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神花の契り  作者: 廃人仙女
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穎水の秘密

 まあ、穎水は永雨天君の実の子とはいえ、彼が天帝になる資格など、当然ですがありません。実際、神花痕を持っていたのは先帝だけでしたし。ですが穎水が先帝の子である以上、この秋桜閣で二人とも学問を修める必要があるわけですね。ですから、二人はよく一緒にこの秋桜閣に来られて、わたくしの講義を受けておられました。当時の印象を振り返ると、お二人とも格別に優秀でしたね。ですが、その中でもやはり先帝はただ賢いだけじゃなくて、人柄も優れておられました。講義の際の緊張したような空気を一瞬で和ませられるのは先帝だけでしたし。かたや穎水は、ただ賢いだけだったんです。先帝のように穏やかな人柄なんて、一切持ち合わせておらず、笑っている時でも、目の奥は殺気に満ちている。きっと、母親が妖族のだから、誰からもまともに教わってこなかったんでしょうね。そう考えれば仕方がないかもしれませんが、天宮ではそれが大きな災いを招きかねない。事実、天君だってあの者に俗境へ送られたわけですから。

 まあ、話を元に戻しましょうか。先帝と穎水の間には、人柄の面で大きな差があったわけですが、先帝がまだご存命の時は、穎水も手を出す事はなかったのです。まあ、なんといっても実の兄ですから多少なりとも思うところはあったんでしょう。先帝が即位して、穎水は一部の軍の実権を握りました。しかし、その軍は天界の中で大した力を持ってるわけではなく、ある意味烏合の衆であると言えるでしょうが。ただ、先帝は穎水の力を牽制するために、形式的に軍権を与えたのです。それが何とか功を奏したのか、穎水は先帝に特段手を出すこともなく、ただ純粋に先帝を支えておられました。紅心花が枯れるまでは。

 天君もご存知だと思いますが、天帝の正式な后となれるのは、紅心花だけです。しかも、それが枯れたことなんてそれまで一度もありませんでした。ですが、先帝が迎える予定だった紅心花は育つところか、どこかの過程で枯れてしまった。それが穎水の耳に入ってから、彼は先帝への干渉を強めるようになりました。例えば天君の母親である天后を自ら選んだり、烏合の衆でしかない軍に実力のある者を勝手に加えて勝手に拡張し、天宮の護衛と言う名目で兵を送り込み、実質先帝を監視する、といったようなことです。それでも、先帝はそういった禍根を立つための方策として天后を殺害したり、穎水の娘の手がかりをひけらかして、あの者の権力がそれ以上拡大するのを防ごうとしていましたがね。

 ん? あの者の娘の手がかりが存在するのか、って? しないですよ。だって、そもそもあの者の娘は失踪すらしていないのですから。ところで、天君はご存知ですか? 穎水には一つだけ、特殊でかつ我々天界が必要とする力があるのです。え、知らない? それなら、先に教えますがね。穎水は神花や紅心花を生み出すことができるのです。それも、強力な変異を加えて。

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