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悪役令嬢、お姉ちゃんと最初で最後の姉妹喧嘩と言う名の真剣勝負をする。{後編}

絶体絶命のこの状況の最中、私は今、お姉ちゃんの槍の穂に首元をつけられてピンチになっているも何故か戦意を失ってはいなかった。


エリシア「凄いですわ、エレイナ様がお姉様を相手に、此処まで押し出される何て……。」


レイラ「………。」


レイラとエリシアも驚きを隠せずにいた。こんな戦況を一体誰が想像していたのかを、しかし只1人、彼女だけは表情を変えずにセリスティアを黙って見つめていた。


カレン「………………。」


エレイナ「さぁて、こんな状況の中だとどうする事も出来ないわよね?どうするセリスティア?このまま戦い続けるのも面倒だしさ、このまま降参するのをお勧めするわよ。」


セリスティア「…………!」


私はカレンの目線に気付いた。彼女は心の中でこう言っている『そう簡単に諦める積りか?』と。はぁ?今更何を言っているのよカレンは…。


セリスティア「………確かにそうよね、こう言う流れなら絶対にする筈。」


エレイナ「それじゃあ!」


セリスティア「けどねお姉ちゃん、自分が勝っている状況の中に申し訳無いけれど。油断はしない方が良いわよ!!」


私は魔力の貯まった左掌をお姉ちゃんに向けて攻撃魔法を繰り出す!!


セリスティア「『火球(ファイヤー・ボール)』!!」


エレイナ「しまっ!?」


セリスティア「御免ねお姉ちゃん!!」


至近距離で『火球』を繰り出すと共に私は『跳躍』の技術で一気に後退して距離を取ると放たれた火球はそのままお姉ちゃんに直撃し大きな煙を生み出す。


幾らお姉ちゃんでも私の攻撃魔法を至近距離で食らってしまったとなると流石に無事では…。


セリスティア「………ちょっと、嘘でしょ。」


煙の中からお姉ちゃんが姿を現す、ダメージの方は皮の鎧が少し焦げただけの無傷の状態でいた。しかもそれだけじゃない。


エレイナ「驚いたわ…剣術だけじゃなくて魔法も使える何て、流石は私の妹だわ、まさか私に()()を使わせる何て。」


何時の間にかお姉ちゃんは何処からか持って来たのか『鉄の左篭手』を瞬間的に装備し、私の火球を受け止めて防いだんだ。


ん?いや、待って、良く見たら違う、あれは()じゃない、一部一部が全てズレて、篭手の形すらも整われていないけど間違いない、あの篭手は…。


セリスティア「………()で、造られた篭手。だよね?」


エレイナ「へぇ〜。見ただけで分かっちゃう何て流石は私の妹。お姉ちゃん本気で喜んじゃったわ。」


セリスティア「けど、幾ら防御力を上げたとしても現状は変わらないわよ?今の私はお姉ちゃんから離れてる位置にいるんだし。」


エレイナ「確かにそうだね、現状は変わらない、だけどね、戦い方を変えるとしますかな!!」


そう言うとお姉ちゃんは左手を離れた私に向けると共に石の篭手から魔力を纏い、だいだい色に光り出す。それを見て嫌な予感を感じた私は直ぐ様に剣を構える。


エレイナ「行くわよっ!地属性攻撃魔法『石弾(ストーン・ショット)』!!」


石の左篭手から魔力の込めた石が素早い速度で私に向かって襲い掛かる!!


セリスティア「っ!?」


予期せぬ遠距離攻撃を私は左へとかわした直後、放たれた石はそのまま木に直撃すると共に深くめり込んだまま突き刺さっていた。嘘でしょ…。もしもあんなのを食らっていたら即死は確定じゃない……。


エレイナ「まだまだ行くわよぉ!!」


セリスティア「だあああっ!!?」


しかもまさかの連射!私は石に当たらない様にお姉ちゃんの周囲を回り込みながら逃げるも後から石が雨霰あめあられの如く私に撃ち込んで来る!!不味い、このまま石弾との距離が詰められる訳には…。


セリスティア「『加速』っ!!」


私は『加速』の技術で一時的に俊敏力を上昇させて、お姉ちゃんをかく乱させると同時に石弾を撃たせない様に惑わせる!!


