巨大な魔法剣を見上げ見つめたカレンとエリシア、そしてレリウス様は驚愕する。


エリシア「凄い、あんな強大な魔法を眼に見るのは初めてです…。」


カレン「これが、あのセリスの魔法剣なのか!?」


レリウス「信じられない…。熟練の魔術師でも扱う事が出来ない魔力操作を、一度見ただけで覚える何て無茶にも程がある!!?」


熱い、痛い、握りから熱が段々と増して今にでも私の両手が火傷しそうだ。けど、今の私にそんな事は関係無い!!


セリスティア「20倍ぃぃぃ!!」


魔力消費量が通常の20倍に到達した瞬間、魔法剣は更に大きく、炎の刃の幅が開くなり出す。だが、それと同時に剣の幾つかの部分にヒビが出来始める。こんな時に…。


その時、私の魔法剣の体勢が崩れ様と転倒してしまう、駄目、このまま失敗したら元の木阿弥に…。


セリスティア「なっ!」


しかし、私は地面に転倒しなかった。それ処か逆に立ち上がらせてくれた。誰かが私の背中を支えている、その誰かの手の温もりを私は知っている!!


セリスティア「エリシア、それにカレンも!?」


カレン「大丈夫かセリス!?」


エリシア「お姉様!私とカレン様がお姉様の背中を支えます!!」


エリシアとカレンの2人がカバーしてくれた事で体勢を立て直すと共に、私は更に魔力の消費量を増して行く!!


セリスティア「魔力消費量、30倍!!」


炎の刃は火柱の如く、湖に届く程の長さまで伸び、幅も増す。今にでも崩れそうだけど2人がカバーしてくれてる為か何とか支え続けられている。


カレン「凄い魔力の炎だな、セリス、君は何処までやる積り何だ!?」


セリスティア「そうね、取り敢えずは全部使い切る!!」


エリシア「全部ですか!?意外とお姉様って欲張りなのですね!!」


セリスティア「そうよ、何たって私は欲張りで我儘な、悪役令嬢だから!!」


瞬間、セリスティアの魔法剣の使用魔力消費量が40倍へと到達すると共に炎の刃は何をも焼き尽くす爆炎と化すると同時に、キラキラと光の粒子がセリスティアの身体に纏われる、その様子を黙って見ていたレリウスは驚愕した。


レリウス「セリスティアの身体に、金色こんじきに輝く、光の…。」


エリシアとカレンはセリスティアを背中から支えてる為か、彼女の身体が金色に光輝いてる事に気付いていない、それ処か、セリスティアは今にでも燃え盛る爆炎の魔法剣を湖に向けて振り下ろそうと一気に構える。


補助系技術の付与、エリシアとカレンに支えられ、そして3度目の正直として、全MPを賭けた消費量400の最大高威力の魔法剣を振り下ろされる。


エリシア「お姉様!!」


カレン「このまま決めろ、セリスティア!!」


セリスティア「『超火魔法剣ちょうかまほうけん・唐断ち割り』ぃぃぃぃぃ!!」


爆炎の巨大な刃が湖に振り下ろされた瞬間、湖の水を大きく両断すると共に地面底が見え、地を燃え斬ると火と水が衝突した事により津波程の大きさの蒸気と水飛沫が私達を飲み込ませて行く。


レリウス「つっ!!?」


エリシア「きゃあああああっ!!!?」


私の超火魔法剣と湖の水が衝突して生み出された水蒸気が突然と私達の全身を飲み込んで行く、幸いながら水蒸気な為にダメージは無いけれど視界が塞がれて3人が何処に居るのか分からない。


セリスティア「エリシア!カレン!レリウス様!」


私は直ぐ様に3人が何処に居るのか呼び掛ける。


カレン「セリス!」


エリシア「お姉様!何処ですか!?」


エリシアとカレンの声が聞こえているが、視界が水蒸気で見えずに何処に居るのか分からない。その時だった。


レリウス「吹け。『大竜巻(ハイストリーム)』!!」


レリウス様の強力な風魔法より、水蒸気を掻き消す。流石は学校長にして魔導宰相様って所ね。


レリウス「3人共、無事か!?」


エリシア「は、はいっ!お父様…。」


カレン「此方も同じく。」


セリスティア「私も大丈夫で、って、あれ?」


何故か私は倒れてしまう、あ、あれ?動けない、もしかしてこれって魔力酸欠!?そう言えばエレイナお姉ちゃんとの実戦訓練の終盤の時にお姉ちゃんは苦しい顔をしながら、酷い咳をしてのを覚えていた事を私は思い出した。まさか、私が酸欠状態になって倒れる何て…。


カレン「セリス!一体どうしたんだ!?」


エリシア「お姉様!確りして下さい!」


3人は直ぐ様に魔力酸欠で倒れたセリスティアの元へと駆け寄ると、カレンが私を抱き抱えながら介抱し私の名前を呼び掛ける。


レリウス「まさか、魔力酸欠か!?エリシア、直ぐに家に戻って棚からま魔力回復薬(マナポーション)を幾つか持って来るんだ!」


エリシア「は、はいっ!」


エリシアは回復薬を用意しに、急ぎ家へと向かって行った。ああ、不味い、何か私の意識が遠退いて来たよ…。


カレン「セリス!確りするんだセリスティア!!」


レリウス「カレン、大丈夫だ。心配無い、セリスティアは意識を失っているだけだから、取り敢えず私の部屋へ運び出そう。」


カレン「分かりました。案内お願い致します。」


レリウスはセリスティアを抱き抱えたカレンを自分の部屋へと案内する為に急ぎ、コテージの中へと入って行ったのだった。

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『推しの乙女ゲームの悪役令嬢に転生するも攻略キャラが全員ヒロインなのが間違っている!?』小説家になろう及びカクヨムにて兼任連載中! 感想も宜しくお願いします!m(_ _)m
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