表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/13

第一章 第二話 『悪役令嬢と妹好きな兄者の復興途上』(幕間3/3)

今回はパンドラ・ボックスとカヴァッロ・ゾーネの戦闘です!それでは、いい読書を!

『正義と共に永い平和の時が与えられるだろう。イタリアに!ヨーロッパに!全世界に!』

〘"祖国の発展を望む、私欲のない独裁者"ベニート・ムッソリーニ〙


ニテリオロパ-ラヴォア大陸間横断鉄道 二等客車(8号車) 列車内


秋津洲の戦車隊とホファンブルクの騎士団の混成部隊は黒シャツ隊に打撃を与えたが、甚大な被害を出して撤退した。とは言っても間違いなく彼らは役目を果たしたと言える。彼らの攻撃によって列車はよりいっそう街に近づくことができたからだ。後、十数分さえ稼げば無事に辿り着く事が出来る。もちろん、敵も黙って見てるわけじゃない。間違いなく総攻撃をかけてくるだろう。


「右手より敵トラック!」


乗務員の1人がそう叫ぶ。窓の外を見ると1台のトラックが速度を落とし、この車両と並走するようにするすると近づいてくる。幌のところどころが引き裂かれており、銃眼のようになっている。そこから、近くの乗務員が撃ち返そうとしているが、裾を引っ張って隠れさせる。


「弾をできる限り温存してねー。私が殺っとくから」

「は…はい」


私は乗務員の返事を聞きながら窓から身を乗り出してFG-42を幌に向けて撃ち込む。もう10メートルくらいの距離を並走している。くぐもった悲鳴が聞こえてくる。銃声と同時にしゃがむ。どうやらトラックの後部から身を乗り出して撃ってきているようだ。銃だけ窓から出しておおよその辺りに撃ち返してみる。またも悲鳴が聞こえる。ビンゴ!どうやら当たったようだ。


「もう1台来たぞ!」


残留してくれた武器を持った民間人が叫ぶ。狙い通りではある。ここに残った私たち5人は決死の囮部隊。もちろん、彼らには伝えてはいない。だが、きっと彼らも覚悟はあるのだろう。ライフルを持つ手から汗が滴り落ちている。身を乗り出して再度、攻撃しようとしたところ乗務員に引き止められる。


「反対からも敵が!」


見れば反対からも軍用トラックが接近してきている。咄嗟に1連射叩き込んだが効果があったようには思えない。


「中に入ってくるよ!7号車の方も警戒しつつバリケードとか遮蔽物に身を隠しながら撃ち返してね!」

「は、はい」


8号車内にカルカノを持った敵兵が侵入してくる。入ってきた瞬間に1連射を叩き込む。弾込めをしている間も、敵は入ってくるが周りの味方が銃を撃ち込み倒していく。7号車内にも窓を割って突入してくるが6号車の味方と挟撃してよく倒せている。生き残っていた敵兵にAK47の7.62mm×39mm弾を叩き込むと7号車の方は静かになった。FG-42を1回、無限収納にしまう。そして、AK47を8号車の敵兵に向かって弾をばらまく。


「突撃するから援護して!」

「は、はい!」


バリケードを乗り越え、未だに8号車と9号車に残存する敵の方へ走る。AK47を隠れている敵兵に撃ち込む。更に、スライディングして9号車に飛び込む。AK47を右側の敵に叩き込み、後ろにいた敵兵を振り向かず無限収納から取りだしたFG-42で始末する。


「余裕余裕~」


バリケードの方から悲鳴が上がる。


「上から狙われてる!!」


おそらく大口径の何かで天井をぶち抜いたんだろう。AK47を無限収納でしまうと、窓から身を乗り出して、一気に天井に上がる。アサルトライフルを持った敵兵が3人と天井からショットガンを撃ち込んでいる黒いドレスの女性が居た。


今のうちにFG-42を乱射する。敵兵2人を列車から強制的に下車させれたが、黒いドレスの敵兵は列車の上で鮮やかに倒立前転を決めて黒いショットガンを私に向ける。撃たれる前に撃とうとしたが、もう1人のアサルトライフルを持った兵士が援護射撃をしてきたので飛びのかざるをえなかった。そして、腹部に激痛がはしった。見ればお腹の右側から血が滲みでてきていた。


「Volete arrendervi, per favore?(降伏していただけませんか?)」

「……なんて言ってるんだか」


無限収納からAK47を取り出して黒ドレスの敵兵に撃ち込む。突如として出てきたAK47に対応出来なかったのか黒ドレスのお腹の辺りが真っ赤に染まっていく。


「っぁあ!」

「これでおあいこだね」


FG-42に無限収納から銃剣を取り出して着剣すると近づいて来きていたアサルトライフル兵士の懐に潜り込んで突き刺し、列車から蹴り落とす。振り返ると、黒ドレスの女性兵士は未だに苦しみつつもショットガンを構えようとしている。AK47をセミオートに切り替えてショットガンを吹き飛ばす。