エレイナ「消えた!?」


エレイナは消えたセリスティアを探そうと全方向を眼で追うもセリスティアの動きの方が速いのか見つからずの状況でいた。


そんな様子を見つめるカレンはセリスティアはどうやってエレイナをかく乱させたのか理解した。


カレン{成程、どうやらセリスは『加速』だけでなく『回避動作』と『反応速度』の技術スキルを重ねて使ってエレイナをかく乱させたのか、しかし、幾ら眼にも見えない速度でも…。}


セリスティア「チェストォォォ!!!」


一瞬ながら、お姉ちゃんの背後に付いた私は真っ向から剣で斬り込むも反応が速いのか、お姉ちゃんは背後を振り向かずにまたもや片手持ちのまま槍で不意討ちを防ぐ!やっぱりそう簡単には行かないわよね…。


カレン{エレイナに不意討ちは通じない。何故なら彼女は実戦経験を積む毎にあらゆる技術スキルを会得しているからだ。これがその1つ。『奇襲封じ』!その名の通り背後からの不意討ちを始めとしたあらゆる奇襲攻撃、暗殺すらも発動者の意識関係無く使用する事が出来る世にも珍しい自動技術オートスキルの1つ。それだけじゃない!}


エレイナ「言っておくけれど、お前の不意討ちは私には通じないよ!『強化』!!」


瞬間、エレイナは『強化』の技術を発動して一時的に攻撃力を上昇させると共に持ち槍と強化された腕力でセリスティアを押し出す!


押し出されたその反動でセリスティアは立つ体勢を崩れそうになる処をエレイナは見逃さずに追撃に掛かる!!


エレイナ「技術『槍術・薙ぎ払い』!!」


私に追撃に掛かったお姉ちゃんは槍を逆手左持ちに切り替えてからの力一杯の大振りで槍を半周させ、槍の柄で私の両足目掛けて足払いを繰り出す!


そうか、あの時、私の視界が突然と上に変わったのはお姉ちゃんが槍で私の両脚目掛けて足払いをされたって訳なのよね。取り敢えず此処は『受け身』で体勢を整い直して反撃の体勢を…。その時、お姉ちゃんの左手は川に落ちる私に向かって石弾を撃ち出そうとしていた!!


エレイナ「『石弾(ストーン・ショット)』!!」


石の篭手から1発の石弾が放たれると同時に私は直ぐ様に迫り来る石弾目掛けて攻撃魔法を放った。


セリスティア「火球(ファイヤー・ボール)!!」


2人同時に至近距離で攻撃魔法を相殺させたのか小爆発を起こし、その衝撃に巻き込まれた私達は一気に吹っ飛ばされそのまま川の中に落ちる。


セリスティア「どわあっ!!」


再び私は川の中に落ち様とするも『受け身』の技術で何とか体勢を整え直し何とか立ち上がった瞬間。


エレイナ「セェェェリィィィスゥゥゥティィィィアァァァァァ!!!」


爆煙ばくえんの中からお姉ちゃんが飛び出してそのまま槍を振りながら私に向かって襲い掛かり、振り下ろされた槍を何とか剣で受け止めるも何故かお姉ちゃんは怒っていた。


エレイナ「お前なぁ!!幾ら妹だからって至近距離であんな爆発食らったらどうするのよ!?もし私の顔に火傷とかしたらどう責任を取る積りなのよ!?」


セリスティア「ぐぬぬ、そんな事を言われても…其処は自己責任でしょうが!!」


お姉ちゃんにそう言い返すと共に私は『強化』の技術を発動すると同時にお姉ちゃんを一気に押し出すも追撃に掛かる!


エレイナ「妹の分際で、なぁに私の許可無しに反発をするのよ!!」


追撃しながら、そのままお姉ちゃんは技術スキル『槍術・乱れ突き』を私に向けて繰り出すも私は『剣術・受け流し』で乱れ突きの軌道を受け流しながらお姉ちゃんに言い返す。


セリスティア「そりゃ人間誰だって言い返すのも仕方無いでしょうが!!」


言い返すと共に私は身を低くさせてお姉ちゃんに向かって真正面から切り込みに掛かる。


エレイナ{何て事を!『奇襲封じ』は自分の視界外からの攻撃を自動的に防ぐ事が出来るけど、真正面からの攻撃は防ぐ事が出来ないっ!!だったら…。}


お姉ちゃんは私への攻撃対策てして左の石篭手を私に向けると共に攻撃魔法を撃ち出そうとするが、私はこのまま攻撃を仕掛ける、それはつまり、お姉ちゃんに攻撃を当てるだけなら少しくらいはこの身で受けるって事!!


