はつゆめのなす
『冬の童話祭2024』参加作品です。
テーマが『ゆめのなか』となれば、初夢ネタで書かなければ(使命感)。
どうぞお楽しみください。
いちがつついたちの よるにみるゆめ。
それが はつゆめ。
おとうさんが おしえてくれた。
「はつゆめには みるとえんぎがいいものがあるんだ」
「えんぎのいいものってなに?」
「ラッキーアイテムだね。それをみれると いちねんラッキーにすごせるってことさ」
「なにをみればいいの?」
「いちふじ にたか さんなすび といってな。ふじさんと とりのタカと なすをみるといいそうだ」
「なすきらい」
「そうだったな。ふじさんか タカがみれるといいな」
「タカがいい! カッコいいから!」
「そうかそうか」
タカのゆめがみれますように。
そうおもって ふとんにはいった。
「……なすだ」
ぼくのまえには おっきななすがいた。
あんまりおっきいから すぐにゆめだとわかった。
なんで……。
タカのほうがよかったのに……。
「!」
なんかくろくて おおきいのがでてきた!
つのがはえてて ヤリみたいなのをもってる!
バイキンだ!
こっちにくる!
やだやだこわい!
こないでー!
「あ……!」
なすが ぼくとバイキンのあいだに たちふさがった!
バイキンがなすにかみついた!
あ! いやなかおして どっかいっちゃった!
「ありがとう! なす!」
そこでぼくは めがさめた。
よくわからなかったけど なすがぼくをまもってくれた。
なんだかまえより なすがきらいじゃなくなったきがする。
これからはちゃんとたべよう。
「うえっ」
やっぱりまずい。
ぼくはあのときの バイキンみたいなかおをして なすをむりやりのみこんだ。
読了ありがとうございます。
皆様、初夢は何をご覧になりましたか?
私はよく覚えていないのですが、「ふー、やれやれだ」的な感想を持っていたような気がします。
教えてフロイト先生!
お楽しみいただけましたら幸いです。