「どする?降伏する?」

「…くっ」


AK47をリロードしながら近づくと、黒ドレスの女性は素早く近づき足払いをかけてくる。私はそれに対応できずに仰向けに転んでしまった。


「やっべ」


不安定な列車の天井で必死に落ちないように掴めそうなものを掴む…が、目の前に大胆に露わになった足が迫ってきていた。ハイヒールのかかとが頭に衝撃を与え、クラクラする。かかと落としを食らったみたいだ。


「Volete arrendervi, per favore?(降伏していただけませんか?)」

「はは…断る」


彼女は私のAK47を構えてそして、放つ。そして私は目を瞑った。


「Etichetta magica di difesa personale!? Perché ha fatto effetto all'improvviso!!Non è possibile... abilità diversa!(個人防御魔法札!?どうしてさっきまで効果が発動しなかったの!?まさか…異能力!)」

「ご明察~」


私は唖然としていた黒ドレスの彼女の下から抜け出して体勢を立て直すと無限収納からナイフを取り出す。


「じゃ、最後まで戦お?」


ーーーーー

ニテリオロパ-ラヴォア大陸間横断鉄道 二等客車(7号車) 列車内


8号車の方から味方が退却してきた。どうやら、天井にショットガン使いがいたらしい。撤退の援護をするために、前に出るとどうやら敵の数は思ったより少なそうだ。S&W M500で敵の頭を撃ち砕いていく。


「……」


私が前に出たのを見て味方も身を乗り出して7号車にいる敵の掃討を開始する。敵は逃げ腰で練度の低い味方でも次々と射殺できている。敵兵が遮蔽物に隠れてしまい動かなくなったので味方は7号車の中に入っていく。


バァン…という音と共に先頭の味方が倒れる。頭に銃弾を叩き込まれたようだ。目線を銃声がした方へ向ける。都市迷彩の軍服を着崩したその女性は両腕をダラりと下げ、そして、両手に拳銃を持っている。カツカツとハイヒールの音が響く。まるで、敵も味方もその姿に見惚れているのか、彼女以外に物音を誰も立てていない。私は歩いてくるそいつにM500を向ける。


心地よい重低音と共に皆が我に返り銃撃戦が再開される。


その二丁拳銃使いは私の.500S&W マグナム弾を首を横に振り、避ける。私と彼女は互いに駆け出して銃弾が飛び交う7号車の中で互いに銃弾を浴びせながら近づく。そして、すれ違うと振り返って撃ち込む。彼女も同じようにこちらに向かって撃ち込んでいた。互いに遮蔽物の影で体勢を立て直す。


「あらぁ。貴女が国際連合特殊部隊の方?」

「この会話に意味を見いだせない」

「残念。せっかく言葉が通じるのに。私たちの命令は貴女方の身柄を確保すること。生死は問われてないの。降伏してくださらない?命は大事でしょう?貴女にせよ、無辜の市民にせよ」

「私は任務を遂行するだけ」


彼女の拳銃はイタリアの名拳銃 ベレッタ92と同じくイタリアのロマン拳銃 MATEBA Modello 6 Unica。オートマチックリボルバーというイカれた機構を採用したその拳銃は精密性を犠牲にしている。ましてや、二丁拳銃だ。遮蔽物から頭を出したら早撃ちになる…


ふっと立ち上がり互いが互いを認識する。私の放った弾丸はベレッタの弾を弾き、彼女の右肩を貫く。そして、当たらないと踏んだMATEBAの弾は私の右肩を貫いた。


「なかなかやるじゃない」

「当たり前でしょ」


銃弾が飛び交う戦場で私と彼女は銃弾を交わしあう。


ーーーーー

ニテリオロパ-ラヴォア大陸間横断鉄道 機関室(1号車) 列車内


んー…結構狙撃を受けているけど…こっちには当たらないよねぇ。機関室に引きこもっているし…


「ヴェロニカさん!グレネード!!」

「え!?」


藩かちょーの叫びと共に転がってきたそれを外に放り投げる。どうやら石炭室に敵が入り込んできたらしい。排除しなきゃ!


機関室を飛び出すとトレンチコートを羽織っている目隠しのお姉さんが立っていた。とりあえず、デグちゃんで銃剣突撃をする。


「うらぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


彼女はサッと飛び退くと片手をあげた。銃弾がうちの眼前を飛んでいく。狙撃兵と連携してるんだ!結構やばそう。とりま、ノールックでシモちゃんを狙撃手に向かって撃ち放つ。多分、避けられたと思う。


「Megan è rimasta sorpresa」


イタリア語でなんか言ってるけどよく分からない。メーガンって誰?


敵はボルトアクションライフルに付けられた銃剣で接近戦を挑んでくる。こっちも対物ライフルに無理やり取り付けた銃剣で応戦する。


敵が突き、うちがそれを払う。うちが突き、敵がそれを払う。いい感じ!時折、近距離での射撃を挟みながら銃剣での戦いを続ける。敵が1度、飛び退く。銃剣突撃のチャンス!距離をとったのが運の尽きだね!


「うらぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


敵はうちのデグちゃんに飛び乗ると私の首目掛けてついてくる。咄嗟にデグちゃんを振り回すと狙いが外れたのかわたしの肩へと銃剣は吸い込まれていった。


「ったーい!」


デグちゃんから飛び降りた敵はまたサッと手をあげる。狙撃の合図だ!そういえば、目隠ししてるのにどうやって見てるんだろう?うちはシモちゃんを構えると敵の狙撃手の方へ撃ち込む。すると彼女もノールックでボルトアクションライフルを何故か私が撃った方向へ撃つ。カーンという甲高い音がした。


「ま、まさかうちの弾丸を撃ち落としたの!?」


彼女は誇らしげにふんすと胸を張っていた。な、なんか子供っぽい…うちより精神年齢幼いんじゃない?


ーーーーー

ニテリオロパ-ラヴォア大陸間横断鉄道 一等客車(5号車) 列車内


敵の銃撃が止むことはなく、だいぶ撃ち竦められている。アサルトライフルの射撃音が絶え間なく響いている。特にほぼスケスケのドレスをきている敵兵は的確にこちらの味方さんを次々と撃ち抜いていく。


「まずいですね……」


意を決して遮蔽物から飛び出して窓から外に飛び出す。後ろから銃弾が追いかけてきたが何とか外に出る。窓枠を掴みつつ外から中に向けてウィンチェスターM1901を撃ち込んでいく。5発撃ち尽くすと弾を込める。そして、天井に上がると上から乱射しつつ、もう一度、弾を込めて手短な窓から車内に飛び込む。


「Che diavolo è questo tizio!?」


近くにいた敵兵にヘッドショットを決めて、ようやく、あのスケスケドレスの敵兵の元へと辿り着いた。


「こんにちは」


彼女は私を見るやいなや、秋津洲語で喋りかけてくる。驚きのあまり、銃を撃つ手を止めてしまった。


「どうして秋津洲語を?」

「お姉さんはねぇ、エルフだから時間が有り余っているのよ。特に仕事柄、海外勤務が多いの」

「そこでこうやって虐殺を行ってきたと?」

「あら、手厳しいわね。命令を破るつもりはないもの」

「命令ですか。そう言ったところで虐殺行為が正当化されるとでも思っているのですか?」

「超大国のほとんどは中央領界以外での虐殺行為を禁止する条約に調印していないの。つまり、国際法上は適法よ」

「そんなものは詭弁でしかありません!!」


話を聞いて損した。銃口を向けて近距離で撃つ。だが、いとも容易く避けられる。ひょいと後ろにさがるとアサルトライフルを私に撃ち込む。こちらも飛び下がって体勢を整える。


「まだ話の途中だったのに…お姉さんの話つまらなかった?」

「………」


遮蔽物の裏でショットガンを構える。私はどのようにすればいいのか分からない。銃の撃ち方は分かる。敵に対してかける言葉が分からなかった。


ーーーーー

第7特務混成装甲大隊(大隊 コホルス) 歩兵戦闘車 VCCー80 ダルド車内


「制圧の報告はまだか?」

「……まだですね」

「そうか。撤収の合図だ。これ以上、部隊を危険に晒すわけにはいかない」

「しかし…本部がなんというか」

「全責任は俺が負う」

「もし、ペレグリネッティ老兵(少佐)が軍法会議にかけられるようでしたら私は上官に歯向かいますが」

「やめておけ。こんなおっさんの為に人生を無駄にするな」

「とりあえず、撤収の合図を出します」


カトリーヌが部隊に命令を出している間、俺はハッチを開けて外に出て撤退用の信号弾を放つ。すると、隣の豆戦車から兵士が顔を出して呼びかけてきた。


「老兵(少佐)!フランシーアの重戦車連隊がこちらに向かっているようです!」

「分かった。撤退するぞ。兵士たちの回収を急げ!」

「はっ!」


身柄を確保することはできずに、作戦には失敗した。しかし、まだこの戦争は終わってはいない。ひとまず本隊と合流するべきだろう。遠くに土煙が見える。空を飛空船と飛行機が飛んでいく。青い空に幾筋もの線が引かれて分断されてしまった。


「無粋だな」

読んでくださり、ありがとうございます!感想、募集してます!今回は国連特殊部隊『パンドラ・ボックス』と黒シャツ隊 特殊部隊『カヴァッロ・ゾーネ』の面々がそれぞれ一対一で戦いましたが、不完全な感じで終わります。近いうちに再戦するので乞うご期待!次回はセンターの運営に関わるヴィツォーク伯爵の闇が暴かれていきます!今回のおまけは個人防御魔法札についてです。


個人防御魔法札


個人防御魔法札は各国で生産されている魔法の障壁を貼る事が出来る装備です。死に至るような攻撃を防ぐ事ができますが1度、耐久限界に達すると破壊されます。高位の魔術師によって時間をかけて製作されるもので量産できるのは一部の超大国に限ります。各国ごとに性能には差異があり、魔法体系も異なる為、他国のそれを無効化するのは非常に困難です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