エレイナ「『石弾(ストーン・ショット)』ォ!!」


石篭手から石弾が数発撃ち放たれるも、私は避けずに突き進む、右の頬をかすらせ、左肩に当り、左脇腹に命中されても関係無い!!


エレイナ{おいおい嘘でしょ!?回避もしないで普通このまま突っ込む!!?}


一定の位置に入った瞬間に私は抜刀の構えに入る!この好機、絶対に逃さない!!


セリスティア「『居合斬り』ぃ!!」


この戦いの中で1番の剣速から繰り出された抜閃ばっせんがお姉ちゃんの皮の鎧の胸部を斬り裂く。


エレイナ「うわあああああっ!!!」


『居合斬り』思いっきり食らったお姉ちゃんは吹っ飛ばされ、そのまま川の中へとドボンと落ちる。これで形勢逆転って処かしら…。


レイラ「………信じられません、これがお嬢様の全力とは。」


エリシア「今の攻撃でエレイナ様は意識喪失によってお姉様の勝利、そうですわよね?カレン様。」


カレン「………いや、まだだ。水中に落ちただけではまだはっきりしていない。それにまだセリスも私と同じ考えをしている積もりだ。」


エリシア「えっ!?」


セリスティア「………。」


川の水の中に落ちてから数分が経過した。可笑しい、正直に言うと此処の川は足が付く程の浅底になっている為に溺れる事は流石に無いのにお姉ちゃんが起き上がって来る気配が無い…。


何だろう、寧ろ嫌な予感はする、もしかして落ちた処に運悪く頭を打って意識が無いって事は流石に……。


セリスティア「カレン!勝敗の判断は少し待って頂戴!相手の意識があるかどうか確認して来るから!!」


カレン「ああ、確認を許可する。」


カレンにお姉ちゃんの意識確認の許可を得ると私は直ぐ様にお姉ちゃんが落ちた所へと向かう。


1歩、また1歩と浅い川の中を進みながら私は内心、お姉ちゃんの無事を祈ろうとした途端、水中から1発の石が飛び出し私に襲い掛かった!!


セリスティア「なっ!?」


私は直ぐ様に剣で石弾を川の中へと弾き落とすとザバァッとお姉ちゃんが一気に水中から姿を現した。この様子だとお姉ちゃんはまだ戦う積りの様だ…。


エレイナ「はぁ……はぁ……はぁ……。」


お姉ちゃんは無事だった。無傷、と言いたい処だけれどお姉ちゃんが着込んでる皮の鎧には深い傷跡が残っていて受けたダメージは恐らくあまり無いだろう。


エレイナ「あ、危なかったわ、防御が少し遅れていたらどうなってたのか…。」


どうやらお姉ちゃんは私の居合斬りを食らおうと瞬間、お姉ちゃんは咄嗟に両腕をクロスさせ左の石篭手の防御力を頼りに居合斬りの威力を半減させる事に成功したらしい。


その証拠に石篭手は私の斬撃に耐えきれなかったのかお姉ちゃんの左腕がさらけ出している。


カレン「どうやらまだ勝敗は分からない見たいだな。」


エリシア「お姉様……エレイナ様……。」


レイラ「………。」


果さて、これからどうやって戦うかが問題よね…。槍で追撃仕掛けて来るか、或いは離れながら石弾で離れて仕掛けて来るかの2パターンのみ。


セリスティア「この様子だと、まだまだ」


エレイナ「当たり前でしょ、そう簡単にやられる私じゃないわ。それに私だって意地があるのよ!」


そう言うとお姉ちゃんの身が橙色に輝き出すと共に周辺から数多くの石が川から浮上しお姉ちゃんの周りを浮く、家の書物室の魔導書で見た事がある!あれは確か無属性強化魔法の…。


エレイナ「強化魔法『魔装(アームド)』!!」


お姉ちゃんが左腕を上に挙げた瞬間、浮いた石達が磁石の様にお姉ちゃんの左腕に纏う。成程、川場の石を魔法で操って防具代わりに、そう言う事ね…。あの石篭手をどうにかしないと私の勝利は見えて来ない。


エレイナ「からのっ!『石弾(ストーン・ショット)』!!」


再び石篭手から石弾を撃ち続けるも私は剣で石弾を川の中へと弾き落として行く!


セリスティア「なかなかやるじゃないのお姉ちゃん!でもね、そうなやり方では私にはって…。」


エレイナ「うおおおおおっ!!」


えっ?何か野球投手の投球モーションの如く、もしかしてと思うけれど(それ)を私に向けて投げる積りじゃあ…。


エレイナ「『槍術・槍投げ』ぇ!!」


お姉ちゃんは容赦無く私に向かって槍を投げた!まるでミサイル、いいえ、魚雷めいて川の水の上を駆け巡りかの如くに私に襲い掛かる!!


あんなの食らってら冗談抜きで死ぬと思った私は剣で受け切るも。


セリスティア「っう!!?」


投擲速度と槍の重さが加算されたのかお姉ちゃんが投げ放った槍は私の剣共々、遠くへと弾き落とす。不味い、直ぐに私は急ぎ剣を拾いに向かおうとするが…。


エレイナ「そうは、させるかぁぁぁっ!!」


私の行動を読み取ったのか、お姉ちゃんは私が剣を手にしない様に石弾を私に向けて撃ち続ける!!


対して私は手に剣が無い状態ながら非常に不味い状況でいた。武器の無い状態で攻撃を受ける訳には不味いと思った私は『加速』の技術スキルを使って一時的に機動力を上昇させてから『回避動作』と『反応速度』の技術スキルを頼りに襲い掛かる石弾を眼にも見えぬ速さで回避をして行く!!


エレイナ{行ける!この調子で魔法を撃ち続ければ、私はセリスティアに絶対に勝てる!!このペースを意地し続ければ必ず!!}


とでも考えてるでしょうねお姉ちゃんは、確かにお姉ちゃんの言う通りにこの戦況の流れをどうにか変えないとお姉ちゃんには勝てない。だったら…。


エレイナ{回避行動を止めた!?けどそんなの関係無いっ!当たれぇぇぇ!!!}


1発の石弾が私に向かって撃ち放たれる、しかし私は回避を行わずに右手に魔力を集中させて石弾目掛けて攻撃魔法を発動させる!


セリスティア「『火球(ファイヤー・ボール)』!!」


私は攻撃魔法である『火球(ファイヤー・ボール)』を自分に迫り来る石弾目掛けて放つ!


結果、私の火球とお姉ちゃんの石弾は相殺し、直撃した石はそのまま川の中へとポチャンと沈み落ちる。


エレイナ「何!?」


エリシア「これは……互いの攻撃魔法をぶつけて、同士討ち?いえ、これは同時消滅をしたのですか!?」


カレン「………レイラ、どうやらこの訓練の勝敗は決まった様だな。」


レイラ「ええ、お嬢様の勝利です。」


カレンとレイラの2人は先程の両者の攻撃魔法の相殺を見た途端、セリスティアの勝利を既に確信した。そしてセリスティアはニヤリとエレイナに向けて笑いながら、ある方法わエレイナに仕掛けた。


セリスティア「……ねぇ、お姉ちゃん。折角だからさ、お互いの魔法攻撃を使っての撃ち合いごっこでもしない?」


エレイナ「な、何ですって?」


セリスティア「何時もお姉ちゃんから戦いごっこを誘って来るでしょ?だから、偶には私から遊びに誘うのも問題無いわよね?ルール内容は何方の魔法攻撃が尽きた方が負け。簡単でしょ?まさかと思うけれど私からの遊びを受けてはくれないよね?」


エレイナ「セリスティアの、妹の癖に中々と調子に乗った事を言ってるじゃないの。良いわよ。お前の誘いを乗ってあげる、途中で降参とか無しだからね!!」


私の挑発にわざと乗ったのか、お姉ちゃんは楽しげな表情かおをしながら私に向けて石弾を連射する!それと同時に私も火球を撃ち続けて石弾を次々と相殺させる!!


セリスティア「火球!火球!火球ゥ!!」


エレイナ「石弾!石弾!石弾ォォ!!」


川場全体を巻き込む程の両者による攻撃魔法の撃ち合いの最中、カレンは急ぎレイラとエリシアの2人を自身の背中に隠れ潜ませてから、何時でも防御態勢が出来る様に剣を抜く。


セリス&エレイナ『おおおおおおおっ!!!』


お互いは疲れを知らずに未だに魔法攻撃を撃ち続けるセリスティアとエレイナ、その様子を見届けていたカレンはレイラに先程のセリスティアの勝利する事を聞き出した。


カレン「レイラ、先程のお話の続きなのだが、どうしてセリスが勝てると思ったんだ?」


レイラ「……此処から先は少し厳しめにお答え致しますが。まず先にお嬢様はカレン様によって毎日厳しい指導を受けている為なのか身体能力、戦闘能力そして魔法力は大幅に上がっています。対してエレイナ様は…。」


カレン「毎日、私の仕事の付き添いがてらに森の魔物退治で戦闘経験を積む毎に強くなっている。そのお陰か、あらゆる『槍術』系の技術や『魔装アームド』と言った武装強化魔法の会得によって、だが……。」


両者の魔法攻撃の撃ち合いの最中、徐々にお姉ちゃんが私に押し出され始めて行く!この好機を逃さない!!


カレン「あ、あれは!!」


私は左手をお姉ちゃんに向けると共に魔力を集め火球を生み出す!悪いけどお姉ちゃん、この撃ち合いごっこの勝敗は私の勝ちよ!!


セリスティア「『火球(ファイヤー・ボール)双手弾ダブルハンドショットォ!!」


右手と左手による2発同時による火球の連弾撃ち、幾らお姉ちゃんが1発1発、私の魔法攻撃を相殺させても同時での魔法攻撃には追い付かない。


エレイナ「あああああっ!!?」


撃ち放った複数の火球がお姉ちゃんに当たらない様に周囲の川場に着弾させ、火球が川の水に触れたのか蒸気を生み出す。


エレイナ「負ける?私がまた?いや、嫌よ!私はまだ負けていないんだかぁ!!『魔装アームド』!!」


自分がまだ負けたくない気持ちが強いのか、お姉ちゃんは再び『魔装アームド』の魔法で川場の石を浮上させると共に右腕に纏う右篭手と化する、筈だった…。


右篭手になる筈だった石の山は崩れそのまま川にボトボトと落ちて行く!魔導書で読んだ事がある、これは確か魔法発動失敗の…。


エレイナ{そんなっ……私の『魔装』が崩れて……!?}


その時だった!エレイナの身に突然と異変が起き、川に両膝を崩すと共に今にでも倒れそうな程の過呼吸状態となる。


エレイナ「けほっ!?かはっ!?」


一体自分の身に何が起き、何故、自分が倒れそうになったのか、お姉ちゃんは理解していなかった。


エリシア「い、一体何が起きたのですか?」


カレン「…これは恐らくだが、エレイナは魔力酸欠まりょくさんけつの状態となっている。即ち、魔力切れだ。どうやらレイラの予想通りの戦況となった様だな。」


レイラ「ええ、どうやらこの勝負に幕が下りる頃合いでしょう。」


レイラの言う通り、そろそろこの実地訓練に決着が付く頃合いとなるも、未だにエレイナは立ち上がろうとしていた。


レイラ{しかし、エリシア様がまさかお嬢様と互角に渡り合える程に強くなられるとは、本当にお見事と言った方が宜しいでしょう、と、言いたい処ですが…。}


エレイナ「けほ……げほっげほっ!ハァ……ハァ……ハァ……。」


魔力酸欠状態で倒れそうだったエレイナはゆっくりと立ち上がりながら私を見つめる、ああ、お姉ちゃんの槍は私の剣と共に遠くにあって、魔力は空で左篭手はもう無い。


お姉ちゃんはどうやって戦う積もりなの?


エレイナ「うあああああっ!!!」


お姉ちゃんは叫びながら、両拳を握って私の元へと全力で駆け出す!ああ、そう言う事ね…。


覚悟を決めた私もお姉ちゃんに向かって駆け出す、無論、両拳を握り締めて。


エレイナ「セリスティアァァァァァ!!!」


セリスティア「エレイナァァァァァ!!!」


両者の拳が互いの頬に直撃する音が川場全体に響くと共に、私とお姉ちゃんとの実地訓練は終わりを迎えたのだった。

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『推しの乙女ゲームの悪役令嬢に転生するも攻略キャラが全員ヒロインなのが間違っている!?』小説家になろう及びカクヨムにて兼任連載中! 感想も宜しくお願いします!m(_ _)m
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